個々の社員のスキルやノウハウに左右されてしまっていた仕事の成果。

近年は働き方改革の推進に伴って、ブラックボックスとなっていた属人的な仕事をなくすことで、業務の効率化や組織力の強化に繋げようという動きが強まってきています。

仕事の属人化を解消するという意味合いで、最近よく耳にする「仕事の見える化」ですが、漠然としていて充分に理解していないという人も多いのではないでしょうか。

組織にとっても、各社員にとっても、プラスとなる「仕事の見える化」について、改めて詳しく理解しましょう!

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仕事の見える化とは?

仕事の見える化による営業活動の可視化のメリットとは|Mazrica Sales (旧 Senses)  Lab.|1

そもそも「見える化」とは、「見えないものを見えるようにする」という意味です。これは仕事で言えば、「社員が今まで個人でだけ持っていたために他の人には見えていなかった知識を共有し、見えるようにしよう」ということになるでしょう。

つまり「仕事の見える化」とは、埋もれてしまって見えていなかった業務の進め方やそのコツを見えるようにすることなのです。

一口に仕事といっても、そこにはマクロのものとミクロのものががあります。このとき、見える化しようとしている仕事の主語が誰なのかに気をつける必要があります。

まず、マクロな「見える化」としては、業務のフローを定義することがあげられます。営業であれば、大まかに「マーケ→テレアポ→ヒアリング→提案→受注」という流れになるでしょう。このときの主語は「会社」もしくは「部門」となります。経営層は各部門がどのような施策をどのように実施し、どれほど成果を出しているのかを把握することで、経営上の課題発見や経営方針決定に役立てることができます。目標売上から逆算して、営業部門、マーケ部門のKPI設計を行うこと、継続的にKPIを達成するために営業部門の各フローにおける案件残存数を定めることなどはマクロな「見える化」の例であると言えるでしょう。

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次に、ミクロの「見える化」としては、上で分類したフローでいつだれがどんなことをしているか把握することがあげられます。このときの主語は「個人」となります。同じく営業部門の例を用いると、マネージャーが部門内の各メンバーがどこでどんな業務をしているのかを把握することが「見える化」にあたります。これにより、問題が起きる前に対処して未然に防ぐことができたり、適切なアドバイスをして成果に繋げたりすることができます。

「仕事の見える化」はその先に、業務改善することを目的にしています。具体的には、業務を細分化し、細分化した各プロセスでのベストプラクティスを追求していくことで全体としての成果をあげていこうという試みです。そのためには、個人がどんな行動をとっているか、その結果はどうかということが共有される必要があります。

関連記事:業務改善とは?改善の手順とおすすめツール11選

営業部門であれば、各営業プロセスで属人化している営業スキルやテクニックを営業部門全体で共有できるようにします。

例えば、「テレアポ」であれば、各営業がテレアポで何を聞いているのか、どんな話題を振っているのかということを「見える化」できれば、その会社の「テレアポ」におけるベストプラクティスを考えることができます。

弊社では、テレアポ時のヒアリング内容として「導入検討に至った課題認識」「予算」「競合」「役職」「人柄タイプ」「訪問営業か/web面談か」などを統一事項としています。これは、その後の営業訪問をスムーズに行うために個人が実践していたノウハウを共有した結果です。

「先方の課題認識」というヒアリング項目は、それが分かれば、自社製品のどの強みを売り込めばよいか、そのためにどんな資料を用意すればいいか事前にわかるという理由から生まれ、「人柄」の項目はインサイドセールスからアウトサイドセールスに案件を受け渡す際に、先方の人格がわからないことが不安につながる、またこちらへのリアクションの変化があれば温度感の高まりを察知できるなどの理由から設けられています。

「予算」という項目は、自社の商材の価格帯とミスマッチしていないか見分けることができます。顧客の予算とやりたいことにズレがあれば、商談までにそのギャップを埋めるためのアクションもとれます。

