現代日本において相変わらず問題となっている長時間労働。この記事では長時間労働を解決するための具体的なツールの紹介を行います。 それだけでなく、長時間労働が引き起こす様々なリスクについてもご紹介。 これを機に、長時間労働の改善に取り組んでみませんか。

長時間労働の定義とは

長時間労働の定義とは

長時間労働とは、労働時間が本来予定されている時間数と比較して長いことを指しています。
「実際に◯時間以上勤務した場合は長時間労働になる」という法律上の定義はありませんが、厚生労働省では「時間外労働や休日労働が月45時間を超えた場合」、労働時間が長くなるにつれて健康障害のリスクも上がるとし、注意喚起を行っています。

働き方改革などの昨今のトレンドを考慮しても、時間外労働と休日労働の時間が月45時間を超えるかどうか、という点が長時間労働の一つの目安となるでしょう。

日本の長時間労働の実態

・日本は平均労働時間が長い
日本は欧米諸国と比較しても、年間の平均労働時間が長い特徴があります。(「過労死等防止対策白書」による)
その中でも時間外労働(週40時間以上)者の割合が多く、特に週49時間以上働いている労働者の割合がアメリカ、イギリス、フランス、ドイツの先進国の中でワーストの21.3%となっています。

・日本は長時間労働の割に生産性が低い
日本生産性本部が公表した「労働生産性の国際比較」によると、経済協力開発機構(OECD)のデータに基づく2018年の日本の労働生産性は、就業1時間当たり46.8ドル(購買力平価換算4744円)でOECD加盟36カ国中21位で、米国の60%水準にとどまりました。

長時間労働が引き起こすリスク

リスク①:従業員の心身の不調、最悪の場合は自殺や過労死
長時間労働は、心身ともに疲弊を引き起こします。最悪のケースでは、長時間労働が引き金となりうつ病などを発病し、自殺や過労死の危険性も高くなってしまいます。
昨今では過労死問題についてニュースでも報道されていますので、問題視している経営者の方も多いでしょう。

リスク②:従業員のモチベーションや生産性の低下
長時間労働が続くと、慢性的な睡眠不足や、疲労が回復しないことによるストレスの増大により、従業員のモチベーションが低下することでしょう。
その結果、やる気をなくした従業員の業務効率が落ちてしまい、生産性の低下を引き起こしていきます。

リスク③:離職者の増加、採用費の負担増
体や心を壊したら働くことはできなくなるため、長時間労働が続く従業員は離職しやすくなります。
また、上述のようにモチベーションが低下した従業員は、離職を検討するようになるでしょう。
離職者が増加することで、企業としては新たな人員を採用し続けなければならず、採用コストがますます上昇してしまうでしょう。

長時間労働が起こる原因

長時間労働が起こる原因

日本の会社では、なぜ長時間労働が発生しやすいのでしょうか?

経済産業省の「働き方改革に関する企業の実態調査」によると、長時間労働の原因として経営企画・事業企画と経営管理の部長職以上に調査した結果、以下のような回答が得られました。

第1位:管理職(ミドルマネージャー)の意識・マネジメント不足
現場の従業員の仕事量や内容を上司が把握できていないと、なぜ長時間労働につながっているのかを理解し、その改善にあたることもできません。
管理職と現場のコミュニケーション不足も原因の一つなのではないでしょうか。

第2位:人手不足(業務過多)
コストカットのため、一人で抱える業務量をどんどん増やし、ギリギリまで対応させるような状態になっている企業も多いのではないでしょうか。
業務効率化は可能なのか、新たに採用が必要なのか、見直しがされないままになっている業務があるのかもしれません。

第3位:従業員の意識・取り組み不足
いくら経営陣や管理職が長時間労働対策(ITシステム導入など)を実施していても、現場の従業員の意識が低く、業務を効率化する取り組みを実現していなければ、長時間労働は改善されないでしょう。

営業担当者が長時間労働になってしまう理由

実は、多くの営業パーソンは会議や会議のための資料作成、顧客・案件情報の整理、移動時間などの直接の営業活動ではない業務に時間を取られています
SalesForceResearch「全世界2,900⼈以上を対象にしたセールスの動向に関する調査結果」によると、営業パーソンが売上に直結する商談に費やせる時間はたった3分の1しかないそうです。

