商談においては事前準備に対する労力の掛け方が、交渉を有利に進めるポイントになります。

ですが、事前準備も効率的に行いたいですよね。

今回は、事前準備のヒントとしてフレームワークを使った商談準備をご紹介します。

こちらの資料では、営業の情報収集やデータ分析を自動化し、営業・商談の準備にかかる時間を大幅カットできるツールの概要や導入プロセスをご紹介しています。

営業の事前準備とは?

営業の事前準備とは、商談に向けた情報収集、提案先へのプレゼン資料の作成などを含めた事前準備を意味します。

ただ単に「見込み顧客に関する情報収集して終わり」ではなく、課題を解決できる提案(ストーリー)を描ける状態を作ることが重要です。

もちろん、事前に準備した通りに物事が進むことはほとんどありません。

ですが、営業の事前準備ができた状態で商談に臨めるか否かで、商談を前に進められるかどうかが決まりますし、その後の提案内容の改善にもつながるでしょう。

営業の事前準備が必要な理由

次に、営業において事前準備が必要な理由を解説します。結論、事前準備によって商談の「質」が高まるため、重要であると言えます。

営業の成功は商談の前段階でほぼ決まっており、その鍵を握るのが事前準備です。

顧客の背景や業界情報をしっかり調査しておけば、商談中に質の高い質問ができ、顧客の真のニーズや課題を引き出すことが可能になります。

例えば、準備を怠った場合は表面的な会話で終わることが多いですが、十分な準備があれば、競合や市場動向に基づいた具体的な提案ができ、信頼関係を築くことができます。

準備が万全であれば、商談中の発言も深く理解でき、より的確な対応ができるため、成約率の向上にもつながります。

結局、商談の質は準備次第で決まり、顧客の貴重な時間を最大限に活用するためには、事前準備が不可欠なのです。

営業準備の実態調査結果

株式会社UKABUがインターネット上で全国の営業職200名を対象に実施した「商談準備に関する実態調査」によると、営業準備の実態について以下のことが分かりました。

82%の営業担当が営業準備の必要性を感じている

「顧客と話す前に営業準備の必要性を感じますか?」という質問に対して、「とても感じる」と回答した43.0%、「感じる」と回答した39.0%を合わせて、82.0%の営業職が営業準備の必要性を感じていることが明らかになりました。

また、実際に営業準備をしていた場合と、準備していなかった場合で顧客との商談成功率は異なるのかも聞いてみると、「準備ができていない」ときの商談成功率の平均は28.8%なのに対し、「しっかり準備ができている」時の商談成功率の平均が61.4%と、準備の有無で商談成功率が2.1倍も異なる結果となりました。

営業の業種や商材などによっても商談成功率は変わりますが、準備をしていたほうが高い商談成功率になる傾向があるといえます。

67%が営業準備を「毎回はできていない」

先程の調査では、多くの営業担当者が、営業準備をしっかりすることで結果が変わることを実感していて、 顧客と話す前に営業準備は必要だと回答しました。

しかし、残念ながら、現実には「常に営業準備をしている」人は33.0%のみという結果に。つまり、67.0%の営業担当者が毎回は準備ができていないのです。さらに、営業機会の半分以上で営業準備をしていないという担当者も28.5%いました。

営業準備ができていない理由の1位は「準備をする時間が足りない」が約半数を占めていました。

ただし、営業経験1年以内の新人は、「準備をする時間が足りない」に加えて「準備がしっかりできているかわからない」「準備の仕方がわからない」という回答が多く見られました。

1回あたりの営業準備にかかる必要な時間は約43分

1商談当たりの営業準備にかかる時間について尋ねると、「30分以上1時間未満」が41.8%ともっとも多く、回答者の平均準備時間も約43分となっています。

1日に商談が2件あれば1.5時間、3件あれば2時間と考えると、営業は事前準備だけでなく、事後の連絡や事務作業などもあるため、準備の時間が取れなくなることもあると推察されます。