このように「見える化」の最初のゴールとしては、「マニュアルを作成する」ことがあります。メールの文面のテンプレート、成功事例の共有、資料の共有などはそれにあたります。

部門全体で共有することは、新入社員への教育のリソースを減らすことにもつながり、新入社員が「売れる営業」として自走するまでの期間を短縮することも可能になりますね。

更に、仕事を見える化しておくことによって、自身の業務を客観的に見つめることができたり、ミスしがちな業務もマニュアルにすることでミスが減ったりするなど、自分自身にとってもメリットがあります。

つまり、マクロ的見える化もミクロ的見える化も、ただ単に見える化することだけが目的なのではなく、見える化することで業務を効率化したり、生産性を高めたりすることが目的なのです。

例えば、SFA(営業支援ツール)というクラウドツールを導入し営業プロセスの見える化を実現した企業では、案件の対応漏れを防いだり、案件管理にかかる時間を削減することで、次のような成果を上げたようです。

営業支援システムMazrica Sales (旧 Senses) (営業支援ツールMazrica Sales (旧 Senses) を導入した企業の例)

見える化のメリット

「仕事の見える化」によって、会社にとって/部門にとって/社員にとって、具体的にどのようなメリットがあるのか整理してみましょう。

【会社にとってのメリット】

・会社全体での課題が把握できるため、自社の弱みを補うための施策の検討がしやすくなる

・部門ごとの連携がしやすくなる

・社内で企業情報の共有がしやすくなることで、会社のビジョンや経営方針を浸透させられる

・部門ごと/社員ごとの動きや成果を把握できるため、公正な人事評価ができる

 

【部門にとってのメリット】

・個々の業務内容をモニタリングすることで、ミスやクレーム、トラブルなどを未然に防ぐ

・成功事例やベストプラクティスの共有により、組織全体の底上げが可能

・適切なタイミングでマネージャーがアドバイスできる

・新人への教育リソースの削減

・退社や異動などによる業務の引継ぎがスムーズ

 

【社員にとってのメリット】

・無駄が発生している業務を把握でき、業務方法を改善することができる

・他社員が作成した営業資料を活用することで、資料作成の時間を削減できる

・顧客の状況を把握し、顧客満足度を向上できる

・ToDoリストで業務を整理することで、処理漏れやミスがなくなる

仕事の見える化が進まない理由

見える化によってさまざまなメリットがあることをみてきました。それでは、以上のようなメリットがありながら実際に「見える化」が進まないのはなぜなのでしょうか。

「見える化」を進めるということは、「属人化している業務」=「特定の人しかできない業務」を標準化していくことです。

そして、業務標準化とは、「業務における最適なフロー・プロセスを組織全体のマニュアルとして徹底させること」です。

しかし、「どの業務をどうやって標準化したらいいのか分からない…」「せっかく共有したフローが徹底されない…」という場合もあるでしょう。

これは、標準化を推進、徹底することの前提条件となる「業務の途中経過についての情報」が不足していることによります。

業務の途中経過についての情報が不足していると、標準化を推進しようとマニュアルを用意しても、それが実施されているかどうか他人にはわからないという事態につながります。

例えば営業ならば、他人から確認できる数字、つまり見える化されているものは、受注額という最終的な結果だけです。

そのため、営業の各プロセスにおいてマニュアルが実施されているのかを知る事は出来ないのです。そのため、マニュアルを徹底しようにも、その実施状況は個人任せという心もとない結果になってしまいます。

また、業務の途中経過が見えないということは、実施しようとしている「標準化」そのものの効果も測定できないという事態につながります。

個人の具体的な活動内容が見れない以上、その「標準化」がプロセス改善にどれぐらいの効果を上げているのか、「標準化」のどの部分にまだ改善の余地があるのかということは体感でしか計ることが出来ず、数字にもとづいた検証ができません。

日報 エクセル

途中経過を知るためには?

