営業であれば、月、四半期、年間ごとに「売上目標」が必ずあります。
達成するためにあらゆる努力をしても、未達成で終わってしまった経験は誰にでもあるでしょう。
目標を達成するには、未達成になってしまった原因を知ることが一番の近道です。
そこで今回の記事では、そもそも正しい売上目標とは何か?という部分から考えてみて、売上目標が未達成になってしまう原因と解決策もご紹介していきたいと思います。
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売上目標とは?
売上目標のことをノルマ(各自に課せられた仕事量)と同じ意味として使っている会社もありますが、本来の意味や使い方は少し違います。
売上予測と売上目標を比べてみると、わかりやすいはずです。
- 売上予測:過去のデータから導き出した売上のこと。
- 売上目標:「これくらい売りたい」「これくらい売って欲しい」という期待や希望を含んでいるもの。
売上予測は過去の売上やリードの獲得率、進捗率などのデータから予測されるものなので、実現の可能性はかなり高いといえます。
言い換えれば、これが達成できないと、会社の経営が成り立たなくなるといった性質のものです。
一方で売上目標は、期待や希望を含んでいるので、実現が不可能な高い目標を設定してしまっていることもあります。
この場合は、目標達成できなかったことが問題なのではなく、そもそもの目標設定に問題があると言えます。
(以下は営業支援ツールの売上目標と売上予測のレポート画面のイメージです。)
営業支援ツールを活用した売上向上の事例については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
関連記事:売上向上に必要なこととは?SFA導入で39.6%売上を改善した具体事例
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売上目標の目標設定を誤ってしまう原因
では、なぜ無理な目標を設定してしまうのでしょうか?
その原因は大きく分けて3つあります。
トップダウンで決めた根拠のない目標数値が与えられる
トップや本社が主導して目標をつくると、
- 株主が納得する利益から、必要な売上を算出する
- 売上10%アップ、1年以内に営業利益100億円といった、達成したい数字ありきで目標数値をつくる
・・・といったように、熱い思いや希望が強く反映されたものになってしまいます。
営業部門が申告した目標値に説得力がないため、修正される
上述したケースとは逆に、
- 個々の営業メンバーの成績をベースにして修正を加える
- 顧客との取引履歴や受注金額から次年度の数値を予測する
・・・という形で、営業部門が目標値をつくる会社もあると思います。
しかし、多くの会社では部門が申告してきた目標値では全社の目標に届かないと考え、結局は本社で数値を上乗せした目標値をつくってしまいます。
未達成の原因が理解できていないため、施策に落とし込めない
営業部門が目標値を決める場合、既存顧客との関係を甘く評価していることがあります。
また、上述した②のケースのように本社が数値を追加してしまうと、当然、営業部門にとっては想定外の目標値になってしまいます。
そうなると、達成するための方法や行動がわからず未達成になってしまいます。
売上目標の正しい立て方
売上目標の目標設定を誤ってしまう原因が分かったところで、続いては正しい売上目標を立てるプロセスを説明していきます。
売上目標は以下の3プロセスで立てましょう。
- 事業拡大に必要な売上を明確にする
- 過去のデータから売上予測を立てる
- 売上目標と売上予測のギャップをふまえ、現実的な売上目標を決定する
事業拡大に必要な売上を明確にする
まずは、事業計画を確認し、事業の拡大や成長に必要な売上を明確にしましょう。
新規市場進出、製品ラインの拡大、競争力の向上など、企業が達成したい具体的な成果や目標を考慮に入れ、売上が発生しそうな事業や、売上が出るまでに時間を要しそうな事業などをそれぞれ確認していきます。
それから、事業計画を踏まえ必ず達成しなければいけない売上を算出しましょう。
これを下回ると赤字になってしまうので、最低限必要な売上目標として設定します。
過去のデータから売上予測を立てる
次に、過去の売上データや現状見えている売上見込みをもとに売上予測を立てていきます。
売上予測はデータを踏まえた現実的な数字になっているため、通常は売上予測よりも売上目標の方が大きくなります。