営業準備で通常行うこととして、約半数が「会社HPの有無を確認する」と回答しました。

これに次いで、「事業内容をすべて確認する」「ヒアリングすべき項目を整理する」などが続き、営業準備では情報の整理を行う人が多いと分かります。

また、営業準備を自分自身以外のツールや何かが代わりにやってくれるなら何をお願いしたいかも調査を行いました。

その結果、時間が足りないという人たちは、特定の準備事項ではなく、どの項目についてもITツールなどに任せたいという意見が一定数ありました。営業準備の何らかの作業を代替させたい、という回答は全体で83.3%となっていました。

参照:44.3%の営業組織で重要課題として認識。準備次第で商談成功率が2倍変わる!疎かにしがちな「営業準備」の実態調査を公開。(株式会社UKABU)

営業の事前準備ですべき8つのこと

営業商談の成功は、徹底した事前準備にかかっていると言っても過言ではありません。

営業担当者が商談に臨む前に行うべき準備として、8つのことが挙げられます。 これらを実践することで、商談の質を大きく向上させ、顧客との信頼関係を構築することができます。

1.企業の基本情報を調べる

商談前には、まず相手企業の基本情報を把握しておくことが重要です。 社名、設立年、従業員数、所在地、事業内容といった情報はもちろん、企業の文化や経営方針も調べておきましょう。

特に事業内容は、顧客のニーズや課題を理解する上で不可欠です。 この事前知識があることで、商談中により具体的な質問や提案ができるようになります。

2.商談相手の詳細なプロフィールを把握する

次に、商談相手となる担当者についての情報を収集します。 役職や部署だけでなく、経歴や趣味なども把握しておくと良いでしょう。

SNSなどから得られる情報も有効です。商談相手と自分との共通点を見つけることで、会話を通じて自然な信頼関係を築くことができ、商談をスムーズに進めることができます。

3.事業環境の分析から具体的ニーズを見極める

企業や担当者の情報を基に、顧客のニーズを具体的に想定します。

売上の増加やコスト削減、人材不足の解消といった基本的なニーズを踏まえ、それをどのように具体的に解決できるかを考えましょう。

4. ヒアリングで得たい情報を事前に整理する

商談中に聞き出したい内容をあらかじめ決めておくことも、事前準備の一環です。

顧客の課題やニーズを的確に把握するためには、ただ情報を集めるだけではなく、仮説を立てて目的に応じた質問を用意しておくことが重要です。

ヒアリングによって得られる情報は、顧客の課題解決に直結する提案に繋がるため、質問の質を高めることが求められます。

関連記事:営業ヒアリングのコツは?基本項目・管理方法・4つのフレームワークを紹介

5. 提案内容を決める

事前に顧客のニーズを想定し、それに応じた提案内容を準備しておくことは、商談を成功させるためのカギです。

提案内容は商談中のヒアリング結果に応じて調整できますが、あらかじめ方向性を固めておくことで、商談中に焦ることなく、的確な提案を行うことができます。 また、提案を裏付ける実績や事例を用意しておくことで、説得力が高まります。

6. 商談の目的を明確に設定する

商談には、明確なゴールを設定することが不可欠です。

例えば、顧客に自社サービスを理解してもらう、課題をヒアリングする、解決策を提案するなど、商談ごとに異なるゴールを設定し、それに向けた準備を行うことで、時間を無駄にせず効率的に商談を進めることができます。

また、事前に顧客と商談のゴールを共有しておくと、予期しない展開を避けることができます。

関連記事:商談の進め方・商談の流れや成約に繋げる方法を解説

7. アポイントの確認を行う

事前準備の最後に、アポイントの確認を行います。 商談の前日までに、開始日時、所要時間、場所(オンラインの場合はZoomのURL)、参加者を再確認し、メールや電話で顧客に連絡しておくことが重要です。

