営業活動を進める中で行う案件や進捗の管理。
エクセルで管理されている方も多いのではないでしょうか。
エクセルは、営業活動において「どの顧客が今どういう状況でどんなことをしなければならないのかの管理」「営業の売上目標の管理」に有効なツールです。
ただしエクセルで営業管理するポイントを押さえていないと、思うように案件管理や目標管理が実現できません。
本記事では、案件管理で管理すべき情報を具体化し、エクセルで管理するにはどうすればよいか、どこに気をつけるべきかお伝えします。
この記事の内容
案件管理とは?
案件管理とは「文字通り営業活動において各案件を管理すること」です。
案件管理では、下記3つの管理が重要です。
- 顧客情報管理
- 進捗管理
- アクション管理
それぞれ詳しく解説します。
顧客情報管理
顧客情報管理とは、主に取引先企業の基本情報を管理します。
- 会社名
- 相手の担当者
- メールアドレス
- 住所
- 電話番号
- 会社URL
- 所属業界
進捗管理
進捗管理とは「営業プロセスの中でどこまで進んでいるのかを管理」します。
例えば、「テレアポ→ヒアリング→営業(訪問)→クロージング→受注」の営業フローがあります。
進捗情報を管理することで成約の妨げとなっている部分を特定する手法を分析します。以上の作業をパイプライン管理と言います。
関連記事:パイプライン管理とは?営業シーンにおける導入事例を徹底解説
アクション管理
アクション管理とは「今までの営業アプローチでどのような情報が得られたか、また次回アクションはいつになるのかを管理」します。
関連記事:案件管理とは?営業の案件/商談管理におすすめツール12選を徹底比較
エクセル案件管理の方法は3ステップで可能!
エクセルで案件管理は、以下の3つステップで実現可能です。
- 無料テンプレートをダウンロードする
- 案件に必要な情報を記載する
- 3つのポイントに基づいて案件管理を実行する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 無料テンプレをダウンロードする
0からエクセルで案件管理用のシートを作るのは、一定の時間と手間がかかります。
案件管理用のエクセルテンプレートを活用すれば、シートの作成の手間や時間が省略できるだけでなく、運用に最適化された項目や関数、グラフなどが予め入っているため、オススメです。
今回、エクセルの案件管理テンプレートをご用意しました。
以下のリンクより無料でダウンロードでき、直ぐに活用できます。
2. 案件に必要な情報を記載する
「案件管理」は、業界や業種・業態によって管理すべき項目は異なります。
一般的な項目は以下の通りです。
- 案件担当者
- 顧客情報(取引先情報)
- 商材名
- 訪問や提案などのアクション履歴(日時・内容・相手など)
- 受注予定日
- 受注予定金額
- 受注確度
- 次回アクション予定(日時・相手・手段・内容など)
注意すべき点は、管理項目の数です。
管理すべき項目が多くなると営業現場はデータ入力に時間と手間がかかります。
本来リソースを割くべき純粋な営業活動へ充てるリソースも少なくなるでしょう。
また、入力が面倒だと感じてしまっては、現場が入力しない事態になりかねません。
自社にとって本当に必要な項目を設定することがポイントです。
3. 3つのポイントに基づいて案件管理を実行する
実際の案件管理は、以下の3つのポイントを押さえて行いましょう。
1. 運用・入力ルールを統一する
営業担当によって、ファイルの使い方や入力する項目などが異なると、うまくデータが反映されなかったり、場合によってはファイルが修復不可能な状態にもなりかねません。
事前に各営業担当向けに運用・入力ルールを作成することが大切です。
また、複数の営業担当が同時にエクセルを開く場合、意図しない上書き保存がされる恐れがあるため注意が必要です。
2. 案件のプロセスを整理する
企業や業種・業態によって、営業プロセスは異なるはずです。
営業プロセスに正解はありません。
ですが自社のビジネスの場合、どのような営業プロセスを踏んでリード獲得から受注に至るのか?を整理し、エクセル上に反映さましょう。
現状の営業プロセスに課題があるのであれば、営業プロセスを再構築し、シートに落とし込む必要もあるでしょう。
3. アクション内容とネクストアクションを明記する
今より案件管理を効率化するのであれば、日々の振り返りと、ネクストアクションの設定は欠かせません。
