営業活動に以下のような課題を感じていませんか?
- 「営業担当者個人のスキルに売り上げが依存しており、組織全体の営業力が向上しない」
- 「顧客情報や商談履歴が属人化しており、チームや部門間での情報共有ができていない」
- 「営業活動を可視化できず、効果的な営業戦略を立てられない」
これらの課題は、最適なSFA(営業支援システム)を導入することで解決できるかもしれません。
しかし、SFAの導入には多額の費用がかかるイメージがあり、なかなか一歩踏み出せない方もいらっしゃるでしょう。そこで本記事では、SFAの導入を検討している中堅・大企業の皆様向けに、無料で始められるSFAを10種類ご紹介します。
有料ツールとの違いや、費用対効果についても専門家視点で詳しく解説しますので、ぜひツール選定にお役立てください。
この記事の内容
無料トライアルのあるおすすめSFAツール
SFAの無料トライアルは、期間は限定的であることに対し、基本的には有料プランと同レベルの機能を使用できます。以下に、無料トライアルのあるおすすめSFAツールを8つご紹介します。
1. Mazrica Sales|AIによる営業分析と売上予測に強み
特徴
- AIが案件の進捗状況やリスクを自動分析し、売上予測の精度を向上
- 営業報告やタスク管理を自動化し、営業担当者の負担を軽減
- 組織全体でのナレッジ共有を促進し、営業力の底上げを実現
メリット
- AIによる高度な分析機能が充実しており、データに基づいた戦略策定に役立つ
- 直感的なUIで、ITツールに不慣れな営業担当者でも比較的容易に使いこなせる
- レポート機能が豊富で、多角的な視点から営業活動を分析できる
デメリット
- 複雑なプログラミング知識が不要で直感的に使える反面、カスタマイズ性が低いと感じるユーザーもいる
- AIツールの利用はGrowthプランから
こんな企業におすすめ
- AIを活用して売上予測の精度を高めたい、中堅・大企業
- 営業活動のブラックボックス化を解消し、データに基づいた意思決定をしたい企業
- ナレッジ共有を促進し、組織全体の営業力を向上させたい企業
料金プラン
- Starterプラン:月額¥5,500/ユーザー~
- Growthプラン:月額 ¥11,000/ユーザー〜
- Enterpriseプラン:月額¥16,500/ユーザー
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2. Kintone|営業管理だけでなく、幅広い業務アプリを構築可能
特徴
- ノーコード・ローコードで、営業管理アプリから人事、総務、開発などあらゆる業務アプリを柔軟に作成
- 豊富なプラグインや連携サービスで機能を拡張可能
- チーム内の情報共有やコラボレーションを促進するコメント機能などが充実
メリット
- 営業管理だけでなく、全社のあらゆる業務をシステム化できる柔軟性
- ノーコードで現場の担当者が自らアプリを作成・改善できるため、変化に強い
- 情報共有の促進やコミュニケーション機能が充実しており、チームワーク向上に貢献
デメリット
- SFAに特化したツールではないため、一般的なSFAツールに比べて専門的な営業分析機能は劣る場合がある
- テンプレートは豊富だが、自社に最適なアプリを構築するには、ある程度の設計思考が必要
こんな企業におすすめ
- 既存業務に合わせて柔軟なシステムを構築したい中堅・大企業
- 営業管理だけでなく、他部署との連携を強化し、全社的な業務効率化を目指したい企業
- 自社でシステムを内製化し、PDCAサイクルを高速で回したい企業
料金プラン
- ライトコース:月額¥10,000
- スタンダードコース:月額 ¥18,000
3. Salesforce Sales Cloud|世界No.1シェア
特徴
- 世界No.1シェアを誇るCRM/SFAで、圧倒的な機能と拡張性
- AIアシスタント(Einstein)が営業活動を支援し、生産性を向上
- 多様な業界・業種に対応したカスタマイズが可能
メリット
- 業界トップクラスの機能性と拡張性で、あらゆる規模・業種の企業に対応可能
- AI(Einstein)によるリードスコアリング、案件のリスク分析、最適なネクストアクション提案など、高度な営業支援が受けられる
- 強固なセキュリティと信頼性があり、大規模な機密情報を扱う企業でも安心して利用できる
デメリット
- 多機能ゆえに、導入や定着には専門知識やコンサルティングが必要となる場合が多い
