会社の組織を効率よく動かし、成果に繋げるには、組織マネジメントが必要不可欠です。
そこで今回は、組織マネジメントの概念、マネジメントの方法から必要なスキルまでご紹介していきたいと思います。
・組織づくりに悩んでいる
・部下の個人プレーが多い
・チームワークの良さが活かしきれていない気がする
・・・といった課題を感じている方は、ぜひご覧ください。
これを読めば、組織マネジメントがまるわかり!成果の出る組織に生まれ変わらせることができます。
組織マネジメントとは?
自分以外の人間が何を考えているのか、どう行動するのかなんて、誰にもわかりませんよね?
ですが、同じ組織に所属している人がてんでバラバラに、勝手に動いてしまっては組織は上手く回りません。
そこで必要になるのが、組織マネジメントです。
文字通り、組織をスムーズに運営するためのマネジメント手法のことを言います。
マネジメントとリーダーシップの違い
マネジメント=リーダーシップと語られていることもありますが、似て非なるもの。
リーダーシップはマネジメントの一部であり、必要なスキルの一つです。
ここを混同したままだと、この後の説明がわかりづらくなってしまうので、しっかり切り分けて読み進めていただければと思います。
<マネジメント>
組織の目標を達成するための戦略や仕組みをつくり、計画を実行、管理します。
メンバー一人ひとりの能力を最大限に発揮させる役割が求められており、結果よりも過程を重視してメンバーや組織を管理していきます。
関連記事:マネジメント能力とは?必要なスキルと高め方を徹底解説
<リーダーシップ>
メンバーを目標やビジョンの達成へと導いていくスキルです。
みんなを引っ張っていくという意味合いが強く、自分の考えをわかりやすく伝えたり、メンバーのモチベーションを高めていくことが求められます。
リーダーシップについては、こちらの記事内で詳しく解説しています。
関連記事:リーダーシップとは?リーダーに必要な10のスキルと取るべき8つの行動
組織マネジメントで解決できる課題
組織マネジメントの目的は、以下の2つです。
・メンバー一人ひとりの能力や行動を把握し、パフォーマンスを最大限に発揮できるようにする
・メンバー同士が強み、弱みを補完し合うことで、組織力を向上させる
たとえば、優秀な営業がたくさんいる会社があったとします。
これだけでもある程度の成果は挙げられると思いますが、問い合わせに対応してくれるカスタマーサービスや書類作成を手伝ってくれるアシスタントがいれば、訪問や商談の数をもっと増やして、さらに売上を増やすことができますよね。
こんな風にメンバー一人ひとりの違いを上手く活かして、さらに掛け合わせることで、組織として大きな成果を出すことができるようになる、というわけです。
それでは次に、組織マネジメントを行うことでどんな効果があるのかを、見ていきましょう。
①組織全体のマネジメント力を向上できる
純粋にマネジメントだけをする管理職を置いている会社は、昨今ではほとんど見かけません。
プレイングマネージャーとして自らも成果を出しながら、マネジメントもすることが求められていることがほとんどです。
この状況で新たに管理職になった場合、プレイヤーとしてはこれまでの経験でなんとかできると思います。
しかしマネジメントの経験がないため、組織の運営が上手くいかず、機能不全に陥ってしまっているケースが多いようです。
そこで、組織マネジメントの研修や能力開発を実施することで、マネジメント力を向上させることはもちろん、プレイヤーとマネジメントを兼任しているプレイングマネージャーも管理職としての責任感を養うことができます。
②管理職の負担を軽減できる
メンバーの育成やサポート、マネジメントは管理職の大切な役割ですが、プレイングマネージャーとして多忙な中で、無限に時間をかけることはできません。
しっかりと組織マネジメントができていれば、たくさんの時間や業務量を費やさなくても、メンバーは自発的に行動ができるようになります。
営業の業務効率化に欠かせない、SFA(営業支援ツール)に関する記事はこちら!:
③個々に合わせたマネジメントができる
非正規社員や業務委託、時短勤務など、今後ますます働き方は多様化していきます。
そこで管理職に求められるのが、メンバーそれぞれの適性や志向、価値観に合わせた仕事の割り振りやサポートを行うことです。
こうした労働環境の変化に対しても、組織マネジメントを活用することで、スムーズな組織運営が実現できます。
組織マネジメントの基本:何を管理するべきか?
ここまで、組織マネジメントの必要性を説明してきました。
では実際に、「何を」マネジメントしたらいいのでしょうか?
