営業パーソンには、必要とされるスキルがいくつもあります。ヒアリング能力、分析能力、管理能力……そんな中で忘れていけないスキルがプレゼンテーションスキルです。

自社の商品やサービスの魅力を最大限に顧客にアピールすることができれば、受注できるかどうかを大きく左右しますよね。

また、プレゼンの作り方は一度教えてもらったとしても何度でも見直す必要があるもの。なぜなら、最新の心理学的知見などがプレゼンの方法をブラッシュアップしてくれているからです。

つまり、プレゼンの方法について営業パーソンは何度でも最新のやり方を学ぶべきなのです。 この記事では、プレゼンテーションの資料の作り方から行う際のポイントについて体系的に紹介していきます。

また、最後にはスタンフォードの講師によるプレゼン術についても解説するので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

営業でのプレゼンテーションの構成

営業パーソンが学ぶべきプレゼンテーション術|スタンフォード式プレゼンテーションTips|Mazrica Sales (旧 Senses)  Lab.|1

顧客への営業活動で「プレゼンテーション」は欠かせないシーンですが、その後の受注に繋がるかどうかを分ける重要なフェーズでもあります。
分かりやすく魅力的に顧客に伝えるためには、プレゼンテーションの構成を考え直してみましょう。

営業シーンだけでなくあらゆる場面にも当てはまりますが、分かりやすいプレゼンテーションは
「導入→ボディ→コンクルージョン」という3つの要素から構成されます。

導入ー心を掴むための3つのポイント

導入(イントロダクション)は、これから話すプレゼンの内容に興味を持ってもらい、受容してもらうことが目的です。
このフェーズで聞き手である顧客の心をつかまなければ、顧客はただの「傍聴人」となってしまい、プレゼンを聞いても心に響きません。

それでは、聞き手に関心を持ってもらうためにはどのようにしたらいいのでしょうか。
一つ目のポイントは「共感」を生むことです。
「こんなことでお困りではないでしょうか?」といった内容を問いかけることで、顧客は「このプレゼンは聞く意味があるな」と思ってくれます。

そして、二つ目のポイントは「インパクトのある現実を提示する」ことです。
例えば、「実は、このデータを見ると○○ということが分かります」と問題提起することで、顧客は一気に関心を持ってくれるでしょう。

さらに三つ目のポイントは「最初に分かりやすくプレゼンの要点を伝える」ことです。
顧客の心を掴んだら「今から本題に入ります」という意味合いも込めて「今回は、その課題を解決できるためのご提案をさせていただきます」という内容の、プレゼンの目的や流れを簡単に話すことにより、顧客の意識をグッと集中させます。
また、新規営業の場合、顧客は最初の段階では警戒心を持ってしまっていますが、導入部分で自己紹介や雑談などを交えて安心感を与えるのも良いでしょう。

ボディー説得力の出し方とは

導入部分で聞き手である顧客の関心が高まったところで、プレゼンの本題となるボディに入ります。
営業のシーンでは、商品を利用することのメリットをアピールしたり、課題解決のためにどのようにサービスを利用したらいいのかを提案したりします。

その提案の根拠として、性能や強み、競合他社との比較、利用者の声(口コミ)などを伝えることで、より説得力のあるボディになります。

ここで注意が必要なのは、データや具体例が多ければより信ぴょう性が高まりますが、そのぶん時間は費やしてしまいます。
その場合は、プレゼン資料にまとめるなどの対策をしましょう。

コンクルージョンー顧客の決断を後押しするために

プレゼンの結論となるコンクルージョンでは、プレゼン全体の内容を要約して印象付けたり、顧客が今後取るべき行動を促したりして、顧客の決断を後押しします。

例えば「当社のサービスで○○というメリットがあるとご理解いただけたと思います。2週間の無料トライアルもご用意しておりますので、ぜひ使い勝手を実際にお試しください。」といった内容です。
また、顧客の決断を後押しするために、不安要素を払拭するよう質疑応答の時間を設けることも大切です。

営業プレゼン資料の作り方のポイント

プレゼンをより効果的にしてくれるのが、視覚的に訴えることができるスライドなどのプレゼン資料です。
効果的な営業プレゼン資料を作ることで、より訴求力のあるプレゼンが実現します。

ただし、自分が伝えたいことだけをごちゃごちゃと記してしまうと、相手に伝わりにくいだけでなく、プレゼンの邪魔になってしまうことも。
そのようなことを避けるためにも、営業プレゼン資料を作成する際には以下のポイントを押さえましょう。

相手視点で作成する

プレゼンは、聞き手がいてこそ成り立つものです。
つまり相手が「聞きたい」と思ってくれる資料でなければ意味がありません。
「聞きたい」と思ってもらうためにはどうしたらいいだろうと考えてみると、相手視点で資料を作成することが一番効果的だと分かるはずです。

