営業成績が自分の評価に繋がる営業職。
そのため、就業時間を超えても頑張って働く人が多い部署であるというイメージも強いです。
つまり、営業職は残業が多くなりがち。
しかし世の中は、近年謳われている働き方改革が示すように、長時間労働を是正してライフワークバランスを高めようという動きが強まっています。
その世間の流れを分かってはいながらも、「営業職は働き方改革とは無縁」と思っている人も多いかもしれません。
本当に、営業職は残業時間を減らすことが難しいのでしょうか?
営業職といえば残業が増えがち
営業職にとって、残業は切っても切り離せない関係だというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
実際の営業担当者に聞いても「定時で帰られる日はほとんどない」という声を耳にします。
では、なぜ営業職は残業が多いのでしょうか?
一番の大きな理由は、営業職の業務内容にあります。
営業職とは、電話営業やメール営業をしたり、顧客を訪問して商談したりする仕事ですが、実はこの業務に付随する事務作業も多く抱えているのです。
例えば、訪問の際に提案するための資料作成。
商談がまとまり商材を受注した際には、見積書や請求書の作成。
日々の日報作成、会議資料の作成、上司への報告メール作成。
案件管理のExcelシートへの入力や、在庫管理システムなどへの入力。
日中は外出していることが多い営業職は、これらの事務作業を訪問後に行う必要があるため、必然的に残業が多くなってしまうのです。
また、日中は顧客対応へ時間を取られているため、会議やミーティングなどの時間を取ることができません。
営業部門でのミーティングや、他部署との打合せなどは、外出先から帰ってきた後に行うことになってしまうので、これでも残業になってしまいますね。
こんな事務作業の効率化に適しているのがSFA。具体的な活用イメージについては以下を参照ください。
更に、訪問の際には取引先の都合に合わせないといけないことも多々あります。
取引先の担当者の都合で18時にアポイントが入ってしまうと、移動時間なども考慮すると2時間以上の残業が確定…なんてことも多いのです。
営業職にとっては、ボーナスや昇進などのために売上や受注数などの実績が大事ではありますが、数字にばかり追われて時間を気にせずに働いてしまうという人が多いのも、日本の営業職ならではの風習かと思います。
また、会社によって高いノルマが設定されていることがあり「このままではノルマを達成できないから残業するしかない」と追い込まれてしまうケースも多いようです。
残業が増えることで生じる営業の負のスパイラル
残業には、当然ながら残業代が発生します。
つまり、会社にとっても“営業職の残業時間が増えること”は“人件費が増える”ということに繋がり、各社で残業を減らす取組みが進められています。
しかし、実は営業職の残業が増えることで、人件費以外にも会社にとっての大きな損失が発生しているのです。
それは、営業の機会損失です。
資料や報告書などの作成、会議や打ち合わせ、各システムへの入力など、同じような業務・作業が多いことでミスや不伝達が起きてしまい、結局のところ上司や各部署とのさまざまな調整が発生して時間を取られてしまいます。
また、例えば、事務時間が少ないにも関わらず、営業資料を一から作ることもあるかと思います。営業部門のメンバーが同じような資料を作成している可能性があるにも関わらず…です。
そんな“無駄”とも言える時間が発生することにより、新規開拓の時間を取ることができなかったり、訪問できる件数が減ってしまったりすることも。
つまり「残業は増えているのに、営業の成績は上がっていない」という、負のスパイラルが生じてしまうのです。
改めて長時間労働の根本的な原因を考えてみると、情報共有がしっかりされていたり、プロセスが最適化されていれば回避できるようなことばかりですね。
「業務の効率化」が必要なことが分かります。
営業職にも必要な働き改革
サイボウズ株式会社が営業職600名を対象にした調査によると、「営業が抱える課題」として「長時間労働の是正」が1位となる結果となりました。
やはり実際の営業担当者にとっても、残業は大きな悩みとなっているようです。
しかし、残業はここまで営業職にとって「見直すべき」とされているにも関わらず、600人中、約480人が働き方改革には後ろ向きな回答だったのです。
43.7%は「取り組んでいるが、成果に不満足」を感じており、35.7%もの人は「取り組んでいない」と答えています。
現在、これほどまでに推進されている働き方改革ですが、実際の営業現場においてはほとんど浸透していないと言っても過言ではありません。
その反面、「営業が改善・効率化するべき業務は?」という問いでは、「チーム内での情報共有」「スケジュール管理」「顧客情報や案件情報の管理・共有」という答えが多数。