記録を残して置くことで、他のメンバーの参考にもなるでしょう。
次の一手を事前に考え、事前に明記して置くことで、日々の業務効率も上がるはずです。
エクセルで案件管理をするポイント
エクセルで案件管理する際のポイントは、下記2点です。
- 「エクセルの情報を使って何を分析したいのか?」
- 「エクセルはどう使えば良いのか?」
前者については、「エクセルで分析する項目」を丁寧に選ぶ必要があります。
例えば、「受注までスムーズに案件を進めたい」場合には流入経路や決裁者についての情報が管理すべきです。
また、「後で自分の営業活動を振り返りたい」場合には、フェーズごとの案件残存数や各営業の実施結果などがわかると良いでしょう。
まずは、次のような抽出したいデータを具体的にします。
- 案件のステータス(テレアポ/面談/トライアル/受注など)
- 契約確度(ABCDEの5段階評価など)
- 営業チャネル(顧客の流入経路)
- 活動メモ
エクセルを作成する上で必ず守らなければいけないルールは、「データは1行1案件ずつ縦に重ねていく」ことです。
エクセルで主に管理する場合は、エクセル自体がデータベースとなります。
その際に情報が正しい形式で入力されなければ、データを加工して様々な分析ができません。
他にも、見やすくするためのコツとしては次のようなものがあります。
-
- 関連するファイルやシートへのリンクをつける
- 共有フォルダへのリンクをつける
- 期限が近い案件がわかるように時系列に並べる
- 出来るだけファイルを分けない(情報の一元管理)
※下記の営業管理テンプレートを使えば、エクセルが苦手な人でも数字や顧客情報を入力するだけで、簡単に案件管理ができます。
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エクセルで案件管理をするメリット
エクセルで案件管理をする大きなメリットは次の2点です。
- 新たに導入・習得コストがかからない
- カスタマイズ性が高い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
新たに導入・習得コストがかからない
営業現場で業務を行っている方は、日々エクセルやスプレッドシートを使って何らかの数値を管理しているはずです。
日々エクセルを業務で使っているのであれば、追加負担なしでエクセルでの案件管理が可能になります。
またエクセルを使うことさえできれば、新たな知識をつける必要なく、案件管理ができるわけです。
導入や習得のコストがかからずに済むため、お試しで案件管理をするハードルが他のツールを導入するよりも低くはなるでしょう。
修正・カスタマイズしやすい
エクセルは空白の状態から自由に項目を追加し、作成します。
仮に変更が必要になっても、都度修正(カスタマイズ)できることも大きなメリットとの1つと言えるでしょう。
集計する項目を増減させる必要がある、数値の計算方法を変更したい場合でも、自身で直ぐに追加や変更、修正を加えることが可能です。
案件管理でエクセルを利用する3つのデメリット
上手に運用すればデータを管理、利用することができるエクセルですが、多くの企業が課題を感じているのが現状です。
また、エクセルを使いこなすためのリテラシーを身につけるのに時間がかかることなども原因の一つでしょう。
ここでは案件管理でエクセルを利用するデメリットを解説します。
- 他のツールと連携できない
- 時系列に把握することが難しい
- 外出先で操作しにくい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①他のツールと連携できない
エクセルでは他のツールと連携させることができません。
エクセルで管理している営業データをMAツールや会計ソフト、生産管理システムや売上集計システムなどに蓄積されたデータと連携して分析したいケースもあるでしょう。
営業個人は自分の情報をそれぞれ自分のスマートフォンのカレンダーや手帳で管理しているため、上司への報告のためだけにわざわざエクセルに情報を転記することが面倒に感じられます。
また、同じようなデータを二重に入力したりする手間が生じたり、ミスにつながってしまったりすることにもなります。
関連記事:なぜ脱エクセルが必要なのか?Excel以外のツール活用のメリットを解説!
②時系列に把握することが難しい
これから案件を進めたり、提案をしたりする際に、顧客との過去のやり取りを参照することも多いはずです。
- 過去にどのような商談をしたのか?
