以前まで、潜在顧客への営業手法はテレアポから商談に持ち込むことが一般的でした。

しかし、近年ではユーザーがインターネットを介して場所も時間も選ばず情報にアクセスすることができます。
このユーザーがアクセスした情報は企業にとって重要な情報を含んでいます。

そうした潜在顧客になりうるユーザーに対してアプローチするソーシャルセリングという手法を解説します。

営業マネージャーのネットワーキング仕事術

ソーシャルセリングとは

【徹底解説】ソーシャルセリングとは?|海外セールストレンド |Mazrica Sales (旧 Senses) .Lab|1ソーシャルセリングという言葉をご存じでしょうか。日本国内ではまだ一般的では無い用語かもしれません。

個人がWEBを使って見込み客を発見し、関係構築をし、販売につなげる営業手法です。

現代においては相手を知ろうと「検索」を行う事は当たり前の時代です。その際にSNS等のソーシャルメディアで、自身の過去の実績が整理されているとビジネス的な関係が築けるかもしれません。

海外ではSNSを通じたビジネス上の人探しが日常的に行われていますが、日本はFacebook等で何の職業をしているのかプロフィールに書いていないケースも多く、ソーシャルメディアを使った営業、つまりソーシャルセリングの分野では後進国になっています。

ビジネスは人と人のつながりが基本であるという考えに立ち戻り、Facebookを見て「この人から買いたい!」と思われるように
日ごろからSNSの活用を意識し、ソーシャルメディア上でのプレゼンスを高めていく事がソーシャルセリングの初めの一歩です。

▶︎▶︎ソーシャルだけじゃない!営業のネットワーキング術とは?

海外での利用状況

Facebook、Instagramなどソーシャルメディアは伸長を続けています。日本国内でのニュースではユーザーの数が緩やかになったと言われているFacebookですが、それでも全世界では20億人(2017年)を超えるユーザーを獲得しています。

ソーシャルメディアとビジネスの観点で見ていくと、米国の企業の約4割がソーシャルメディアを活用して新規顧客の獲得をしており、5割の企業がTwitterを利用して顧客とコミュニケーションを取っているという報告もあります。

ソーシャルメディアは「無くてはならない」ツールへと変化してきています。企業がソーシャルメディアを利用する流れは大企業だけではなく、米国国内の中小企業でも広まっており、その増加率は加速しています。

ソーシャルセリングを加速させる主なベンダー

ソーシャルメディアは顧客との関係を築くにあたり重要な場であり、日々膨大な情報で溢れています。
企業にとってこの膨大な情報の中から有益な情報を獲得し、営業に活かすことが各社求められています。

「HubSpot」はソーシャルメディアをモニタリングする機能があります。
ソーシャルメディアに有益な情報があるからといって常にTwitterを監視している訳にはいきません。

また、Twitterでとあるキーワードを検索したとしても膨大な量のツイートが検索結果として表示されていまします。

モニタリング機能を使用すれば予め設定しておいた、顧客やインフルエンサーのリストのツイートなどセグメントして表示させることができます。

この機能により、見込客への理解を深めることができ、より確度の高いリードを見つけるのに役立つでしょう。

更に、情報を活用し、コメントやツイートに返信することで関係構築につなげることができます。

カナダ発のソーシャルメディア管理ツール「Hootsuite」もソーシャル上の見込み客を見つけてアプローチすることが出来ますTwitterなどのSNS上から特定のキーワードを設定し、そのキーワードが含む投稿を抽出。

抽出された投稿に対して、直接リプライすることが可能となります。例えば、プリンターの修理事業をしている場合「プリンターが壊れた」というキーワードを設定しておくと、「プリンターが壊れたから買い直さないといけない」というツイートを抽出する。そのユーザーに対して直接「プリンターの修理を受けてみませんか?」というような形でアプローチすることができます。

ソーシャルセリング活用のメリット

【徹底解説】ソーシャルセリングとは?|海外セールストレンド |Mazrica Sales (旧 Senses) .Lab|2スマホやタブレットなど場所を選ばずインターネットにアクセスできる環境が当たり前の時代です。