つまり、営業担当者自身も、これらの非効率的な業務を改善することで労働時間も改善されるということを分かっているのです。
残業を減らす工夫
「残業を減らすためにしていることは?」という質問をすると「早めに出社して仕事をしている」という回答が返ってくることがあります。
確かに、残業の分の仕事を朝に片づければ定時で帰れるかもしれませんし、朝のほうが頭の回転が速いとも言われています。
また、「休憩時間がもったいない」「お昼を食べると眠くなる」などの理由から、お昼休憩を取らずに仕事をしているという人もいます。
お昼休憩1時間分を仕事に回すことで、確かに業務時間を増やすことはできますね。
しかし、どちらも、実際の仕事の拘束時間で考えた時、根本的な解決にはなっていないのではないかと思います。
残業を減らすためには、上記のような時間の工夫ではなく、業務の見直しやプロセスの改善が最も重要だと私は考えています。
そのためには、個人ベースの努力や工夫も必要ですが、組織ベースで取り組むことで大きく改善できると思います。
個人の時間とスキルは限界がありますが、何人もが協力しあえば、とても効率的に進めることができるのではないでしょうか。
例えば、訪問準備で提案資料を作ろうと思った時でも、以前に同じような資料を作った人がいればその資料を参考にして作成することで、時間を短縮することができます。
見積書や請求書を作成する際にも、事務担当者にお願いすることで、自分は営業活動に充てる時間を確保することができます。
また、会議やミーティングの際にも、事前に議題を共有して意見を考えてくるようにすることで、中身のない会議を避けることもできます。
このように、組織として全員が協力しあうことにより、作業が効率的に進んで、最終的には残業時間も減らすことができるのです。
また、ツールの導入も残業削減には効果的です。
デスクに書類や資料が山盛り、名刺管理のバインダーも何冊もある、なんて状態では仕事が進むはずがありません。
ITツールを導入することで、全ての情報を管理し、必要なデータをすぐに確認することができるようになります。
今ではAI搭載のツールも多く開発されているため、人間の手や頭では時間がかかっていた作業や分析も、AIが即座に導いてくれるようになりました。
ツールの導入は、残業時間をなくすだけでなく、仕事の質も高めてくれるのです。
例えばMazrica SalesのようなSFAも手段の一つです。
残業を減らす具体的な方法
先ほどツールの導入をおすすめしましたが、具体的にどのようなツールがあるのかご紹介します。
移動時間を減らす -オンライン商談ツールの導入-
営業担当者の労働時間の内訳を見てみると、移動時間が非常に大きな割合を占めていることがわかります。
実際に私も営業職として働いていた時は、片道30分かけて取引先のところへ行き、商談してから、また30分かけて事務所に戻るという繰り返しだったため「この1時間があれば、もう一軒、取引先と商談できるのに…」とモヤモヤしていました。
訪問が多ければ多いほど移動時間もかさんでしまいますし、移動時間を考慮するとどれだけ頑張っても1日に3軒ほど訪問するのが限界です。
そんな移動時間が多い営業職にとっての救世主ともなるのが、オンライン商談ツールです。
「WEB会議システム」などとも呼ばれ、近年注目されているインサイドセールスの手法の一つでもあります。
オンライン商談システムを導入することで、社内の自分のデスクにいながら、顧客との商談を行うことができるのです。
移動時間が削減できることにより、これまでは就業時間外に行っていた会議や事務作業も、終業時間内にできるようになります。
また、出張などが必要なほど遠方にいる顧客でも、オンライン商談ツールを活用することで、問い合わせが来てもすぐに商談を始めることができるので、長時間労働・人件費の削減に大きく寄与してくれるはず。
オンライン商談ツールの詳しいご紹介についてはこちら。
タスクの優先順位をつける -タスク管理ツールを導入する-
始業後すぐに一日のタスクをリストアップしているという方も多いはず。
タスクを把握することは、仕事を円滑に進める上でも欠かせないポイントです。
しかし、しっかりとタスクを洗い出したにも関わらず、時間内に仕事が終わらなくて残業することになったという経験を持つ方もいるのではないでしょうか。
それは、タスクの優先順位が付けられていないことが原因なんです。
優先順位を付ける際の基準として一般的に用いられるのが「重要度」と「緊急度」で判断する方法です。
重要度・緊急度ともに高いものは優先順位も非常に高くなるので、どのタスクから取り掛かればいいのかを決めるには、タスクの洗い出しだけではなく優先順位決めも行いましょう。
タスク管理には手軽にできる付箋やノートを使う方が多いかと思いますが、タスク管理ツールを活用したほうが圧倒的に便利だし効率的です!