営業パーソンが売上に直結する商談に費やせる時間はたった3分の1

営業職の仕事内容は非常に幅広く、多くの労働力と時間が必要とされるため、営業職は残業の慢性化や人員不足になりやすく、働き方改革を進めるのは難しいとされています。

(こちらもご覧ください)営業での残業が多い理由と解決策

長時間労働の対策法

長時間労働の対策法

ここでは、長時間労働を削減するために企業として取り組むべき対策法を紹介します。

・人事評価制度などの見直し
長時間労働を是とする企業風土では、残業する人・有給休暇を取得せずに働く人の方が良い評価を得るといったイメージが固定化しやすいようです。

従来の労働慣行や職場の雰囲気を変えることは容易ではないかもしれませんが、長時間労働を抑制するためには、経営者や管理者が自らがメッセージを発信し、短時間に効率よく働く人を評価するような人事評価制度に変えていくことが重要です。

・ITシステムの導入
ITシステムの導入は業務の効率化に貢献し、長時間労働の削減につながると期待されています。
たとえば、SFA(営業支援ツール)を導入した企業では、平均一人当たりの売上が39,6%上がり、商談期間が14%短縮されたというデータがあります。

(こちらもご参考ください)
【BtoB向け】売上を向上させる3つの要素|SFA導入で企業が39,6%の売上アップを達成するわけ

働き方改革の影響で労働時間に制限がかかっていく中で、売上を伸ばし続けるためには、営業の生産性を上げるためのITシステムの導入・活用は必須と言っても過言ではないでしょう。

関連記事:営業DXとは?デジタル化との違いと4つの成功事例を紹介

営業の生産性を向上するおすすめツール6選

営業の生産性を向上するおすすめツール6選

営業活動以外の仕事に費やしている時間を減らすことができれば、顧客との接点をつくったり、提案を練ったりすることに時間を使うことができますよね。
営業が営業活動により集中するために、営業の仕事を効率化するオススメのツールを紹介します。

SFA(営業支援ツール)

SFAとはSales Force Automationの略で、日本語では営業支援ツールや営業支援システムなどといった呼ばれ方をします。
企業の営業活動の管理・分析を目的としており、営業の案件進捗管理や取引先管理、行動管理、予実管理などの機能を主に備えています。

関連記事:SFAとは?CRMとの違いは?|どこよりもわかりやすく解説

SFAを活用することで、情報整理・情報検索・レポート作成などの「営業以外の時間」を減らし、営業活動に時間を費やすことができます

Mazrica Sales

案件ボード(Mazrica)
【製品概要】
Mazrica Salesは「現場の定着」にもっともフォーカスした営業支援ツール(SFA)です。
多くの営業組織が抱える「営業の属人化」の問題を解消するためには、SFAの導入だけではなく、現場がSFAを使ってくれることが必要です。そのため、Mazrica Salesは誰でも直感的に使いこなせる画面や現場の営業活動を効率化させる機能などに特徴があり、従来のSFAと現場への定着率が圧倒的に異なります

【特徴】
・Gsuite、Office365などのメール、カレンダー連携により入力負荷の軽減
・直感的に営業の状況を把握できる案件管理画面
・営業のボトルネックを分析できるレポートやAIによるネクストアクションのレコメンドなど、データの蓄積から営業の分析・改善までをカバー

【モバイルアプリ】
・あり

【こんな企業にオススメ】
・案件管理、進捗管理を手軽に行いたい企業
・営業の入力負荷を下げ、営業効率を上げたい企業
・データを溜めてそれを活用する文化を醸成したい企業

【URL】
https://product-senses.mazrica.com/

こちらの資料では、メール作成/日報作成/資料作成などの「営業以外の時間」を減らす方法について紹介しています。

Mazrica Sales活用14シーン〜SFA/CRM活用で変わる営業活動〜

Sales Cloud

Sales Cloud

【製品概要】
Sales Cloudは世界でトップシェアを誇るSFAです。
特徴は非常に多機能で、基幹システムやMAとの連携など大体のことは実現できるという点です。

ただ、その反面あまりに多機能なため、実際の運用にはかなりコストがかかることもあります。
うまく活用している企業の多くは、Sales Cloudの運用担当を社内に設けていると聞きますし、その特徴もあってか導入企業の多くは大企業です。
以下のような記事もあるので是非参考にしてみてください。