どのような商材を受注したのか?
何度報恩したのか?
などの情報を抽出する際に、エクセルではデータの検索がしにくく、顧客を軸にした時系列のデータを把握することが難しいのが現状です。
数値分析するための情報が不足している、リアルタイムの情報が見れないなどの課題が発生するでしょう。
③外出先で操作しにくい
エクセルはパソコン用のソフトであるため、タブレットやスマートフォンからの操作には向いていません。
営業は外出する機会が多く、パソコンがない環境で閲覧・編集できないエクセルでの管理は、不自由を感じる場面があるでしょう。
▶️▶️エクセルでの営業管理を続けているとどんな問題が起きるのか?
④共有に手間がかかる
エクセルでの案件管理では、ファイルの共有に手間がかかることも大きなデメリットです。
エクセルファイルを他のメンバーと情報を共有するためには、ファイルをメールで送信したり、ファイル共有サービスを利用したりする必要があります。
そのため、最新のファイルがどれなのかを把握するのが難しくなり、情報の更新が遅れてしまうことがあります。
⑤複数人で同時編集ができない
エクセルは複数人で同時に編集することができない点もネックです。
一度に一人しか編集できないため、他のメンバーがファイルを開いている間は、他の人は編集を待つしかありません。
そのため、迅速な情報更新が必要な場合や、チーム全体でリアルタイムにデータを入力・修正する必要がある場合には、作業効率が下がってしまいます。
また、誰かがファイルを編集中に他の人が変更を加えると、変更内容が上書きされてしまうリスクもあります。
⑥大量のデータを保存できない
エクセルは大量のデータを保存するのに適していません。
データ量が増えると、ファイルのサイズが大きくなり、読み込みや保存に時間がかかってしまいます。
また、エクセルはデータベース管理システムとは異なります。
データの検索やフィルタリング、集計といった操作が限られており、効率的な管理がしづらいでしょう。
データの信頼性や整合性を保つことが難しいため、重要な情報を見落とす、誤った判断を下すなどのリスクが高まります。
▶▶【無料ebook】営業成果の最大化のために「エクセル」から脱却すべきタイミングとは?
エクセル以外で案件管理ができるツール・アプリ
ここまでエクセルでの案件管理の方法について紹介してきました。
ここからは、エクセル以外のツール・アプリを活用して案件管理をする方法を2つ紹介します。
Googleスプレッドシート
Googleスプレッドシートはエクセルと同じように使用することができ、無料で使用できるツール(アプリ)です。
エクセルとは異なる点としては、データをクラウド上で管理するため、チーム内で閲覧・編集、共有が可能です。
ファイルを送り合いながら、各人が内容を確認するのではなく、1つのシートにメンバーがアクセス・入力しても、問題が発生しづらいメリットがあります。
ただし、エクセルと同様に、案件管理専用のツールではありません。
データを入力するだけで自動的にレポートを作成してくれたり、深いデータの分析や活用、時系列でデータを参照したりするのは難しいでしょう。
SFA/CRM
エクセルでの案件管理は無料でも使える反面、複数のデメリットがあルコとはお伝えしました。
近年はエクセルで営業管理を行う代わりにSFAやCRMなど、営業支援ツールや顧客管理ツールを活用する企業も増えてきています。
SFAやCRMであれば、クラウド内に顧客情報や案件情報などを集めることが可能です。
営業・顧客データを分析・活用、共有できる状態にまとめることで、今までエクセルで管理していた情報を楽に管理、活用できます。
エクセルとSFA/CRMの違い
エクセルとSFAやCRMの違いは以下の表の通りです。
エクセル | SFA/CRM | |
料金 | 無料 | 月額 |
データ抽出・分析 | しにくい △ |
しやすい ◎ |
情報管理 | しにくい △ |
しやすい ◎ |
共有 | しにくい △ |
しやすい ◎ |
関連記事:ExcelとSFAのメリット・デメリットとは?営業プロセスを見える化する2つの営業管理方法
さらに、SFAやCRMツールには営業成績の分析レポートなどの機能も備わっています。
エクセルで情報を加工し、図表に落とし込む面倒な作業にかかる時間を削減することが可能です。