また、顧客がオンライン商談に不慣れな場合は、参加方法をあらかじめ共有しておくと親切です。この小さな気配りが、商談の成功に繋がります。

事前準備がしっかりと整っていれば、商談の進行がスムーズになり、顧客との信頼関係も深まりまることで、より効果的な提案が可能となり、商談の成約率も向上するでしょう。

8.フレームワークを用いた準備をする

商談準備を行う際、特にニーズの特定などの作業においては営業フレームワークを用いることをおすすめします。

営業フレームワークを使えば、成果の出る営業準備を短時間で行えるようになるからです。

営業準備においては、「時間をかけて準備したのに、大事な点を見落としていた」などのような失敗が発生しがちです。

感覚的に営業準備を行うことで発生してしまうものですので、なんとなくのやり方を続けていたら、抜け漏れが出てきてしまうのは避けられません。

そのため、フレームワークを活用し、効果的な営業準備を行うことを心がけましょう。

関連記事:営業戦略の立て方とは?手順と5つのフレームワークを解説

営業準備に使える6つのフレームワーク

営業準備に使える6つのフレームワークを紹介します。
本記事で紹介するのは、以下の6つです。

  • 3C分析
  • SWOT分析
  • BANT分析
  • バリューチェーン分析
  • PEST分析
  • 4P分析

関連記事:営業戦略・戦術フレームワークおすすめ14選と活用のポイントとは

営業に使えるフレームワークの一覧表

本記事でご紹介する6つのフレームワークを「概要」「効果」「主なタイミング」で整理した一覧表を作成しました。ぜひご参考ください。

  概要 効果 主なタイミング
3C分析 顧客・競合・自社の3つの視点(3C)から分析を行う

外部と比較した際の自社の強み・弱みが明らかになる

  • 商談前の準備
    アイスブレイク時など
SWOT分析 内部環境/外部環境、プラス/マイナス要因の軸から自社の環境課題を分析する
  • 戦略を立てやすくなる
  • 競合との差別化がしやすくなる
  • 商談前の準備
  • 初回商談後の提案時など
BANT分析 商談で質問すべき4つのヒアリング項目
◎予算 ◎決裁権
◎必要性◎導入時期

受注確度予測の精度が上がる

営業ヒアリング時など
バリューチェーン分析 商品やサービスが顧客に届くまでの企業活動の連鎖を分析する
  • 自社内部の強み・弱みが明らかになる
  • コスト削減の糸口を見つけられる
商談前の準備
PEST分析 政治・経済・社会・技術の4要素からマクロな分析を行う
  • 自社を取り巻くマクロ環境を把握する
  • 市場の変化にスムーズに対応できるようになる
営業戦略策定時など
4P分析 製品・価格・流通・プロモーションの4要素(4P)から分析を行う
  • 具体的な販売戦略を立てられる
  • ターゲット市場の特性や競合の状況を把握できる
営業戦略策定時など

①3C分析

3C分析とは、「Customer:市場、顧客」「Competitor:競合」「Company:自社」の観点から自社の現状を把握するフレームワークです。

マーケティングの基本的なフレームワークである3C分析は商談時において提案だけではなく、商談に入る際のアイスブレイクとしても活用することができます。

名前を聞いたことがあるがよくわからない方は、まず自社が所属している会社で3C分析を練習してみましょう。

3C分析のやり方と商談での使い方

評論家のように3C分析を実施して市場環境を述べるだけでは意味がありません。
あくまで自社の商品やサービスを受け入れてもらうための交渉の手段の一つとして3C分析を行います。

自分が複合機の営業マンである場合の例で、自社の提供する商品やサービスを顧客に導入したい場合の3C分析を説明します。

【Customer(市場・顧客)】

Customer(市場)は石油価格や為替の動向などマクロ的な視点。

TVで紹介されてから人気の出始めている商材などミクロ的な情報も有効です。そのほか、具体的な顧客(BtoBなら業界や企業名)の情報です。

  • 複合機の市場規模
  • 年時で出荷台数の傾向
  • 複合機を使っている企業
  • 複合機を使っていない企業(ペーパーレスを進めている企業など)

