顧客管理ツールであるCRM。
現在Excelなどを用いて、担当者任せで属人化した顧客管理をしている企業にとっては、膨大な顧客情報を一元管理できるCRMは魅力的なツールだと思います。
ただし導入前に、本記事で紹介するポイントをチェックしておかなければ、せっかく導入しても失敗に終わってしまうケースもあるのです。
正しい視点で製品を選ぶことによって、その製品を最大限に活かすことができ、顧客を維持・育成して自社の売上にも繋がります。
本記事ではCRM導入を検討中の方に向け、導入検討の際に確認すべきポイントを5つご紹介します。
尚、CRMについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:CRMとは?意味や機能・おすすの顧客管理ツールをわかりやすく解説
この記事の内容
1. CRMの導入体制を作っているか?
せっかく新しくシステムを導入するなら、最大限に活用したいですよね。
そのためにまず必要なのが、部門を超えた社内全体の意識の統一。
社内全体でCRM導入・活用に関しての意識の足並みが揃っていないと、どんなに良い製品を導入しても失敗に終わってしまいます。
CRMが、ある部門にとってはメリットのあるものだとしても、別の部門にとってはデメリットになるということもあり得るので、各部門にきちんと説明をして合意を得たうえで調整することが必要となります。
社内全体の意識統一のためにおすすめなのが、プロジェクトチームを作ること。新しいツールを導入する際には多くの労力がかかります。
たとえば、各部門の橋渡しや調整、現場への周知やマネジメント、利用マニュアルの作成、経営陣などの社内上層部との折衝など。
そのような調整役として、社内にCRM専任のプロジェクトチームを立ち上げることは有効です。
また、プロジェクトチームを作ることによって、導入後の社内フォローや活用体制の構築もでき、異動や退職などで人が変わった場合でも、問題なく運用できる仕組みを作ることができます。
このような社内体制を整えてからCRMを導入することで、最大限にツールを活用することができ、売上アップなどの成果に繋がるのです。
2. CRMの導入目的と解決したい課題が明確になっているか?
世の中にはさまざまなCRM製品が出回っています。
その中から最も自社に合うものを選ぶことが、成功への近道。
「なんとなく」「便利そうだから」という理由で導入しては、せっかく労力をかけて導入しても失敗に終わってしまう可能性が高いです。
“自社に合うものを選ぶ”際に着目すべきなのが、「なぜ、CRMを導入するのか」「導入することで、何を達成したいのか」です。
例えば、現状の課題が「一度しか利用していない顧客に営業活動ができていない」で、目的が「その“一度しか利用していない顧客”にキャンペーンを打ちたい」だとします。
その課題と目的に対して、CRMの顧客管理機能を用いることで、対象者を簡単に抽出することができ、MA機能もカバーしているCRMシステムであればメルマガの配信も行えます。
しかし、上記と同様の課題であっても、目的が「その“一度しか利用していない顧客”に営業がアフターフォローの訪問や、追加の提案に行きたい」となれば、選ぶ製品が違ってきます。
そのような目的であれば、営業支援システムであるSFA機能が搭載された製品が適しているからです。
自社の課題を明確にし、その課題を解決するためにCRMを使って、どのような戦略をとっていくのかを具体的に洗い出し、CRM活用の目的を見失わないようにしましょう。
▶︎【実は50%以上の企業が課題あり?!】失敗しないSFA導入手順とは?
3. 必要な機能を正しく把握しているか?
多機能な製品は魅力的にみえますが、使いこなせなかったり、入力項目が多くて現場の負担が大きかったり、コストが高いという一面も。
初めてのCRM導入であれば、先述の「目的」に合った機能をカバーしているものであれば充分です。
必要な機能以外は結局使わないということが多いので、さまざまな機能がついている製品よりもシンプルなものを選んだほうがよいでしょう。
各機能をチェックして選別することで、無駄なコストをかけなくても済み、社内での運用も定着します。
また、機能が多すぎると入力担当者の負担も大きく、現場では使いにくいということもあります。
現場で使ってもらわないと意味がないので、現場の声も取り入れつつツール選定をしましょう。
4. 予算はいくらあるか?
たいていのCRMツールには、無料トライアルの期間は設けられているものの、その期間を過ぎると毎月のランニングコストが発生します。
「安い!」と思って飛びついても、ふたを開けてみると、使える機能が限られていたり、ユーザー数の上限があったり…なんてことも。
製品によっては初期費用がかかるものもあります。
会社として、イニシャルコスト・ランニングコストにどれだけ充てられるのかを算出した上で、コストと機能のバランスをみて製品を選びましょう。
また、社内にCRMプロジェクトの専任者を置くことは、システム定着のためには重要だということは先述の通りですが、そこでもまた人件費がかかっていることも忘れてはならない視点です。
CRMへの入力作業や分析作業でも人員は割かれているので、製品以外の部分でコストがかかることにも留意すべきです。
5. 使い勝手がいいCRMシステムを選んでいるか?
せっかくツールを導入しても、運用に成功しないと意味がありません。
そのため、使い勝手は非常に大事。
特に、実際にツールを使用する現場の視点・声は無視するわけにはいきません。
UI・UXや操作性が悪いと、現場は使うことを敬遠してしまいます。
管理側はもちろんのこと、現場にとってもわかりやすく操作しやすい製品を導入しましょう。
導入前に、営業の担当者に試してもらい、意見を聞くこともおすすめです。
おわりに
CRMの導入に失敗しないためには、導入前の検証が大事です。
導入前に、今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひ社内で擦り合わせを行ってみてください。
「CRMを導入すること」が目的なのではなく、その後の運用や活用にも目を向け、多角的に検証して判断材料としてくださいね。
自社に合った製品を活用して成果を上げましょう!

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