商談において事前準備に対する労力の掛け方が、交渉を有利に進めるポイントになります。
しかし、事前準備も無駄なことに時間をかけてしまっては商談がうまくいきません。

今回は、事前準備のヒントとしてフレームワークを使った商談準備をご紹介します。

商談準備が必要な理由

トップセールスへの第一歩|商談準備で使えるフレームワーク|Senses.Lab|1商談を成功させるには「相手企業の課題やニーズが何で、自社の商品やサービスに何を求めているのか」を徹底的に考える必要があります。

大手有名企業から問い合わせがあり、商談が決まった際、何に力を入れるべきでしょうか。

例えば営業のAさんは、自社商品の素晴らしさを理解してもらおうとパワーポイントを何度も作り直し、見栄えも良くして、プレゼンの練習も徹底的に行い商談を迎えます。

自分では完璧にプレゼンが出来た、と思っていたとしても結果は「今回の案件は他者様にお願いすることとした」と予想していなかった連絡を受けます。ここで反省すべきは商談準備の内容でした。

商談相手企業の情報やニーズを深堀りすることが不足しており、自社の商品をアピールするのに力を入れてしまったのです。どんなに素晴らしい商品でも相手企業のニーズを捉えていなかったら受入れて貰えるはずがありません。

商談は準備のフェーズが重要ということは当たり前ですが、単に商談に対して準備の時間をかければ良いということではなく、「顧客が何を求めているのか」を常に考えておく必要があるのです。

商談前のアプローチ方法はこちらを参考に。

15個の統計データからわかるアウトバウンド施策を改善する方法

 

3C分析~HPのプリントアウトからの脱却~

トップセールスへの第一歩|商談準備で使えるフレームワーク|Senses.Lab|2マーケティングの基本的なフレームワークである3C分析は商談時において提案だけではなく、
商談に入る際のアイスブレイクとしても活用することができます。

名前を聞いたことがあるがよくわからないという方は、まず自社が所属している会社で3C分析を練習してみましょう。

Customer:市場、顧客
Competitor:競合
Company:自社

の3つの頭文字から3C分析と名付けられています。例えば、Customer(市場)であれば石油価格や為替の動向などマクロ的な視点。TVで紹介されてから人気の出始めている商材などミクロ的な情報も有効です。あとは具体的な顧客(BtoBなら業界や企業名)の情報です。

Competitor(競合)は、他社の商品の情報や最新動向です。「○○社は次回○○という新サービスをリリースするらしいですね」という話はライバル企業であれば、自ずと興味を持ってくれる話だと思います。

Company(自社)は、訪問先企業の事業内容はもちろん、新商品の情報や売れ筋の商品、組織体制の情報です。

3C分析のやり方と商談での使い方

評論家ではありませんので3C分析を実施して市場環境を述べるだけでは意味がありません。あくまで自社の商品やサービスを受入れてもらうための交渉の手段の一つとして3C分析を行います。

「自社の提供する商品やサービスを顧客に導入した場合」という仮説で分析を行います。自分が複合機の営業マンであるという例で説明します。

Customer(市場・顧客)
・複合機の市場規模
・年時で出荷台数の傾向
・複合機を使っている企業
・複合機を使っていない企業(ペーパーレスを進めている企業など)
など

Competitor(競合)
・ライバル企業A社の売上高
・ライバル企業A社の取扱商品の特徴
・ライバル企業A社の売価の設定
など

Company(自社)分析
・自社商品と他社との違い(競合優位性)
・サービスレベルの特徴(顧客へのサポート体制など)
・企業理念や事業構造
など

全く商談とは関係がない市場分析もアイスブレイク時には有効かもしれませんが、本来の目的が何かということを見失わずに商談を進めてください。

BANT情報~最低限ヒアリングすべきこと~

トップセールスへの第一歩|商談準備で使えるフレームワーク|Senses.Lab|33C分析は有名なフレームワークなのでご存じの方も多いかと思います。
一方でもしかするとBANT情報という言葉はまだ一般的には馴染みのないフレームワークかもしれません。

Budget:予算
Authority:決裁権
Needs:必要性
Timeframe:導入時期

この4つの頭文字を取って「BANT」と呼ばれています。BANTが欠けている場合、成約には至らない可能性が高いです。「凄い良い商品だけど僕には権限が無いんだよね」と言われてしまった経験ないでしょうか。このような場合はAの「Authority:決裁権」が欠けていると考えられます。

