みなさんの会社でも予算をつくっていると思いますが、完成させただけで満足していませんか?

予算は上手く管理・活用してこそ、本領を発揮できるもの。

今回は、予算管理の方法と活用するのに欠かせないPDCAサイクル、そして、予算管理をするのに便利なツールをご紹介いたします。

予算管理とは?

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予算管理とは「予算を達成するために、期初の計画(予算)と期末の実績(活動の結果)を比較・分析し、改善などの適切な対応をしていくこと」です。

日々、営業活動をしていると、どうしても目の前の業務や数字だけを追ってしまいがちです。

しかし、会社を経営していく上では、1ヶ月後や1年後、3年後などの将来のことも予測を立てておかなければ、事業計画を立てたり、事業に必要な資金を確保することができません。

そこで必要になるのが、予算管理です。

長期の目標や利益の予測を立てておくことで、達成できそうにない場合には改善をしたり、すぐに軌道修正をすることができます。

尚、当初立てた予算計画に対して実績を把握するための「予実管理」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:営業の予実管理とは?5ステップと成功のポイント・ツールを解説

予算管理をする目的・メリット

次に、簡単に予算管理をする目的・メリットをまとめておきます。

  1. 目標の設定

    経営戦略上の目標利益を達成するための、売上最低目標や諸経費の上限を決めます。

  2. 目標達成のための計画策定

    予算をつくる過程で「どうやったら目標を達成できるのか?」、「目標達成に必要な資金は十分か?」を考えることで、目標達成までの道筋が数値化されて明確になり、計画に落とし込みやすくなります。

  3. 戦略の伝達

    予算作成、予算管理を通して、経営戦略をメンバーに伝えることができます。

  4. 責任の所在の明確化

    事業部長は事業全体の責任を負う、営業マネージャーはプロジェクト単位までなど、責任の範囲を決めておきます。

    こうすることで、後述するPDCAサイクルを回す際に役立ちます。

  5. 目標と実績の分析

    作成した予算を定期的に比較・分析をすることで、

    • 実績の進捗に遅れがないかどうか
    • 目標を達成できそうかどうか

    の判断が可能です。

予算の種類

次に、企業における予算の種類を解説します。企業の予算には、大きく分けて以下の種類があります。

売上予算

売上予算は企業の売上目標を示す数値です。

前年の売上実績を基に算出する場合や、商品単価と目標販売数を掛け合わせて算出する場合があります。

原価予算

原価予算は、製品やサービスを生み出すために必要な原価を見積もる予算です。

材料費などを含みます。売上予算や原材料価格などに影響されるため、市場動向に応じて定期的に見直しと調整が必要です。

経費予算

経費予算は企業活動の維持に必要な経費を見積もる予算です。オフィスの賃料、光熱費、広告宣伝費などが含まれます。

利益予算

利益予算は企業の利益目標を示す数値です。

売上予算から原価予算と経費予算を差し引いて算出します。売上、原価、経費それぞれの予算目標を達成することで、利益予算も達成されます。

ただし、いずれかの予算が目標未達でも、他の予算で利益目標を補うことが可能です。

例えば、売上予算の目標を達成できなくても、原価予算や経費予算でカバーすることで、利益予算を達成することができます。

予算管理と経営管理の違い

経営管理とは、ヒトやモノ、情報といった予算に限定されない経営上のリソース全体を管理することです。

そのため、予算管理よりも幅広い視野での管理が求められます。予算管理は経営管理の一部に位置づけられます。

関連記事:経営管理とは?その目的とKPI管理・データ管理の改善方法

予算管理の流れ

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予算管理は、Plan(編成)・Do(執行)・Check&Act(フィードバック)というPDCAサイクルに沿って進めていきます。

それぞれのサイクルで何をすればいいのか、具体的に見ていきましょう。

関連記事:PDCAサイクルとは?PDCAサイクルを効率的に回す3つのコツを紹介

予算の編成(Plan)

  • 経営目標をどのように達成していくのか
  • ヒト、モノ、カネの経営資源をどのように分配するのか

という計画を立てます。

予算の作成や編成をする際には、以下の3つの点に注意してつくってみてください。

①簡単に修正できるようにしておく

各部門で予算をつくってから経営者の承認を得るまでには、繰り返し修正を行うことも珍しくありません。

Excelなどで予算をつくっているのであれば、金額を変更しただけですべてが更新されるように、計算式を組んでおきましょう。

②月次レベルでも予算をつくっておく

年度予算だけでなく月次予算を作成しておくことで、管理やチェックの精度を高めたり、改善のための行動を素早く取ることができます。

③現実的な予算と目標(理想)予算を設定する

予算作成の際に現場に意見を聞くと、売上予測に関しては低めに、経費については多めに出す傾向にあります。

しかしこれでは、会社の成長には繋がりません。

そこで、現場の情報や意見を取り入れた現実的な予算と、経営判断として少し厳し目の目標(理想)予算の2つを設定しておくといいでしょう。

予算編成を元に実行する(Do)

編成した予算通りに、事業や業務を進めていく段階です。

実際は、計画通りに進まないことの方が多いことは事実です。

しかし、計画通りに実現すること以上に、誰がどのような業務を行うのかを把握しておくことが重要です。

それぞれの役割と実際に行った行動がわかっていれば、改善の手段が見つけやすくなります。

分析と改善を行う(Check&Act)

