テストマーケティングとは、本リリースする前に試験的に販売することです。
「リリース前に世間の声を知りたい」「ブラッシュアップしたい」などの目的の場合、テストマーケティングが有効と言えます。
本記事では、テストマーケティングがどのようなものか、概要や必要性、具体的な手法を紹介します。成功ポイントや企業事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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この記事の内容
テストマーケティングとは?
テストマーケティングとは、新商品・新サービスを本リリースする前に、エリアや期間を限定して販売して消費者の反応を見る、試験販売のことです。
商品の試供品を利用した感想を調査したり、モニターを募集してサービスのテスト画面を操作してもらったりするなどの方法があります。
テストマーケティングによって本リリース前に消費者の反応を知ることで、商品・サービスをブラッシュアップしたり、将来的にどのくらいの収益が見込めるか予測したりすることが可能です。
テストマーケティングの必要性とは?
テストマーケティングは費用も手間もかかるため、なかなか足を踏み出せないという企業も少なくありません。しかし本リリース前に消費者の反応をうかがえる貴重な機会のため、試してみる価値は大いにあると言えます。
そこで、ここからはテストマーケティングをなぜ行うのか、という視点から必要性について解説します。
テストマーケティングの必要性は主に4つあります。
- 商品・サービスへの客観的な判断材料になるため
- PMF(プロダクトマーケットフィット)を実現するため
- 明確な販売・生産計画を立てるため
- リスクを軽減するため
です。
商品・サービスへの客観的な判断材料になるため
商品・サービスを開発した際、主観的な目線だと視界が狭くなります。
テストマーケティングを行うと、実際の消費者目線で客観的な意見をもらうことができます。不満点や不足点などが見つかるため、商品・サービスをさらにブラッシュアップした状態で本リリースできるでしょう。
PMF(プロダクトマーケットフィット)を実現するため
テストマーケティングを行うことで、リリースしようとしている商品・サービスがPMFを満たしているかどうかを確認できます。
PMFとは「プロダクトマーケットフィット」の略称で、プロダクト(商品・サービス)が市場に適合している状態を言います。
たとえば「30代の子育て層の主婦向けサービス」を開発したとします。しかしテストマーケティングを行うと、もともとターゲットとしている層よりも「夫婦二人で暮らしている年配女性のほうが利用率が高い」という結果になる可能性もあります。こうした場合、本来ターゲットとしている市場よりも、別の市場で展開したほうが大きな成果が見込めるでしょう。
もちろん、本来のターゲット層に受け入れられ、PMFが実現していることを改めて確認できる場合もあります。
このように、テストマーケティングを行うことで、自社の商品・サービスが最適な市場で展開できるかどうか判断できるのです。
関連記事:PMF(プロダクトマーケットフィット)とは?PSFとの関係性や達成する手順・検証方法を解説
明確な販売・生産計画を立てるため
事前に販売計画や生産計画を立てておかなければ、在庫が余剰になったり、在庫が不足して機会損失を招いたりするリスクがあります。
テストマーケティングを行うと「どのくらいのペースで再購入するか」「どの時期に売れやすいか」といった販売傾向をつかめるため、最適な販売・生産計画を立てることが可能です。
関連記事:営業計画の立て方【テンプレート付き】営業計画書の作り方・必須項目とは?
リスクを軽減するため
テストマーケティングのメリットは、少ない投資で実行できる点です。
リリースに際して、事前に大量生産をしたり大規模な店頭プロモーションを打ち出したりしても、実際には予測通りの売上が出ないこともあります。それでは、膨大な在庫を大幅に値下げしたり販促費が赤字になったりするなど、大きな損失になりかねません。
しかしテストマーケティングは、最小限の生産量と販促費で実行できます。そのため上記のようなリスクを回避し、最適な戦略を立案できるのです。
テストマーケティングの実践手法
テストマーケティングを行うには、インターネットを利用したオンライン施策と、実際の店舗などで行うオフライン施策があります。主な実践手法について、オンライン・オフラインそれぞれ具体的に解説します。
オンライン施策
インターネットを活用したオンライン施策では、ユーザーがスマートフォンやパソコンなどがあれば手軽に参加できるため、多くのユーザーを対象にしたい場合に向いています。また、アンケート結果や利用履歴などのデータを可視化・蓄積でき、分析が効率化するでしょう。
Webモニターによるテストマーケティング
インターネット上でモニターを集め、アンケートに回答してもらう方法です。アンケート前に商品サンプルを送付して使ってもらったり、デモ画面を利用してもらったりして、感想や意見などをもらうこともあります。
アンケート作成ツールなどを使うと簡単にアンケートを作成できるだけでなく、回答結果を自動で集計してくれる機能も搭載されています。
SNSでのテストマーケティング
SNSに投稿した内容に対して、ユーザーの「いいね」やシェアなどの反応を見る方法です。自社のSNSアカウントがあればすぐにでも試すことができます。
ただしフォロワーが少なければ、測定できるほどの反応を得られない場合もあるため注意が必要です。
クラウドファンディングを利用したテストマーケティング
クラウドファンディングで集まった資金額から、実際のニーズにマッチしているか判断する方法です。商品・サービスに魅力がなければ資金は集まらないため、リリース後に市場で受け入れられるかどうかの判断材料となります。
出資者から改善点などのフィードバックを得ることもできるでしょう。
オフライン施策
実店舗や会場などで行うオフライン施策は、実際に消費者の反応を見ることが可能です。オンライン施策に比べてデータの可視化が難しいため、目的や規模などに応じて使い分けましょう。
実店舗でのテストマーケティング
実店舗で試験販売を行う方法です。エリアや期間を限定して販売することが多いでしょう。
