「部下に依頼した資料ができていないために、自分の報告書の作成に取り掛かれない。」
「ミスがあったことをすぐに報告してくれないので、トラブルが大きくなってしまう。」
もし今、チームがこうした状態であれば、それは上司であるあなたのコミュニケーションに問題があるかもしれません。
そこで今回の記事では、部下とのコミュニケーションを良くする7つの方法をご紹介したいと思います。
部下とコミュニケーションを取ることが、なぜ重要なのか?
「上司の指示には従うべき」「仕事に感情を持ち込むな」というのは正論ではありますが、人は理屈だけで動くものではありません。
「自分の上司のためにがんばりたい」と思えれば自発的な行動が増えますし、上司との関係が良ければ職場は居心地のいいものになります。
つまり、感情的な部分を良い状態に保っておくことで、部下の仕事の効率や生産性を高め、成長を促すことができるのです。
もちろん、個人の成長は組織の成長にも繋がっていきます。
こうした良い循環を生み出すためには、コミュニケーションの質を向上させることが必要です。
【コミュニケーションの質を向上させると起こる変化】
<部下の変化>
・上司や会社に対する信頼感が高まる
・失敗などがあっても、すぐに気持ちを切り替えることができる
・ミスが減る
・モチベーションが上がる
・責任感を持って仕事をするようになる
・自分のやるべきことを自発的に考え、行動できるようになる
・きちんと報・連・相をしてくれる
<上司の変化>
・部下をより深く理解でき、サポートしやすくなる
・指示を正しく伝えることができる
・人間関係が良好になる
・叱ることが少なくなる
部下とのコミュニケーションを上手く取るための7つの方法
コミュニケーションを取ることの重要性がわかったところで、ここからは具体的な方法を7つご紹介していきます。
①話しかけられても大丈夫な雰囲気を出す
部下に話しかけられた時は、
・作業の手を止める
・部下に向き合う、目を見る
・「どうした?」と反応する
という動作を忘れずに行ってください。
反応はしていても目はパソコンの画面に釘付け…という状態では、「上司は忙しくて自分の話を聞いてくれない」と感じ、声を掛けたり相談をしづらくなってしまいます。
こういったことの積み重ねが部下に「報・連・相をしたくないな…」と思わせる要因になったりします。
直前まで難しいことを考えていたとしても、眉間にしわをつくったままだったり、声に苛立ちが出てしまったりしないように注意してください。
「笑顔で」「明るい声で」意識して話すようにしましょう。
②毎日、部下と振り返りのミーティングをする
ここでのポイントは、時間を確保してスケジュールに入れておくことです。
「どこかのタイミングで話そう」と思っていても、時間を決めておかないと、他の用件に気を取られて結局やらないなど、どうしても後回しにしがちになってしまいます。
毎日、決まった時間にスケジュールを入れておくことで、部下も自然と話すことを考えたり、話し掛けてくれるようになります。
【報告や相談がなくても話す】
困っていることがあったり、仕事が上手く進んでいないという相談であれば、できる限りサポートするようにしましょう。
とはいえ、毎日のように相談があるわけではないと思いますし(頻繁にトラブルがあるというのも、それはそれで考えものですが…)、そうなると部下は「今日は話すことがないのでいいです」と言ってくるかもしれません。
何も話すことがなかったとしても、ミーティングで「顔を会わせる」ことも大事な目的の一つ。
たわいのない雑談も、部下は「自分に関心を持っている」と感じますし、信頼関係を強くするのに役立ちます。
【少ない時間でOK!】
チーム全体で15〜30分くらいの時間を取るか、または個別で5分ずつくらいが、自分にも部下にも負担が少ないと思います。
「たったこれだけの時間では、逆に無意味では?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
たとえば、エレベーターの中や自販機前で交わす数十秒の会話でも、毎日のようにやっていれば、相手のことを知ることができますし、親近感も湧いてきます。あれと同じことですね。
