営業個人の役割が目標を達成することだとしたら、営業マネージャーの役割は組織のパフォーマンスを最大化し、営業一人ひとりの目標達成に向けた後押しをすること。シンプルに言い換えれば、強い組織と働きやすい環境をつくることです。

つまり、営業個人や組織が目標達成をしていなかったとしたら、それは営業マネージャーの責任が大きいということです。

というわけで今回は、強い営業組織と働きやすい環境を作るための営業マネジメントの5つの施策をご紹介していきたいと思います。

1.社内ナレッジを共有することで営業力を強化する

強い営業組織を作るための5つのマネジメント施策 | Senses Lab. | 5

よく言われますが、営業は基本的に一人で考え、行動するため、属人化しやすい職種です。

全員が優秀で売上も毎月右肩上がりであれば何の問題もないですが、なかなかそうもいかないもの。

特に“できない”営業の場合、「売上を増やせ」と言われても、行動の前提となる「営業活動のどこが、どのように間違っているのか」、「どうやって改善したらいいのか」すらわからない状態です。

そこで有効なのが、ベストプラクティスを共有することです。”できる”営業が、どんなメールを送っていて、どんな提案をしているのか、つまり「勝ちパターン」を知ることで個人の成果が上がり、チーム全体の営業力も底上げされるというわけです。

とはいえ、ベストプラクティスを知ったからといって、すぐに効果が出るわけではありません。具体的な行動に結びつけるには、後述する「自立した営業を育てる」方法と組み合わせることが必要です。

なお、日報やMTG、口頭での情報共有は時間もかかりますし、内容が部分的になってしまう恐れがあります。効率的に情報を共有するために、SFAの導入をおすすめします。

SFAについて詳しく知りたい方は下記の記事をご参照ください。
SFAとは?知っておきたいSFA(営業支援ツール)の導入メリット

2.営業プロセスを管理する

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冒頭でもお伝えした通り、マネジメントの仕事は、現場の営業担当者が自分の目標を達成する後押しをすることです。

ですが、達成をしている/していないという「結果」に対して理由を求めるのは意味がないですし、結果が出てから対策を立てるというのでは遅すぎます。

そこで、目標設定やアポの獲得、商談といった営業活動のプロセスに対してマネジメントをすることが必要になってきます。こうすることで、問題行動があってもすぐに是正でき、行動の質の向上、ひいては成果に繋げることができるのです。

ここではマネジメントが果たすべき、4つの役割について考えてみましょう。

①目標管理

経営目標で掲げられた数字を、部門、チーム、個人の目標設計に落とし込みます。

個人の目標については、「どうしてその目標数字になったか」という根拠をしっかりと説明することで目標を達成することの意義が理解でき、営業メンバーが目標に対してコミットすることで、パフォーマンスを向上させることができます。

また、「少し高めの数字に設定」することで、成長を促すことも大切です。

②行動管理

営業の行動を数値にもとづいて管理することが、行動管理です。

目標達成できなかったという結果だけを見て「なぜ売れなかったんだ」と詰めるだけでは、何の解決にもなりません。

まずはプロセスごとの数字を分析してボトルネックを見つけます。例えば、ここでクロージング数(率)が低いことが分かったとします。

その際に、クロージングができなかった理由や仮説(価格設定に問題があった、競合に負けた、など)を立て、打ち手を実行していく。このようなPDCAを回していくことこそが、根本的な課題の解決と営業力の強化に結びつくのです。

③案件管理

ボトルネックを排除し、顧客が「買わない理由」を潰すことで、案件を確実に受注できるようにします。

特に、以下のポイントに留意して進捗を管理します。
・見込み案件の確度は適正か
・いつまでも管理表から消えない見込み案件はないか
・ネクストアクションのタイミングや内容は適正か
・ネクストアクション通りのフォローは出来ているか
・受注のボトルネックに対する打ち手は明確か
・そのボトルネックを解消出来れば本当に進捗するか
・提案内容や提案書のチェック
・見込み案件の属性分析と横展開の要因分析
・失注理由の分析

※参考:営業マネジメント4つの極意

また、多くの営業担当者は、すべての案件に同じパワーをかけてしまう(どの案件も全力でやってしまう)傾向にあります。

ですが、受注の確度が低い案件に時間やコストをかけているわけにもいきません。得られるリターンを最大にするために、パワーをかける案件を見極め全体最適を図るのも、マネージャーの重要な役割です。

強力な営業組織をつくる方法とは?

営業メンバー全員をできる営業に育て、組織の営業パフォーマンスを最大限にしたいと考えている方向けに、できない営業をできる営業に変える方法を分かりやすくご紹介します。

こんな方にオススメ
・若手の営業成績がなかなか上がらず悩んでいる
・営業ノルマの達成が一部の”スーパー”営業頼りの現状から脱却したい
・できる営業を増やして、組織としての営業力をボトムアップさせたい

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④モチベーション管理

モチベーションのない営業が成果を上げることはできません。しかし、そのモチベーションの源泉が「成果を上げていること」だったりします。

そこでマネジメントとしては、まずは小さな目標を達成させることでモチベーションを上げることが重要になります。

モチベーションの上げ方については、本も多数出ているので、自分に合ったやり方を見つけていただくのがいいと思います。ただ、ひとつだけ効果的な方法をお伝えするなら、自分の経験談や持論を押し付けないことです。

仕事に対する考え方や意欲などは人によって違いますので、一人ひとりに合った関わり方をするように心がけてください。

「目標管理」「行動管理」「案件管理」「モチベーション管理」をすることで、入力や確認作業など面倒な仕事をできる限り減らし、営業が成果を出しやすく、働きやすい環境をつくることができます。

