「DXの重要性を理解しているが、何から始めたら良いのかわからない」という方も珍しくありません。DXは自社のビジネスモデルを抜本的に変革する取組みのため、ハードルが高いと感じても仕方ないでしょう。

そこで、まずは社内の業務やデータをデジタル化する「社内DX」をおすすめします。社内DXにより、働き方改革やBCPにも対応できるのです。

本記事では、社内DXについて詳しく解説し、社内DXを加速させるおすすめのツールを紹介します。社内DXに興味がある方や、社内DXがうまくいっていない方は、ぜひご参考ください。

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社内DXとは?

社内DXとは、社内のデータをデジタル化したり業務プロセスにデジタルツールを取り入れたりすることで、社内業務や働き方などを変革していく取組みです。

そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革させることです。企業がDXに取り組むと自社の商品・サービスが大きく変革して新たな価値を生み出すため、企業全体だけでなく市場や顧客にも影響を与えかねない、大きな取組みとなります。

一方、社内DXの場合、影響が及ぶ範囲は社内に限定されます。そのため、大規模なDXよりも取り組みやすくいと言えるでしょう。

しかしながら社内DXがうまくいけば、業務効率化やコスト削減の効果があります。そのぶんの人的リソースやコストを、利益につながるコア業務に投入したり、新たなビジネスモデルの創出に注力したりできるため、企業にとってプラスに働くことは間違いありません。

関連記事:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?意味やDX推進のポイント・事例まで紹介

社内DXの推進が重要視されている背景

なぜ社内DXに取り組まなければならないのでしょうか。その理由として、企業を取り巻くビジネス環境の変化が挙げられます。以下で詳しく解説します。

関連記事:DX戦略とは?戦略立案・推進の4つのポイントとDX化の成功事例を紹介!

労働人口減少に伴う働き方改革を推進するため

少子高齢化が進む日本では、労働人口が大きく減少しています。企業は、少ない人員で生産性を最大化しなければなりません。

そこで注目されているのが、多様な人材を活用するための「働き方改革」。社内DXを行ってデータのデジタル化やデジタルツールの導入をすると、テレワークや時短勤務などの多様な働き方にも対応できるようになります。

多様な働き方ができれば、地方や海外などに住んでいてオフィスに出社できない人や、育児や介護で仕事ができる時間が限られている人など、今まで採用が難しかった優秀な人材も採用でき、生産性向上につながるでしょう。

関連記事:働き方改革とは?取り組み方や事例をどこよりもわかりやすく解説

「2025年の崖」問題に対応するため

企業の社内DXが求められている背景には「2025年の崖」という問題があります。

「2025年の崖」とは、経済産業省が公表した「DXレポート」にて提言された問題で、2025年を目途に以下のように大きな変化が訪れると言われています。

  • 約43万人ものIT人材が不足する
  • 基幹システムがレガシー化(時代遅れ)する
  • さまざまなアプリケーションのサポートが切れる

これらの問題が起きた末、年間で最大12兆円もの経済損失が生まれるとしたものが「2025年の崖」です。

「2025年の崖」に対応するために、企業は社内DXを進めて、システムの見直しやIT人材の確保などを進める必要があります。

BCP(事業継続計画)対策を強化するため

BCPとは日本語では「事業継続計画」と言い、災害やテロなどの危機的な事態に陥っても、企業の損害を最小限に抑えつつ、中核的な事業を継続できるよう、事前に取り決めておく計画のことです。

社内DXを行って、あらかじめ働く環境を整備しておくことは、BCP対策として有効です。

企業の重要なデータはクラウド上に保存されているため、危機的状況下でもデータを損失しません。また、ビジネスチャットやオンライン会議などを用いることで、テレワークでも問題なく社内コミュニケーションや顧客とのやり取りが可能です。

実際、新型コロナウイルス感染症の流行によりオフィスへの出社や顧客との対面営業などが制限された際、大きな損害を受けた企業も少なくありません。事前に社内DXを行っておくことで、こうした不足の事態にも適切に対処できます。

インボイス制度に対応するため

2023年10月1日から開始されるインボイス制度。「適格請求書」とも言われ、消費税の仕入税額控除の方式です。

インボイス制度が開始することで請求内容が複雑になるため、売り手と買い手の会計処理なども今まで以上に煩雑になる可能性があります。慣れていないうちは、人手による処理ではミスやトラブルも発生しかねません。

