みなさん、こんにちは!ライターの宮本です。
夏も終わりに近づき、そろそろ10月の人事異動が気になってきている人も多いのではないでしょうか。

昇格は嬉しいけれども、なんとなく知っているようで知らないのが、マネージャーという仕事。
そこで今回は、営業マネージャーの仕事と役割について、具体的な事例を出しながらわかりやすく説明していきます。

すでにマネージャーとして活躍している人、マネージャーになったばかりの人、そして、これからマネージャーを目指す人にも、ぜひ読んでいただき、日々のマネジメントに役立てていただければと思います。

 

営業マネージャーの仕事と役割とは?

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肩書きの通り、営業メンバーのマネジメントを行う人です。
単に、メンバーの数字をまとめて上に報告することが仕事ではなく、チームメンバー一人ひとりの売上アップ、さらに、最終的には会社の業績アップを達成することがミッションです。

なお、マネジメントするには2つのポイントがあります。

1つ目は、経営層であるということを自覚すること。
経営者が何を考え、何を目指しているのか?経営理念やビジョン、経営戦略といった会社の大きな方向性に沿って日々の業務や指導をしていくことが必要です。

2つ目は、組織全体の最適化・最大化を考えること。
優秀なメンバーがいること自体はいい事ですが、その人だけでチームの目標達成をすることはできません。

メンバー一人ひとりの能力を底上げしたり、メンバー同士が相乗効果を生み出せるようにするなど、全体を俯瞰できることが、マネージャーならではの強みであり重要な役割になります。

営業マネージャーと営業メンバーの違い

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メンバーの時は「自分が売る」のが仕事だったのに対し、マネージャーになると「人に売らせる」ことが仕事になります。

営業マネージャー:目標設定や戦略立案など、管理が主な仕事
営業メンバー:実際に営業、商談する仕事

自分で営業をしなくてよくなり、役職がつき、年収も上がる・・・マネージャーになったら仕事は楽になるに違いない!と思っている人もいますが、これは大きな間違いです。

やってみるとわかりますが、人に売らせるというのは相当大変なことです。

業務に必要な知識を覚えられないなんてことは日常茶飯事。自分がやってきたようにやらせれば上手くいくかと思いきや、やり方が合わないのか、時代が違うのか、これまた失敗。

さらに悪いことには、目標を達成するために、自らが営業活動に奔走してしまうなど、メンバーの延長線上でしか仕事ができない人が多いのが現状です。

このような状態になってしまうのは、マネージャー自身が役割を認識していないか、認識していても目の前のことにいっぱいいっぱいになってしまい役割を全うできていないことが原因です。

本来なら、昇格した時点でマネージャー研修が必要なのですが、手が回っていない会社が多いのではないでしょうか。

そこで次項からは、マネージャーの役割について詳しく解説していきます。

営業マネージャーの役割①:営業戦略を立てる

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経営者が、今後5年間(または3年間)で、会社をどうしていきたいと思っているのか?が落とし込まれている「経営戦略」をもとに、営業戦略を立てます。

たとえば、新しい支店・支社を開設するのであれば、新規開拓ができるメンバーを育成することに注力しなければなりませんし、売上や利益を大きく伸ばすことを最大の目標としているのなら、アポ数を増やす、商談の成功率を上げるといった施策を考えるべきです。

ですが、これだけでは戦略としてはまだ道半ばといったところ。いくら経営戦略の沿ったものだからといっても、実行できなければ意味がありません。

確実に実行するには、チームやメンバーの状況を把握しておく必要があります。

先ほどの例で言うと、支店を開設するのに新規開拓ができるメンバーの育成をする場合、中堅メンバーが多ければ育成の方向性を変えれば事足ります。

しかし、新人が多ければ3年かけて育成する計画を立てなければなりません。

このように、経営戦略とチーム・メンバー、上と下の両方に配慮しなければ、実行可能な戦略を立案したとは言えないのです。

なお、戦略を立てる際にメンバーを参加させるというのも、一つの方法です。目標を全員で達成するのだという共通認識を醸成でき、一体感を高めることにも繋がります。

営業マネージャーの役割②:メンバーの育成

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マネージャーは自分が売るのではなく、人に売らせることが仕事なので、売れるようにメンバーを育てることが大事な役割の一つとなります。

「育てる・教育する」ということについては、「褒める・甘やかす」「叱る・厳しくする」のどちらかを推奨していることが多いようですが、どちらかに偏ってしまってはダメで、バランス良く取り入れるのがいいでしょう。

すべてのことにマニュアルやトークスクリプトを用意して甘やかしていれば、他人から言われたことだけをこなす受け身の営業になってしまいますし、目標達成ができないと頭ごなしに(しかも感情的に)叱っているだけでは、成長にはつながりません。

あくまでも一例ではありますが、以下のような手順を踏むことで、自発的な行動ができ、成長し続けられるメンバーを育てることができます。

 

KPIなど目標の設定を一緒に行う

アポ数、商談数、受注金額などKPIは、メンバー本人のやる気や意向を聞きながら、一緒に設定していきます。
誰かに押し付けられたものでなく、自分で考えることで、達成意欲が湧きます。

 

言葉や行動の裏にある意図を理解させる

たとえば「基本的に打ち合わせは、全て直接訪問で行くように。」という指示をすると、相手が出張でいない、といった事態に対応することができません。

ですが、直接訪問をするという真意がお客様と良い関係を築くということであれば、「常にお客様にとって一番良い方法を取る」という方針を伝えるだけで十分です。

こうすることで、電話やチャットという方法を思いつくことができます。

メンバーの育成が下手なマネージャーは自分自身が営業だった時の方法を一方的に押し付けて、考え方を教えないことが多いです。魚を与えるのではなく、釣り方を教えるのもマネージャーの仕事です。

