膨大な顧客情報を管理するためにCRMを導入している企業は多いのではないでしょうか。
蓄積した情報は、CRM分析によって次の施策へとつなげなければ意味がありません。
CRM分析を適切に行うことで、顧客との関係性の強化や、売上アップに繋がります。
しかし、一口にCRM分析といっても、様々な種類があるため活用の仕方がわからず困っていませんか?
この記事では、CRM分析の3つの目的と9つの分析方法、そして効率よくCRM分析を行うためのポイントを解説していきます。
こちらの資料では厳選したCRMサービスの特徴や機能をまとめています。
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CRM分析とは?
そもそもCRMとは、「Customer Relationship Management」の略であり、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。
一般に、CRMとは顧客関係管理を行うシステムのことを指します。
具体的には、
- 企業や顧客の連絡先
- 購入履歴
- 会社との接触の記録
- 関係性の状況(商談状況)
といったデータの一元管理が可能です。
しかし、単にデータを蓄積し管理するだけでは成果にはつながりません。
CRM分析とは、上記のような顧客データを分析し、顧客関係管理を徹底することです。
CRM分析を行うことで、成功するパターンや課題を発掘し次なる施策の一手を生み出すことができるのです。
具体的なCRM分析の進め方は以下の記事をご覧ください。
関連記事:CRMとは?意味や機能・おすすめの顧客管理ツールをわかりやすく解説
CRMを活用した顧客分析が重要な理由
CRM分析は何のために行うのでしょうか。ここではCRM分析が重要な理由を3つご紹介します。
顧客理解、関係性強化のため
CRM分析は自社の顧客情報をもとに分析を行うため、顧客の属性や行動の情報の理解がより一層深まります。
ターゲットに最適なアプローチを行うことが可能になるため、顧客関係の強化に繋がります。顧客に自社への愛着を持ってもらえるような営業術やマーケティング術を研究し、リピーター獲得につなげましょう。
関連記事:顧客獲得の効果的な方法とは?新規開拓からリピーター獲得まで徹底理解
LTV最大化のため
LTVとは「Life Time Value」、日本語で「顧客生涯価値」を意味し、顧客が生涯のうちに企業に支払う利益のことです。
LTVの高い顧客とは、購買頻度が高く、購入単価の高い顧客のことを言います。
前項の内容にも関係してきますが、CRM分析を通して顧客理解を深め、ロイヤルティの高い営業を進めることで、顧客満足度を向上させることができます。
関連記事:LTVを最大化させるには?定義や計算方法、最大化方法を詳しく解説
施策の効果向上のため
業績を拡大させるために企業は様々な施策を展開しますが、漫然と行うだけでは最大限の効果を得ることはできません。
CRM分析をすることで原因と結果の因果関係がより明確になり、成果に直結する施策を行うことができます。また、繰り返しCRM分析を続けることで、正確な予測、次の課題の発見、解決というPDCAサイクルが回しやすくなります。
関連記事:CRM戦略とは?導入のメリットと戦略立案のための5ステップ
CRM分析の代表的な手法9つ
つづいて、代表的なCRM分析の手法を9つ紹介します。
行える分析手法は、使用するCRMによって違ってくる場合がありますので、これからCRMを導入される際は、CRMの機能を確認しておくようにしましょう。
尚、CRM分析を含む「データ分析」の考え方は、こちらの記事内で詳しく解説しています。
関連記事:データ分析とは?分析に求められる仮説思考とは?