あらかじめ社内DXを行って、売り手・買い手双方の請求システムや会計システムを整備しておくことで、取引データを自動で取り込んで処理できるようになります。インボイス制度が開始しても、売り手・買い手どちらも混乱することなくスムーズに請求や処理が可能でしょう。

社内DXが進まない原因

多くの企業で社内DXの重要性は認識されているものの、なかなか思うように進んでいないことも実情です。その理由として、DX人材の不足や経営層の理解不足が挙げられます。それぞれ詳しく解説します。

DX人材の不足

社内DXを進めるために不可欠なのが、率先して遂行するDX人材の存在です。

DX人材は、自社のビジネスや業務内容について熟知し、さらにデジタル技術やDXについての知見を保有していることが条件となります。

しかし「2025年の崖」でも触れたように、ITの専門知識を持つ人材はどんどん減少しています。DXともなると、IT知識だけではなく、デジタル領域全般の知識が求められるため、さらに高度な人材と言えるでしょう。

そのため、なかなかDX人材を確保できないために社内DXが進まないという企業も少なくないのです。

経営層のDXへの理解不足

経営層がDXへの理解が足りないために、社内DXに取り組めないという企業の多く見られます。

DXは昨今のビジネス業界でも注目されているキーワードですが、日本では取り組んでいる企業がまだ多くないことから、経営層は他のビジネス課題を優先しがちになります。

また、社内DXは「これができたらゴール」という、明確な最終地点がありません。中長期的な期間を継続して取り組む必要があるため、コストも時間もかかるという理由から、経営層が難色を示すこともあります。

このように経営層の理解不足によって社内DXが進まず、結果的に競合他社に遅れを取ってしまうことになるでしょう。

社内DXの進め方

社内DXが進まない弊害があるなかで、企業はどのように社内DXを進めていくべきなのでしょうか。ポイントとしては、まずはスモールスタートから始め、徐々に社内に浸透させていくことが重要です。

それでは、社内DXの進め方を具体的に紹介していきます。

関連記事:DXの進め方とは?始め方から推進まで6つのステップに分けて解説

1.業務プロセスのデジタル化

まずは、業務プロセスにデジタルを取り入れていきましょう。このことは、経済産業省の「DXレポート2 中間とりまとめ」でも、企業がただちに取り組むべきアクションとして紹介されています。

具体的には、以下のような取組みが挙げられます。

  • 紙ベースの書類を電子化する
  • デジタル書類をクラウドストレージに保存する
  • 契約手続きや印鑑を電子化する
  • 定型業務やルーチンワークをRPAが代行する
  • インターネットバンキングで振込や入金確認を行う

最初から大掛かりなシステムを導入すると、社内が混乱しかねません。世間で話題になっている「ペーパーレス」や「脱ハンコ」など、手軽に導入できる業務からデジタル化を始めることで、社内のDXに関する意識を徐々に高められます。

2.業務環境のオンライン化

「DXレポート2」で紹介されているアクションのもうひとつが、業務環境のオンライン化です。

テレワークシステムやオンライン会議ツールなどを導入し、従業員全員がオフィスに出社しなくても円滑に業務を遂行できる環境を整備します。

もちろんテレワークが難しい業種・職種もありますが、どの企業にとっても業務環境にオンラインを取り入れることは重要です。

ビジネスチャットを導入することでやり取りがスムーズになったり、業務マニュアルのオンライン化によって必要なときすぐにマニュアルを確認できたりするなど、多くのメリットが見込めます。

3.DX人材の採用・育成

社内DXを円滑に進めるためには、DX人材の存在が欠かせません。自社についての理解、DXに関する知見、社内での影響力などを持つ人材を確保し、社内DXを推し進めましょう。

DX人材は、新たに採用するか、今いる従業員を育成するか、どちらかの方法があります。

新たに採用する場合は、すでに他社で社内DXに携わった経験がある人材が良いでしょう。また、一から自社の業界や業務内容について理解してもらう必要があるため、同じ業界での経験を持つ人材であれば即戦力として期待できます。