なお、営業プロセスをSFAで管理することで、マネジメントに必要な膨大な情報を数分で分析して、すぐに次の打ち手を導き出すことが可能になります。

詳しく知りたい方は下記の記事をご参照ください。
営業プロセスを見える化する2つの方法:ExcelとSFAを徹底比較

3.社内の連携を強化する

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社内での連携が取れていなければ、受注できたはずのものも失注してしまいます。

たとえば、ウェブサイトからの問い合わせがあった場合を考えてみます。

顧客は、サイトに掲載されている製品を見て、気に入ったので問い合わせをしました。

そこに営業担当が、具体的な説明をするために訪問をします。ですが、いまいち反応が芳しくありません。

なぜ、こんなことが起きてしまったのでしょうか?

原因は、サイトでの製品紹介と営業が商談で行った説明にギャップがあったことです。サイトでの紹介でイメージを膨らませていたので、営業の説明で違和感やマイナスのイメージを感じてしまったのです。

こうしたギャップを避けるには、社内での連携が欠かせません(この場合はサイトをつくっているマーケティングと商談をした営業ですね)。

製品やサービスごとに、説明方法や魅力などを話し合い、ギャップがある場合には、どちらか一方、または両方で修正をする必要があります。

このように、社内の他の部署との橋渡しをするのも営業マネージャーの仕事です。

詳しく知りたい方は下記の記事をご参照ください。
マーケティング、営業、開発の社内連携を強化する5つの方法

4.具体的な目標や計画を立てる

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目標数字を意識させるだけでは不十分です。「契約が◯件必要で、そのためには◯件のアポに行って、アポを取るためには◯件の電話をする」といった具体的な行動計画に落とし込むことで、数字を達成するための道筋が見えてきます。

計画といっても、それほど難しく考えることはありません。営業ファネル(潜在顧客が見込み客、顧客へと絞り込まれるまでのプロセス)から逆算していけばいいだけです。

それでは実際に、目標を落とし込んだ行動計画をつくってみましょう。

<条件>

・売上目標:1,000万円
・製品単価:25万円
・受注率:50%
・アポ取得率:40%

▼目標達成に必要な受注件数を出す

(売上目標)1,000万円÷(製品単価)25万円=40件

▼40件の成約に必要なアポ取得数を出す

受注率が50%なので、1件の受注に必要なアポは2回

(1件の受注に必要なアポ数)2回✕(受注件数)40件=80回

▼アポを取得するのに必要なテレアポ数を出す

アポ取得率が40%なので、1回のアポに必要なテレアポは2.5回

(1回のアポに必要なテレアポ)2.5回✕(アポ取得数)80回=200回

ここまで出来たら、あとは個人に割り振り、月ごとや1日ごとで「どの行動を、どれだけやるのか」を考えてもらえばOKです。

ただ、実際に数字を計算してみると、非現実的な行動量が必要になる場合もあるので、その際には業務の効率自体を見直し、改善するようにしましょう。

このように、アポ数や時間配分など具体的な目標を決めておくことで、振り返りの際に達成したか/していないか、達成できなかった理由(ボトルネックになっているプロセス)がひと目でわかります。

5.自立して行動できる営業を育成する

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最初の項目で「ベストプラクティスを共有することで、営業力の底上げを図る」という話をしましたが、実は、これにはデメリットがあります。

勝ちパターンを知って、自分も同じように行動してみて、成果が出る。ここまではいいのですが、行動の裏にある意図がわからないと、いつも同じ行動しか取れなかったり、臨機応変な対応ができなくなってしまいます。

ひとつ、例をあげてみましょう。「見積書は最後に出したほうがいい」と教わったとします。しかし、何度も商談をしているうちに、見積書を最後に出しても受注できない案件があったり、もっと早くほしいと言われることが多いことに気づきます。

ここで、事前に「見積書を最後に出す」ことの意味が「ヒアリングをやり尽した後に出す」ことだと理解していれば、簡単な見積りを先に出すと言う判断を取ることもできます。

一方で、行動そのものしか教えられていなければ、愚直に最後に出し続け、失注してしまう可能性もあります。

要は、自分で考えて行動をすることが大事だということ。こうした自主性を養う方策としては、①「なぜ、その行動を取るのか」といった意図や方針を伝えることと、②得た情報を使って自分ならどう課題を解決するのかを考えさせることが有効です。

※自立した営業を育てる方法については、「データドリブンな指導で営業効率を上げる方法とは?」の記事も合わせてご覧ください。

まとめ

長々と説明をしてしまったので、ここでもう一度、強い営業組織、働きやすい環境を作るための方法を一通りおさらいしておきたいと思います。

1.社内ナレッジを共有することで営業力を強化する
2.営業プロセスを管理する
3.社内の連携を強化する
4.具体的な目標や計画を立てる
5.自立して行動できる営業を育成する

各施策について個別にお伝えしてきましたが、どれかひとつではなくすべてを一連の施策として捉えることで、相乗効果を生み出すことができます。

強力な営業組織をつくる方法とは?

営業メンバー全員をできる営業に育て、組織の営業パフォーマンスを最大限にしたいと考えている方向けに、できない営業をできる営業に変える方法を分かりやすくご紹介します。

こんな方にオススメ
・若手の営業成績がなかなか上がらず悩んでいる
・営業ノルマの達成が一部の”スーパー”営業頼りの現状から脱却したい
・できる営業を増やして、組織としての営業力をボトムアップさせたい

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