売上予測の方が大きくなっている場合は、売上目標が低すぎる場合があるので、事業計画に対して目標値が十分かもう一度考え直してみましょう。
精度の高い売上予測を立てるには、SFA(営業支援システム)を活用することをお勧めします。
関連記事:
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売上目標と売上予測のギャップをふまえ、現実的な売上目標を決定する
売上目標と売上予測のギャップを認識できたら、ギャップを埋めるためにどのような施策ができるか洗い出していきます。
例えば、「アプローチ件数を増やす」「価格設定を見直す」「広告媒体を増やす」等の施策が挙げられるでしょう。
これらの施策案を考慮したうえで、売上目標が本当に実現可能なのかを考慮していきます。
このとき、実際に目標達成に向けて動く現場のメンバーの声を必ず聞くようにしてください。
売上目標設定を誤る原因として説明したように、トップダウンで決め切ってしまうと、無理な目標設定になる可能性が高いです。
チームや個人ごとで見た場合にも目標が達成可能かどうか徹底的にすり合わせたうえで、現実的な営業目標を設定しましょう。
なお、売上予測をSFAで行う具体的な方法については以下の記事で詳しく解説しています。。
関連記事:売上予測にSFAを活用する方法とメリットを解説!
売上目標が未達成になってしまう原因と改善策
売上目標の立て方を理解しても、どうしても営業目標を達成できないという場合もあるかもしれません。
売上目標が未達成になってしまう原因をきちんと理解しなければ、同じことの繰り返しです。
営業活動における数字を確認し、ボトルネックになっている部分を見つけることで、はじめて改善策を立てることができるのです。
そこで、この項目では、よくある目標未達成の原因と解決法を3つご紹介したいと思います。
改善策①リード(見込み客)が足りない場合
この場合は、マーケティングに問題がある可能性が高いです。
データを見てリードの獲得数が多いと安心してしまいますが、数だけではリードの良し悪しはわかりません。
獲得したリードが受注に繋がっていれば、質の高いリードにリーチできているということになりますが、そうでない場合は、
(a)マーケティングチャネルに顧客対象となるリードがいない
(b)リードにメッセージが刺さっていない=取り組んでいるマーケティング施策が的を得ていない
・・・という可能性があります。
リード獲得の方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
関連記事:リード獲得とは?7つの効果的なリード(見込み客)獲得方法を解説!
また、現状では質の高いリードを確保できていても、(c)同じチャネルでこれ以上のリードがいなくなってしまう上限値に近づいている可能性もあります。
どれが原因かで改善策は違ってきますが、それぞれ(a)マーケティングチャネルを変更する、(b)メッセージを見直す、ターゲットのペルソナを見直す(c)という方法が考えられます。
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改善策②案件の進捗率が低い場合
「案件の進捗率が低い」とは、営業活動の進み具合がよくないことを指します。
例えば、営業支援ツールを用いることで、どの営業フェーズに何件くらい滞留していて、進捗率が低い場合、カラーラベルによって直感的に営業活動の進み具合を確認することができます。
以下はクラウド営業支援ツールMazrica Salesの画面イメージです。
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進捗率を高めるには、まずは進み具合を把握することが必要です。
最初にお伝えした通り、ここでも原因究明から始めることが大切です。
なお、進捗率が低い原因としては、下記が考えられます。
■プロダクトマーケットフィットができていない
プロダクトマーケットフィット(PMF)とは「顧客を満足させる最適なプロダクトを、最適な市場に提供している状態」のことです。
関連記事:PMF(プロダクトマーケットフィット)とは?PSFとの関係性や達成する手順・検証方法を解説
いくら素晴らしい製品やサービスだとしても、市場にニーズがなければ売れないということですね。
特に、スタートアップや新規事業で発生する問題で、部門全体や全社的に進捗率が低いのであれば、原因の一つとして考えてみたほうがいいでしょう。
