営業活動を進める中で行う案件管理。
おそらくエクセルで管理されている方も多いのではないでしょうか?
そもそも営業における案件管理とは?エクセルで案件管理を進める上での限界とは?
この記事では、まず案件管理で管理すべき情報を具体化し、次にそれをエクセルで管理していくにはどうすればよいか、そのときどこに気をつけるべきかについてお伝えしていきます。
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この記事の内容
営業管理とは?
営業管理とは「営業プロセスを設計し(①)、そのプロセスを数値に基づいて分析しながら修正していくこと(②)」です。
「営業管理」は案件が営業プロセスのどこに位置しているのかを記録していく「案件管理(①)」と、そのプロセスの問題点を分析し、それを踏まえて次回の目標設定を行っていく「目標管理(②)」に分けることができます。
さらに分解していくと、次のようになります。
関連記事:営業管理の秘訣とは?|営業で管理すべき4つのデータと管理の方法
①「案件管理」
案件管理とは、文字通り営業活動において各案件を管理することを意味します。案件管理では、主に顧客情報管理、進捗管理、アクション管理の3つの管理が重要です。
・顧客情報管理…主に取引先企業の基本情報を管理します。
例)会社名/相手の担当者/メールアドレスルアドレス/住所/電話番号/会社URL/所属業界など
(画像:SFAツールSensesの取引先一覧画面)
2021年1月時点でSensesには50万社以上の企業情報が登録されており、取引先情報登録の際に企業名を入力するだけで、住所・電話番号・企業規模などの基本情報からプレスリリース、財務情報までを自動で取得できます。
・進捗管理…営業プロセスの中でどこまで進んでいるのかを管理します。
例えば、テレアポ→ヒアリング→営業(訪問)→クロージング→受注という営業フローがあります。進捗情報を管理することで成約の妨げとなっている部分を特定する手法を分析していきます。これをパイプライン管理と言います。
(画像:SFAツールSensesの案件ボード画面)
関連記事:パイプライン管理とは?営業シーンにおける導入事例を徹底解説
・アクション管理…今までの営業アプローチでどのような情報が得られたか、また次回アクションはいつになるのかということを管理していきます。
(画像:SFAツールSensesのアクション詳細画面)
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②「目標管理」
目標管理とは、文字通り営業活動における何らかの目標を管理することです。会社や部門全体の目標、個人の目標の管理だけでなく、それぞれがモチベーションの維持・向上につながるとベストです。
・売上目標設定(会社/部門全体の)…案件管理で得た売上額をもとにして次期目標を設定していきます
・売上目標設定(営業個人の)…会社の売上目標をもとに個人のノルマ設定を行います。そのとき、顧客への営業履歴を参考にすることで、体感ではなく数値に基づいた反省を行うことができ、ノルマ達成につながります。
関連記事:売上予測とは?営業の売上予測計算方法:売上予測レポート2つの作り方
(画像:SFAツールSensesのファネル分析レポート画面)
上記はSensesのレポート機能の1つである「ファネル分析レポート」です。
営業のどのフェーズで案件が落ちてしまっているのかがわかります。なぜそのフェーズで落ちているのかを分析し対策を立てましょう。
・モチベーション管理…ノルマの達成、未達者への賞与やフォローを行うことでモチベーションの維持を行います。
担当者毎にも以下のようにレポーティングすることができます。
各担当者毎の得意・苦手を把握することで、より適切なフォローアップができるようになります。
例えばクロージングが苦手な営業担当にはマネージャーが同行することでクロージングの精度を高めます。あるいは関係構築が得意な営業には初回商談を積極的に依頼するなどです。
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エクセル管理のポイント
エクセルで案件管理を行うときには、「情報と情報が結びついている」ということがとても大切になってきます。
情報同士が結びついていなければ、正確なデータをもとに売り上げ予想を立てたり、過去の営業の反省を行ったり、欲しい情報へ素早くアクセスしたりということができません。
しかしながら、案件にまつわる情報というのは膨大で、更新頻度も高いためなかなか管理しきれないというのが本音ではないでしょうか。
そこでここでは、「案件管理」をどうエクセルに落とし込んでいくか、「顧客情報管理」「進捗管理」「アクション管理」に分けて紹介していきます。
エクセル管理のポイントは、
- 「エクセルの情報を使って何を分析したいのか」
- 「エクセルはどう使えば良いのか」
の2点に関するものがあります。
前者については、「エクセルで分析する項目」を丁寧に選ぶ必要があります。
例えば、「受注までスムーズに案件を進めるためにどんな情報が必要か」には流入経路や決裁者についての情報が管理できていると良いですね。