たとえば「東京・神奈川・千葉・埼玉のコンビニ限定で試験販売をする」「期間限定のポップアップストアをオープンする」などがあります。
モニター調査によるテストマーケティング
モニターに商品サンプルを一定期間使ってもらい、フィードバックを集める方法です。化粧品やサプリメント、健康器具や洗剤などで用いられています。
アンケートだけでなくインタビューを行って、より詳しい意見を集めることも可能です。
会場調査によるテストマーケティング
指定の会場まで来てもらい、実際に商品を試してもらってアンケートやインタビューを行う方法です。
実際に商品を使っている様子まで見ることができるため、生の反応を確認できるでしょう。
BtoBビジネスにおけるテストマーケティング施策
今まで紹介した手法は、主にBtoCビジネスでよく使われるテストマーケティングの手法です。
BtoBでのテストマーケティングはBtoCに比べると難易度が上がりますが、以下のような方法で実行できます。
提案資料を作成する
リリース予定の商品・サービスについての提案資料を作成して営業活動を行うと、顧客の反応をうかがうことが可能です。
コンセプトや機能、料金やベネフィットなどをまとめた提案資料を使い、「顧客が興味を持つか」「受注確度はどのくらいか」といった視点で反応を見ていきましょう。
LPやティーザーサイトを作成する
LP(ランディングページ)やティーザーサイト(ティザーサイト)などを作成して情報を発信し、世間がどのような反応をするか検証する方法です。
なお、ティーザーサイトとは、リリース前の商品・サービスについての情報発信を行うWebサイトのことで、情報を小出しにしていきユーザーの期待感を高めていくものです。
LPやティーザーサイトを作成したら、Web広告として出稿すると、どのくらいのアクセスやコンバージョンがあったのか測定できます。
テストマーケティングを成功させる3つのポイント
見切り発車でテストマーケティングを行っても、思うように反応を得られず失敗するリスクが高いでしょう。
テストマーケティングを成功させるためには、以下の3つのポイントを意識することが重要です。
テストマーケティングのターゲットを明確にする
商品・サービスのターゲット層に対してテストマーケティングを実施しなければ、本当にニーズがあるのか、売上が見込めるか、といった検証ができません。そのため、まずはターゲット層を明確にする必要があります。
ターゲット層で満足のいく結果が得られなかった場合、そもそもターゲット設定が誤っている可能性も考えられます。フレームワークなどを活用して、再度ターゲティングを行いましょう。
関連記事:ターゲティングとは?代表的なフレームワーク(STP分析・6R)を紹介
仮説を立ててからテストマーケティングを実行する
テストマーケティングでは「最適な市場を選べているか」「充分な利益が見込めるか」といった仮説を検証できます。仮説が正しいか間違っているか判断できるため、課題や改善点も見つけやすくなるでしょう。
したがって事前に仮説を立てておくと、どのような視点でどのような項目を分析すべきか把握でき、効率的にテストマーケティングを進められます。
収集したデータを分析・改善施策へとつなげる
テストマーケティングは「実行して終わり」ではなく、その結果を役立てることが重要です。
たとえば、テストマーケティングで予想以上に売れたからと言って本リリースで大々的に展開しても、思ったように売れずに失敗してしまうケースも見られます。テストマーケティングを行ったエリアや時期などが要因で売れたとしたら、本リリースでは通用しなくなるためです。
テストマーケティングが失敗した際には原因究明をするかと思いますが、成功した際にもその要因を分析し、問題なくリリースできるか判断しましょう。
テストマーケティングの成功事例
最後に、効果的なテストマーケティングを行ったことで本リリースが成功したという企業の事例を2社紹介します。
広告やリアルな現場を活用したテストマーケティングの成功事例「レッドブル」
テレビCMなどでよく目にするエナジードリンク「レッドブル」は、ターゲットとする若者が多い渋谷や原宿などに定期的に宣伝カーを走らせ、レッドブルを無料で飲んでもらうテストマーケティングを行いました。
実際に飲んでいる様子を確認したり、その場でフィードバックを収集できたりしたため、宣伝以上の効果を得られたことでしょう。
プロトタイプを作成し利用希望者増に成功した事例「Dropbox」
クラウドストレージ「DropBox」は、主に法人のユーザーをターゲットとしています。
プロトタイプ(後のブラッシュアップを見越した試作品)を作成し、デモを撮影して公開。その後、プロトタイプの利用希望者を募集したところ多くの応募があり、大量の利用希望者にモニターとなってもらうことができたため、多くのフィードバックを収集できました。
フィードバックはサービスのブラッシュアップに活用され、現在では世界中に多くのユーザーがいます。
まとめ|Mazrica MarketingでBtoBビジネスのテストマーケティングを実践
テストマーケティングを行うことで、PMFを実現できているか判断したり、さまざまなリスクを回避したりすることが可能です。最初から大きな投資をすることなく始められるうえに、フィードバックを活用してブラッシュアップしていくことでさらにニーズにマッチした商品・サービスへと成長します。
BtoCビジネスのテストマーケティングでは、手軽に実行できるオンライン施策や、実際の反応を見ることができるオフライン施策があります。またBtoBビジネスでは、提案資料やLPなどで反応を分析できます。
ただし、いずれの方法でもターゲット設定を誤ると、思ったような成果が得られません。
BtoBビジネスでテストマーケティングを実施する際は、Mazrica Marketingを活用することで、さまざまな営業データからターゲットを絞ったテストマーケティングを実施できます。
Mazrica Marketingは、SFA「Mazrica Sales」と連携できるMAツールで、Mazrica Salesに蓄積された営業データを基に施策を展開できます。
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