【Competitor(競合)】

Competitor(競合)は、他社の商品の情報や最新動向です。
「○○社は次回○○という新サービスをリリースするらしいですね」などの話はライバル企業であれば、自ずと興味を持ってくれるでしょう。

  • ライバル企業A社の売上高
  • ライバル企業A社の取扱商品の特徴
  • ライバル企業A社の売価の設定

【Company(自社)】

Company(自社)は、訪問先企業の事業内容はもちろん、新商品の情報や売れ筋の商品、組織体制の情報です。

    • 自社商品と他社との違い(競合優位性)
    • サービスレベルの特徴(顧客へのサポート体制など)
    • 企業理念や事業構造

全く商談とは関係がない市場分析もアイスブレイク時には有効かもしれませんが、本来の目的が何かということを見失わずに商談を進めてください。

関連記事:【鉄板・タブーネタ】営業・商談でのアイスブレイク方法とは?

②SWOT分析

SWOT分析とは、内部環境(自社がコントロール可能なもの)と外部環境(自社がコントロール不可能なもの)、プラス要因とマイナス要因の軸から自社の環境課題の解決を導く戦略のことです。

SWOT分析は、以下の要素から構成されています。

【内部環境】

  1. Strength:強み…企業の目標実現を促進させる内部の特徴
  2. Weakness:弱み…企業の目標実現を抑制させてしまう内部の特徴

【外部環境】

  1. Opportunity:機会…競合他社による脅威
  2. Threat:脅威…目標実現の障壁になる外部の特徴

3C分析でマクロな環境情報の収集を行い、SWOT分析で情報を解釈し、自社にはどのような戦略が適切なのか策定する、のように3C分析とSWOT分析を組み合わせるとより効果的です。

商談準備というよりは初回商談後の提案に使うケースも多いでしょう。

SWOT分析については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
関連記事:SWOT分析とは?事例や分析手法をわかりやすく解説

SWOT分析のやり方

それでは具体的にSWOT分析のやり方を見ていきましょう。

SWOT分析ではまず、外部環境である「Opportunity:機会」と「Threat:脅威」を洗い出して分析を行います。

外部環境の分析を先に行うのは、内部環境は外部環境の影響を大きく受けるためです。先に外部環境の分析を行うことで、より的確な分析を行うことができます。

外部環境とは、具体的には以下のものを指します。

  • 競合の状況
  • 市場規模、市場の成長性
  • 政治、法律の状況
  • 景気や経済の状況

外部環境の分析を一通り終えたら、内部環境である「Strength:強み」と「Weakness:弱み」を分析します。

内部環境は、外部環境と比較すると、主観的な分析になりがちですので気を付けましょう。数値や実際のデータを用いることができれば、客観性の高い分析を行うことができます。

内部環境としては以下のものが挙げられます。

  • サービス・商品の価格や品質
  • 認知度(ブランド力)
  • 技術力
  • 自社や販売店舗の立地

以上の情報を整理し、競合他社との比較を行うことで自社の「Strength:強み」と「Weakness:弱み」を割り出すことができるようになるでしょう。

③BANT情報

3C分析は有名なフレームワークなので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

一方でもしかするとBANT情報という言葉はまだ一般的には馴染みのないフレームワークかもしれません。

  • Budget:予算
  • Authority:決裁権
  • Needs:必要性
  • Timeframe:導入時期

上記の4つの頭文字を取って「BANT」と呼ばれています。

BANTが欠けている場合、成約には至らない可能性が高いです。

「凄い良い商品だけど僕には権限が無いんだよね」と言われてしまった経験はないでしょうか。
このような場合はAの「Authority:決裁権」が欠けていると考えられます。