また、「後で自分の営業活動を振り返りたいるにはどんなデータが必要か」という場合には、フェーズごとの案件残存数や各営業の実施結果などがわかると良いでしょう。
まずは、抽出したいデータを具体的にしていきます。例えば、次のような項目がおすすめです。
- 案件のステータス(テレアポ/面談/トライアル/受注など)
- 契約確度(ABCDEの5段階評価など)
- 営業チャネル(顧客の流入経路)
- 活動メモ
エクセルを作成する上で必ず守らなければいけないルールとして、「データは1行1案件ずつ縦に重ねていく」ということです。
当たり前に聞こえますが、データを2行に分けてしまったり、見やすくするために空白スペースを作ったり、縦軸と横軸の情報をクロスさせてしまったりというミスが多く見られます。
エクセルで主に管理する場合は、エクセル自体がデータベースとなります。
そのに情報が正しい形式で入力されなければ、データを加工して様々な分析を行うことはできません。
他にも、見やすくするためのコツとしては次のようなものがあります。
- 関連するファイルやシートへのリンクをつける
- 共有フォルダへのリンクをつける
- 期限が近い案件がわかるように時系列に並べる
- 出来るだけファイルを分けない(情報の一元管理)
エクセル管理のポイント①〜顧客情報管理編〜
相手企業の基本情報を登録しましょう。
例)会社名/相手の担当者/住所/電話番号/会社URL/所属業界など。決裁者のアドレスなども記載しておくと便利でしょう。
エクセル管理のポイント②〜進捗管理編〜
進捗管理のエクセルでは、営業プロセスのどこまで進んでいるのかを管理します。
テレアポ→ヒアリング→営業(訪問)→クロージング→受注という基本的なフローを自社用に作成してみましょう。
また、記載項目としては、「契約確度」や「流入経路」などもおすすめです。このエクセルデータはデータ加工する際の核の部分となってきます。
エクセル管理のポイント③〜アクション管理編〜
今までの営業活動でどのような情報が得られたのか、次回アクションはいつになるのか、ということを管理していきます。
今回のアクションと先方の反応を残しておくと振り返りの参考となります。
また、アクションのエクセルデータは進捗管理のエクセルデータに紐づけておくと、探す手間が省けます。ここで使った資料などもリンクを残しておくと良いでしょう。
エクセルを用いた目標管理
先述した通り「目標管理」は営業プロセスを分析、改善することを目的としています。その分析データを抽出するためにエクセルが用いられます。更にピボットテーブルを用いることで見たい情報にフォーカスすることができます。
例えば、「部門としての売り上げ成績が悪いので売上アップをしたい」と思ったならば、「原因の特定」と「対応策の検討」をしなければいけません。
【参考記事】失注要因分析で売り上げを伸ばす!その方法とツールとは?
「原因の特定」
→営業プロセスを見直す
→(エクセル)進捗管理のエクセルデータをテレアポ/商談/クロージングごとに並び替え
→各プロセスごとの案件残存数を抽出→弱いフェーズを特定
「対応策の検討」
→顧客の流入経路別の案件残存数を確認する
→(エクセル)チャネル別の残存数をエクセルで抽出→優良/不良チャネルの特定
→優良チャネルの強化/不良チャネルの改善
もしくは
→(エクセル)営業成績のいい社員のアクションを抽出
→成功例の共有
同じ様に、「営業成績の悪い個人にフィードバックをしたい」と思ったなら
「原因の特定」
→(エクセル)進捗管理のシートから個人の営業成績を抽出
→営業プロセスでの弱みを特定
「対応策の検討」
→(エクセル)アクション管理の項目からネックとなっているアクションを抽出
→反省点を洗い出しでマネージャーがアドバイス
という様に、エクセルデータを加工して活用することで、根拠に基づく分析につながります。図表やグラフで表すとより見やすくなります。
また、Excelと同様に、データからグラフやチャートを作成することができるツールとしてよく比較されるのが「BIツール」です。
以下の記事では、ExcelとBIツールの比較や、無料で利用できるツールをご紹介しております。
エクセル管理のデメリット
上手に運用すればデータを管理、利用することができるエクセルですが、多くの企業が課題を感じているのが現状です。
関連記事:ExcelとSFAのメリット・デメリットとは?営業プロセスを見える化する2つの営業管理方法
その理由として、営業個人は自分の情報をそれぞれ自分のスマートフォンのカレンダーや手帳で管理しているため、上司への報告のためだけにわざわざExcelに情報を転記するということが面倒に感じられ、こまめな入力が現場の負担になるということが挙げられます。
また、そもそもExcelを使いこなすためのITリテラシーを身につけるのに時間がかかるということなども原因の一つでしょう。
そのため、Excelによる管理は不完全なものにとどまってしまい、数値分析するための情報が不足しているといったことや、リアルタイムの情報が見れないといった課題がある様です。
その他にも、以下にまとめたようなことが営業データ管理のネックとなっています。
【無料PDFダウンロード】営業における”Excel問題”について詳しく理解する
営業におけるExcel問題とは?
