企業の財産である顧客情報。
どんどん溜まっていく顧客情報は、きちんと蓄積して管理していくことで価値のあるものになります。
現在どのような方法で顧客情報を管理していますか?Excelで管理しているという企業も多いはず。
ですが、Excelでの管理に限界を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
顧客情報管理の目的を改めて確認し、自社にはどのような方法が合っているのかを考えてみましょう。
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この記事の内容
顧客情報管理をすることの目的と5つのメリット
どんな業種の企業にとっても、顧客の情報というものは非常に価値のあるもの。
日々の取引の中で蓄積されていく膨大な量の顧客情報には、営業戦略や経営戦略を考える上で必要な情報が詰まっています。
顧客情報を管理するということは、そのような「企業の財産」とも言い換えられる顧客情報を蓄積し、整理し、一元管理することを目的としています。
最近では、いつ・誰が・何を購入したのかという基本的な購買情報だけでなく、顧客との“関係性”を管理することまでが顧客情報管理であると言われています。
顧客情報管理をすることで、具体的に下記の5つのメリットがあります。
※「顧客管理」に関する詳細はこちらの記事内で詳しく解説しています。
関連記事:顧客管理とは?エクセルやシステムでの管理方法を分かりやすく解説
●離れた顧客をもう一度戻す
以前取引があったのに一度離れてしまった顧客を、そのままにしていませんか?
一度離れてしまった顧客は、自社に対して不満がある・自社の商材が不要になった・他社の商材に乗り換えてしまったなど、様々な原因があるかと思います。
しかし、その顧客の購買履歴や同じ属性の顧客を分析することで、顧客のニーズを把握することができ、そのニーズに合わせた新しい提案をすることもできます。
例えば、いつも購入していた商品があるのであればその商品のクーポンを送ったり、クレーム履歴が残っているのであればその不満を解消できるような新しい商材のご紹介をしたり、といったアプローチをすることができるのです。
このような提案ができることで、再び顧客になってくれる可能性も高くなりますよね。
●既存顧客へのフォロー
インターネットを使うと、多くの情報を得ることができる世の中になっています。
自社の商材についての情報や評価だけでなく、競合他社の商材の口コミなども、顧客は簡単に手に入れることができるのです。
そのため、他社への乗り換えなどの不安を常々感じている企業も多いのではないでしょうか。
既存顧客へ対しても、顧客情報管理をすることでより細やかに対応をすることができます。
既存顧客は見込み客よりも購入のハードルが低いので、商品に魅力を感じてもらえると購入してもらえる確率も高くなります。
新商品をお得に購入できるキャンペーン情報を配信したり、継続して購入してくれる顧客に定期購入のご提案をしたりするなど、個々に寄り添った提案ができるのです。
既存顧客との関係性を構築し、より長く取引を続けてもらうことが、顧客情報管理をすることで可能になります。
●自社商材の改善
購買履歴を管理することができるということは、成功事例も蓄積できるということ。
見込み客を新規顧客にしたい場合など、その見込み客と同じような属性の既存顧客の成功事例などを参考にし、どのような手法でマーケティングや営業活動を行えば良いのかが分かります。
また、お問合せ履歴やクレーム履歴などを蓄積することで、自社の商品やサービスの改善点も見えてきます。
顧客の生の声を蓄積・管理することで、顧客のニーズを反映した商材を作り出すことができるのです。
それが顧客満足度にも繋がり、売上にも繋がる仕組みになります。
●無駄な広告をなくす
キャンペーンやお知らせをメルマガやダイレクトメールなどで配信している企業は多いかと思います。
しかし、その情報が配信している全員にとって必要な情報でしょうか?