- 料金はSFAツールの中でも高価な部類に入るため、コストに見合う効果を見極める必要がある
こんな企業におすすめ
- グローバル展開や多様な事業部を持つ大規模企業
- AI活用による次世代の営業戦略を構築したい企業
- 将来的なビジネス成長を見据え、拡張性の高いCRM/SFA基盤を構築したい企業
料金プラン
- Starter Suite:月額 ¥3,000/ユーザー
- Pro Suite:月額 ¥12,000/ユーザー
- Enterprise:月額 ¥19,800/ユーザー
- Unlimited:月額 ¥39,600/ユーザー
4. GENIEE SFA/CRM|国産ベンダーによるきめ細やかなサポートと使いやすさ
特徴
- 国産SFAとして、日本の商習慣に合わせたきめ細やかな設計とサポート体制
- シンプルなUIと操作性で、営業担当者の負担を軽減し定着を促進
- 顧客、案件、売上予測、日報など、SFAの基本機能を網羅
メリット
- 国産ベンダーならではの手厚いサポート体制があり、導入から定着まで安心して利用できる
- 日本の営業現場にフィットするUIと機能設計で、スムーズな導入と活用が期待できる
- モバイルアプリも充実しており、外出先からの情報入力や確認が容易
デメリット
- SalesforceやHubSpotのような海外ツールに比べて、AI機能や他社システムとの連携機能は限定的な場合がある
- カスタマイズの自由度はあるものの、複雑な基幹システムとの連携には追加開発が必要なケースもある
メリット
- 国産ベンダーならではの手厚いサポート体制があり、導入から定着まで安心して利用できる
- 日本の営業現場にフィットするUIと機能設計で、スムーズな導入と活用が期待できる
- モバイルアプリも充実しており、外出先からの情報入力や確認が容易
デメリット
- SalesforceやHubSpotのような海外ツールに比べて、AI機能や他社システムとの連携機能は限定的な場合がある
- カスタマイズの自由度はあるものの、複雑な基幹システムとの連携には追加開発が必要なケースもある
- ITツールに不慣れな営業担当者が多く、定着支援を重視したい企業
- 手厚いサポートを受けながらSFAを導入・運用したい企業
料金プラン
- スタンダードプラン:月額¥34,800
- プロプラン:月額¥54,800
- エンタープライズプラン:月額¥98,000
5. ネクストSFA|シンプルな操作性と定着しやすい設計
特徴
- 「現場で使われるSFA」をコンセプトに、シンプルで直感的な操作性を追求
- 営業日報、顧客情報、案件進捗を一元管理し、業務負担を軽減
- 入力項目をカスタマイズでき、企業に合わせた運用が可能
メリット
- 非常にシンプルで直感的なUIで、ITツールが苦手な営業担当者でも抵抗なく使える
- 導入後の定着率が高く、SFA導入で最も懸念される「使われない」リスクが低い
- 営業日報の自動作成や案件進捗の可視化など、基本的な機能が過不足なく揃っている
デメリット
- AIを活用した高度な分析機能や、他社システムとの複雑なAPI連携機能は限定的
- 大規模な組織や、複雑な承認プロセスを持つ企業では、機能が不足する場合がある
こんな企業におすすめ
- 複雑な機能より、営業現場でのスムーズな定着と利用を重視する中堅・大企業
- 営業日報の入力負担を軽減し、効率化を図りたい企業
- シンプルなSFAから導入し、徐々に活用範囲を広げたい企業
料金プラン
各プラン:要問い合わせ(企業規模や利用機能に応じて提案)
6. Musubu|企業データと連携した営業リスト作成・名刺管理に特化
特徴
- 国内最大級の企業データベース(約400万社)と連携し、詳細な企業情報を活用可能
- ターゲット企業リストの作成から名刺管理まで、営業活動の上流工程を効率化
- 特定の業種や地域、企業規模などで絞り込み、精度の高いアプローチを実現
メリット
- 国内企業の詳細なデータベースを活用できるため、新規開拓の効率が飛躍的に向上する
- ターゲットリスト作成から名刺管理までを一貫して行えるため、営業活動の上流工程に特化して効率化したい企業に最適
- 無料プランでも企業情報の検索や名刺データ化が試せるため、手軽に効果を検証できる
デメリット
- SFAとしての案件管理や売上予測、顧客フォローアップなどの機能は限定的
- 既存のSFA/CRMとは別に導入する必要がある場合が多い
こんな企業におすすめ