1. RFM分析
RFM分析とは、3つの指標をもとに顧客をランク付け、購買行動を知る分析方法です。
- 「Recency (最近の購入日)」
- 「Frequency (利用頻度)」
- 「Monetary (金額の大きさ)」
という指標から、優良顧客を見極め、特に自社の売り上げに貢献する可能性の高い顧客に優先してアプローチを行うことで、効率良い営業活動が実現可能です。
また、非優良顧客に対しても重点的に対策を練っていくことができます。
2. デシル分析
デシル分析とは、(デシルはラテン語で「10分の1」という意味)購入金額の多い順に顧客を10等分にグループ化し、分析する手法です。
顧客はそれぞれ違う人間ですので、できる限り一人一人に合わせた施策を行うことが望ましいです。
このデシル分析を利用すると、10段階に細かく分けた効率の良いアプローチができるようになります。
3. CTB分析
CTB分析とは、3つの指標をもとに、自社の商品・サービスを好む顧客の嗜好を明らかにする分析手法です。
- 「Category(カテゴリ)」
- 「Taste(テイスト)」
- 「Brand(ブランド)」
という指標からどんな商品が売れ筋なのかを分析し、その販売に注力することで売上を伸ばすことができます。また、不必要な在庫の削減にもつながります。
4. CPM分析
CPMとは、「Customer Portfolio Management」の頭文字から来ています。
CPM分析では、顧客をRFM分析の三つの指標に「顧客の在籍期間」を加えた四つの指標で分析し、さらに優良顧客から順に10のグループに分けて傾向を見る分析手法です。
顧客を4つの指標で分析し、その結果により10のグループに分けて傾向を把握する方法です。
その後は、デシル分析と同様にそれぞれグループごとに対策を練り、優良顧客グループの割合の増加をめざします。
5. セグメンテーション分析
セグメンテーション分析とは、顧客を年齢や性別、職業、住所、世帯人数といった属性や、企業の業種や規模、エリア等の条件からグループ分け(セグメンテーション)し、 傾向を把握する方法です。
これによって、どのような顧客が何を購入する確率が高いのかが分かるので、狙うべきターゲットや新しいニーズを容易に発見することが可能になります。
関連記事:セグメンテーション(セグメント分け)とは?|事例で学ぶセグメンテーションと方法
6. クラスター分析
クラスター分析とは、大きな集団の中から似たものを集めて分類し分析する手法のことです。
クラスター分析では、明確な分類基準を設けず、類似性のみを目安に分類します。
大量のデータの中から傾向を掴みたいときに使用されます。競合他社と比較したときの自社のポジショニングやブランディング、商圏の分析等に用いられます。
7. LTV分析
先述したように、LTVとは「顧客生涯価値」を意味し、購入単価が高く、購買頻度が高く、購買期間が長いほど、値が大きくなります。
LTVが高いユーザーとは当然優良顧客であるといえるわけです。
LTVが高い顧客を分析することで、ファンのニーズに忠実に沿ったプロモーションなどを確立できます。
関連記事:LTV(ライフタイムバリュー)とは?意味と計算方法・LTV向上に有効な営業戦略
8. 行動トレンド分析
行動トレンド分析とは、特定のシーズンに購買行動をしている顧客に絞って共通点や特徴を分析する手法です。
「土曜日に購入しがちなのは、○歳台の~~に住む顧客だ」「GWに購買が活発になるのは、○○の職種の顧客だ」といった分析結果がわかれば、最適なタイミングで広告配信やキャンペーンの実施ができます。
9. 売上分析
売上分析とは、自社や従業員、商品ごとの売上の傾向を分析する手法です。
売上分析により、売上が伸びやすいパターンや、売上が伸びない原因を可視化することができます。
売上が伸び悩んでいるときは、漠然と考えるのでは無く、競合他社や、実績のある人物と比較分析し、課題を発見しましょう。
以下の記事ではCRMを使った売上分析について詳しく解説しています。
関連記事:売上分析に使える7つの手法・フレームワークと分析ツールを紹介!
