「業務が属人化して、誰が何をしているかわからない」「納期に遅れがち」などの課題を抱えている場合、適切な進捗管理ができていない可能性があります。
そこで本記事では、進捗管理を行うメリットや失敗要因などから、進捗管理の必要性を解説します。
この記事の内容
営業の進捗管理とは?
進捗管理とは、プロジェクトや案件に関して、当初立てていた作業計画やスケジュールと実際の作業の進み具合に差が生じていないか管理することです。
進捗を確認したうえで作業の漏れ・遅れやトラブルなどがあった場合、速やかに対策を講じることも進捗管理の一環となります。
進捗管理は、IT企業のシステム開発、工場の製造ライン、営業案件などさまざまなビジネスシーンで活用されています。
特に営業現場では、設定した目標と現在の状況との差を確認しながら、都度顧客と適切なコミュニケーションを取る必要があるため、進捗管理が非常に重要になるのです。
適切な進捗管理ができていないと、スケジュールの遅れをリカバリーするために残業をしたり新たに人員を投入したりしなければならず、人件費がかさみ余計なコストやリソースがかかってしまいます。
また、スケジュールの遅れから、顧客からの信頼を失ったり、当初予定していた売上を確保できなかったりするなど、経営的にも大きなリスクとなるでしょう。
進捗管理を行うことで、課題やトラブルを早期に発見して、スピーディに対策を講じられるのです。
関連記事:商談管理のポイント|SFAを使った営業効率化の方法とは?
営業の進捗管理をするメリット
適切な進捗管理を行うことで、以下のようなメリット・効果が期待できます。
売上管理が正確になる
営業の進捗管理を行うことで、現状を把握でき、より精密な売上予測が可能になります。
進捗管理を通じて、全体の進行状況や商談の進捗をリアルタイムで把握することができます。これにより、必要なアクションや改善策を迅速に検討することができます。
たとえば、売上目標の達成が難しい場合でも、適切な進捗管理が行われていれば早期に問題を発見し、改善策を講じることができます。
とるべきアクションが明確になる
最初に作業計画を立てるときにタスク内容・担当者・期日などを緻密に計画するため、次の作業が見える化して今やるべきアクションが明確になります。
今自分がやるべきことがわからないと、マネージャーからの指示を待たなければならず、無駄な時間が発生します。
しかし進捗管理ができていれば、こういった無駄な時間はなくなるでしょう。
自分のタスクを集中してこなせるため、次のタスクにもスムーズに移行でき生産性向上にもつながります。
QCDを徹底して守ることができる
進捗管理をしてスケジュール通りに進めると、成果物のQCDを実現することが可能です。
QCDとは「Quality(品質)」「Cost(予算)」「Delivery(納期)」の略称で、主に製造業などで重要視される指標です。
進捗管理をしていない場合、スケジュールが遅れていても気づきにくく、納期に間に合わない事態が起こることもあります。
急ピッチでリカバリーしてなんとか納期に間に合っても、やっつけ仕事で行ったため品質が低い成果物を納品しかねません。
また、無理やり納期に間に合わせようとするとプロジェクトメンバーは残業をしなければならなくなり、想定以上のコストもかかるでしょう。
このように、進捗管理ができていないとQCDのいずれかが損なわれてしまいます。
QCDすべてを満たすためには、適切に進捗管理をして全体の進み具合やメンバーの状況を把握することが重要です。
問題やリスクを早期発見できる
進捗管理を行いながらスケジュールを進めると、全体の進み具合や状況などをリアルタイムで把握できるため、問題やリスクを早期発見できます。
進捗管理ができていないとスケジュール通りに進んでいると思い込んでしまい、トラブルや遅れを見逃してしまいます。