事業や活動が予算どおりに進んでいるかをチェック(Check)し、進捗が遅れている場合には改善するための行動(Act)を取ります。

具体的には、目標数値と実績数値を比較・分析し、浮き彫りになった課題を解消するためのアクションプランを立てます。

ここで「予算管理をする目的・メリット」の項目で紹介した④責任の所在の明確化ができていると、課題に対してより効果的なアクションプランを立てることができるようになります。

なおチェックの頻度は1ヶ月ごと、四半期ごとなど、あらかじめ決めておくことが必要です。

頻度が高すぎたり、不定期でのチェックにしてしまうと、予算管理に振り回されてしまうことになりかねません。

予算管理で注意すべきポイント

予算管理の手順について解説しましたが、予算管理時にはどのような点に注意すべきでしょうか。

ここでは、以下の2つの注意点について解説します。 予算管理そのものが目的ではない 適度にストレッチした予算を設定する

予算管理そのものが目的ではない

注意点の1つ目は、予算管理自体が目的ではなく、手段の一つであるという点です。 完璧に予算通りに管理すること自体が目的ではありません。

期末に予算と実績が一致するだけでは何の意味もありません。予算管理の本質は、予算と実績の差異を分析し、その原因に対して対策を講じることです。

適度にストレッチした予算を設定する

注意点の2つ目は、適度にストレッチした予算を設定することです。 予算が低すぎると簡単に達成できてしまい、社内に緩みが生じる可能性があります。

一方で、高すぎる予算はモチベーションを低下させ、早期に諦めてしまうリスクがあります。

予算は低すぎても高すぎてもネガティブな影響を及ぼす可能性があるため、「背伸びすればなんとか達成できる」レベルのストレッチ予算を設定することが重要です。

一部の企業(特に零細企業など)では予算管理を行っていないところもありますが、予算という目標があることで、その目標達成に向けた行動が取れるようになります。

予算管理に役立つツール

次に、予算管理に役立つツールを解説します。

予算管理ツール(特徴・費用)

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予算作成や予算管理をExcelで行っている会社は多いと思いますが、人数が増えてきたり、同時に閲覧や編集を行うのであれば、ツールを使うのが便利です。

単に使い勝手がいいというだけでなく、分析なども簡単に行うことができるため、管理の効率化にも繋がります。

まずは、予算管理ツールを2つご紹介します。

Oracle Planning and Budgeting Cloud Service

Oracle Planning and Budgeting Cloud Service

会計や予算管理に必要となるデータ入力からレポート・分析までをトータルに実現し、予実管理まで兼ね備えたアプリケーションです。

モバイルやタブレット表示にも対応しており、低コストで手軽に導入することができます。

サービス名:Oracle Planning and Budgeting Cloud Service
月額費用:1ユーザー14,400円〜
製品紹介ページ:http://www.oracle.com/jp/applications/performance-management/pbcs/overview/index.html

BizForecast

BizForecast

使い慣れたExcelのレイアウトや関数をそのまま利用できる、ユーザーフレンドリーなインターフェイスが特徴です。

また、従来のツールでは難しかった、報告・承認、進捗状況の把握やエラーチェックを視覚的に確認することができます。

サービス名:BizForecast
月額費用:非公開
製品紹介ページ:https://www.primal-inc.com/product/bizforcast/

売上予測ツール(特徴・費用)

売上をつくってくるのは、多くの場合、営業です。

そこで、SFA(営業支援ツール)を紹介します。

SFAについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事

Mazrica Sales|誰でも使える、誰でも成果を出せるSFA/CRM

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日々の行動を時系列で表示することで、チームメンバーの活動状況を簡単に把握できます。

また、過去の類似案件やメールから、成約につながる勝ちパターンをMazrica Sales が提案。

効果的なネクストアクションを、スピーディーに実行することができます。

Mazrica Salesの売上予測レポート

入力された契約予定日と金額に基づいて、月次や年次の見込み金額をグラフ化することができます。

ここでは以下のようなポイントを重点的にチェックすると見込みの精度が上がるでしょう。

  • 受注見込みはいくらか、目標に対して足りているのか
  • 今月の見込みの案件はどれか、その中で上長がフォローすべき大口案件はあるか

▶︎▶︎Mazrica Salesのサービス紹介資料はこちら

サービス名:Mazrica Sales
月額費用:月額27,500円から
※5人のユーザーを含む
※追加ユーザーあたり月額5,500円

製品紹介ページ:https://product-senses.mazrica.com/

eセールスマネージャー

eセールスマネージャー

生産性向上と労働時間削減を目的に開発されたツールです。

外出先から1〜2分で活動報告をするだけで情報がリアルタイムに共有されるため、会議資料の作成が不要。

また、自動アラート機能で、フォロー漏れをなくすことができます。

サービス名:eセールスマネージャー
月額費用:1ユーザー6,000円〜
製品紹介ページ:https://www.e-sales.jp/

なお、SFAを用いた売上予測の方法については以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:売上予測にSFAを活用する方法とメリットを解説!

おわりに

予算管理の効果を最大限に発揮するには、最適なタイミングでアクションプランや改善策を立案し、実行することが必要です。

また、数字をグラフ化して予算達成度がわかるようにしておくことで、誰もが「このままだと予算達成が危ない」といった意識を共有し、次の行動を考えることができます。

そのためには、予算と実績をリアルタイムに近い形でチェックできるような、情報インフラが欠かせません。

ぜひこの機会に、予算管理や売上予測ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

Mazrica Salesサービス紹介資料

Mazrica Salesは「現場の定着」にもっともフォーカスした営業支援ツール(SFA/CRM)です。Mazrica Salesの特徴や機能の詳細についてまとめた概要資料と、実際の画面を確認できるデモ動画をお送りいたします。

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