機会損失とは、どの業種や組織にも起こりえることです。
また、機会損失は一時的なものでなく、次回以降の購入や契約にも影響を及ぼしてしまうケースも少なくありません。
そんな機会損失を防ぐためには、どのような方法を取ったらいいのでしょうか。
今回は、機会損失の事例などと合わせて対策を確認し、営業組織における機会損失についても考えてみましょう。
▶︎▶︎【お時間がない方へ】オンラインでも機会損失を無くして売れる営業組織の作り方とは?
機会損失の意味とは?
「機会損失」とは、その言葉通りに「本来得られるはずの機会を失ったこと」を言います。
もう少し分かりやすく言うと、本当は利益を得られるはずだったのに、その利益の機会をなくしてしまった状態。
つまり、儲け損なってしまったことを言うのです。
例えば、繁盛しているラーメン店でスープが売り切れになってしまって店じまいをしてしまっているお店を見たことはありませんか?
このようなラーメン店は、本来であれば夕方からのゴールデンタイムに多くの売上が期待できたのに、スープの売り切れという理由から止む無く閉店せざるを得なくなり、本来得られるはずの利益を失ってしまっています。
とは言え、在庫を余分に保有しているとロスの問題があったり、スープの売り切れということで人気店であるということをアピールできたりします。
しかし、顧客の立場で考えてみると、せっかく食べたくて来店したのに閉店していると気持ちいいものではありませんし、何度も売り切れが続いているともう二度と来店しないということにもなりかねません。
機会損失は、一度だけでなく将来的な機会(=利益)の損失にも結び付く可能性を考慮しておきましょう。
機会損失の問題点
前項で挙げた例では、機会損失の原因は「在庫切れ」になります。
他にも、仕入れ不足や機材の故障なども機会損失の原因となりえるでしょう。
これらの機会損失は、将来的な機会を失うだけでなく、もっと大きな問題となってしまう可能性もあります。
それが、損害賠償などの訴訟問題。
例えば、A社がB社に製品の生産を依頼したにも関わらず、B社の社内事情によって生産が滞ってしまって納期までに製品が仕入れられず、A社が機会損失を被ってしまったというケースでは、A社がB社に対して損害賠償請求をする可能性も少なくありません。
「A社が本来得られたはずの利益」を立証することは難しいですが、訴訟問題となる可能性も含んでいることを注意しましょう。
▶︎▶︎Excel管理から脱却して機会損失の避ける為の営業支援ツールはこちら
機会損失の具体例と対策
最初に挙げた例の「ラーメン店のスープ売り切れ」の他に、どのような機会損失のケースがあるのでしょうか。
具体例とともに、その対策もご紹介します。
ケース1:小売店の在庫切れによる機会損失
スーパーやコンビニなどでの在庫切れも機会損失となります。
特に、売れ筋商品の在庫切れは顧客にとって不便さを感じるポイントでもあり、その後の利用を控える事態にもなりかねません。
在庫切れを防ぐためには、自社の売れ筋・死に筋商品を把握して適切に在庫管理をする必要があります。
在庫管理を効率的に行うABC分析についてはこちらの記事を参照してくださいね。
関連記事:ABC分析とは?|在庫管理を行いやすく仕事を効率化する方法
ケース2:店舗オペレーションによる機会損失
飲食店などに多いのが、店舗のオペレーションによって機会損失を招いてしまうケースです。
例えば、商品の提供スピードが遅くて行列をうまくさばけずにお客さんが帰ってしまったり、クレジットカードを利用できなくてキャッシュレスのお客さんを逃してしまったりする場合です。
店舗のオペレーションの見直しや、新しい機器の導入などを検討しましょう。
関連記事:シフト管理ツール13選|クラウド化・一元管理することのメリットを紹介
生産体制による機会損失
生産体制に無理がある場合も、機会損失をしてしまうことがあります。
例えば、期日までにA社に100納品する予定だったのにB社からの受注を優先させてしまい、A社の生産計画がずれ込んで納期に50しか間に合わなかったということも。
また、期日ギリギリの生産計画を立てていたら、製造機器の不具合で2日間生産できずに納期に間に合わなかったということもあります。
ゆとりのある生産計画を立てたり、こまめに機器のメンテナンスを行ったりすることで機会損失を防げるでしょう。
営業活動における機会損失
機会損失は、営業組織にとっても関係ない話ではありません。
営業体制が整っていなかったり、営業プロセスに課題があったりする場合に、失注などの機会損失を招いてしまいます。
具体例としては、
・すぐに契約を締結すべきだった案件なのに、社内の事情で契約書の提出が遅くなり、顧客の気が変わって締結できなかった。
・WEBサイトからの問い合わせが100件あったが、社内のリソース不足で50件しか対応できなかった
・初回商談のあとに電話やメールでのアプローチを怠ってしまい、リードの興味がなくなってしまった
というケースなどが考えられます。
関連記事:受注残とは?受注残を管理する必要性と受注管理システム14選