結果として、気づいた時にはすでに手遅れになっており現場の混乱を招き、リカバリーするために何をしたら良いのかわからなくなることもあるでしょう。
また営業案件の場合は、対応の漏れや遅れがあっても気づかないため、顧客フォローが遅れてしまうこともあります。
フォローが追いつかないうちに競合他社に奪取され、営業の機会損失を招きかねません。
しかし、最初から適切に進捗管理を行っていれば、トラブルの兆候を予期して事前に対策を取ることができます。
また、スケジュール通りに進めるために次に何をすべきか明確になるため、円滑にプロジェクトが進行して生産性向上にもつながるでしょう。
関連記事:案件管理とは?案件管理の種類や選び方とおすすめツール12選
営業の進捗管理に必要な項目【テンプレートあり】
ここからは、営業の進捗管理で見るべき7つの項目を解説します。
営業の進捗管理で管理すべき項目は以下の通りです。
- 目標管理
- 案件管理
- 顧客管理
- タスク管理
- 行動管理
これらの項目を管理できるExcelテンプレートもありますので、ぜひ活用してみてください。
目標管理
目標管理とは、営業チームや個々の営業担当者ごとに具体的な目標を設定し、達成度を継続して評価することです。
目標に対する進捗を把握することにより、必要に応じて戦略の修正や追加のリソース投入を行えます。営業組織の方向性を定めるためにも、目標は明確に設定しましょう。
関連記事:MBO(目標管理制度)とは?メリットや目標設定の方法を解説
案件管理
案件管理では、各案件に対して担当者や取引先、進捗率などの情報を記録します。
これにより、案件ごとの進捗状況や担当者の状況を一目で把握することができます。
営業マネージャーは、遅れが生じている箇所を早期に発見し、迅速にフォローに回ることが可能です。案件管理表の作成においては、以下のような項目を記載するのが一般的です。
- 案件名
- 現在の受注数
- 受注済み金額
- 今後の受注見込み数
- 受注見込み金額
- 現在の商談件数
- 受注率
- 進捗率
関連記事:案件管理とは?必要性や選び方とおすすめツール12選
顧客管理
顧客管理とは、顧客の情報を一元管理し、営業活動や顧客とのやり取りの履歴を整理・記録することです。
効果的な顧客管理によって、顧客との関係を強化し、満足度を高められるため、リピート購入や長期的な契約を促進できます。
CRM(顧客関係管理)ツールを活用すると、データの取りこぼしなく、個々の顧客に対して最適なアプローチを行えるでしょう。
関連記事:顧客管理とは?基本やメリット・ツールの選び方を分かりやすく解説
タスク管理
タスク管理においても、進捗を追跡・管理し、営業プロセスにおける個々のタスク優先順位や期限を明確にしましょう。
タスク管理は、ミスや遅延を防ぐだけでなく、営業目標の達成に向け適切なプロセスをたどり、チーム全体のパフォーマンスを向上させるために重要です。
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行動管理
行動管理では、営業担当者の日常的なアクション(テレアポ、商談、クロージングなど)を追跡し、成果にどう結びついているかを管理します。
営業アクションの進捗を管理することで、成果の出やすい行動パターンを特定し、改善の必要な領域を明確にできるでしょう。
行動管理を通じて、営業活動の質を高め、目標達成に向けた最適なアプローチを探るのにも役立ちます。
関連記事:行動管理とは?営業の管理方法とPDCAサイクルの回し方
以下はMazricaが作成した顧客管理・案件管理のExcelテンプレートです。
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営業の進捗管理はExcelで可能か?