- 新規顧客開拓やリード獲得の効率化を最重要課題とする中堅・大企業
- ターゲット企業リストの作成や名度の高いリード発掘に課題を感じている企業
- 名刺管理を効率化し、顧客情報を資産として活用したい企業
料金プラン
- 3ヶ月スタートプラン:月額¥55,000
- 6ヶ月プラン:月額¥50,000
- 12ヶ月プラン:月額¥45,000
7. eセールスマネージャーRemix Cloud|営業戦略策定から実行まで支援する総合SFA
特徴
- 営業戦略の策定から実行、分析、改善までを一貫して支援する総合的なSFA
- 「属人化の解消」「マネジメントの強化」に強みを持つ
- モバイルでの利用に最適化されており、現場での入力負担を軽減
メリット
- 営業戦略に基づいたマネジメントを強化するための機能が充実しており、組織的な営業力向上に貢献する
- 日本の営業組織の課題に特化した機能が多く、スムーズな導入と定着が期待できる
- モバイルアプリの操作性が高く、外出先からの情報入力や進捗確認が容易
デメリット
- 多機能ゆえに、導入時にはある程度の学習期間や設定作業が必要となる場合がある
- 料金はSFAツールの中でも中価格帯に位置するため、コストパフォーマンスを慎重に検討する必要がある
こんな企業におすすめ
- 営業戦略の策定から実行、そして効果検証までを一貫して行いたい中堅・大企業
- 営業組織の属人化を解消し、マネジメントを強化したい企業
- モバイルからの利用を重視し、現場の生産性向上を目指したい企業
料金プラン
- Basic:月額¥3,500/ユーザー
- Enterprise:月額¥11,000/ユーザー
8. JUST.DB|ローコードで業務システムを柔軟に構築可能
特徴
- ローコード開発プラットフォームで、営業管理システムを自社に合わせて柔軟に構築
- RDB(リレーショナルデータベース)構造で、複雑なデータ連携や分析にも対応
- 業務プロセスを可視化し、システム化することで属人化を解消
メリット
- 自社の既存の営業プロセスや特殊な商習慣に合わせて、最適なシステムを構築できる
- 営業管理だけでなく、顧客情報、案件進捗、契約管理など、関連するあらゆるデータを一元管理できる
- ローコード開発なので、プログラミング知識がなくてもシステムを内製化しやすい
デメリット
- SFAの既成パッケージではないため、ある程度のシステム設計知識や工数が必要となる
- 高度なAI機能や、他社SFAに特化した機能は、別途構築が必要となる場合がある
こんな企業におすすめ
- 既存の業務フローに合わせて、独自の営業管理システムを構築したい中堅・大企業
- 汎用的なSFAパッケージでは対応しきれない、複雑な営業プロセスを持つ企業
- システムの内製化を進め、継続的な業務改善を行いたい企業
料金プラン
各プラン:要問い合わせ(サーバー構成やユーザー数、オプション機能に応じて変動)
無料プランのあるおすすめSFAツール
無料プランのあるツールは、使える機能は有料プランに比べて限定的ですが、恒久的に利用することができます。
以下に、無料プランのあるおすすめのSFAツールを2つご紹介します。
1. Zoho CRM|コストパフォーマンスが高く、豊富な連携機能
特徴
- リード管理、顧客管理、案件管理、マーケティング、サポートなど幅広い機能を網羅
- Zohoが提供する20以上のビジネスアプリとシームレスに連携可能
- コストパフォーマンスに優れており、柔軟なプラン選択が可能
メリット
- 無料版でもSFAの基本的な機能を網羅しており、低コストで導入できる
- Zohoの他サービス(会計、マーケティング、プロジェクト管理など)との連携が非常に強力で、統合的なビジネスプラットフォームを構築しやすい
- 多言語対応しており、グローバル展開を視野に入れている企業にも対応可能
デメリット
- 多機能ゆえに、初めてSFAを導入する企業やITリテラシーが高くない現場にとっては、学習コストがかかる場合がある
- 無料版ではユーザー数や一部機能に制限があり、大規模な全社展開には有料プランが必須となる
こんな企業におすすめ
- 費用を抑えつつ、多機能で幅広い業務をカバーしたい中堅・大企業
- マーケティング、営業、サポートなど、部門横断的な連携を強化したい企業
- 将来的にCRMを起点とした統合的なビジネス基盤を構築したい企業
料金プラン
- 無料版:無料(最大3ユーザー)
- Standard:月額 ¥1,680/ユーザー