同じようにBの「Budget:予算」が欠けてしまっていると、「すぐに導入したいけれど予算が来年まで分からない」ケースになってしまいます。

Nの「Needs:必要性」が欠けていると、そもそも商品やサービスに対して必要性を感じて貰えない場合があります。

最後のTの「Timeframe:導入時期」は、サービスの良さも伝わり、予算もあり決裁もできるが今は忙しくて導入時期が来年以降になるケースです。

BANTという言葉は聞いた事がなかったとしても、上記事例で具体的にイメージできるのではないでしょうか。

BANTをイメージすると営業戦略が立てやすくなります。是非使ってみてください。

BANT情報に関するより詳しい記事はこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:BANT条件とは?法人営業が知っておきたいヒアリング手法

事前にBANTを抑えて受注確度予測を

受注が取れると思っていた案件が取れなかったり、今期受注予定だったものが来期に延期になってしまったりして、「受注予想精度が悪い」と言われてしまったことはありませんか?

例えば案件ごとにABCランクで受注予想していたとしても、勘や経験のみでランキング分けしていては受注予想がギャンブル的になってしまいます。

そこでBANT情報を基にした管理方法を考えてみましょう。お客さまからヒアリングする際、BANT情報を意識して確認しておくだけでも案件の受注精度予想は向上するはずです。

  1. Budget:予算
    予算は既に抑えられているのか。これから予算を抑えにいくための検討フェーズなのか、などの確認を実施します。
  2. Authority:決裁権
    決裁者は誰なのか。商談相手の方、本人が決裁権を持っているのか。購買担当者が決裁権を持っているならその人にも会えるのか。
  3. Needs:必要性
    提案しようとしているサービスや商品にニーズがある部署は誰か。ニーズを満たすためのプロジェクトは既に動いているのか。
  4. Timeframe:導入時期
    商品やサービスの導入時期はいつなのか、いつまでに導入したいと考えているのか。

例えば、決裁権(A)もあるし商品に対するニーズ(N)も高く具体的に導入したい時期(T)も決まっている。

しかし、今期の予算(B)が抑えられていない場合、現段階ではランクCとなるはずです。
お金がないのではどんなに具体的にニーズや導入時期が決まっていても発注はされません。

もちろん企業によって取り扱う商品・サービスが異なるので自社に合うBANTを作る必要性が発生しますが、管理できるようになれば精度ある予実管理が実現できるはずです。

また、余談となりますが、受注予測のためにBANT条件を使うことでも十分対応できる場合もありますが、SFAについている受注予測精度を使うとより精確な判断ができるようになります。

例えば弊社のSFA、Mazrica Sales(マツリカセールス)AI機能を搭載しています。

Mazrica AIの機能の1つ、AIフォーキャストが受注可能性を予測してくれるもので、弊社での計算の結果、92%の正確性を持つとされています。

▶︎▶︎【勘や経験に頼る営業から脱却】Mazrica Salesのサービス紹介資料はこちら

受注可能性の予測のためにはSFAを利用することを考えてみてもいいかもしれませんね。

④バリューチェーン分析


製造業であれば比較的馴染みのあるフレームワークですが、バリューチェーン分析と呼ばれているフレームワークも参考にしてみてください。

バリューチェーン分析とは、商材が顧客の手に届くまでの一連の流れのうち、価値がどのように連鎖するのかを考える分析のことです。

例えば、小売業の場合を例にします。
小売業の場合、商品を仕入れて、お店を運営して、集客をしてお客さんに商品を購入してもらいます。
さらに企業により異なりますが、アフターサービスなども実施しています。

ここから、「他社と自社の違いは何で、強みは何か?」を考えます。販売の方法は他社よりWEBに優れている、集客はInstagramからの来店が多い、などプロセスの工程毎に強みを整理することができます。

強みこそが自社の「バリュー=価値」となり、価値が連鎖する事で企業価値が高まるという考えで整理します。

バリューチェーン分析の具体例

では次に、具体的なバリューチェーン分析の事例を紹介します。

花王株式会社の2017年度の売上高は約1兆5,000億円の日用品大手メーカーです。
2000年の頃の売上高は今の約半分の8,000億円ほどでしたので、この17年間で大きな飛躍を見せた企業でもあります。

その強みはどこにあるのでしょうか?