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■担当者個人の能力が低い
毎月、同じ人が未達成の状態など、営業の担当者ごとに進捗率が明確に分かれる場合には、営業担当者個人の能力やアクションに問題がある可能性があります。
言われたことをやらないなど問題行動は別として、大多数は、成果に繋げるにはどうしたらいいのかがわからないだけ、ということがほとんどです。
Mazrica Business Lab.でも何度かご紹介している、データドリブンな指導方法をマネージャーがメンバーを育成することが必要です。
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■社内の連携が上手くできていない
対応する部署や担当者が社内で違っても、顧客からすると「〇〇会社の人」という一括りとして認識しています。
そのため、顧客に対しては一貫性を持って接することが大切です。
・開発チームが製品や機能の目的を社内全体に共有しようとしていない
・マーケティング部門が製品のアピールポイントを理解せずにランディングページをつくっている
・営業がランディングページとは異なるアピールポイントを顧客に説明している
このような状態では、製品の魅力が十分に伝わりませんし、食い違ったメッセージを発信してしまうことで、顧客は不信感を募らせていく一方です。
こうしたズレを防ぐには、目的を共有したり、ランディングページをリリースする前に確認をするなど、全社で連携を取るようにしましょう。
進捗を把握するには、パイプライン管理またはファネル分析を使うといいでしょう。
■パイプライン管理
営業プロセスをパイプラインに例え、初回コンタクトから受注までの流れを可視化し、分析するマネジメント手法です。
これにより、どの営業プロセスが弱点になっているのかを発見でき、改善すべきポイントがわかります。
※パイプライン管理の活用法については「パイプライン管理の2つのメリットとは?管理方法と具体例を紹介」をご覧ください。
■ファネル分析
営業ファネルとは、潜在顧客が見込み客、顧客へと絞り込まれる過程を漏斗(じょうご)に例えたものです。
以下はクラウド営業支援ツールMazrica Salesのファネル分析レポートの画面イメージです。
マーケティングから営業までの顧客の流れを可視化することで、相手の状態に合わせたアプローチができます。
Mazrica製品であれば、余計な連携の手間なくマーケティング・営業活動の連携を1プラットフォームで実現可能です。
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改善策③営業管理ができていない場合
営業管理の目的は「営業部全体の動きを管理し、メンバーそれぞれの動きを最適化することで、組織の力を最大限に引き出し、成果に繋げていくこと」にあります。
営業管理ができてないと、「売れる人は売れるが、売れない人はずっと売れない」と言う状態が続いてしまいます。
これを実践するために有効なのが、SFA(営業支援ツール)です。
SFAによって、営業活動を見える化し、属人化されがちな営業情報を共有することで、毎月目標達成をしている優秀な営業メンバーの勝ちパターンを、組織で実行することができるようになります。
SFAの活用メリットについてはこちらの資料を参考にしてください。
おわりに|効果的な営業改革で売上目標を達成しよう
売上目標が未達成になってしまったときに、ひたすら「既存顧客に会う回数を増やせ!」「テレアポをして、新規開拓を増やせ!」と檄を飛ばしたり、「来月はがんばろう!」と励ましている光景をよく見かけます。
しかし、これではいつまで経っても目標達成はできません。
営業メンバーからしてみれば、適正な目標設定や達成に向けた戦略があってこそ、達成に向けてがんばれるというもの。
まずは、トップや本社の指示で無茶な目標を設定していないかどうかを確認してみることが、売上目標達成の一番の近道です。
こちらの資料では、売上目標の達成率を向上させる営業改革、セールスイネーブルメントのポイントについてまとめていますので、あわせてご覧ください。
セールスイネーブルメント -経営層・営業マネージャーが取り組むべき営業改革-
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