CRMは、営業活動の効率化や売上向上に貢献する重要なツールですが、費用対効果が見合うのか判断が難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、CRMの費用対効果を正しく評価するためのポイントを解説し、導入コストとROI(投資対効果)の測定方法を詳しく説明します。さらに、コストを抑えつつ最大限の効果を発揮するCRMの選び方についても紹介します。CRM導入を検討している営業マネージャー、営業担当者、経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
CRMの費用対効果(ROI)とは?
企業がCRMを導入する際、最も気になるのが「投資に見合う効果を得られるのか」という点です。
CRMは、顧客情報を一元管理し、営業活動やマーケティング施策の最適化を行えるツールですが、導入には一定のコストがかかります。そのため、費用に対する効果を適切に測定し、ROI(投資対効果)を把握することが重要です。
ここでは、CRMの基本的な概念から、費用対効果の考え方について解説します。
CRMとは?
CRMとは、「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」や「顧客関係システム」を意味し、企業が顧客との関係を最適化するための戦略やツールのことを指します。
具体的には、顧客データの管理、営業活動の効率化、マーケティング施策の最適化などを目的として活用されるケースが多いです。
CRMツールを導入することで顧客情報の一元管理が可能となり、マーケティング活動に加えて、営業パーソンが過去の取引履歴やコミュニケーション履歴をもとに、最適なアプローチを行うことが可能となります。さらに、カスタマーサポート部門とも連携することで、既存顧客との関係構築を行い、顧客満足度を向上させることができます。
関連記事:CRMとは?導入メリットや機能、ツールの選び方/活用例を解説
費用対効果(ROI)とは?
費用対効果(ROI)とは、投資に対するリターン(利益)を測定する指標です。企業が何らかの施策やツールを導入する際に、その投資がどれだけの利益を生み出しているのかを評価するために用いられます。
ROIが高いほど、投資によって得られる利益が大きいことを示し、逆にROIが低い場合は、投資に対するリターンが少ない、もしくは損失を出している可能性があります。
CRMにおいても、導入や運用にかかるコストと得られる効果を比較し、ROIを適切に評価することが重要です。
関連記事:ROIとは?|混同しがちな4つの指標との違いを解説
なぜCRMの費用対効果を考慮する必要があるのか?
CRMは企業に多くのメリットをもたらす一方で、導入・運用には初期費用やランニングコスト、オプション費用など一定のコストが発生します。
そのため、費用に対する効果を測定・分析しなければ、「適切に運用できているのか」「導入価値はあったのか」を判断できません。
特に、CRMは短期的な成果だけでなく、長期的な顧客関係の構築や売上にも影響するため、費用対効果を把握することで「導入後の成果が期待通りか」「どの機能を優先的に活用すべきか」といった判断や改善が可能になります。
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CRMの導入コストとランニングコスト相場
CRMを導入する際は、導入費用や運用にかかるランニングコストの相場を把握しておくことが重要です。
一般的にCRMには主にクラウド型、オンプレミス型、自社開発型の3つの費用形態があります。本章では、それぞれの費用相場について詳しく解説します。
関連記事:オンプレミスとクラウドを比較!特徴や移行・併用のポイント
クラウド型CRMの費用相場
クラウド型CRMは、インターネット経由でクラウド上のシステムにログインして使用するCRMです。コスト面では初期費用を抑えやすい一方で、利用するプランやオプションによってランニングコストが変動します。
【初期費用】
CRMを提供する会社のサーバーにデータを保管するため、自社でサーバーを準備したり、システムを保守する必要がなく、初期費用が安価または無料であるケースが多いです。
【月額費用・保守管理費用】
クラウド型CRMはサブスクリプション方式が一般的で、利用するユーザー数や機能によって料金が変わります。利用料の相場として、1ユーザーあたり月額500円〜1万円程度です。
また、外部のサーバーを利用するため、自社での保守管理費用は発生しません。
【オプション費用】
基本機能に加えて、外部ツールとのAPI連携やカスタマイズ、サポート・トレーニングなどのオプションを追加した場合にコストが発生します。ツールベンダーやオプション内容によって費用はさまざまなため、明確な相場はありません。CRMを導入する際は、追加したいオプションも加味した上で、見積もりを取るとよいでしょう。