- Professional:月額 ¥2,760/ユーザー
- Enterprise:月額 ¥4,800/ユーザー
- Ultimate:月額 ¥6,240/ユーザー
2. HubSpot Sales Hub|マーケティング・CRM連携が強力な統合型プラットフォーム
特徴
- CRMを基盤に、マーケティング、営業、カスタマーサービスを統合したプラットフォーム
- インバウンド営業に特化した機能が充実(リード管理、メール追跡、ミーティング設定など)
- 直感的なUIで、ITツールに不慣れな担当者でも使いやすい
メリット
- 無料ツールでもSFAの基本的な機能が充実しており、小規模チームや初期のSFA導入に適している
- マーケティング(HubSpot Marketing Hub)との連携が非常に強力で、リードの生成から商談化までをシームレスに管理できる
- UIが洗練されており、直感的な操作が可能で、学習コストが低い
デメリット
- 高度な自動化や詳細な分析機能、他システムとのAPI連携は有料プランからとなる
- 無料ツールでは、大量のデータや複雑な営業プロセスには対応しきれない場合がある
- 有料プランは、マーケティングと合わせて利用すると高額になる可能性がある
こんな企業におすすめ
- マーケティングと営業の連携を強化し、インバウンド営業を推進したい中堅・大企業
- 顧客を中心とした統合的なプラットフォームで、顧客体験全体を向上させたい企業
- 直感的な操作性で、営業現場へのSFA定着を重視したい企業
料金プラン
- Freeツール:無料
- Starter:月額 ¥1,080/シート〜
- Professional:月額 ¥10,800/シート〜
- Enterprise:月額 ¥18,000/シート〜
中堅・大企業向け無料SFAおすすめ早わかり比較表
以下では、本記事でご紹介したSFAツールを一覧比較できる表をご紹介します。気になったツールについては、本記事の「詳細」や「失敗しないSFAの選び方」も併せてご検討ください。
ツール名 | 特徴 | 無料プランの範囲 | 有料プランへの 拡張性 |
特に向いている企業 |
---|---|---|---|---|
Mazrica Sales | AIによる営業分析と売上予測に強み | 無料トライアルあり ユーザー数など制限あり |
高 | データを活用した営業戦略を 強化したい企業 |
Zoho CRM | コストパフォーマンスが高く、豊富な連携機能 | 無料プランあり ユーザー数、機能制限あり |
高 | 費用を抑えつつ、多機能で 幅広い業務をカバーしたい企業 |
kintone | 営業管理だけでなく、幅広い業務アプリを構築可能 | 30日間無料お試し (全機能利用可) |
高 | 既存業務に合わせて柔軟なシステムを 構築したい企業、内製化を進めたい企業 |
Sales Force Assistant | 世界No.1シェア、AIアシスタント機能あり | 無料お試し (機能制限あり) |
高 | グローバル展開や多様な事業部を持つ 大規模企業、AI活用を重視する企業 |
HubSpot Sales Hub | マーケティング・CRM連携が強力な 統合型プラットフォーム |
無料プランあり。 顧客・案件管理など 機能は限定的 |
高 | マーケティングと営業の連携を強化し、 インバウンド営業を推進したい企業 |
GENIEE SFA/CRM | 国産ベンダーによる きめ細やかなサポートと使いやすさ |
30日間無料お試し (全機能利用可) |
中 | 日本企業特有の商習慣に合わせた 営業管理を求める企業 |
ネクストSFA | シンプルな操作性と定着しやすい設計 | 30日間無料お試し (全機能利用可) |
中 | 現場でのスムーズな定着を重視する企業 |
Musubu | 企業データと連携した 営業リスト作成・名刺管理に特化 |
企業検索、閲覧、名刺 などデータ化に制限あり |
中 | 新規開拓やリード獲得の 効率化を重視する企業 |
esm ※eセールスマネージャー |
営業戦略策定から実行まで支援する総合SFA | 15日間無料お試し (全機能利用可) |
高 | 戦略的な営業マネジメントを徹底し、 PDCAを回したい企業 |
JUST.DB | ローコードで業務システムを柔軟に構築可能 | 60日間無料お試し | 高 | 既存の業務フローに合わせて、 独自のシステムを構築したい企業 |
無料SFAと有料SFAの決定的違い|あなたの会社はどちらを選ぶべき?