有名なコンサルティングファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニーが提唱している「組織の7S」を用いて説明してみたいと思います。
■ハードのS:組織の構造に関するもの
(1)戦略(Strategy)
競争優位性を維持するための事業の方向性、経営解決の手段
(2)組織(Structure)
集団で最大限のパフォーマンスを発揮するための組織の形態や構造
(3)システム(System)
人事評価や報酬、情報の流れ、会計制度など、組織の活動を円滑にするための仕組み
■ソフトのS:人に関するもの
(4)価値観(Shared Value)
社員で共通認識を持つ会社の価値観
(5)スキル(Skill)
営業力、技術力、マーケティング力など組織に備わっている能力
(6)人材(Staff)
組織が掲げる価値観を共有・共感できる人材、個々の人材の能力
(7)スタイル(Style)
社風や、組織の文化、仕事の進め方など
制度や仕組み、システムなどに関する「ハードのS」は比較的変更しやすいのに対し、人の価値観や能力に関する「ソフトのS」は変更に時間がかかると言われています。
なお、ハードとソフトのどちらが大事、ということはありません。
たとえば、最新のITシステムを導入してもそれをメンバーが使いこなせなければ、宝の持ち腐れとなってしまいます。
まずは7つの要素が、どのように影響し合うのかを理解し、戦略や計画を立てる際には、それぞれの要素が邪魔をせずに効果を出すにはどうしたらいいのかを考えてみることが必要です。
組織マネジメントに必要な6つのスキル
上述した通り、組織マネジメントで管理すべき範囲は幅広く、管理職にもさまざまな能力が求められます。
そこでこの項目では、組織マネジメントを行うに当たり、管理職が身につけておくべき6つの能力について紹介したいと思います。
1.目標設定力
組織として達成すべき目標を理解・把握した上で、計画や施策の立案、最適な人員配置を行います。
目標設定のポイントは、達成できるギリギリのラインに目標をおくことです。ほどよい緊張感があることで、やる気や達成感を引き出すことができます。
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2.計画力
目標を達成までのプロセスで分割、逆算して、計画をつくります。
具体的なスケジュールに落とし込むことで、迷わずに業務を進めることができます。
3.人材マネジメント力
メンバー一人ひとりの能力や性格を見極めて適材適所に配置、さらに必要があれば、動機づけや指導も行います。
ここで注意が必要なことが2つあります。
①口で伝えるだけでなく、やってみせる
自らの背中を見せることで、メンバーの士気が高まり、自発的な行動を促すことができます。
②モチベーションにこだわらない
モチベーションが低くても成果を出せる仕組みをつくることが、マネジメント側の役割です。
モチベーションは高いに越したことはないですが、低いからと言って精神論に偏った指導をしないように気をつけなくてはなりません。
4.コミュニケーション力
管理職には、まったく別の2つのコミュニケーション力が求められます。
一つは、メンバーに対するもの。
現場の声をしっかり聞き、何でも気軽に話し合あうことで信頼関係が生まれ、働きやすい職場になります。
もう一つは、経営に関わる上位管理職に対するものです。
売上や利益など経済合理性を考える経営層に対して、現場の状況を理解してもらうという高度なコミュニケーションが求められます。
5.リスク回避力
業務の予定や取引条件、市場環境など、ビジネスの世界では日々、さまざまな変化が起こります。
こうした変化にいち早く気付くために常にアンテナを張っておき、大きな課題となる前に手を打つことができるよう対策を立てておくことが必要です。
まずは発生確率と被害の大きさでリスクを分類し、優先度の高いものから対策を立てておきます。
具体的な対策としては、リスクの少ない業務フローへの変更やトラブル時の対応マニュアル作成をしておくことが役立ちます。
6.評価力
いくらがんばっても認められなければ、誰もがいずれはやる気をなくしてしまいます。
優秀な人材、成果を挙げたメンバーには、しっかりと評価をして報奨や役職などインセンティブを与えます。
評価されたメンバーはもちろん、周りのメンバーにもライバル心が芽生えることで、意欲が高まります。
さいごに
組織を効率的に運営していくには、難しいことやクリアしなくてはいけないことがたくさんあります。
一方で、足りない部分を補い合ったり切磋琢磨し合うことで、個人では到底望めないパフォーマンスを発揮し、大きな成果を出せることは、組織ならではのメリットです。
ぜひ、今回ご紹介した組織マネジメントを活かして、個人と組織の目標達成や成果に繋げていただければと思います。
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