SFAを活用することで、どの営業プロセスに案件が滞留しているのか直感的にわかり、アプローチ漏れに対してもアラートで気づくことが可能です。
例えば、クラウド営業支援ツールのMazrica Salesの案件ボードという機能(上の画像)では
- 停滞している案件はないか(Mazrica Salesでは動けていない案件は青→黄色→赤と色が変わっていきます)
- 担当案件に偏りはないか
- 契約金額や予定日は正確か
- ネクストアクションがきちんと設定されているか、内容や時期は適切か
など把握することができます。
営業の機会損失は、具体的に算出することも可能です。例えば
- 機会損失率=対応できなかった問い合わせ数/全ての問い合わせ数
- 機会損失額=対応出来なかった問い合わせ数×契約までのコンバージョンレート×平均単価
数値で算出することで売上額や受注率との比較分析ができ、具体的な改善策の分析もしやすくなるでしょう。
SFA/CRMを活用することで上記のような売上予測や受注率を分析することができるので機会損失を算出するのにも有効です。
忘れてはいけない社内での機会損失
営業組織単体で機会損失を招いているケースばかりではありません。
実は、社内の体制不足でも機会損失に繋がっていることがあるのです。
最も多い事例が、セールス部門とマーケティング部門の連携ミス。infographic from Wheelhouse Advisorsによると、営業とマーケティングが連携できていない場合は79%のリードが商談に繋がっておらず、100兆円ものマーケティング予算が無駄になっているのだとか。
ところが、営業とマーケティングがうまく連携できている組織の場合、マーケティング収益は208%もアップし、36%も顧客リテンションがアップしているのです。これは、消費者の購買行動の変化によって、従来の飛び込み営業や急なテレアポなどが通用しなくなっていることに要因があります。
現在の営業現場では、マーケティングチームによる顧客への情報提供やアプローチなどでリードを充分に育成してから営業チームに引き継ぐことによって、顧客の購入意思も前向きになっており、クロージングまでのプロセスが一気に進むようになっています。
つまり、マーケティングと営業がシームレスに連携できていることで、機会損失を未然に防ぐことができるのです。
▶︎▶︎マーケティングと営業の連携のメリットについてはこちらの資料を参考に
案件の機会損失
適切な案件管理ができていないことでも機会損失を招くことがあります。
案件がブラックボックス化してしまっている組織では、営業担当者ひとりひとりの行動などが把握できず、顧客への連絡漏れや納品ミスなどのトラブルに対応できずに機会を損失してしまう場合が少なくありません。
また、リードタイムが長すぎたり、受注までの訪問回数が多すぎたりしても、適切な案件管理ができていないとその事態を把握できずに、営業のコストが大きく無駄になってしまいますよね。
更に、過去の顧客への対応履歴や顧客からの問い合わせ履歴を蓄積しておかなかったことで、営業担当者の異動や退職によって案件を引き継ぐ際にうまくいかずに失注してしまうこともあります。
営業活動の機会損失を無くすために
営業活動の機会損失は、営業組織に適したツールを活用することによって効率的に防ぐことができるのです。
SFA(営業支援システム)は適切な営業管理に繋がり、機会損失を招きにくい営業組織を構築することができます。
具体的な活用例をSFAツール「Mazrica Sales」を用いて説明します。
・案件ボードでのカラーラベル設定
案件をカード形式にして、直感的にどの案件がどのフェーズまで進んでいるのかを把握できる案件ボード。
その案件ボードでは、直近のアクション実行日から現在日までの経過日数をカラーラベルで色分けすることが可能です。
例えば、直近アクションから1週間以内の案件は青色、1週間~1ヵ月経過している案件は黄色、1ヵ月以上経ってしまっている案件は赤色というように色分けすることにより、機会損失を防ぐことが可能です。
▶︎▶︎営業の機会損失を無くしたい方におすすめのSFAの資料はこちら
・Marketo(マルケト)との連携
先ほどマーケティングと営業の連携が重要だと述べましたが、部門間の連携をスムーズにするためにはマーケティングチームが活用するMAツールとSFAのツール間連携も重要になります。
Mazrica SalesはMAツール「Marketo」とデータを同期することができます。連携できる内容は、リードや取引先の情報、リードのアクティビティ情報、営業活動の履歴など。
報連相の時間を減らすことができ、間違いのない情報をスムーズに伝達することができます。
▶︎▶︎SFAとMAの連携詳細についてはこちらの資料を参考に
終わりに
機会損失は、全ての業種・業態や組織に起こりえることですが、適切な管理方法で防ぐこともできるものです。
簡単に言えば「儲け損なった」という状態のため、機会損失をしてしまったらもったいないですよね。
適切なツールの活用や管理体制の見直しによって機会損失を回避し、生産性の高い組織を目指してくださいね。