売上を向上させるためには、顧客数を増やすだけでなく顧客単価を引き上げる取組みも必要になります。
そこで重要になるのが、より高額な上位モデルを販売する「アップセル」の手法です。
そこで本記事ではアップセルの方法について解説します。アップセルと混同されやすいクロスセルについても解説しているので、アップセルを検討している人はぜひご参考ください。
この記事の内容
アップセルとは?
アップセルとは「Up=上に」「Sell=販売する」という意味をもつように、顧客により上位のものを購入してもらうための取組みを指します。
具体的には以下の例がアップセルに該当します。
- 無料会員に、有料会員への移行を提案する
- 月額1,000円のプランを利用しているユーザーに、月額2,000円のプランを提案する
- 3,000円の商品の購入を検討している顧客に、5,000円の商品を提案する
アップセルはこのように高額のものを購入してもらうことで、顧客単価を向上させる目的があります。
しかし、ただ単に現在の商品・サービスよりも価格が高いだけでは、顧客の購入にはつながりません。
より上位の商品・サービスは、下位のものよりも機能面が充実していたり容量が大きかったりするなどのメリットが設けられています。
そのようなメリットを最大限にアピールして顧客が購入する価値を見出せるように、提案力が求められます。
アップセルのメリット
顧客に対してアップセルを行うことで、以下のメリットが得られます。
顧客単価を上げることができる
アップセルにより顧客が上位の高額商材へと移行することで、顧客単価の引き上げが可能です。
売上をシンプルな計算式で表すと「顧客数×顧客単価」となります。つまり売上を向上させるためには、単に顧客数を増やすだけでなく顧客単価を向上させる必要があります。
そのためアップセルにより一人ひとりの顧客単価を引き上げることで、企業全体の売上も向上していくのです。
関連記事:CAC(顧客獲得単価)とは?CPAとの違い、計算方法と効果的な削減方法を解説
LTV(ライフタイムバリュー)の向上
アップセルで顧客からの利益が増えれば、LTVの向上にもつながります。
LTV(ライフタイムバリュー)とは「顧客生涯価値」とも言われ、一人の顧客と初めて取引をしたときから取引終了までに自社にもたらす利益を指します。
一人ひとりの顧客のLTVを向上させることで、企業は売上を向上できます。
アップセルによって各顧客の支払う金額が増えるため、その顧客が生涯で自社にもたらす利益も向上するのです。
関連記事:LTV(ライフタイムバリュー)とは?意味と計算方法・LTV向上に有効な営業戦略
クロスセルとは?
アップセルと混同されやすい言葉に「クロスセル」があります。
「Cross=交差して」「Sell=販売する」という意味をもつように、ある商品・サービスを購入した顧客に関連する商品・サービスも併せて購入してもらうための取組みがクロスセルです。
具体的には、以下のような例がクロスセルになります。
- サービス利用者にオプションを提案する
- ワイシャツを購入する顧客に、ネクタイを提案する
- スーパーの食肉コーナーに焼き肉のたれを置く
クロスセルで関連の高い商品・サービスもセットで購入してもらうことで、顧客単価の引き上げが可能です。
アップセルとクロスセルの違い
アップセルとクロスセルは、どちらも「顧客単価の向上」をゴール(目的)としています。
しかし、そのゴールにたどり着くための方法が異なります。
アップセルは上位モデルを販売することで、顧客が支払う金額を増加させる方法です。
一方のクロスセルは、顧客が購入する商品・サービスの数を増やして、顧客が支払う金額を増加させます。
どちらが適しているかは自社商材の特徴やターゲット顧客により異なるため、詳しく分析して適した方法を見極めましょう。
関連記事:営業データ分析の手法3つ!見るべき項目やSFAを活用した分析手法
アップセル・クロスセルに適したタイミングとは?