関連記事:おすすめのクラウド型CRM8選|機能や選び方を解説
オンプレミス型CRMの費用相場
オンプレミス型CRMは、自社サーバーにシステムを構築し、社内のパソコンにソフトウェアをインストールして使用するCRMです。カスタマイズ性が高く、自社のサーバーにデータが保管されるためセキュリティ上安心です。その一方で、導入時のコストが高額になりやすい点が特徴です。
【初期費用】
オンプレミス型CRMの導入には、サーバー構築やソフトウェアの購入、システムのセットアップ、ライセンス発行などのコストが発生します。
(例)
- サーバー設置費用:5万円
- ライセンス費用:2万円~10万円(1ユーザーあたり)
- 導入支援・パッケージ・カスタマイズ費用:数万円〜数百万円
初期費用の総額は、企業の規模や必要な機能に応じて大きく変動します。特に、業務フローに合わせたカスタマイズを行う場合は、追加コストが発生します。
【月額費用・保守管理費用】
オンプレミス型CRMでは、主にサーバーの保守管理費用が発生します。
費用相場は5万円〜30万円/年で、月額ではなく年額一括で支払う場合が多いです。
【オプション費用】
クラウド型CRMと同様に、カスタマイズや追加機能の開発に応じてオプション費用が発生します。
また、オンプレミス型CRMは、自社内にサーバー管理ができるIT人材を必要とするため、単なる設備やツール費用だけでなく、人的コストも高くなることを考慮しておく必要があります。
自社開発型CRMの費用相場
自社開発型CRMは、自社用にゼロから構築し、開発、カスタマイズしたCRMを指します。カスタマイズ性が高い反面、開発コストや運用負担が大きく、定期的なメンテナンスも必要です。
【初期費用】
200万円〜500万円ほど
【月額費用・保守管理費用】
要見積もり
自社開発型CRMは、長期的な投資と開発リソースが必要となるため、事前にコスト計画を十分に検討することが重要です。
CRM導入による費用対効果の測定方法
CRMを導入する際に重要なのが、実際にどれだけの費用対効果を得られるのかを測定することです。
費用対効果の測定には、売上ベースでの評価と業務効率化による評価の2つの方法があります。本章では、それぞれの測定方法について詳しく解説します。
売上ベースでの費用対効果
費用対効果(ROI)は、以下の計算式で求められます。
ROI(%)= (利益 ÷ 投資金額) ×100
売上をベースとしてCRMの費用対効果を測定する場合は、導入前と導入後でどれだけの成果を得られたかを、施策ごとに確認します。
具体例として、CRM導入後の売上に対して、費用対効果を計算する方法を示します。
(例)CRM導入前後の売上効果
- CRM導入前の月間売上:1,000万円
- CRM導入後の月間売上:1,200万円
- CRMの年間コスト(導入費+運用費):200万円
この場合、年間の売上増加額は(1,200万円 – 1,000万円)×12ヶ月=2,400万円で、
費用対効果を計算すると、(2,400万円 – 200万円)÷200万円×100=1,100%となります。
※より厳密に計算する際は、売上から「売上原価」や「販管費」も差し引く必要があります。
このように、売上の増加を通じてCRMの費用対効果を測定することで、投資価値を定量的に評価できます。
業務効率化面での費用対効果
CRMの導入は、営業パーソンやマーケティング担当者の業務効率向上にも貢献します。たとえば、手作業の削減や情報共有のスムーズ化によって、1人あたりの生産性向上が期待できます。
業務効率化による効果を測定する際の指標には、以下のようなものがあります。
- 営業パーソン1人あたりの対応可能案件数の増加
- 顧客対応の時間短縮(問い合わせ対応の効率化)
- レポート作成時間の削減
(例)営業業務の効率化によるコスト削減の計算
- CRM導入前の営業パーソンの1日あたりの顧客、問い合わせ対応時間:3時間
- CRM導入後の業務時間:1時間(2時間短縮)
- 営業パーソンの平均時給:3,000円
- 営業パーソンの人数:10人
- CRMの年間コスト(導入費+運用費):200万円
1日あたりの業務時間削減によるコスト削減額は、
2時間×3,000円×10人=6万円/日
年間の削減額は、
6万円×240営業日=1,440万円
ROIを計算すると、(1,440万円-200万円)÷200万円×100=620% となります。
業務効率化によるコスト削減効果を数値化することで、CRM導入のメリットをより明確に判断できるでしょう。
費用対効果の高いCRMの選び方
CRMを導入する際、投資に見合った効果を得るためには、慎重なツールの選定が重要です。ここでは、費用対効果の高いCRMの選び方を紹介します。
