営業中に「ブランディングの強化をしたい」「ブランディング力の向上を目指す」といったように、キーワードとして上がることも多いのが「ブランディング」という言葉です。しかし、実際に「ブランディングとは何なのか」その本質を理解できている人は少ないとも言われています。
そこで今回は、自信をもって「ブランディング」の提案をするために知っておきたい「ブランディング」の本質とクライアントに提案する際に大切にしたいことについてご紹介します。
そもそも「ブランディング」とは何か?
「ブランディング」とは、“ベースとなる価値”のことです。「企業としてのベース=ブランドとしての価値」を上げることで、消費者に商品を選んでもらうことにつなげられるため、ブランディングが重視されるようになってきています。
ブランディング・マーケティングの違いとは?
「ブランディング」とよく混同されるのが「マーケティング」です。どちらも商品を手に取ってもらい消費者に選んでもらうための営業戦略ですが、それぞれがもつ目的が異なっています。
- ブランディング:ベースの価値を高める
- マーケティング:(市場を開拓し)広く認知される
ブランディングは、「◯◯でコーヒーを飲みたい」などのように、消費者から選ばれるようになることです。同じコーヒーを出すお店が隣にあっても、「◯◯でコーヒーを飲む」ことに価値を感じ、選んでもらえるようになることを目的としています。
対して、「コーヒーを飲みたい」人へ「このコーヒーが✕✕だから美味しいですよ」と広くアピールし、「✕✕なコーヒー」として認知され選択されていくようにすることを目的としているのがマーケティングです。
シンプルに言うと、消費者が「これを選びたい」と思ってくれるようにするのがブランディング、企業側から「これがいいですよ」と発信していくのがマーケティング、という違いがあるのです。
「クライアントのブランド価値」を見つけるための視点
ブランディングに関して提案していく際には、まず「クライアントのブランド価値」を見定め、価値を高めていくための方法を考えなければなりません。「クライアントのブランド価値」は、見える価値と見えない価値の2つの視点から、しっかり見極めていきましょう。
“見える価値”と“見えない価値”
“見える価値”とは、商品そのものがもつ価値などのことです。売りとなるポイントや機能、デザイン、ロゴなど目に見えるものが見える価値に該当します。見える価値については、営業へ行く前に商品をリサーチしておき、不明点はクライアントへヒアリングしてまとめていきましょう。
一方、“見えない価値”とは、コンテンツなどで発信する「情報」やCRMなどで作る「関係性」といった、商品価値を目には見えない形で底上げしているものを指します。事前にクライアントがどんな活動をしてきているかをSNSなどでチェックしたうえで、取り組み内容や方針については直接クライアントに聞きながら、見えない価値を作り上げているものを把握していきましょう。
また、リサーチ会社などに依頼して、消費者のなかに根づいている現時点でのクライアントのブランド価値をチェックするのもおすすめです。第三者であるリサーチ会社で収集した情報視点が入ることで、よりリアルなブランド価値を見定めることができます。
クライアント視点のブランディングをきちんと知ることが大事
ブランディングについて提案するときには、「クライアントのブランド価値」を見つけたうえで、「クライアント視点のブランディング」をきちんと知っておくことが大切です。ブランディング力を高めて価値を上げていくためには、“見えない価値”にも焦点を当てた戦略を立てる必要があるためです。
“見える価値”である、商品の機能やデザインなど売りになるポイントを明確にし、さらに“見えない価値”で底上げしていく戦略が、ブランディングの本質を見極めた提案となります。ブランディングの本質を正しく理解し、ブレないブランド価値を高めていく提案ができるようにしていきましょう。
おわりに
「ブランディングを強化していきたい」とクライアントの要望があったときには「ブランディングとは何か」という本質をしっかり理解し、ブランド価値を高めるための提案をしていかなければなりません。
営業戦略のひとつとしてブランディングを提案するときには、“見える価値”と“見えない価値”の両方を意識して戦略を立てていくようにしましょう。