株式会社ファンケル 流通営業本部
この記事の内容
1)企業紹介
株式会社ファンケルは、創業者である池森賢二氏が掲げる「不の解消」という創業理念を具現化した商品を開発・提供している。化粧品事業からスタートし、今ではサプリメントや発芽米、青汁といった健康食品、肌着や雑貨などさまざまな領域の商品を展開している。
ファンケルの商品は直販チャネルの「通販」「店舗」のほか、「流通」と「海外」のチャネルでも販売されている。
今回Mazrica Sales(旧Senses)を導入したのは、同社の流通営業本部。ドラッグストアやコンビニエンスストアなどの流通業界へ商品を卸し、エンドユーザーである消費者へと商品をつなぐ役割を担っている。全国を対象としているため売上の貢献度も高く、今後さらに発展が期待されている部署だ。
2)Mazrica Sales導入前の状況と課題
流通営業本部は、約40名の営業メンバーと約20名のサポートメンバーが在籍している。少ない人員で全国をカバーすることは容易ではなく、多忙な営業メンバーは日々自分の仕事で精いっぱいであったため、「横のつながり」、つまり情報やナレッジの共有が図られていない状況であった。
流通営業推進部部長の小松氏はこう振り返る。
「私は2022年1月に異動してきたのですが、紙での管理、ExcelやWordファイルでの管理が多すぎることに驚きました。
営業メンバーはそれぞれ個人で営業資料を作成するため、同じ商品であっても、人によって営業資料が異なる状況。名刺の管理も属人的なので、誰が誰と接点があるのかが見えない。個人個人は頑張って成果を出しているのに、それが共有されていないことは非常にもったいないと感じました。」
さらに、同部署内の業務サポートグループに属する小林氏は、実際に業務にあたっている中で不便を感じる場面が少なくなかったそうだ。
流通営業推進部部長 小松様
「通販チャネルや店舗チャネルの部署で利用しているシステムを、本部署でも利用していました。しかし、toC向けのシステムなので、toB向けの本部署とは根本的な部分の違いがあるんですよね。
また、全社的にBIツールも導入しているので売上管理はそちらで行っているのですが、流通POSデータはBIツールでは確認できません。
このようにシステムがうまく活用できない結果、様々な情報をExcelで管理するような状況に陥ってしまって…。集計やグラフなどのデータが点在し、管理が難しい状況でした。」
このような状況を目の当たりにした小松氏は「今はなんとか回っていても、5年後、さらには10年後を見据えると、今のままではいけない。生き残れる体制を作るべきだ。」と強く感じた。
3)SFA/CRM導入に至るまでのプロセス
課題を抱えていた流通営業本部では、実は以前からSFA/CRM導入を検討していた。各社から情報収集していたものの、なかなか導入に踏み切れなかったと言う。
しかし、流通営業本部長の号令として『現状打破』が掲げられたことをきっかけに、小松氏はSFA/CRM導入に向けて大きく舵を切った。
「『現状打破』を目標に、今抱えている課題や改善点などを洗い出したところ、相当数の意見が集まりました。その中から根本課題を分析して優先順位をつけ、大きく3つの軸に分けたのです。
そのうちの一つが、営業ツールの導入でした。導入の方針を説明したところ、社長から半年以内にツールを導入するよう指示がありました。営業に変化の必要性を感じていたということですね。」(小松氏)
その後、本部内でタスクチームを結成。タスクチームは、営業メンバーとサポートメンバーの計9名で構成された。
「タスクチームの9名すべてが立候補者。当初はメンバーの絞り込みを検討しましたが、『現場の積極性を大切に』という本部長の方針のもと、全員採用しました。そして何より、現場メンバーが『現状を打破したい。より良くしたい』と一致団結した想いを強く感じました。」(小松氏)
現状打破の号令が出てからタスクチーム立ち上げまでわずか3ヶ月。トップと現場の想いが一つとなりSFA/CRM導入へと舵を切った。
4)Mazrica Salesの選定フローと決め手
タスクチームの中心は、以前よりSFA/CRM導入の検討に関わっていた小林氏だった。
業務サポートグループ 課長 小林様
「大手や海外製品を含め情報を収集していたのですが、使わなさそうな機能が多かったり、使い勝手が良くなかったりして、なかなかピンとくるSFA/CRMが見つかりませんでした。そんな中、SFA/CRMとのツール連携を行っているベンダーに評判の良いSFA/CRMを問い合わせてみたところMazrica Sales(旧Senses)の名前が挙がったのです。