それでは、途中経過を知るためにどんな手があるのでしょうか。

一般的には、社員の一日の動きを知るための日報、案件の進捗を確認するためのExcel管理、顧客情報を管理するためのCRM/SFA導入という3つの施策のいずれかが行われていると思います。

ここで注意してほしいのは、これらの施策すべては、前提条件として「社員の負担となるものである」ということです。

つまり、見える化を推進するためには社員の協力が必要不可欠なのです。その観点が抜けているために日報、Excel管理、CRM/SFA導入による情報管理が失敗に終わるということしばしば見られます。

まず日報は、途中経過を知る手段としてあまり適していません。途中経過を詳細に入力すればするほど二重入力となり時間がとられるということや、数字に基づいたデータ蓄積に向いていないといったことが理由にあげられます(情報管理に日報が向いていない理由はこちらの記事で詳しく説明しています)。

次に、Excel管理ですが、これは入力項目が明確になっているため、日報に比べてデータ蓄積を効率的行えます。

しかし、入力項目に進捗があった場合こまめに更新する必要がある点や、入力のために会社に戻らなければいけない点、蓄積されたデータを分析するまでに、データの紐づけや図表への加工をする必要があるなど、入力負担と管理負担がスムーズな情報管理を妨げる要因となっています。(Excelによるデータ管理についてはこちらの記事をどうぞ)。

CRM/SFAは、そういった課題を解決するために生まれたツールで、感覚的にデータの紐づけを行えるデザインや、普段使っているツールとの連携機能、データ分析のテンプレートなどが特徴です。

しかしながら、入力負担を減らす工夫がなされているとはいえ、一度はCRM/SFAに情報を入力してもらうという工程を経由しなければ、途中経過の情報を収集することはできません。

つまり、見える化達成のためには、見える化のメリットを全員で共有すること、その過程で必要なデータ蓄積には社員の負担にならないものを選ぶということが肝心となってきます。

営業プロセスの見える化については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
関連記事:営業プロセスの見える化—その効果や営業力強化のポイントとは?

営業の見える化

仕事の見える化による営業活動の可視化のメリットとは|Mazrica Sales (旧 Senses)  Lab.|3

世の中にはさまざまな業種・業態の会社が存在していますが、「営業をしない」という会社はほとんど存在しません。

会社は売上がなければ存続しません。そのような、会社の発展を支える営業だからこそ、営業の見える化を進める必要があります。

「営業が見えていない」ということは、すなわち「顧客や課題が見えていない」ということだからです。

つまり、営業の見える化とは、単に営業部門を管理するためだけではなく、会社の事業発展のためには欠かせないものなのです。

▶︎▶︎マーケターこそSFAを見るべき?
~事業の成長を加速させるSFA分析手法~

営業の見える化のメリット

営業の見える化をすることにより、さまざまなメリットが生まれます。

1.顧客が見える

従来は、各営業担当者がそれぞれの顧客の名刺を管理していたため、どの取引先のどの担当者とコンタクトを取っているのかは、各営業担当者しか把握していませんでした。

しかし、営業の見える化をすれば、自社と顧客とのコンタクトが社内で共有できるようになって機会損失が防げたり、顧客の購買決定要因が分析できることで営業方針の判断に活かすことができるようになります。

更には、営業担当者がヒアリングしてきた顧客のニーズや自社商品の改善点を社内で共有することで、商品開発やマーケティングに活かすこともできるのです。

以下は、営業支援ツールのMazrica Sales (旧 Senses) を用いた営業進捗の見える化の例です。

 

2.課題発見と解決

今までは最終的な売上/受注率が全てでしたが、営業の見える化をすることで、営業プロセスを細分化してプロセスごとのKPIを設定し分析できるようになります。

マーケティングと営業部門の連携ができていないのか、営業担当者のスキルが低いのか、リピートに繋がっていないのか、はたまた商品力を改善しなければいけないのか、などの売上が上がらない原因を浮き彫りにし、課題発見に繋がるのです。