同じようにBの「Budget:予算」が欠けてしまっていると、「すぐにでも導入したいんだけど予算が来年にならないと・・・」というケースになってしまいます。

Nの「Needs:必要性」が欠けていると、そもそも商品やサービスに対して必要性を感じて貰えないということが起こります。

最後のTの「Timeframe:導入時期」は、サービスの良さも伝わり、予算もあり決裁もできるが今は忙しくて導入時期が来年以降になる、というケースです。

BANTという言葉は聞いた事がなかったとしても、上記事例で具体的にイメージできるのではないでしょうか。BANTをイメージすると営業戦略が立てやすくなります。是非使ってみてください。

事前にBANTを抑えて受注確度予測を

受注が取れると思っていた案件が取れなかったり、今期受注予定だったものが来期に延期になってしまったりして、「受注予想精度が悪い」と言われてしまったことはありませんか?

例えば案件ごとにABCランクで受注予想していたとしても、勘や経験のみでランキング分けしていては受注予想がギャンブル的になってしまいます。そこでBANT情報を基にした管理方法を考えてみましょう。お客さまからヒアリングする際、BANT情報を意識して確認しておくだけでも案件の受注精度予想は向上するはずです。

①Budget:予算
予算は既に抑えられているのか。これから予算を抑えにいくための検討フェーズなのか、などの確認を実施していきます。

②Authority:決裁権
決裁者は誰なのか。商談相手の方、本人が決裁権を持っているのか。購買担当者が決裁権を持っているならその人にも会えるのか。

③Needs:必要性
提案しようとしているサービスや商品にニーズがある部署は誰か。このニーズを満たすためのプロジェクトは既に動いているのか。

④Timeframe:導入時期
商品やサービスの導入時期はいつなのか、いつまでに導入したいと考えているのか。

例えば、決裁権(A)もあるし商品に対するニーズ(N)も高く具体的に導入したい時期(T)も決まっている。しかし、今期の予算(B)が抑えられていない場合、現段階ではランクCとなるはずです。お金がないのではどんなに具体的にニーズや導入時期が決まっていても発注はされません。

もちろん企業によって取り扱う商品・サービスが異なるので自社に合うBANTを作る必要性が発生しますが、管理できるようになれば精度ある予実管理が実現できるはずです。

余裕があったらバリューチェーン分析も

トップセールスへの第一歩|商談準備で使えるフレームワーク|Senses.Lab|4製造業であれば比較的馴染みのあるフレームワークですが、バリューチェーン分析と呼ばれているフレームワークも参考にしてみてください。

例えば、小売業の場合を例にします。小売業の場合、商品を仕入れて、お店を運営して、集客をしてお客さんにその商品を購入してもらいます。さらに企業により異なりますが、アフターサービスなども実施しています。

ここから、「他社と自社の違いは何で、強みは何か?」ということを考えていきます。販売の方法は他社よりWEBに優れている、集客はInstagramからの来店が多い、などプロセスの工程毎に強みが整理することができます。この強みこそが自社の「バリュー=価値」となり、この価値が連鎖する事で企業価値が高まるという考えで整理していきます。

バリューチェーン分析の具体例

メリットや活用方法を説明
それでは具体的なバリューチェーン分析の事例をご紹介していきます。

花王株式会社の2017年度の売上高は約1兆5,000億円の日用品大手メーカーです。2000年の頃は今の約半分の売上高8,000億円ほどでしたので、この17年間で大きな飛躍を見せた企業でもあります。その強みはどこにあるのでしょうか?

花王のバリューチェーンで特徴的なのは素材開発から販売まで一貫している「自前主義」です。同じ日用品メーカーでバリューチェン分析を行ってもここまで社内で行っている企業は少ないと思います。生産の部分は外部に委託していたり、販売も代理店を通していたりする企業が多くあるなか花王は素材開発から自社社内で実施しています。消費者のニーズを商品開発に即反映できる体制が花王の強みと分析できます。

終わりに

フレームワークをいくつかご紹介しましたが、共通しているのは「考え方を整理すること」です。慣れてくれば独自のフレームワークで商談を有利に進められるロジカルシンキングが出来るようになります。

また、トップセールスと呼ばれる人達の多くは自分に合ったフレームワークで考え方を整理して商談に臨んでいるはずです。
今回紹介したフレームワークで考え方を整理する癖を付けて、自分ができそうなことから商談準備に活かしてみましょう。

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