CRM分析のポイント
以上のように、CRM分析には様々な手法があり、それぞれ大きな効果を持ちます。
ここでは、CRM分析をスムーズかつ効率的に実施するポイントをご紹介します。
課題を明確にする
CRM分析を行う前には、必ず課題を明確にしましょう。
CRM分析は、上記で紹介したように非常に多くの手法があります。それぞれ得られる効果や、向いているシーンは異なるため、ゴールを見据えた運用を行うべきです。
また、異なるCRM分析を組み合わせて用いることも効果的です。
各手法には強みと弱みがあるため、それぞれを補いながら多角的な視点で課題を解決できる分析手法を判断しましょう。
自社に合ったCRMシステムを活用する
CRM分析を行う際には自社に合ったCRMツールを用いる必要があります。
CRMには様々な機能が搭載されていますが、ただ数があればいいわけではなく、自社が取り組む課題に一番適した機能に特化したCRMを選ぶようにしましょう。
たとえば、部門間の情報共有に課題を感じている場合は顧客管理から営業支援まで網羅的に行えるCRMを探したり、新規顧客をもっと増やしたい場合には顧客の特性や市場分析が細かく行えるCRMを探す、というような対応ができます。
また、ただ単にCRMを導入しても、やりたい分析ができるようになるわけではありません。分析を行うためには、点在している顧客データを収集し、分析しやすいように加工する必要があります。
現状の社内システムを鑑みて、総合的に導入するCRMツールを導入しましょう。
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多角的な分析を行う
効果的な顧客分析には、複数の要素を掛け合わせた多角的なアプローチが不可欠です。CRMには顧客に関する様々な情報が蓄積されています。分析の目的に応じて、大まかな視点から段階的に細かな視点へと移行することで、必要な顧客データの組み合わせが見えてきます。
まずは顧客の基本的な属性情報から分析を開始します。例えば、リピート購買の増加を目指すのであれば、次に顧客の購買パターンと実施したマーケティング施策に対する顧客の反応データを組み合わせる必要があります。
つまり、どのような属性の顧客が、どのような施策の影響を受けて、実際にどのような購買行動に至ったのかという一連の流れを明らかにすることが重要です。
単一の顧客データだけでなく、複数の要素を組み合わせることで、より深い顧客理解と的確な施策立案が可能になります。
ERPを導入する
ERPとはEnterprise Resource Planningの略語で、日本語で「経営資源計画」と訳します。
ERPとCRMを同時に導入すると、企業の各部署に点在する情報を一元管理できるため、それだけCRM分析できる情報の量を増やすことができます。
情報量ができるだけ広く多くあるとCRM分析の精度が向上するため、ERPとCRMを同時に導入することをおすすめします。
関連記事:ERP・CRMの違いとは?|機能やメリットを徹底比較
CRM分析にオススメのツール
CRM分析を適切に行うためには、使いやすいCRMの導入が不可欠です。
弊社の提供するMazrica Salesは現場での使いやすさに拘ったSFA/CRMで、CRM分析の活用にも最適なツールです。
ここでは、Mazrica Salesを用いた売上分析の方法についてご紹介します。
MazricaSalesでは、顧客情報や購入履歴・営業履歴などの細かいデータを蓄積できるため、より詳細で多角的な売上分析が可能です。
更に他社ツールとは異なり、個別の設計・カスタマイズが不要で、自動でレポーティングしてくれる機能が標準搭載されているので、簡単に複雑な計算やグラフ化ができます。
そのため、売上が伸びないボトルネックや、伸びやすいパターン、組織内での売上のバラつきなどの分析を簡単に行うことが可能です。
加えて、Mazrica Salesは現場の営業パーソンが使いやすいUI,UXを追求しており、CRM分析などのデータ分析がやりやすいことはもちろん、現場での入力負荷が低いSFA/CRMです。
営業パーソンが正しいデータを入力しないと、そのデータから行う分析はほぼ無意味と言っても過言ではありません。CRM分析で成果を上げるならば、その前提である「データの入力のしやすさ」という視点から使うツールを選ぶことも大切です。
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おわりに|CRM分析で徹底した顧客管理を
CRM分析の具体的な手法やポイントについて説明してきました。
まずは自社の現状把握のためにCRM分析を行ってみてはいかがでしょうか。今まで見えてこなかった課題や、自社の強み弱みが見えてくるかもしれません。
そして、分析を続けることで、CRMを最大限に活用し、徹底した顧客管理をモノにしていきましょう。
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