アップセルやクロスセルを実行するにあたり、提案のタイミングが重要です。
タイミングがずれてしまうと、顧客にとって不必要な提案となり、押し売りのような印象を受けかねません。
新規顧客に対するアップセル・クロスセルのタイミング
新規顧客に対するアップセルやクロスセルは、「顧客が購入を決めようとしている段階」が適しています。
顧客の関心度が最も高いタイミングで提案することで、顧客は上位モデルや関連商品の必要性を強く感じることができ、アップセルやクロスセルの成功率が高まるのです。
たとえば医療保険への加入を検討している新規顧客に、三大疾病特約や払込み免除特約などのオプションを提案すると、セットで加入してもらうことができます。
既存顧客に対するアップセル・クロスセルのタイミング
また既存顧客の場合は、「契約更新やリピート購入のタイミング」が適しているでしょう。
契約更新やリピート購入を検討している顧客は、自社の商品・サービスについて信頼度が高いと判断できます。そのため上位モデルや関連商品の提案も通りやすいと言えます。
たとえばSEOツールを利用している顧客に対し、契約更新のタイミングで機能や容量が充実しているアップグレードのプランを提案することで、顧客は「もっとこのツールを使ってSEOで成果を出したい」という気持ちになり上位プランへの移行を促せます。
アップセル・クロスセルの方法・具体事例
アップセルやクロスセルを実行する方法は多岐にわたります。
たとえば店頭や展示会などで実際に顧客と対面して提案する方法や、DMやカタログなどを送付する方法があります。
さまざまな方法がある中でも、効率的にアップセル・クロスセルの提案できるメールを活用する方法と、最適なタイミングでアプローチすることで成功率を高められるSFAを活用する方法について紹介します。
メールを活用したアップセル・クロスセルの方法
メールを活用することで、効率的にアップセル・クロスセルを実行できます。
低単価商材の場合、一人ひとりの顧客にかけられるリソースが限られているため、非対面で多数の顧客にアプローチできるメールは有効な方法です。
メールを活用するメリットとして、直接的な営業活動ができなくても定期的に情報を届けることができる点が挙げられます。
たとえば関連商材が新しくリリースしたり、上位プランに機能が追加されたりした場合にも、メールで幅広く情報発信ができます。
定期的な情報発信で接触頻度を高め、顧客との信頼関係を構築する効果もあります。
また、資料請求や購買後のサンキューメールなどの自動返信メールにアップセル・クロスセルを促す内容を記載しておくことで、顧客の購買意欲を刺激することもできるでしょう。
関連記事:メールマーケティングとは?メルマガとの違いや実施のための5つのステップ
SFAを活用したアップセル・クロスセルの方法
アップセルやクロスセルでは提案のタイミングが重要だと先述しましたが、最適なタイミングを見極めるためにSFAの活用をおすすめします。
SFAとは「営業支援システム」のことで、顧客や営業活動に関するさまざまな情報を一元管理できるツールです。
SFAには各顧客の購買履歴や契約状況などが蓄積されているため、顧客の購買データから最適な提案のタイミングを見極めることができます。
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また、過去の購買データや商談履歴などから顧客の課題やニーズも把握できます。
それらを提案内容に取り入れることで顧客の購買意欲を高める提案となり、アップセル・クロスセルが成功しやすくなるでしょう。
SFAについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いは?意味・役割・主な機能を徹底解説
アップセル実施におすすめのSFAツール
アップセルを実施するにあたって、顧客情報の管理が簡単にできるおすすめSFAツールをご紹介します。
SFAの活用したアップセル・クロスセルにはSenses(センシーズ)
アップセル・クロスセルの成功には、SFAの活用が必須と言えます。
アップセル・クロスセルの提案には、当社が提供しているSFA「Senses(センシーズ)」が役立ちます。
Sensesは営業現場での使いやすさにこだわったSFAで、インターフェースの見やすさや入力のしやすさが特徴です。
また外部サービスとの連携も可能なので、Gmailでの顧客とのやり取りをSensesに自動保存したり、名刺交換をした名刺データを自動で取り込んだりできます。
このようなSenses内の顧客データを活用することで顧客の状況把握ができ、アップセル・クロスセルの提案内容やタイミングに活かすことができるでしょう。
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終わりに
アップセルにより顧客単価やLTVの向上が実現し、企業全体の売上にも良い影響を与えます。
またアップセルと同様に、クロスセルも売上向上には欠かせない施策なので、ぜひ併用して取り組むことが重要です。
ただしアップセルとクロスセルは、提案のタイミングを外すと成果が得られません。
最適なタイミングで顧客が求めていることを提案するためには、顧客データを分析できるSFAの活用が必須と言えます。
ぜひアップセル・クロスセルによる売上向上を検討している人は、SensesをはじめとするSFAの導入をご検討ください。

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