関連記事:CRMの正しい選び方とは?導入前に確認すべき5つのポイント
直感的で使いやすいUI/UX
CRMの導入を成功させ、定着率を高めるためには、直感的で使いやすいUI/UXであることが重要です。
弊社が実施したSFA/CRMの利用実態と活用課題に関する調査では、SFA/CRMの活用促進に求める機能として「直感的な操作性の向上」を求める人の割合が全体の32.7%を占めました。
操作性の低いCRMを選んでしまうと、情報の入力や更新が煩雑になり、現場になかなか浸透しづらい場合があります。
CRMを選定する際は、無料トライアルなどを活用し、事前に入力のしやすさやUI/UXを確認しましょう。
柔軟なカスタマイズ性
柔軟なカスタマイズ性があるかどうかも、CRMを選ぶ際に重要なポイントです。
自社の業務フローに合わせたカスタマイズができるCRMを選ぶことで、スムーズに運用を定着させ、業務効率を最大化できます。
企業ごとに営業プロセスや管理したいデータは異なるため、自社にとって必要な機能を把握した上で、適切なCRMを選定するとよいでしょう。
コストパフォーマンスに優れた価格設定
CRMの費用は、初期費用・月額費用・オプション費用で構成されます。機能とコストのバランスを見極め、必要な機能を過不足なく備えたCRMを選びましょう。
安価なプランを選んだとしても、機能が足りず、追加オプションで費用が膨らむことがあります。一方で機能やサービスが豊富な料金の高いCRMを選んだとしても、使いこなせずに運用に乗らないという場合もあります。
料金体系の内訳をしっかり確認しつつ、自社のニーズや課題解決においてコストパフォーマンスが優れたツールがどれかを見極めましょう。
関連記事:【2025年最新】CRM導入の費用相場とは?タイプ別の費用内訳やおすすめツールを解説
既存のシステムやツールとの連携性
既存のSFAツール、MAツールなどと連携可能なCRMを選ぶことで、さらなる業務効率を期待できます。
既存のシステムやツールと連携することで、データの一元管理が可能になり、部門間の情報共有がスムーズになります。特にAPI連携が可能なCRMであれば、業務プロセスを自動化し、インポートやエクスポートなど手作業の負担を減らすことが可能です。現在使用しているツールがある場合は、互換性を事前に確認しておきましょう。
関連記事:CRMのデータ連携とは?メリットと営業・マーケ連携を円滑にする方法
手厚いサポートと導入支援
CRMをスムーズに導入し、活用を促進するためには、サポート体制も非常に重要なポイントです。
初期設定のサポートやトレーニングプログラムがあるか、専任担当者による支援が受けられるか、困った時にいつでも質問や問い合わせできる環境があるか、などを確認しましょう。
サポートが充実していないCRMを選ぶと、運用中にトラブルが発生した際に解決まで時間がかかってしまったり、非効率な使い方をして逆に業務負担が増えてしまう可能性があります。自社にCRMの運用経験がある人材や、システム関連に精通している人材がいるかどうかで、サポートの手厚さをどの程度求めるか、検討しましょう。
▶︎▶︎CRMツールごとの違いについてより詳しく知りたい方は、併せてこちらの資料をご覧ください。
まとめ|費用対効果の高いCRMならMazrica Sales
CRMは企業の業務効率化において非常に有効的なツールですが、コストもそれなりに発生します。そのため、費用対効果をしっかりと考慮した上で、導入を検討しましょう。
単にコストが安いものを選ぶのではなく、本日紹介した「直感的なUI/UX」、「柔軟なカスタマイズ性」、「コストパフォーマンスの高い価格設定」、「既存システムとの連携性」、「充実したサポート体制」を総合的に判断することが、導入成功の鍵となります。
これらのポイントをすべて満たすCRMとしておすすめなのが「Mazrica Sales」です。
「Mazrica Sales」は、シンプルで使いやすいインターフェースを備え、誰でも使える操作性に強みをもつSFA/CRMツールです。
国内外さまざまなSFAツールがある中で、Mazrica Salesは国産のため日本企業の商習慣にマッチしやすく、簡単な操作でカスタマイズや設定が可能です。
また、導入前から導入後までサポートやトレーニングがしっかり付いているため、初めてSFA/CRMを導入する方でも安心してご利用いただけます。
「他社製品と比較したい」「具体的に費用対効果を算出してみたい」「CRMの詳しい機能を知りたい」という方は、導入検討の相談やサポートも可能ですので、ぜひ「Mazrica Sales」の詳細をチェックしてみてください。
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