Salesforce(セールスフォース)は役に立たない?評判・口コミ・料金を紹介

【特徴】
・同社のマーケティングオートメーションツールとの連携可能
・コンポーネントを組み合わせることでカスタマイズが可能
・社内SNS機能で社内のコミュニケーションを活性化

【モバイルアプリ】
・あり

【こんな企業にオススメ】
・利用にあたり、細かいカスタマイズの必要性がある企業

【URL】
https://www.salesforce.com/jp/

Web会議システム

移動時間が多い営業職にとっての救世主ともなるのが「Web会議システム」です。
Web会議システムを導入することで、社内の自分のデスクにいながら、顧客との商談を行うことができるのです。

移動時間が削減できることにより、これまでは就業時間外に行っていた会議や事務作業も、終業時間内にできるようになります。

また、昨今のコロナウイルス対策にも。

Web会議システムについて詳しく知りたい方はこちらも合わせてご覧ください。
【インサイドセールス必見 】オンライン商談ツール徹底比較8選|特徴・費用・導入メリット

Zoom

Zoom
【製品概要】
WEB会議・オンライン会議のツールとして人気のzoomミーティングも、オンライン商談で活用することができます。
HD品質の映像と高音質の音声が特徴。
最大で1,000名までが参加可能で、最大49のビデオをスクリーン上に表示することができます。
バーチャル背景と外見補正機能もあり、オンラインならではの使い方もできますよ。
Microsoft365やGoogle Workspaceとの連携も可能で、カレンダーでのスケジュール作成も可能です。

【特徴】
・高画質、高音質
・マルチデバイス対応
・AIがトランスクリプションを生成
・参加者が各自のスクリーンを同時共有することも可能
・外部連携機能

【URL】
https://zoom.us/jp-jp/meetings.html

オンラインチャットサービス

メール以上の効率の良さと気軽さから、迅速に意思疎通ができるビジネスチャット(社内チャット)ツールの普及が進んでいます。
社内での幅広いコミュニケーションが求められる営業担当にとって、チャットツールの活用は生産性を向上する上で今後ますます重要になると言えるでしょう。

チャットツールについて詳しく知りたい方はこちらも合わせてご覧ください。
11個の主要ビジネスチャットツールを徹底比較!|失敗しない選び方とは?

slack(スラック)

slack(スラック)
【製品概要】
世界150ヵ国以上の企業で導入されているビジネスチャットツールSlack(スラック)。
個人同士のダイレクトチャットだけでなく、組織やプロジェクトの許可されたメンバーのみが参加できるチャンネルでやり取りを進めます。
シンプルなデザインはUIに優れていて、ビジネスチャットツール初心者の企業でもスムーズに導入できるでしょう。
外部ツールと連携することでSlackのチャンネル上にアラートや重要情報がアップされるので、業務効率も上がります。

【特徴】
・使いやすいシンプルなデザイン
・チーム別、プロジェクト別、顧客別などのチャンネルごとの会話が可能
・音声通話、ビデオ通話、画面共有も可能
・ドラッグ&ドロップでファイル共有
・高いセキュリティ性

【URL】
https://slack.com/intl/ja-jp/features

chatwork(チャットワーク)

chatwork(チャットワーク)
【製品概要】
日本企業が開発した純国産のビジネスチャットツールchatwork(チャットワーク)は、個別チャット、グループチャットで社内外の人とのコミュニケーションが格段に捗ります。
デザインや使い勝手もシンプルなので、効率的に情報共有が可能。
タスク管理、ファイル共有、音声・ビデオ通話を、パソコンやスマートフォンなどのマルチデバイスで利用できます。
Chatworkに登録しているユーザーを検索することも可能なので、社内だけでなく社外の人脈ともchatworkを通じてコミュニケーションを取ることができます。

【特徴】
・国産なので使いやすく見やすい
・自分専用のマイチャットはメモなどに最適
・期日と担当者を指定できるタスク管理
・メッセージを送ってからも編集、削除が可能
・高いセキュリティで安全な情報管理

【URL】
https://go.chatwork.com/ja/

終わりに

「働き方改革」の文脈で語られる問題のほとんどが、長時間労働に関するものです。
長時間労働は企業や従業員に様々なリスクをもたらすため、出来る限りの対策をしっかりと行いたいところです。

多忙な営業担当者は特に、意識改革だけでなくマネジメント体制の見直しITシステム導入など、できる限りの仕組みを構築することで長時間労働の是正を図りましょう!

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