今いる従業員をDX人材として育成する場合には、デジタルやITについて関心があるだけでなく、能動的に責任感を持って業務を遂行できる人材を選定しましょう。

4.社内DXを推進するツールを導入する

社内DXにおいてはデジタル化やオンライン化が必要なため、ツールの導入が不可欠です。

後ほどご紹介するような業務効率化ツールやオンラインコミュニケーションツールを導入することで、より効率よく社内DXを推し進めることができます。

社内DX推進を成功させる4つのポイント

社内DXは早急に始めるべき取組みですが、やみくもに始めては成果につながりません。成功させるためのポイントを、4つに絞って紹介します。

1.目的を明確にし、社内で共有する

なぜ社内DXを進めるのか、社内DXを進めた先には何があるのか、といった目的が明確でなければ、現場も経営層も社内DXの必要性を感じてくれません。

現在の課題やボトルネックを洗い出し、社内DXを行うことでどのように解決できるのか、具体的に明示しましょう。

2.経営層が積極的に推進に取り組む(トップダウンアプローチ)

「社内DXが進まない原因」でも挙げたように、経営層の理解が不足していると社内DXが進みません。

社内DXは自社の業務プロセスや業務内容を変えるため、現場にとって少なからず負担があります。経営層が中途半端な意識だと、現場も「やらなくてもいい」という気持ちになってしまい、現場の協力が得られずに失敗に終わってしまうでしょう。

トップとなる経営層が社内DXについて充分に理解し、ビジョンや方向性を明確にして現場に浸透させる必要があります。そのうえで、現場がスムーズに社内DXを進められるよう、迅速な意思決定やアドバイスが求められます。

3.現場のニーズを汲み取る(ボトムアップアプローチ)

経営層が率先することは重要ですが、トップダウン的なアプローチだけでは失敗するリスクもあります。なぜなら、実際の業務プロセスにそぐわないツールを導入したり、必要な機能が搭載されていないツールを導入したりして、現場が混乱することもあるためです。

現場ではどのような課題があり、どのようなツールが適しているのか、しっかりと見極めましょう。

4.スモールスタートから社内DXを進める

社内DXを進めようとするあまり、急にさまざまなツールを導入したり、業務プロセスを大きく変えたりすると、現場に無理を強いることになります。混乱を招くだけでなく、現場の反発にもつながりかねません。

まずはペーパーレス化や脱ハンコなどから始め、徐々に社内DXを浸透させていきましょう。

社内DX化・デジタル化に役立つおすすめツール9選

社内DXを加速させるには、ツールの導入がおすすめです。数あるツールのなかから、おすすめのツールを紹介します。

社内DXに必須な業務効率化ツール6選

社内DXでは、業務プロセスやデータのデジタル化を行います。社内DXにおすすめの業務効率化ツールを紹介していきます。

1.RPAツール

RPAとは「Robotic Process Automation」の略称で、決められたツールにしたがってロボットプログラムが業務を遂行するツールです。入力業務や転記業務などの定型業務に向いています。

【代表的なRPAツール】

  • WinActor(株式会社エヌ・ティ・ティ・データ)
  • UiPath(UIPath社)
  • batton(株式会社batton)

2.SFAツール

SFAとは「Sales Force Automation」の略称で、日本語では「営業支援ツール」と訳されます。顧客情報や案件情報、営業アクション情報や売上情報など、営業に関するデータを一元管理・分析し、営業力の底上げを図るツールです。

【代表的なSFAツール】

  • Senses(株式会社マツリカ)
  • SalesCloud(セールスフォース社)
  • eセールスマネージャーRemix(ソフトブレーン株式会社)

3.経費精算ツール

出張費や備品代などの経費の申請・承認などの業務を自動化できる経費精算ツール。ICカードと連携したり、領収書をOCRで読み取ったりできるツールもあります。

【代表的な経費精算ツール】

  • マネーフォワードクラウド経費(株式会社マネーフォワード)
  • 楽楽精算(株式会社ラクス)
  • ジョブカン経費精算(株式会社DONUTS)

4.BIツール

BIとは「Business Intelligence」の略称で、企業に点在しているさまざまなデータを集約し、分析や意思決定に役立てるためのツールです。

【代表的なBIツール】

  • Tableau(タブローソフトウェア社)
  • Microsoft Power BI(マイクロソフト社)
  • DOMO(Domo社)

5.タスク管理ツール

タスク管理ツールは、組織やプロジェクトのタスクを一元管理し、担当者・期日・進捗状況などを可視化できるツールです。

【代表的なタスク管理ツール】

  • Trello(アトラシアン社)
  • Asana(Asana社)
  • Backlog(株式会社ヌーラボ)

6.人事管理ツール

人事管理ツールを活用すると、人事情報や労務情報、人事評価情報など、人事業務に関わるデータを一元管理できます。

【代表的な人事管理ツール】

  • SmartHR(株式会社SmartHR)
  • カオナビ(株式会社カオナビ)
  • HRBrain(株式会社HRBrain)

