初めてやることは、誰しも少なからず失敗を経験するものです。

しかしこれが、営業マネージャーともなると、あなたの失敗がメンバーや会社全体に影響してしまうこともあります。

すべての失敗を防ぐことはできませんが、よくある失敗を知っておけば、ダメージは最小限にできますし、すぐにリカバリーすることもできます。

そこで今回は、営業マネージャーにありがちな失敗についてまとめてみました。

「こういうこと、しちゃっていたかも」と思うものについてはすぐに直し、それ以外のものについては失敗を重ねないように自分の行動を今一度、見直してみてください。

関連記事:営業マネジメントでマネージャーに必要な役割とスキル・5つの具体施策とは?

数字が出せないメンバーを叱っている

営業マネージャーによくある失敗を防ぐには?間違えがちな8つのミス | Senses Lab. | 1

週次や月次で進捗や売上の確認をしていると、一人だけ達成できていないメンバーがいるとします。

早速本人を呼びつけて「他のメンバーは達成しているのに、なぜ君だけが達成できないんだ?」と、叱咤してしまいたくなる気持ちはよくわかります。

しかしこれでは、相手のモチベーションも下がってしまいますし、もっと悪ければ、上司であるあなたが嫌われるだけで何も変わらない、ということにもなりかねません。

では、「もっとがんばろう!」と思ってもらうにはどうしたらいいのでしょうか?

まずは、人から認められたいという承認欲求を満たしてあげます。

例えば、「君の持ち味である丁寧なフォローを活かして粘り強く交渉してみよう」と伝えれば、メンバーは自分のがんばりが認められていると感じます。

その上で「みんなでサポートするよ」と伝えることで、一人じゃないんだと安心することができ、目標達成に向けての意欲も湧いてくるはずです。

関連記事:営業マネージャーの仕事と役割とは?事例でわかりやすく説明

現場の営業メンバーを育成していない

メンバーを育てるには、現状を知ることが第一です。

そのためには、定期的に個別面談や1 on 1をすることが必要です。

毎日のように顔を合わせていたり、週一で業績会議をしていたとしても、一人ずつ時間を取って、話をすることはあまりないかもしれません。

ですが、特に部下であるメンバーは、みんながいる前ではなかなか本音が話せないこともありますので、個別で話をするようにしましょう。

また、研修のように一方的に上司が話す、教えるという場を作っただけで満足してもいけません。

メンバーの今の課題や、中長期の目標などを聞きながら相談に乗るようにしましょう。

個別面談や1 on 1を実施することで、リアルタイムで現状を把握して適切なアドバイスをするだけでなく、ざっくばらんに話すことで信頼や親近感を持ってもらい、意欲を高めることができます。

話す内容がなくても、時間をとって話をするだけで信頼関係の構築に繋がります。

最低でも1ヶ月に一回は時間を取るようにしましょう。

営業プロセスを管理できていない

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案件の進捗や日々の営業活動を、メンバー任せにしてしまっていませんか?

今の時点では売上が達成できていたとしても、営業プロセスを把握していないと、もし上手くいかなくなった時に、打ち手が何もない、ということになってしまいます。

営業プロセスを標準化し、数値を管理することは大変ですし、面倒にも感じるかもしれません。

しかし、テレアポから受注までの各プロセスをしっかり把握しておくことで、どこがボトルネックになっているのかを早期発見できます。

初回の訪問から受注までに、何回くらい訪問をして、どんな業務が発生しているのかを理解するようにしましょう。

そうすれば、すぐに改善策を実行することができます。

これを繰り返すことで、メンバー個人やチームの売上達成やメンバーの成長だけでなく、マネージャーであるあなた自身にとっての分析スキルなどの向上にも繋がっていきます。

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ミスを部下のせいにしてしまう

メンバーがミスをしてしまって、上司である自分が一緒に謝りにいく、という場面があると思います。

その時に「部下がミスをしてご迷惑をおかけしてすみません。」と、ついつい部下のせいにしてしまっていませんか?