昔であれば営業担当者とユーザーの知識の差はかなり開きがあったと思いますが、現代ではユーザーの事前知識が豊富で、
営業担当者の役割が少なくなったといわれています。

ユーザーは直接営業担当者と会話することなく、会社の製品や競合商品に関してかなりの情報を持っています。

ユーザーは自社の商品に関して多くの事前知識を有していますので、購入までの意思決定が早いということも言われています。

ソーシャルセリングを用いることで、興味を持った時点でアプローチすることが可能になり、ユーザーが持つ悩みや、欲しい情報を提供することができます。

購入までのアドバイザー的な役割を果たすことで、結果的にクロージングまでのリードタイムを縮めることができます。

「ソーシャルメディアを利用している営業担当者の73%は、他の営業担当者より営業プロセスにおけるパフォーマンスが高い」という統計情報まであります。

日本でソーシャルセリングを行う懸念点

アメリカでは多くの企業の営業担当者がソーシャルメディアを活用してソーシャルセリングをしているとの報告があります。

日本ではこれから導入を検討している企業が多いようですが、日本でソーシャルセリングを実施する際の懸念点を探っていきたいと思います。

まず1つめが情報開示に関することです。
海外では実績として「今日からAシステム会社のプロジェクトキックオフです!」のような投稿が写真と共に掲載されるのが一般的です。しかし、日本の場合、クライアントに関する投稿は一切しないことが一般的です。
内情を細かく記載してしまうのは守秘義務違反となります。日本においてSNSを利用したPRは具体的な顧客名が出せないため説得性にかけるということが言われています。

2つめに会社員としてのキャリアに関することです。
企業の購買部門としてSNS等を利用して、専門性を高め信頼感も得て、魅力的にPRができるようになったとしても、日本では定期的な人事異動によりこれまでのキャリアが崩れる場合があります。

海外と日本におけるキャリア形成と採用基準の違いによるものです。

営業活動でソーシャルセリングを使う際の注意点

【徹底解説】ソーシャルセリングとは?|海外セールストレンド|Mazrica Sales (旧 Senses) .Lab|3先日Facebookで知らない人から友達申請があり、承認をしたら即座に「仮想通貨に興味ありませんか?」というメッセージを貰いました。一部のこうしたユーザーの行動により、ソーシャルセリングに悪い印象を持つ方も増えています。ソーシャルセリングを使う際に注意すべきポイントをご紹介します。

1.営業活動に即座に繋がると思わない
ソーシャルセリングではFacebookやTwitterを介して即座にダイレクトメッセージで営業活動するものではありません。
ソーシャルセリングの目的は関係性を構築することです。
営業活動をする前に自分自身がどのような価値を提供できるのかSNSへの投稿を通じて相手側に理解してもらいます。

2.商品やサービスの投稿をしない
パーティで自分の話しかしない人は嫌われてしまいます。SNSでも同様幅広い情報提供が求められています。
自社の商品のアピールや自慢しか投稿されていないと多くの人の関心は薄れてきてしまいます。

3.関連する分野のネットワークを作る
SNSで繋がっている人間が学生のころからの友人、というだけではソーシャルセリングは成立しません。その業界の人と繋がるための努力に時間を費やします。自分が繋がりたい情報の人たちに向けて、その人たちが興味ある投稿をするのも効果的です。

4.プロフィールを最適なものにする
日本ではSNSのプロフィールが無いユーザーも多く存在しています。
もしくは履歴書のように経歴を貼り付けているユーザーもいます。ソーシャルセリングでは、何の部活をしてきた、どこの会社を渡り歩いて来たということよりも、自分の課題を解決してくれる専門化をユーザーは探しています。
得意分野、専門分野をひと目で理解できるような内容に作り上げる必要があります。

▶︎▶︎ソーシャルも含めた営業のネットワーキング術とは?

 

終わりに

日本国内ではまだまだ聞きなれないソーシャルセリングという言葉ですが、海外では多くの企業担当者が高い効果を挙げ始めています。そのためには電話営業のような一方的な売り込みではなく、顧客にとって有効な情報を提供しつつ関係性を構築していかなくてはいけません。ソーシャルセリングは日本ではまだ浸透していない分、そこには大きなチャンスが転がっているとも言えますね。

 

注目企業が語る 営業マネージャーのネットワーキング仕事術

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