みなさん、こんにちは!マツリカの村上です。

突然ですが、みなさんはデータドリブンという言葉を聞いたことはありますか?

データドリブンとは、データをもとに判断・アクションしていくことです。
近年マーケティング業界では、データドリブンマーケティングが重要とされ、浸透しつつありますが、営業では残念ながら浸透はまだしていません。

そこで今回は営業パーソンの指導、育成方法にデータドリブンを取り入れて営業効率を改善する方法について、詳しくご紹介したいと思います。

一方的な押し付け指導はNG!

データドリブンな指導で営業効率を上げる

営業マネージャーの大事な役割の1つとして、営業パーソンの育成があります。
毎年、新卒や中途入社の営業を採用している企業にとって新人育成は今後、企業の売上に直結するため非常に重要です。
しかし、新人の指導には、下記のように規定のルールに沿って進められているものが多くあります。

  • 電話をする際に使用するトークスクリプトを用意して覚えてもらう。
  • 規定のルールに沿って教える。
  • マネージャー自身のやり方をそのまま押し付けてしまう。
  • 失敗から学ぶことよりも失敗を防ぐ対策に力を入れている。

オペレーションをスムーズに回すためにはルールを定め、したがってもらうことは必要ですが、これだけでは他人から言われたことを淡々とこなすだけの「受け身の営業」になってしまい、教育を受けている新人にとっても勉強にはならず、組織全体に悪い影響を与える恐れがあります。
新人が自ら考え、自発的に行動できるようにする育成プロセスを導入していくことが、営業力の向上には必要です。

自立性を尊重した指導が重要

データドリブンな指導で営業効率を上げる - 2

では具体的に、新人の営業パーソンが自発的に考え、行動できるようになる育成プロセスを導入するとはどういったことなのでしょうか。

  • 営業パーソン自らがKPIを定め、組織内で営業プロセスが見える化されている状態にする。
  • トークスクリプトを作って単に覚えさせるのではなく、相手に伝えるべき内容に焦点をあてて指導する。
  • 取るべき行動を覚えさせるのではなく、どのような思考のもとに行動するのかを教える。
  • 営業パーソンがアクションを取った際、リアルタイムでフィードバックする。

上記は一例ですが、ぜひ取り入れてみてください。

単に決まったことをやらせるのではなく、方針を決めて伝える

当然、人はみなそれぞれ得意不得意なことも性格も異なります。
仮に、営業マネージャーAさんが自身と同じやり方を示して育成をした場合、ある人は結果が出るかもしれませんが、他の人も同じように結果が出せるとは限りません。
営業マネージャーが新人の営業パーソンを指導する際に重視すべきことは、自分と同じやり方を覚えさせるのではなく、組織としての方針を決めてきちんと伝えることです。そして、方針に合った行動を自発的に取ることができる人材に育成していく必要があるのです。

例えば、来週訪問予定だったお客様に急な出張が入ってしまったとします。
営業マネージャーが「基本的に打ち合わせは、全て直接訪問で行くように」とだけ指示していた場合、新人は、先方にスケジュールの再調整を依頼することでしょう。
スケジュール調整をすることは当然のことではありますが、お客様としては、早く情報がほしいかもしれません。
予め組織の方針として「常にお客様にとって一番良い方法を考えるべきだ」という、顧客ファーストの方針を伝えることで、新人でも臨機応変に行動を取れるようになります。
出張先で空いている時間に打ち合わせをすることも可能かもしれませんし、組織の方針を意識していれば、相手に訪問スケジュールの変更を提案する前に「Web会議も可能ですよ」といった提案も行えるようになります。

このように、ただ言われたまま行動するのではなく、自分で考えて動ける営業パーソンに育てて行くことが組織全体にとっても、本人にとっても良い影響を与えます。

データを収集し、情報を見える化する

組織としての方針を伝えると同時に、もう1点重要なことは営業プロセスにおけるデータを取得し、データをもとに指導することです。
情報をデータ化することで、ボトルネックになっている箇所を見える化するためです。
ボトルネックとなっている箇所を営業マネージャーが適切に、素早く、把握することで、営業パーソンにとって本当に役に立つ指導が可能となります。

したがって、営業パーソンの日々の営業活動を記録し、数値データとして見えるようにしておく必要があるのです。

データ・ドリブンな指導とは?