③自分のスケジュールを部下に共有する
予定を全員に公開しておくことで、上司がどんな仕事をしているのかがわかります。
そうすると部下は、「会議の後、ランチまでに30分空いているようだから、ここで相談してみよう」と、タイミングを図ることができるようになります。
・・・といっても、何でもかんでも見せてしまうのはNG。
人事評価に関することや、会議の詳細が書かれた内容を見せてしまうと、余計な憶測をしてしまい、不安や疑念を呼ぶことにもなりかねません。
Googleカレンダーを使えば、スケジュールを共有することができますし、自分だけが内容を見れるような設定(限定公開)をすることもできるので便利です。
④目標を定期的に伝える
業務やプロジェクトがなかなか進まない理由の一つは、一人ひとりが違う目標を設定していることです。
これを防ぐには、仕事をする目標を定期的に伝えると同時に、その目標に納得してもらうことが重要です。
しかし、反対する人というのは、どんなに素晴らしい目標を掲げたとしても一定数いるものです。
こうした人に納得してもらうのはなかなか難しいもの。
しかし、ここでコミュニケーションを諦めてはいけません。
人は「なぜやるのか」「なんのためにやるのか」が腹落ちしていないと、前に進むことができない生き物です。
反発している状態でも無理にやらせることはできますが、「やらされている」と感じた途端、仕事を単なる作業としか思えず、意欲的に取り組むことはできなくなってしまいます。
納得をして目標に取り組んでもらうには、目標を達成することでどんなメリットがあるのかを具体的にイメージしてもらうように伝えるのが効果的です。
⑤部下を褒める
売上を達成したり、顧客から選ばれることと同様に、上司に褒められるというのは部下にとっては嬉しいものです。
褒めることで、やる気を引き出したり、モチベーションを高めることができます。
【いい褒め方とは?】
褒める時には、以下のことを意識してみてください。
①いいことをしたらすぐに褒める
②人そのものを褒める
③具体的な行動を褒める
④失敗したときも褒める
⑤やり方(プロセス)を褒める
⑥何度でも褒める
それぞれ細かい説明をすると長くなってしまうので、ここでは項目を挙げるだけに留めておきたいと思います。
⑥部下に謝る
上司も人間なので失敗はありますし、それ自体は悪いことでも何でもありません。
大切なのは、その後の行動です。
たとえば会議に遅刻してしまった場合。
「俺は上司だからいいんだ」と言わんばかりに、何事もなかったかのように済ます人がいます。
これは、ダメなパターン。
会議室に入ったらまずは一言謝る。
こうすることで部下は、失敗やミスを報告しやすくなりますし、素直に詫びた上司を誠実な人物だとして好ましく思うはずです。
⑦仕事を任せる
育成方法として、部下が現時点で持っている知識や能力、スキルより、ちょっと背伸びすればできるくらいの業務に挑戦させることはよくあると思います。
その際に、なぜそれを頼むのか、理由や狙いをきちんと説明した上で任せることが大切です。
また、一度任せたら、あとは口を出してはいけません。
部下が「自分を信じて任せてくれている」と感じることで、仕事に対する意欲を高め、いつも以上の能力を発揮することができます。
まとめ
ここまでご紹介してきたのは、コミュニケーションを上手く取るためのテクニックで、いわば部下とのコミュニケーションの質の部分です。
テクニックは大事ですが、やはりコミュニケーションには量も大事。
「うざがられるかもしれない」、とか、「あいつは人と話すのが好きじゃなさそうだから」と考えてコミュニケーションを取ろうとしない上司もたまに見かけますが、放っておくのが一番ダメです。
部下の表情や振る舞いがどのように見えたとしても、仲間としてちゃんと認めてもらえたり、大切にされていると感じられれば、嬉しいに決まっていますし、(もっと認められようとして)仕事への意欲も高まります。
まずは、毎日あいさつするだけでも構いません。
今日から早速、始めてみましょう!
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