 

営業プロセスの見える化、効果検証を行う

営業に関するさまざまなデータを集め、プロセスを可視化することで、まずはメンバーの課題や弱点を見つけます。

見つかった課題や弱点に対しアドバイスを行う→実行させる→行動の結果を検証する、を繰り返すことで、パフォーマンスの向上につながります。

たとえば、提案回数は目標数を達成しているにも関わらず、受注数が達成していないメンバーがいた場合に、提案やクロージングの手法に対して改善のアドバイスを行い、その後の進捗率を確認して効果検証を行うなどです。

アドバイスする人はいても、アドバイスをしたまま放置してしまう人がいます。しかし、これでは効果は半減してしまいます。

効果検証をすることで、新たな課題を見つけたり、自身の成長に気づくことができます。

営業マネージャーの役割③:効果検証をする

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営業に限らず、どんな仕事でもPLAN(計画)→DO(実行)→CHECK(検証)→ACTION(改善)のPDCAサイクルを回すことが必要です。

営業マネージャーの場合、計画(戦略の立案や目標設定)や実行(メンバーに行動させること)に注力してしまいがちですが、検証や改善も同じくらい重要な仕事です。

特に検証が大事で、メンバーの成績や行動が良いとき・悪いときのどちらに関しても検証を行うことで、効果的にモチベーションや成績を上げることができます。

具体的なやり方としては、①営業メンバーが抱える課題に対して仮説を立てる、②仮説をもとにした改善策を考える、③改善策をメンバーに実行させる、④実行した結果を検証し、さらに仮説を立てる、という流れを繰り返していきます。

活用事例:戦略、育成、効果検証を、実際のマネジメントに当てはめてみると・・・

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ここまでマネージャーの3つの役割を説明してきましたが、理論がわかっても、実際にどのような行動を取ればいいのかという点に落とし込むのは、なかなか難しいものです。

そこで最後に、事例を挙げながら戦略、育成、効果検証の流れをまとめて見ていきたいと思います。

 

①戦略を立てる

経営戦略をもとに、営業部・チームとしての目標、営業フロー、顧客ターゲットを決め、メンバーごとのKPIに落とし込んでいきます。

ここでのポイントは、営業アクションごとにトップセールスの行動を基準に設定することです。
少し厳しいような気がしますが、どのアクションで差が出てしまっているのかを見つけるにはトップと比べるのが一番わかりやすいので、ここは心を鬼にしてください。

なお、KPIは自社で決めた指標があればそちらで構いませんが、ない場合は営業上のアクションなどでKPIを設定し、目標と実績を集計できるようにしておきましょう。

 

②営業メンバーに戦略を実施させる

KPIを立てた後は、メンバー自身に実績を記録してもらいます。
入力は基本的に毎日してもらいますが、初回の検証を行うのは効果が出てくる1か月月後くらいがベストです。

その後は、1週間、2週間、1か月ごとなど、期限を設定して検証をしていきます。

 

③データから課題を見つける

実績データがたまってきたら分析をします。
まずは各アクション(KPIの項目)ごとに、目標数値と実績を見比べてみます。

たとえばここで、アポ数やトライアルの実施数は目標数値を超えているのにクロージング数が少ない場合は、クロージングにボトルネックがあると考えられます。

 

④仮説を立てる

ボトルネックになっている部分がわかったら、次はその要因を考えてみます。これが仮説となります。

上記の例でいくと、「デモ実施後、クロージングを行うまでに時間が空いてしまったため、お客様の温度感が下がってしまったのでは?」「適切な内容のクロージングができていないのでは?」といった仮説が立てられます。

 

⑤仮説を実行する

次はいよいよ、立てた仮説を実行に移す段階ですが、一度に全部やろうとするのではなく、一つずつ行うことがポイントです。こうすることで、効果検証がしやすくなります。

また、具体的な実行方法ですが、トップセールスのやり方を模倣させるのがベストです。

「デモ実施後、クロージングを行うまでに時間が空いてしまったため、お客様の温度感が下がってしまったのでは?」という仮説を立てたのであれば、まずはトップセールスと対象メンバーのクロージングの期間を比較してみます。

ここで、トップセールスが2日以内だったのに対して、対象メンバーが1週間かかっているという事実があれば、トライアルからクロージングまでの期間を短縮する必要があるということ。

トップセールスと対象メンバーを比べてみることで、取るべき行動が自ずとわかるというわけです。

 

⑥効果検証する

仮説をもとに実行した結果を検証します。
クロージング数が増えたのか、変わらなかったのか。変わらなかったのであれば、新たに仮説を立ててみます。

①の戦略については、1年や半年、四半期の期初に設定し、日々のアクションで②〜⑥をできるだけ早く、回数を多く行います。

これを各メンバーごとに繰り返していくことで組織全体のパフォーマンスが向上し、また、メンバー自身が自分でも仮説を立てることができるようになっていきます。

まとめ

「立場が人を作る」という言葉がありますが、前提として、その立場に何が求められているか、つまり役割がわからなければ間違った方向に作られていってしまいます。

この記事を読んだみなさんなら、マネージャーが自分も一緒に営業して目標を達成することと、メンバーを育てることで目標を達成することの意味合いの違いがおわかりいただけたのではないでしょうか。

すべてのメンバーに対する責任と成長を担いながら、業績アップを目指さなければならないマネージャーという仕事は、とても難しく大変ですが、その分、やりがいも大きいですし、何よりおもしろい仕事だと思います。

 

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