社内コミュニケーションのデジタル化を推進するツール3選

社内のコミュニケーションをオンライン化することで、テレワークでも円滑に業務を遂行できます。社内DXにおすすめの社内コミュニケーションツールを紹介します。

1.オンライン会議ツール

オンライン会議ツールは、パソコンやスマートフォンなどのデバイスとインターネット環境があれば、オンラインで会議を行えるツールです。顧客との商談をオンライン化している企業もあります。

【代表的なオンライン会議ツール】

  • Zoom(Zoom Video Communications社)
  • Google meet(グーグル社)
  • Microsoft Teams(マイクロソフト社)

2.ビジネスチャットツール

リアルタイムでチーム内や個別でのチャットができるビジネスチャットツール。タスク管理や音声会議などの機能が搭載されたツールもあります。

【代表的なビジネスチャットツール】

  • Slack(Slack社)
  • Chatwork(Chatwork株式会社)
  • LINE WORKS(ワークスモバイルジャパン株式会社)

3.ナレッジマネジメントツール

ナレッジマネジメントツールは、組織内のナレッジやノウハウ、成功事例などを蓄積し、メンバー誰もが社内ナレッジを活用できるツールです。

【代表的なナレッジマネジメントツール】

  • NotePM(株式会社プロジェクト・モード)
  • Qast(any株式会社)
  • PKSHA FAQ(株式会社PKSHA Communication) ※旧称:OKBIZ. for FAQ

営業の社内DXならSFAツールSenses(センシーズ)を活用しよう

SLG(セールスレッドグロース)とは?実現のための組織体制とツールも紹介! | Senses Lab. |4

社内DXを始めるには、各部門や各業務からスモールスタートすることをおすすめします。

DXに適した部門は複数ありますが、営業部門もその一つ。顧客の情報収集や購買行動が多様化している現代では、顧客の傾向や課題を分析してニーズに合った営業アプローチが求められているからです。

営業の社内DXにおすすめなのが、SFA「Senses(センシーズ)」です。現場の使いやすさにこだわった設計なので、今までの営業業務に違和感なく組み込めるでしょう。

社内DXを進めるうえで、Sensesで特に活用できる機能を紹介します。

●案件ボード

Senses
各案件の進捗を、営業フェーズ別に管理できます。進捗状況を直感的に把握でき、最終対応日数に応じて色別でアラートされるため対応の漏れ・遅れもすぐにリカバリーできます。

▶▶案件ボードオンラインマニュアル

●OCR機能


名刺やメモなどの写真から文字を抽出し、テキストデータとして取り込みます。ペーパーレス化やデータの一元管理につながります。

「OCR機能オンラインマニュアル」

●Senses Insight


AI機能「Senses Insight」は、案件の受注確度をAIが予測する機能です。効果の高いネクストアクションを提案してくれるため、次にやるべきことが明確になります。

▶︎「Senses Insight オンラインマニュアル」

●セールスメトリクス機能


セールスメトリクス機能とは、各営業担当者を売上金額や受注率、リードタイムなどの計7項目から分析し、得意・不得意を可視化する機能です。得意分野を伸ばしたり、苦手分野を改善したりする際に役立ちます。

▶︎▶︎営業パーソンの強みや弱みを可視化できるSFA機能【セールスメトリクス】とは?

●外部ツールとの連携


Gmailとの連携によりメール内容を自動で取り込んだり、カレンダーアプリと連携して商談スケジュールを自動同期したりするなど、担当者の入力負荷を軽減します。

▶▶SFAとグループウェアツールの連携メリット・連携イメージを知りたい方はこちら!

これらの機能を活用し、営業データのデジタル化が実現します。またSensesを確認すると、チームメンバーの動きを把握できるため、社内コミュニケーションも円滑になるでしょう。

関連記事:【Senses活用事例】なぜSensesは営業現場で使いやすく運用コストまで削減できるのか?

おわりに

社内DXは、社内の業務データをデジタル化したり、業務プロセスにツールを活用したりして、業務効率化や生産性向上につなげるための取組みです。これからますますデジタル化の波が加速してDXの重要性が増してくるなかで、社内DXは避けては通れないでしょう。

まずは部門や業務をDX化し、スモールスタートして徐々に社内に広げていくことが重要です。

営業DXに関しては、下記の資料でも詳しく解説しています。ぜひご参考ください。

どこからはじめる?どんな効果がある?レビューが実証。これからはじめる営業DXとは

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