各プロセスを数値化して分析することで、経験や憶測で判断するのではなく、データに基づいた具体的な分析が可能になり、解決のための方針も打ち出しやすくなります。

以下は営業支援ツールのMazrica Sales (旧 Senses) を用いた受注率分析の例です。

仕事の見える化による営業活動の可視化のメリットとは|Mazrica Sales (旧 Senses)  Lab.|

3.営業の標準化

これは、営業部門にとっての最大のメリットかもしれません。
業績の高い営業マンの営業をモデルにして営業プロセスを組み立てることにより、成果に繋がる営業活動を標準化させることができます。

また、成功事例やノウハウを共有することで、勝ちパターンを見つけることができるのです。

これにより、属人的だった営業スキルやノウハウが見える化され、誰でも結果を出せる営業活動をすることができるようになります。 更には、その標準化した営業プロセスをマニュアルのように使い、人材育成や新人教育にも役立てることができます。

Mazrica Sales (旧 Senses) を使った営業の見える化

SFAやCRMなど、営業の見える化のためのツールは多数流通しています。

SFAとは?CRM・MAとの違いやおすすめツール比較・成功事例を徹底解説

しかし、せっかく業務効率化や売上向上のためにツールを導入しても、活用されなければ意味がありません。

そこで、「現場での使いやすさ」と「個々のナレッジを組織で共有」に重点を置いたツールを選ぶことがカギになります。

Mazrica Sales (旧 Senses) は、直感的なUI/UXで営業活動を管理しやすく、外部システムとの連携により入力負荷を減らすことで「現場での使いやすさ」を実現しています。

そして、入力した情報やデータをMazrica Sales (旧 Senses) に搭載されたAIが分析して、それぞれの営業担当者にアクションをおすすめしてくれることで、「個々のナレッジを組織で共有」することができます。

例えば、顧客へ送信するメールも、過去の類似案件から効果的なメールの文面と送信タイミングをレコメンド。

あとはそのメールを参考にして本文を作成して送ることで、一からメールを考える手間がなくなる上に、成果に繋がるメールを送ることができるのです。

今までは個々の経験やノウハウに左右されていた営業活動ですが、Mazrica Sales (旧 Senses) にデータを登録しておくだけで、AIが勝ちパターンを見つけ出し、最適な営業活動を支援してくれるというわけです。

属人化してしまっていたナレッジを“共有”するだけでなく、AIがサポートしてくれることによって“活用”に繋がり、最終的には売上のアップに導くのです。

こちらの記事では、実際にMazrica Sales (旧 Senses) を導入した企業がどのように属人化の解消に成功したのかという事例について紹介しています。

関連記事:【Mazrica Sales 活用事例】Mazrica Sales (旧 Senses) がなぜ営業の属人化を改善し、生産性向上に貢献できるのか?

Mazrica Sales (旧 Senses) の機能や他ツールとの違いの詳しい内容は、Mazrica Sales (旧 Senses) 概要資料をご覧ください。

ここまでの説明を通して、SFAやCRMに興味を抱いてくださった方は、44選のSFAの導入コスト・金額・機能を徹底比較した以下の記事もご活用ください。

一覧比較表などで初心者の方にもわかりやすくまとめてあるため、選定時にお役立ちできると思います。

SFA(営業支援システム)ツール比較44選【2023年最新版】

終わりに

仕事の見える化が、会社にとっていかに大事なものかご理解いただけましたか?

業務標準化・最適化は一見難しいようにも感じますが、会社全体の財産にもなるので、実施することをおすすめします!

会社が抱えている現状や課題を整理することにも繋がりますよ。

ツールを活用するなどして、自社にとって最適な業務プロセス・営業プロセスを創出し、企業の発展に繋げましょう。

Mazrica Salesサービス紹介資料

Mazrica Salesは「現場の定着」にもっともフォーカスした営業支援ツール(SFA/CRM)です。Mazrica Salesの特徴や機能の詳細についてまとめた概要資料と、実際の画面を確認できるデモ動画をお送りいたします。

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Mazrica Business Lab. 編集部
Mazrica Business Lab. 編集部
Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。
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