営業の進捗管理は、必要最低限の項目であれば、Excelやスプレッドシートを活用して行うことができます。
ただし、企業の規模やビジネスモデル、営業チームの状況によっては、SFA(営業支援システム)を導入した方が、最終的に生産性が向上することが多いです。
進捗管理をExcelやSFAで適切に行うことで、この無駄な時間を削減する可能性があります。
本章では、ExcelとSFAのどちらを選ぶべきか、それぞれに適した企業の特徴について解説します。
Excel管理に適している企業の特徴
Excelを使って進捗管理を行う場合、以下のような項目を管理することが可能です。
案件管理:受注数、商談件数、進捗率など
目標管理:個人目標、成績、目標達成率など
Excelで管理を行うメリットとして、誰でも馴染みやすいツールであるため教育コストが低く済むことや、数式やマクロを一度設定すれば入力が容易になる点が挙げられます。
しかし、運用が進むにつれて以下のような課題が生じることもあります。
- データ量が増え作業効率が低下
- 誤操作でファイルが破損
- 複雑な関数やマクロのメンテナンスが困難
- 最新ファイルの特定に時間がかかる
特に、共同で編集する人数が多い場合や案件数が多い企業では、これらのリスクが高くなり、Excelでの管理が適さない場合があります。
小規模な組織で管理項目が限定されている場合は、ExcelやGoogleスプレッドシートでも十分な進捗管理が可能です。
SFA導入を検討すべき企業の特徴
データ管理の負担を最小限に抑え、データに基づく戦略策定や意思決定を行う企業には、SFA(営業支援システム)の導入がおすすめです。
SFAを使えば、営業担当者が進捗状況をテンプレートに従って入力するだけで、全案件のフェーズを可視化できます。
SFAは、Excelに比べてデータの抽出や分析が自由自在で、時間や業界、担当者ごとに情報を管理できるほか、営業担当者のコンタクト履歴を共有したり、タスクにアラートを設定したりといった機能も備わっています。
多くの企業では、最初にExcelやスプレッドシートで管理を開始し、限界を感じた段階でSFAに切り替えることが一般的です。
データを蓄積するには早めに運用を始めることが理想であり、将来的に事業規模を拡大する計画がある場合、SFA導入を早期に検討することが賢明でしょう。
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営業の進捗管理の方法
適切に進捗管理を行ってプロジェクトを成功させるためには、どのようなポイントを意識したら良いのでしょうか。
以下に成功のためのステップをまとめました。
- 進捗確認の場を作る
- タスクを細分化する
- 進捗管理ツールを導入して進捗を見える化する
進捗確認の場を作る
まずはこまめに進捗確認ができる環境作りが重要です。
特に、タスクや担当者が複数にわたる大型プロジェクトの場合、進捗確認が疎かになると全体の進行にも影響しかねません。
マネージャーが働きかけなくても、担当者が自発的に進捗を報告できる仕組みを作ることをおすすめします。
たとえば朝礼やミーティングなどで報告の時間を設けたり、進捗を報告できるツールを導入したりすると良いでしょう。
関連記事:【Mazrica Sales活用事例】Mazrica Salesで営業チーム内の情報共有を促し営業効率の向上に繋げた事例
タスクを細分化する
大まかなタスクでは、誰がいつまでに何をすべきか不透明になります。
そのため、初回アポ取得から受注までの営業プロセスを細分化し、段階ごとに分けます。一般的な段階分類は以下の通りです。
- 初回アポ取得段階
- 顧客ヒアリング段階
- 商品・サービス提案段階
- 見積もり・クロージング段階
- 受注
重要なのは、各段階の区分方法と達成条件を明確にすることです。
営業活動では、どの段階に位置付けるか迷う場面もあるため、組織内で相談し、実務ベースで段階の定義を統一することが必要です。
段階の定義が統一されていないと、正確な数値を得ることが難しくなります。
また、タスクを細分化することでタスクの抜け・漏れにも気づきやすくなり、より円滑にプロジェクトを進められるでしょう。
進捗管理ツールを導入して進捗を見える化する
正確な進捗管理には、適切なツールの活用が欠かせません。
ホワイトボードやExcelなどで進捗管理をすることも可能ですが、ステータスの更新忘れが生じたり、情報共有がしにくかったりするなどの課題があります。
そのため、適したツールを導入することで、プロジェクトの進捗が可視化されて状況を把握しやすくなるのです。
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まとめ|自社に合ったツールを導入して営業進捗を見える化しよう
進捗管理は、システム開発やクリエイティブ制作、営業案件などさまざまな業務に欠かせません。
適切に進捗管理ができていないと、納期に間に合わなかったり大きなトラブルが起きたりするなどのリスクがあるため、注意が必要です。
まずは細分化してタスクを洗い出し、スケジュールと担当者を設定することから始めましょう。
また、進捗管理にはツールの活用もおすすめです。チーム内のタスクや状況を一元管理できるため、状況をすぐに把握できます。
「Mazrica Sales」を活用すれば、案件ボードで営業の進捗状況が直感的に把握でき、対応漏れやトラブルにも早期に対応できるでしょう。
ほかにも営業に役立つ機能が多数搭載されています。
詳しい機能については以下の紹介資料から確認できるので、ぜひお役立てください。
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