調べてみると非常に惹かれる要素が多く、候補として浮上しました。」(小林氏)
同社が関心を持ったのは、現場にとっての使いやすさ。SFA/CRMは『管理するためのツール』ではなく『現場が活用して良くなるためのツール』だという同社の軸に、現場での使い勝手の良さにこだわったMazrica Salesがぴたりと当てはまった。
さらに、SFA/CRM自体の使いやすさだけでなく、コンセプトや想いにも共感するところがあったと言う。
「SFA/CRMを導入しても、どのようなことができるのか、どのようにすると成果が出るのか、という判断は難しい。そこを乗り越えない限り、SFA/CRMを導入しても意味がないと思っていました。
Mazrica Salesに関しては、新機能追加やリリースなどでの『開発面』、そしてサポートやカスタマイズなど『運用面』、どちらも顧客に寄り添っていると感じました。
また、マツリカの『世界を祭り化する』という企業コンセプトにも興味を持ちました。私たちと一緒に成長していけるのではないか、と。
いろいろなSFA/CRMを見てきましたが、結局のところ、基本的な機能は大きな違いはありません。だからこそ、ツールとしての使い勝手や、顧客への寄り添いの姿勢など、他社SFA/CRMとは違う部分を重視して選定しました。」(小林氏)
「新しいツールを導入する時は、誰しも失敗したくないですよね。だから二の足を踏んで、なかなか導入に至らない。当社もそうでした。
しかしMazrica Salesに関しては、使い勝手の良さやサポートの充実度などが信頼できました。使い始めて困難に直面しても、Mazrica Salesならなんとかなるのではないかな、と。だから『まずは入れてみよう』と踏み切ることができたんです。」(小松氏)
5)定着にむけた取り組みと、今後の活用にむけて
ファンケルの流通営業本部では、Mazrica Sales導入後に運用を定着させるために実施した、ある取組みがある。
「2022年11月は『Senses(現Mazrica Sales)月間』と称して、毎日の朝礼でMazrica Salesを触る時間を設けました。ゲーム感覚で、名刺の取り込みを全員でやってみる、案件カードを作成してみる、など、毎朝異なるテーマを設定してMazrica Salesの基本操作を身につけるよう促しました。恒常的に触ることで、難しいものではなく『使える』という感覚が浸透することを意図しました。」(小林氏)
このような取組みが功を奏して、メンバーのMazrica Salesに対する利用度や関心度が高まった。
「SFA/CRMを入れたらすべての課題が解決するわけではありません。でも、その課題を解決するための糸口にはなるはず。営業メンバーがMazrica Salesをきっかけにして自分たちの営業活動を見直し、課題解決のために動き出そうとしてくれているのは良い兆候だと思っています。」(小松氏)
このように、徐々にMazrica Salesが定着している同社。定着したら、次のステップとして属人化脱却やナレッジ共有などを促進していくそうだ。
「どのような営業資料を使い、どのように商談を展開して、バイヤーがどのような反応をしたのか。こういった成功事例を蓄積していき、横展開して全体の営業レベルの底上げにつなげたいと考えています。この活動は必ず結果に繋がると感じています。」(小松氏)
また、流通特有の売上管理の煩雑さも、Mazrica Salesで解消できるのではないかと期待を込めている。
「帳合や小売の管理が必要なので、どうしても売上管理が煩雑になりがちです。
ただ、Mazrica Salesでは取引先の親子設定ができる機能が追加され、流通特有の課題にも対応できるようになりました。我々の期待通り、日々機能が進化しているのは心強いです。」(小林氏)
さらに同社が注目しているのが、2022年10月に追加された「Mazrica BI」だ。外部のデータベースとMazrica Sales上のデータを組み合わせて高速・柔軟に集計・分析できる機能である。今まで、既存のBIツールに不便を感じていたため、MazricaのBI機能には大きな期待を寄せている。
「今後はBIも導入して、点在するPOSデータと顧客情報・案件情報を一元管理できる仕組みを構築したいです。データ活用を促し、さらなる事業発展につなげていきたいですね。」(小松氏)
Mazrica Sales BIの紹介資料はこちらからダウンロード
※部署名・役職は取材時点(2022年12月16日)