無料SFAと有料SFAには違いがあります。それぞれで実現できることを把握し、貴社に合ったSFAはどちらなのか検討してみてください。
無料プラン | 有料プラン | |
---|---|---|
ユーザー数・データ容量 | 部署内・プロジェクト単位での情報共有 | 全社的な顧客情報の一元管理と 共有基盤の構築 |
機能の豊富さ | 基本的な顧客管理・案件管理 | 高度な分析・レポーティング機能、 AIを活用した予測やレコメンド |
自動化・効率化 | 手動でのデータ入力や単純作業が多い | 複雑な業務プロセスの自動化と最適化 |
外部ツール連携 | 連携不可、または限定的 | MA・ERP・BIツール等とのAPI連携による 部門横断でのシームレスな業務フロー |
サポート・セキュリティ | FAQ、メールのみ | 電話、専任担当者による伴走支援、 高度なセキュリティ対策と監査対応 |
この表から、無料SFAは「試用・特定部門での導入検討」、有料SFAは「事業成長を加速させる戦略的投資」に活用するのが良いと言えます。
有料プランへの移行を検討すべき5つのサイン
比較した結果、はじめは無料ツールが適していても、有料ツールに切り替えるべき状況に変化する可能性もあります。
以下では、有料プランへの移行または上位ツールへの切り替えを検討すべき5つのサインをご紹介します。
□営業メンバーが複数の事業部・拠点にまたがり、情報共有に課題がある
□既存のSFA/CRMが部門間の連携ツールとして機能していない
□データに基づいた中長期的な売上予測や経営戦略立案が困難になっている
□特定の案件や顧客情報がブラックボックス化し、属人性の高さが事業リスクとなっている
□新規顧客獲得だけでなく、既存顧客のLTV最大化や顧客ロイヤリティ向上を重視し始めた
以上のチェックリストに当てはまるものがある場合、有料SFAへの移行を検討してみてはいかがでしょうか。
失敗しないSFAの選び方|自社に最適なプランを見つける7つのポイント
前章での「無料と有料」の比較を踏まえ、貴社に最適なツールを選ぶための判断基準をご紹介します。
ポイント1:まず、「導入目的」と「将来像」を明確にする
「当面の既存SFAの活用課題解決」がゴールなのか、「3年後の全社的なDX推進と市場競争力強化」がゴールなのかで、選ぶべきツールは全く異なってきます。
ポイント2:「無料での試用」で十分か、「有料前提」で選ぶか決める
先ほどのチェックリストを参考に、貴社がどちらのフェーズにあるか判断しましょう。「無料での試用」ならば、試用期間中の具体的な評価項目が重要です。
「有料前提」であれば、拡張性やカスタマイズ性の高さを重視すべきと言えます。
ポイント3:操作はシンプルで直感的か、かつ大規模運用に耐えうるか
これが組織でSFAを導入するにあたって最も重要なポイントの一つです。
ITツールに不慣れな営業担当者でも毎日ストレスなく使えるか、そして将来的にユーザー数やデータ量が増えてもパフォーマンスが維持されるか、といった視点が重要です。
デモ動画やトライアルで必ずUI(見た目や操作性)を確認しましょう。
ポイント4:サポート体制とセキュリティ、そして法規制への対応
無料プランで受けられるサポートの範囲(メール、チャット、FAQなど)は、有料プランに比べて限りがあるため、必ず確認しておきましょう。
また、企業の機密情報である顧客情報を預けるうえで必須の確認項目として、プライバシーマークやISMS認証の有無、データが保存されるサーバーの所在地、各国のデータ保護規制(GDPR、CCPAなど)への対応可否などをチェックするようにしましょう。
参考:情報処理推進機構(IPA)のセキュリティに関するガイドライン
関連記事:SFA導入でセキュリティを重視すべき理由|セキュリティ機能やおすすめSFA紹介
ポイント5:将来の拡張性と料金体系の透明性
「ロックイン効果」を避けるため、有料プランの料金体系が公式サイトで明確に公開されており納得感があるかを事前に確認することが重要です。
特に、大規模ライセンス割引や、追加機能利用時のコスト、サポートレベルごとの費用なども確認すべきです。
ポイント6:既存の基幹システムや他SaaSとの連携は可能か