日常的にMicrosoft Excelを仕様している人は多いはずです。
その延長で、顧客情報や案件管理などの営業活動の管理にもエクセルを使っている企業も多いでしょう。
使い慣れたインタフェイスであるため、社員教育のコストがかからず、手軽に導入できるメリットがある一方、営業管理においてエクセルを使うことは、さまざまな問題もあるということも事実です。
これをエクセル問題と呼びます。
関連記事:なぜ脱エクセルが必要なのか?Excel以外のツール活用のメリットを解説!
他のツールと連携できない
エクセルで管理している営業データをMAツールや会計ソフト、生産管理システムや売上集計システムなどに蓄積されたデータと連携して分析したいというケースもあるでしょう。
しかし、エクセルでは他のツールと連携させることができません。そのため、同じようなデータを二重に入力したりする手間が生じたり、ミスにつながってしまったりすることにもなります。
時系列に把握することが難しい
これから案件を進めたり、提案をしたりする際に、顧客との過去のやり取りを参照することも多いはずです。
過去にどのような商談をしたのか?どのような商材を受注したのか?何度報恩したのか?などの情報を抽出する際に、エクセルではデータの検索がしにくく、顧客を軸にした時系列のデータを把握することが難しくなってしまいます。
エクセル問題を解決するSFA/CRM
近年はエクセルで案件管理などの営業管理を行う代わりにSFAやCRMなどのクラウドツールで管理する企業も増えてきています。
関連記事:CRMとは?意味や機能・おすすの顧客管理ツールをわかりやすく解説
SFAやCRMであれば、クラウド内に顧客情報や案件情報などを集めることで、今までエクセルで管理していた情報を楽に管理できるようになるでしょう。
さらに、そのようなツールには営業成績の分析レポートなどの機能も備わっているため、エクセルで情報を加工し、図表に落とし込むといった面倒な作業にかかる時間をグッと減らすことができます。
そういった営業支援ツール(SFA/CRM)でできる案件管理についてはSFAで案件管理をするメリットとは?Excelや日報では案件を管理しきれない!を参考にして下さい。
尚、エクセルから脱却すべきタイミングについては、下記の資料内で詳しく解説しています。
▶︎▶︎ExcelからSFAへ移行すべきタイミングとは?【Excel管理に限界を感じている方必見】
まとめ(※テンプレートあり)
営業における案件管理について理解は深まったでしょうか?営業管理は案件の取りこぼし防止や日々の業務を効率的に進めていく上で欠かせないものです。
それをエクセルで管理し、活用していくことは企業にとっては少なからず負担となっている様ですね。
近年はそれを解決する手段として営業支援ツールSFAや顧客管理システムCRMが注目される様になってきました。
これを機に、脱エクセルを考えてみるのも良いかもしれませんね。
【こちらもおすすめ】案件管理/進捗管理システム・アプリ比較10選

新規営業管理Excelテンプレート
営業管理の方法を今一度見直してみませんか? Excelで営業管理を行う場合、運用を続けていくとどうしても入力にバラつきが生じ、本来の営業管理の目的が見失われてしまいがち。このテンプレートを活用して、営業管理の参考にしていただければと思います。
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Senses Lab.はSFA/CRM「Senses」を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。
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