簡単な操作でタスクを作成でき、「作業中」「完了」などのステータスごとに管理できるのでおすすめですよ。
タスク管理については、こちらの記事で紹介しています。
関連記事:
営業活動全体を効率化する -DSRを導入する-
DealPods(ディールポッズ)|日本初のデジタルセールスルーム
DealPodsとは、デジタルセールスルームという営業と顧客のためのオールインワン商談情報共有ツールです。DealPodsを活用することによって、商談にまつわる情報を1つのページに集約することが可能になります。その結果、購買体験は向上し、営業の失注リスクが低減することで、受注率を向上させることができるセールステックです。
本サービスは、最新・最適な営業資料の社内管理から顧客共有ページ内での提案、提供コンテンツのトラッキング・効果検証までをオールインワンで提供し、営業活動におけるあらゆるコンテンツデータ・人物データ・商談データを取得・蓄積します。
Salesforceの連携機能によって、顧客へのコミュニケーションとCRM/SFAの入力の活動が別々になってしまうという問題を解決することで、さらに営業が営業活動に集中できるようになり、社内にデータを蓄積する体制を構築することができます。
▶︎▶︎DealPodsのサービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら
プロダクトページ:https://product-senses.mazrica.com/lp-enterprise-sales-dealpods-lab-io
DealPodsを活用することで、業務効率化=営業の無駄な業務の時間が削減されます。
- ほしい資料を見つける時間
- 追客をする時間
- 事録を作成する時間
- 社内報告を行う時間
- CRMを記入する時間
営業進捗を見える化して情報を整理する -SFAを導入する-
多くのITツールが開発されている現代では、各企業、さまざまなビジネスツールを取り入れている傾向があります。
しかし、会社側は「便利だと思って導入した」と思っていても、実際の現場からすると「同じような内容をいろいろなツールで入力しているから面倒」という側面も。
また、システム他にPowerPointやExcel、手書きの商談議事録などに情報が分散してしまっていると、情報をまとめるのに時間がかかってしまって適切なPDCAサイクルを回すことができません。
営業部門のメンバー同士での情報共有、上司への報告、他部署との連携、そしてスムーズなPDCAサイクルのためには、バラバラだったデータを一元管理する仕組みが必要。
特に情報共有が必要な営業の案件進捗管理には、SFA(営業支援ツール)がおすすめです。
関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違い・基本機能から成功事例まで徹底解説
SFAを導入することで、メンバー間の情報共有がスムーズにいき、上司もSFAを確認するだけで進捗を把握できるため報告が不要になります。
SFA導入による営業の見える化については、こちらの記事を参考にしてくださいね。
事務作業を自動化する -アウトバウンド支援ツールを導入する-
日々の営業活動では、さまざまな事務作業が発生しています。
誰でもできるような単純な作業に時間を取られて、あなたにしかできない営業活動の時間が確保できなくなってしまうと、もったいないと思いませんか?
長時間労働を防ぐためには、単純な事務作業を自動化することがおすすめです。
「そんなのムリじゃない?」と思うかもしれないですが、アウトバウンド支援ツールを活用すると可能になるんですよ。
例えば、ターゲットリスト収集してくれるテレアポ支援ツールや、ターゲット企業の問い合わせフォームに自動入力をするツールなど、作業を自動化してくれるツールは多数展開されています。
自社の営業方針によってツールを選んでみてくださいね。
アウトバウンド支援ツールについての詳しい記事はこちらです。
終わりに
個人の工夫だけでなく、組織として長時間労働の改善に取り組む必要がある現代。
残業の削減は、人件費が削減できるだけでなく、従業員ひとりひとりがプライベートも充実することで活き活きと仕事もしてくれるようになるはずです。
ツールの導入によって更に効率化を図れるので、自社に合う製品を選んで残業から解放されましょう!