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営業に関するデータといっても様々なデータがありますが、営業活動を効率化する上で、必要となるデータは営業ファネルの数値です。

まずは、営業効率を上げるためにも営業アクションごとのKPIを設定します。KPIの設定は社内のトップセールスの行動を基準に設定します。
そうすることで、トップセールスとその他の営業パーソンの行動において、どのアクションで差が出てしまっているのかがわかるので、各営業パーソンの弱点を分析し、適切な指導を行うことが可能となります。

では、実際にどのようにすればよいのか、具体例を用いてご紹介いたします。

まずは、営業パーソンの行動のKPIを下記の表のように決めましょう。
書く項目については、自社の営業フローに合わせて設定していただければと思います。

KPIは、自社のトップセールスの数値を基準に設定してみましょう。
「トップセールスの数値をもとにKPIを立てるのは、新人にとって酷なのでは?」という意見もあるかもしれませんが、どの数値に乖離があるのか、現状を把握するためには効果的です。

行動KPI

KPIを立てたあとは、実績の数値を入力させるようにしましょう。新人に的確な指導をするには、実績数値を分析することが必須です。

実績数値

営業パーソンが記録をした実績データとKPIをもとに、実際に分析をしてみましょう。

まずは獲得リード数ですが、KPIの表より多い42リード取れているので特に問題はなさそうです。

次に、アポ獲得数を見ていきます。アポ取得率は非常に高く、獲得したリードに対して実際に会えていることから、アポ取得のメール文面や電話内容に問題はないことがわかります。
メール文面の指導、電話内容について見直す必要性は高くないということです。

アポを取得したリードに対するデモ実施数もKPIの数値以上であることから、スケジュールの管理、アポ獲得後の顧客とのやり取りにも特に問題はないことがわかります。

ここまで非常に順調に進んでいますが、クロージング数に注目してください。
他の項目とは異なり、KPIの数値と大きく乖離をしていますよね。

この営業パーソンのボトルネックは、デモ実施にあることがわかります。製品デモを実際に見せて説明をしても、クロージングに上手く移行できていません。

そこで、営業マネージャーはいくつか仮設を立ててみます。

仮説:デモ実施後、クロージングに移行するまで期間が空いてしまったため、お客様の温度感が下がってしまったのではないか

デモ実施からクロージングに移行するまで期間が空いてしまうと、お客様の購買意欲が低下する恐れがあります。

クロージングに移行するまで平均何日かかっているか確認してみましょう。
データとして残しておけば分析ができます。

トップセールスが平均2日以内にクロージングに移行しているのに対して、平均1週間かかってしまっている場合は、クロージングに移行するまでの期間を短縮する必要があるかもしれません。
営業マネージャーはデモ実施からクロージングまでの行動プロセスを確認し、どうすれば次のアクションを素早く取れるのかアドバイスをする必要があります。

仮説:お客様に対して、適切な内容のプレゼンが行えていないのではないか

クロージングに移行する上で最も重要なことは、プレゼンを受けたお客様に「これなら自分たちの課題を解決できる!」と、具体的なイメージを持ってもらうことです。
そのためには営業パーソンが予めお客様の要望を把握しておく必要があり、指導する営業マネージャーは、提案資料を見直し、資料の内容が適切なものであるかどうか、もしくは追記すべき情報がないかを確認します。

もし、お客様の要望と提案資料にずれが生じているのであれば、資料作成についての指導、もしくはデモ実施前にお客様にヒアリングを行うといったフローを設けるなどの改善策を取ることができます。

このように、日頃から営業パーソンは営業プロセスを記録し、数値をデータ化することで、ボトルネックとなっている箇所を把握でき、営業マネージャーが適切な指導をすることが可能となります。

まとめ

今回は、ほんの一例をご紹介しましたが、営業パーソンの行動プロセスのデータをより詳細に記録、分析することが営業効率を大幅に改善することに繋がります。
各営業プロセスの数値以外でも、クロージングまでかかった時間をリードタイムとして記録することもおすすめです。

仮に、最初の商談からクロージングまで、期間が1か月以上かかってしまった場合、受注率が大幅に低下することがデータからわかったとします。
営業パーソンは「クロージングを1か月以内に行う」という行動目標が1つ立てられるため、そこから逆算して戦略を立てることができます。

営業に関する様々なデータを取得、分析した結果とトップセールスの数値データを比較し、データに基づいた適切な指導をしていくことが、新人の弱点を見い出すきっかけとなり、組織全体の営業パフォーマンスの底上げをする過程で非常に有効になってきます。

営業は属人化しやすいためブラックボックスになりがちな領域ではありますが、データを取り、見える化させることで改善を重ね、組織全体の営業パフォーマンスを大きく向上させることができます。

営業パーソンの指導においても、ぜひデータドリブンを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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