その顧客にとって不要な情報ばかりを提供していては、顧客からマイナスイメージを抱かれることにも繋がってしまいます。
それに対して、顧客情報管理をすることで、必要な情報を必要な人にだけ提供することができるようになります。
ターゲットを絞ることによって、顧客からのマイナスイメージを防ぐことができるだけでなく、見込み客を失うことがなくなったり、無駄にかかっていた広告費用や人件費も抑えることができるようになるのです。
●経営の側面に役立てる
顧客情報管理は経営戦略にも活かすことができます。
顧客の購買履歴を分析することで今後の売上予測を立てることができるので、それを基にした仕入れ予測や人員配置を考えられます。
経験則ではなく、根拠のあるデータを基にして経営戦略を立てることができるのも、顧客情報管理をしているからでこそ。
季節や時期に合わせたラインナップ、顧客のニーズに合わせた商品展開など、顧客が満足する企業体制を整えることが売り上げのアップにもつながるのです。
Excel以外に何がある?顧客情報管理ツール3選
Excelでの顧客情報管理のほかに、CRM(顧客関係管理)とSFA(営業支援システム)でも顧客情報を管理することができます。三つの特徴を挙げてみましょう。
Excel
Excelでの顧客管理は、自社でどのような情報について管理したいかという要望を吸い上げることで、必要な情報のみを管理することができるので無駄がありません。
Excelはほとんどの人が使ったことがあるので、特別なマニュアルなどがなくても運用を開始することができます。
また、「バックアップを保存してから編集をする」というルールを徹底するだけなので、導入に関するハードルも低いでしょう。
関連記事:Excelで顧客管理を行う方法|リスト作成方法や注意点を解説
CRM(Customer Relationship Management)
顧客管理システムのCRMは、顧客に紐づく情報はほぼ全て管理することが可能。
主に、下記の情報を管理することができます。
- 基本情報(名前、年齢、性別、エリアなど)
- サイコグラフィックス(性格、好み、ライフスタイルなど)
- 行動履歴(購買履歴、利用履歴、商談履歴、展示会の来場履歴など)
- 問い合わせ履歴(お問い合わせ履歴、クレーム履歴など)
個々の顧客との関係性に着目し、その関係性を構築・維持することでリピーターを増やし売上拡大に繋げることができます。
管理方法は二層管理となっており、担当者情報(一層目)に行動履歴・対応履歴(二層目)を紐づける構造です。
関連記事:CRMとは?意味や機能・おすすめの顧客管理ツールをわかりやすく解説
SFA(Sales Force Automation)
営業活動の支援する目的のツールであるSFAですが、顧客情報を管理することにも使うことができます。
顧客の基本情報や行動履歴はもちろんのこと、商談履歴・取引履歴などの過去の実績や、現在進行中の案件の進捗など、顧客に紐づくさまざまな営業活動を蓄積します。
そこから、営業活動を可視化・共有することで、ひいては業務効率化・ノウハウ共有・売上拡大にもつながるのです。
管理方法は三層管理で、企業情報(一層目)の次に担当者情報(二層目)があり、担当者に紐づく案件情報(三層目)が蓄積される形となっています。
関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いや選び方から成功事例まで解説
Excelでの顧客情報管理が最適な場合
Excelは「コストを抑えて顧客情報管理をしたい」という企業には最も適している方法です。
システム導入の際の初期費用や月額のランニングコストが発生しません。
顧客情報管理用のテンプレートもネット上にはたくさんあるので、それを自社用に少し改良することですぐにでも顧客情報管理を始められることもポイントです。
また、ほとんどの人が使ったことのあるツールなので利用メンバーへの教育コストも少なく抑えることができ、人件費も必要最低限で済ませられます。
ただし、共有ブック機能があるとは言え、同時に複数人が編集を行うことが難しいので効率的ではありません。
また、USBで社外に持ち出したりすることでセキュリティー面の心配もありますし、ちょっとした操作ミスでファイルが壊れてしまって全てのデータが消えてしまうという危険性もあります。
関連記事:なぜ脱エクセルが必要なのか?Excel以外のツール活用のメリットを解説!
CRMでの顧客情報管理が最適な場合
顧客情報を活用して、見込み客の引き上げや既存顧客へのクロスセルを促すことが得意なCRMは、主にマーケティング部門での活用がおすすめ。
見込み客の引き上げや既存顧客へのフォローを目的としたメール配信や、ニーズに合わせた商品のプロモーションやキャンペーンの告知を行うことができます。
また、フォームやアンケートの作成機能もあり、製品満足度の調査や展示会参加予約などにも使えます。
クラウドサービスやソフトウェアで提供されているので、複数人で同時に編集・更新の作業をすることが可能です。
誰が・いつ・どのような更新をしたかという履歴も残すこともできます。利用メンバーが多い場合は、ExcelよりもCRMのほうが適していると言えるでしょう。
SFAでの顧客情報管理が最適な場合
営業支援システムであるSFAは、営業現場で使われることが多いため、営業活動に適した仕様になっています。そのため、営業部門での活用が適しているでしょう。
顧客情報だけでなく、案件の進捗など現在進行形の情報もメンバー全体で共有できるので、チームでフォローしあったり上長が適切な指示を出したりしやすくなり、営業の機会損失を防止することができます。
また、過去の実績や営業担当者のノウハウも共有できるため、「このような顧客に対してどんな営業活動をすればいいのだろう?」と思った時に、同じ属性をもつ顧客情報からその顧客への営業実績やノウハウを分析することで、自身の営業活動に活かすことができ成約率もアップします。
クラウド型のSFAはマルチデバイス対応の製品が多いため、移動中でパソコンを開けない環境でもスマホやタブレットで使用することができるという点でも、外出の多い営業部門には最適なツールです。
終わりに
ひとことで「顧客情報管理」と言っても、その管理方法はさまざま。
顧客情報管理に関する自社の課題は何なのか、そしてその課題を解決するためにはどのツールが適切なのかを社内で確認し直し、自社に一番最適な方法を見つけましょう!
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