祭り化する6つの条件 その6:分かち合う仲間がいること

皆さん、こんにちは!マツリカの佐藤です。

今年も宜しくお願いします。フェスティバルライフを謳歌していますか?

さて今回は久しぶりに「祭り化するための条件」についてお伝えしていきます。祭り化するための条件は全部で6つあるのですが、これまでに5つをご紹介してきました。
今回が最後の条件になります。その6「分かち合う仲間がいること」という内容です。

祭り化=夢中?

祭り化条件その6はとてもシンプルな内容だとは思うのですが、とても大切な条件だと思っています。私は初めてお会いするお客様には出来る限り弊社のミッション(世界を祭り化する)について話をするようにしています。

お客様から「夢中になるって素敵ですよね!」や「毎日熱中して過ごせるとしたらって素晴らしいですよね!」などのお言葉を頂くこともあり、その時にはとても嬉しくなります。

しかし、「祭り化」という概念と「夢中、熱中、没頭」とは正確には別物だとしています。似た要素は含んでいますが、同じではありません。その大きな違いの一つがこの条件その⑥だと考えています。

何かに夢中になることや没頭すること、これ自体はひとりでも十分に可能です。

ただ「祭り化」はひとりでは為し得ないと考えています。このコラム開始当初に、「祭り化」という概念自体が現在進行形で発展中であるとお伝えしましたが、そういう意味では少なくとも現段階ではそのように考えています。共感・共鳴することで増幅する高揚感や充実感。この要素が「祭り化」には必要なのです。

そもそも人間は繋がりたい

ある一説によると、人間は共同作業に従事するために、他者の考え方や感情にうまく対応できるように脳を進化させてきたそうです。そういう意味では、人間には生まれつき他者と繋がろうとする傾向があるということだと思います。

また人間は生まれながらにして協力的思考を持つという「向社会性」の話も今では定説になりつつあるのではないでしょうか。加えて、血縁関係に限らず、人との関わりが深くなるほど、その関係が私達の脳や幸福感により大きな影響を与えるというようなことも言われています。

このような話を持ち出すまでもなく、一人でやれることには限界があり、チームとして臨むからこそ成し遂げられることや得られる達成感があることは、皆さんにも感覚的に受け入れてもらえるのではないかと思います。私は「早く行きたいなら一人で行け、遠くへ行きたいならみんなで行け」という言葉が好きなのですが、この言葉もそのことを端的に表していると思います。

営業現場では何を分かち合うべきか

では、ここで営業現場にフォーカスして考えてみましょう。
業界や企業によって形式は違うとは思いますが、何らかのチーム(部や課など)を作っている場合、それは分かち合う仲間がいるということなのでしょうか?必ずしもそうとは言えないとするならば、営業現場においては「何を分かち合う(=共有する)」必要があるのでしょうか?

次のような営業組織が比較的多いのではないでしょうか。

  1. チーム単位で目標数字を掲げ、その数字が個々人の目標に落とし込まれる。
  2. その目標達成に向けて、時に同行やペア営業も行いながらも、基本的には自分自身が責任をもって独力で営業を行う。
  3. チームミーティングでは商談進捗状況や数字の積み上げ状況などを共有し、目標達成が危うい場合は、数字が足りていないメンバーに対するアドバイスやチームとして新たな施策を立案する。そして再び営業活動に邁進する…。

これも数字目標や進捗状況を分かち合っている(共有している)と言えるかもしれません。結果として目標達成に至れば、チームメンバー全員で喜びも分かち合えるでしょう。これらも営業活動において大事なことだと思います。

ただ、営業の祭り化を目指すなら、これだけでは不十分なことは容易に想像できます。

定量目標や結果、進捗状況などは当然共有しなければいけません。ただ、これらはしっかりと見える化すれば、意外に共有しやすいものです。私は共感や共鳴を生み出すには、簡単には共有できないものを共有することが必要だと考えています。言い換えるならば、一歩踏み込んだコミュニケーションが必要だということです。

簡単には分かち合えないモノ・コトを分かち合おうとする過程で関係が深まり、結果として共感や共鳴できる(=感情も分かち合える)仲間になるということだと思っています。「そういう状態の仲間がいること」また「自分がそういう状態の仲間であること」が“分かち合える仲間がいる”ということだと思います。

だとするならば、営業において「結果の共有」だけでは不十分で、それまでのプロセスや結果の裏にある背景を共有してこそ、分かち合う仲間と言えるのかもしれません。

素晴らしい結果を打ち出したメンバーに対して、それだけで喜びを分かち合うことは出来るでしょう。ただ、その人が積み重ねてきた努力や挑戦を知れば、その気持ちはより一層高まるはずです。大型案件を失注してしまったメンバーに対して、共に悔しがることは出来るでしょう。ただ、その人が提案した具体的な内容や背景を理解していれば、NextActionに対するアドバイスも併せて行えるかもしれません。

さいごに

上記では営業活動における「プロセスや背景」を具体例として記載しましたが、これまでの祭り化理論を振り返ると、それ以外にも営業を行う上で分かち合うべき要素がたくさんあります。目標の意味や意図、営業自体の楽しさややりがい、各人のコミットメントなど、踏み込んでコミュニケーションを取らないと把握できないものはたくさんあります。

新年をきっかけに、普段はなかなか共有できていないことを分かち合う機会や仕組みを創ってみるのはいかがでしょうか?少し億劫に感じることもあるかもしれませんが、期末の段階にはチームメンバー同士が本当の意味で分かち合う仲間になっているはずですし、チーム力という観点で副次的効果も実感しているのではないかと思います。(副次的効果に関しては、後日お伝えできればと思います。)

本日は以上です。どうもありがとうございました!