現在使用しているERP、会計ソフト、マーケティングオートメーション(MA)、BIツール、コミュニケーションツールなどとAPI連携やデータ連携が柔軟にできるか確認しておきましょう。
様々なツールとの連携が可能であれば、さらなる業務効率化とデータ活用が実現できます。
関連記事:
SFAとERPの違いとは?選び方や連携メリットについて解説
SFAと連携すべき6つのツール|営業の成果の最大化のために
ポイント7:必ず複数のツールを「試用」し、効果検証を行う
カタログスペックだけでは分からない「本当の使い心地」を知るために、無料プランや無料トライアルを活用し、実際に運用を想定したチームで具体的なシナリオに沿って試用し、効果を検証することが重要です。
この際、複数のツールを比較検討することで自社に最も適したツールを選ぶことができます。
無料SFA試用・導入でよくある失敗と回避策
「多機能すぎて使いこなせず、既存の課題解決につながらない…」
原因:導入目的が曖昧なまま、機能の多さだけでツールを選んでしまい、現場の業務プロセスにフィットしなかった。
回避策:
①導入目的と現行の営業プロセスにおける具体的な課題を明確にし、「Must(必須)」「Want(あったら嬉しい)」で機能を整理する
②導入前に運用シミュレーションを行う
関連記事:SFA導入の目的とは?メリットや事例をもとに失敗しないSFA導入方法を解説
「データ入力が面倒で形骸化、情報が分散してしまった…」
原因:営業担当者の入力負担が増え、ツールを使うことが目的になってしまい、SFAにデータが蓄積されなかった。
回避策:
①入力項目を最小限に絞る初期設定を行う
②モバイル対応の入力インターフェースが使いやすいツールを選ぶ
③既存システムからのデータ移行、連携機能を活用する
関連記事:SFAを入力しない理由とは?現場が使いたくなるSFAの条件とは
「無料のつもりが、最終的に高額な有料プランへの移行が必須に…」
原因:無料プランの制限が大規模な業務運用には不十分であり、結局有料プランへの移行が避けられなかった。
回避策:
①無料プランの制限範囲を事前にしっかり確認し、自社の1年後、3年後の利用状況と拡張性をシミュレーションする
②データ量、ユーザー数、必要な連携機能について、具体的な数値目標をもって評価する
無料SFA試用・導入を成功させるための3ステップ
「では、実際に無料SFAを試用・導入を成功させるにはどうすれば良いのか」疑問に思った方も多いと思います。以下では、試用・導入の成功に向けた3つのステップを紹介します。
ステップ1:候補を2~3つに絞り込み、無料トライアルまたは無料プランに申し込む
本記事の比較表と解説を参考に、貴社に合いそうなツールを複数試してみましょう。1つだけ試してすぐに決めるのではなく、複数のツールを比較検証することが大切です。
ステップ2:社内でテスト運用チームを組成し、効果検証を行う
経営者やマネージャーだけでなく、実際にツールを使う各部門の営業担当者、IT担当者、関連部門の代表者数名(ITリテラシーが高い人・低い人を混ぜるのが理想)でテストチームを作ります。
そして、具体的な業務シナリオに沿って操作性や既存システムとの連携における課題を洗い出しましょう。トップダウンではなく、現場の意見と部門間の連携効果を検証することが成功の鍵です。
ステップ3:本格導入と定着に向けた運用ルールを策定する
導入が決まったら、入力項目やデータの定義のルール化、SFAのデータを基にした営業会議の実施、定期的なトレーニングの実施など、定着させるための具体的な運用方法と継続的な改善サイクルを構築することをおすすめします。
まとめ|自社に最適なSFA投資で、強い営業組織への第一歩を踏み出そう
ここまで、おすすめの無料SFAツールのご紹介や無料版と有料版の違い、導入に向けて重要なポイントを説明しました。
無料SFAは、コストを抑えつつ、既存のSFA/CRM課題を解決し、より高度な営業戦略を試行するための強力な試金石となるツールです。
しかし、最も重要なのは、「無料」という言葉だけに囚われず、貴社の現在の課題、将来の事業成長フェーズ、そして全社的なDX推進を見据えた、最適な「戦略的投資としてSFAツールを選ぶことです。
本記事が、中堅・大企業の皆様の賢いツール選び、そしてその先の事業成長の一助になれば幸いです。