シンプルに相手が求めていることに要点を絞った資料にすることで、訴求力のあるプレゼンに繋がるでしょう。
「聞き手が求めていること」とは「商品を利用することで改善が期待できること」や「サービスを導入することでどのような課題を解決できるか」といったメリットの内容です。

そのような内容を中心に、営業プレゼン資料を作成しましょうね。

AIDMAを意識した構成

AIDMA(アイドマ)とは、消費者の購買行動プロセスの頭文字を取ったものです。

・A(Attention):商品の存在を知る
・I(Interest):興味を持つ
・D(Desire):欲求を持つ
・M(Memory):記憶する
・A(Action):行動する

このAIDMAの法則に基づいてプレゼン資料を構成することで、プレゼンが終わる頃には聞き手である顧客を「A=行動する」に導くことができるのです。
具体的な資料の流れを一例紹介します。

・A:商品/サービスを知ってもらうために、概要を記す
・I:興味を持ってもらうために、特徴や機能について説明する
・D:ニーズを喚起するために、商品/サービスの利用シーンやメリットを紹介する
・M:「この商品がほしい」と思って記憶に残るよう、利用者の声や活用方法、導入実績などを紹介する
・A:購買(導入)に向けての行動を促すため、見積り、導入スケジュール、納期などを示す

関連記事;AIDMA(アイドマ)の法則とは?活用方法やSIPS(シップス)との違い解説 

ごちゃごちゃしたスライドはNG

プレゼン資料は視覚的に訴えないといけないため、デザインを重視して作成することも重要なポイントです。
余計な情報は省き、シンプルで分かりやすい内容を意識しましょう。

基本的に、一枚のスライドに載せるのは一つの情報や主張にとどめることで、訴求力も分かりやすさも実現します。
また、フォントやフォントサイズ、配置や配色などの基本的なデザインは全てのデザインで共通させることで、統一感が生まれて見やすくなります。

営業プレゼンの際には自分が実際に話すことが前提なので、テキスト量は少なくし、説明を後押しするようなグラフや表、デモ画面のキャプチャ画像などを載せることも効果的です。

スタンフォード式プレゼンTips

営業パーソンが学ぶべきプレゼンテーション術|スタンフォード式プレゼンテーションTips|Mazrica Sales (旧 Senses)  Lab.|3

海外の大学ではプレゼンテーションやスピーチの機会が多く、たくさんのオーディエンスの心を動かす話し方が求められます。
その中でも、世界有数の難関大学でMBAスクールも有名なスタンフォード大学では、世界最高峰のプレゼンテーションスキルを学ぶことができます。
スティーブ・ジョブズも輩出したスタンフォード式のプレゼン術は、きっと営業プレゼンにも役立ちますよ。

①会話をしている意識を持つ

スタンフォード大学でコミュニケーションを教えているMatt Abrahams氏は「聴衆と会話しているという意識を持つこと」が大事だと説いています。
用意してきた台本を読んでいるような一方通行の話では相手に響きにくいですが、会話のような双方向のコミュニケーションが実現するとプレゼンも自然なものになります。
たとえば、プレゼンを質問から始めたり、「ここにいる全員が考えなければいけないことを話しますね」といった思考や議論が生まれるような言葉を使ったりすることです。

②聴衆が集中している時間を知る

ビル・ゲイツをはじめとする世界の著名人が登壇するTEDカンファレンスでのプレゼンは「TEDトーク」と呼ばれ、インターネット配信などでも人気のコンテンツです。

スタンフォード大学の教授・マコーネル氏によると、TEDトークでは「聴衆が集中して話を聴けるのは18分間」としているそうです。
20分~35分くらいのところでオーディエンスは集中力が低下してしまうため、18分を超えるプレゼンの場合は20分を超えたあたりでエピソードやジョークを入れるなどの工夫が必要。

営業プレゼンでも、頑張って長い時間話す必要はありません。顧客が集中して聞いてくれる18分を目安に話を進めるといいでしょう。

③必ず練習をする

Matt Abrahams氏は、正しい練習が絶対に必要だと説いています。
頭の中でのリハーサルやスライドに目を通すだけでは充分ではなく、実際のプレゼンテーションをシミュレーションして立ち上がって練習することで記憶に残ります。
また、プレゼンテーションを細かく分割して一つひとつのパートを繰り返し練習して極めることも推奨しています。

このように一見面倒そうに見えることが受注率をあげ、利益を生み出すのです。

終わりに

プレゼンの構成や資料作成に注意するだけでなく、聞き手が参加している意識を持って聞いてくれるようなプレゼンをすることで、聞き手の心に響く時間になるはずです。

それには、時間配分や練習などの基本的なことをしっかりと極めることが重要。
プレゼンの機会が多い営業職だからこそ、プレゼンテーションの基本を振り返って自分のプレゼンに当てはめることで、競合他社に負けないプレゼン力を身につけられるはずです!

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Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。

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