この対応は逆効果です。

あなたの発言を聞いたメンバーは「いざという時に守ってくれない」と感じ、クライアントも「責任を部下に押し付けるなんて」と、ネガティブな印象を持ってしまいます。

たとえ本当に、メンバーが勝手にやったことで起こったミスだったとしても、上司たるもの「部下の失敗はすべて自分の責任」だという意識を日頃から強く持ち、いざというときすぐに「自分が責任を取ります」と言えるようにしておきましょう。

こうした姿勢を貫くことが、あなたに対する部下やクライアントの信頼感を高めます。

営業現場に出過ぎている

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マネジメントは、片手間でできる仕事ではありません。

例えば、メンバーだけでは売上目標が達成できないからと自らが現場に出ていることが多かったり、プレイングマネージャーとして数字を追わなければならない状態では、本当の意味でマネージャーの仕事をきちんとしているとは言えない、ということです。

マネージャーの役割は「売上(数字)をつくること」ではなく、あくまでも、「売上(数字)をつくるために、仕組み作りをしたり部下を育成すること」です。

第一線の現場で売ってくる、数字をつくるという“花形”の仕事はメンバーに任せて、売上目標を設定する、営業プロセスを管理する、各メンバーの能力を見極める、適切な助言やサポートをするなど“裏方”に徹するようにしましょう。

マネジメントの勉強をしていない

営業マネージャーのほとんどが、メンバーとして優秀な成績を出して昇進した人だと思います。

しかも、ほとんどの場合は研修などなく、昇進した次の日からいきなり10名の部下ができた、というものではないでしょうか?

「これでは失敗してしまうのもしょうがない」というのは言い訳に過ぎず、管理職に許されることではありません。

それに、もし、マネージャー研修なるものを受けていたとしても、マネジメントのスキルは一朝一夕に身につくものではなく、やはり日々の勉強、努力が必要です。

あなたの上司から学ぶのもいいですし、セミナーに参加したり本を読むでも構いません。

最初は上手くいくことばかりではないかもしれませんが、もがきながら前に進もうとすることで、メンバーだった時代よりも大きな成長を実感できるはずです。

関連記事:マネジメント能力とは?必要なスキルと高め方を徹底解説

ポジティブ思考を押し付ける

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世の中ではポジティブ思考がもてはやされ、職場でも「がんばれば、なんとかなる。」という言葉が合言葉のように使われているのを、よく見かけます。

しかしすべての人が、悪い状況をポジティブに捉えられるわけではないですし、根拠なく前向きにがんばることは、いいことばかりではありません。

闇雲にがんばったって、成果に繋がるとは限りませんからね。

マネージャーがすべきことは、安易なポジティブ思考でチームのモチベーションを高めることではありません。

ポジティブでもネガティブでもなく、フラットに現実を捉え、過去の経験やデータを基に、売上を達成したり、成果を出すために何をすべきかアドバイスをすることが、部下のため、ひいては組織のためになります。

達成不可能な目標を設定してしまう

企業が利益を追求していくものである以上、営業部門の売上目標が上がっていくのは避けられません。

とはいえ、毎日2時間以上も残業をしてみんなでやっと達成した目標を、来期に30%アップなどという無理難題を押し付けられた場合には、話が別です。

「あれだけがんばって数字を作ったのに、さらに30%なんて、どうやればいいんだ・・・」と、メンバーのモチベーションは一気に下がってしまいます。

目標数字は経営層が決定することが多いため、マネージャーができることは限られているかもしれません。

しかし、一度は経営層に再検討を促してみるべきです。

その際は、「この数字を達成するには、メンバーを最低1人は追加してほしい」「現時点で月50時間の残業でそれがさらに増えると、心身の健康を損ねる可能性が高まる」といったように、具体的な数字を出すことで、再検討してもらえる可能性が高まります。

経営層ではなく自分で設定した目標数字である場合には、具体的な達成方法を示してあげるといいでしょう。

過去の実績を見せ、その上で「今はここが改善されている」「この部分のスキルが上がっている」→だから達成は十分に可能だ、と伝えれば、メンバーは安心して営業活動に邁進することができます。

おわりに

営業マネージャーにありがちな失敗と、その対処法・防ぎ方をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

共通して言えるのは、小手先のテクニックだけで出来ることではないということです。

メンバーや組織の成長にとって、何が一番いいのかを考え続けることが、何よりもマネージャーに求められている能力なのではないでしょうか。

このことを肝に銘じて、日々、メンバーと組織に対して全力で向き合っていくことで、おのずと自分なりの正しいマネジメントが見つかるはずです。

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