関連記事:【Mazrica Sales活用事例】Excel管理から脱却し営業活動を効率化する方法
尚、エクセルから脱却すべきタイミングについては、下記の資料内で詳しく解説しています。
▶︎▶︎ExcelからSFAへ移行すべきタイミングとは?【Excel管理に限界を感じている方必見】
エクセル案件管理のデメリットを解消した事例
次に、SFA/CRMを活用することでエクセルでの案件管理のデメリットを解消した2つの具体事例を紹介します。
株式会社翻訳センター:エクセル脱却で実現した営業活動の最適化
株式会社翻訳センターでは、もともとエクセルで案件管理をしていました。
営業データをエクセルに蓄積していたものの、分析や活用までには至っておらず「記録するだけ」な状況でした。
データの件数が増えExcelファイルでの管理に限界を感じ始めた同社はSFA/CRMであるMazrica Salesの「直感的な使いやすさ」に魅力を感じ導入。
Mazrica Salesの導入によって、これまで無駄の多かったエクセル管理から脱却し、対応漏れのない綿密な顧客フォローを提供して、サブスクリプションサービスの解約率を一桁台にまで下げることに成功しました。
- 課題:記録化している顧客管理、営業情報の属人化、不十分な契約後の顧客フォロー
- 活用方法:新規/既存で分けた顧客管理、売上予測レポートの分析、売上確度の見極め
- 導入効果:案件の対応漏れがなくなり、確実にフォローする営業フローを構築。これにより解約率は1桁台を維持。
関連記事:【Mazrica Sales導入事例】営業データの「記録」から「活用」へ|エクセル脱却で実現した営業活動の最適化
株式会社PR TIMES:Excel管理から脱却し直観的な進捗管理で時間削減
PR TIMESでは、メディアとのリレーションはExcelで管理をしていましたが、属人化や最新の情報が分からない問題が起きはじめていました。
そこで、SFA/CRMであるMazrica Salesを導入。
それぞれの案件がどのステップにあるのかを視覚的に一覧で見ることができるため、運用が楽になったとのこと。
同じような案件があった時に過去の情報が正しく引き継がれず、一から記者の名前を調べていたりしたことを考えると、生産性が圧倒的に上がりました。
また、案件の進捗管理が直感的に把握できるようになったことで、状況把握に時間がかからないようになったそうです。
▶︎▶︎Mazrica Salesのサービス紹介資料の詳細はこちら
まとめ:営業の案件管理の最適な方法
案件管理は案件の取りこぼし防止や日々の業務を効率的に進める上で欠かせないものです。
案件管理では、下記3つの管理を行ないます。
- 「顧客情報管理」
- 「進捗管理」
- 「アクション管理」
適切にエクセルを使えるようになることで、営業活動において「どの顧客が今どういう状況でどんなことをしなければならないのか」が管理できるようになります。
ただし、エクセルは他のツールと連携ができない、他の人との共有がしづらいなど、効率的に営業活動をする上では、制限もあります。
エクセルにデメリットを感じる場合は、SFA/CRMツールの利用がおすすめです。
「Mazrica Sales」は、各担当の進捗状況を直感的に共有できる案件ボードがあったり、OCR機能を使えば名刺や議事録のスキャン、自動文字起こしが可能。
現場の入力負荷を削減できます。
また、営業のボトルネックを分析できるレポートやAIによるネクストアクションのレコメンドなど、データの蓄積から営業の分析・改善までをカバーしています。
下記のような企業の方におすすめのツールです。
- 案件管理、進捗管理を手軽に行いたい企業
- 営業の入力負荷を下げ、営業効率を上げたい企業
- データを溜めてそれを活用する文化を醸成したい企業
- SlackやGmailなど、様々なツールと連携して営業管理がしたい企業
まずは無料トライアルで、エクセルでの運用との違いを実際に体験してみてください。
新規営業管理Excelテンプレート
営業管理の方法を今一度見直してみませんか? Excelで営業管理を行う場合、運用を続けていくとどうしても入力にバラつきが生じ、本来の営業管理の目的が見失われてしまいがち。このテンプレートを活用して、営業管理の参考にしていただければと思います。
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