花王のバリューチェーンで特徴的なのは素材開発から販売まで一貫している「自前主義」です。
同じ日用品メーカーでバリューチェーン分析を行っても、ここまで社内で行っている企業は少ないでしょう。

生産の部分は外部に委託していたり、販売も代理店を通していたりする企業が多くあるなか花王は素材開発から自社社内で実施しています。
消費者のニーズを商品開発に即反映できる体制が花王の強みと分析することができるわけです。

ファネル分析
【クラウド型SFAツールMazrica Salesのファネル進捗レポート】

▶▶【バリューチェーン分析を効率化】自社の強みを自動で可視化・分析できるツールとは?

⑤PEST分析

PEST分析は、自社を取り巻くマクロ環境を把握するのにうってつけです。
営業準備にPEST分析を活用すると、市場の変化にスムーズに対応できるようになります。

「PEST」で分析する要素は、以下の4つです。

  • Politics:政治
  • Economy:経済
  • Society:社会
  • Technology:技術

まず、「Politics:政治」では、政府の政策変更や、規制、税制の変更、貿易政策などを調査し、顧客の業務にどのような影響を与えるかを把握しましょう。

続いて、「Economy:経済」では経済成長率や、インフレ率、失業率、為替レート、金利などを調査し、経済の動向を探ります。

そして、「Society:社会」では、人口動態や、ライフスタイルの変化、教育水準、文化的傾向などを調査すると、社会のトレンドやニーズ変化を理解できるでしょう。

最後に、「Technology:技術」では、技術革新、新技術の普及、研究開発の動向などを分析し、最新技術の情報をキャッチしましょう。

以上の点からも分かるように、PEST分析で分かるのはマクロな要素であり、細かな予測には不向きです。そのため、複数のフレームワークと組み合わせて活用することをお勧めします。

⑥4P分析

4P分析は、具体的な販売戦略を立てる際に役立つフレームワークです。マーケティング分野で使われることが多いですが、営業準備にも活用できます。

4P分析は以下の4つの要素で構成されています。

  • 製品(Product)
  • 価格(Price)
  • 流通(Place)
  • プロモーション(Promotion)

営業準備においては、まず市場調査を行い、ターゲット市場の特性や競合の状況を把握します。
次に、製品の差別化ポイントを明確にし、価格戦略を立てると良いでしょう。
さらに、最適な流通チャネルを選定し、効果的なプロモーション戦略を策定します。
戦略を実行した後は、効果をモニタリングし、必要に応じて改善・最適化を図りましょう。

このように4P分析を営業準備に活用することで、顧客に対する提供価値を最大化し、競争力を強化できます。

終わりに|営業フレームワークを実践して営業準備を万全にしよう

フレームワークをいくつかご紹介しましたが、共通しているのは「考え方を整理すること」です。
慣れてくれば独自のフレームワークで商談を有利に進められるロジカルシンキングが出来るようになります。

また、トップセールスと呼ばれる人達の多くは自分に合ったフレームワークで考え方を整理して商談に臨んでいるはずです。

今回紹介したフレームワークで考え方を整理する癖を付けて、自分ができそうなことから商談準備に活かしてみましょう。

下記の資料でまとめている、成果を上げている営業パーソンが必ず実践している4つの法則を、是非参考にしてみて下さい。

トップセールス〜4つの法則〜

営業の永遠の課題、それは”人”です。企業活動の中で、営業ほど”人”が成果に影響するものはないと言っても過言ではないでしょう。では優秀な営業パーソンはどのように行動して成果を上げているのでしょうか? 本資料では様々な営業組織を見てきた弊社が見つけだした、トップ営業パーソンが必ず実践している4つの法則を紹介します。

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Mazrica Business Lab. 編集部
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Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。

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