最近部下が冷たい気がする・・・。そんな思いをお持ちのマネージャー・管理職の方も多いのではないでしょうか。

不安を抱えたまま仕事をしてもなかなか集中できないですし、とにかく気になりますよね。

でもその不安、本当にそうなのでしょうか。

本記事では「部下が冷たいのは本当?」という話をデータで検証しつつ、信頼されない上司はなぜ信頼されないのか、どうしたら信頼されるのか、を解説していきます。

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「部下に信頼されていない」は本当?

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多くのマネージャー・管理職の方が気になるであろう部下からの信頼度。実際の調査のデータから見てみましょう。

半数以上の上司は信頼されている

リクルートマネジメントソリューションズの調査(https://www.recruit-ms.co.jp/issue/inquiry_report/0000000920/)によると、「私は上司を信頼している」という問いに対し、「そう思う」と答えた人は10.5%、「ややそう思う」と答えた人は42.6%と、合わせて53.1%の人が上司を信頼していると回答しています。

実は半数以上の部下は上司のことを少なくとも一定以上信頼しているのです。

逆に「私は上司を信頼している」という問いに対し「そう思わない」「あまりそう思わない」と答えた人は合わせてもたったの16.3%。意外に感じられるかもしれませんが、上司のことを信頼していない部下は少なく、ほとんどは上司のことを信頼しているのです。

リモートワーク化が原因の可能性も

あなたが部下から信頼されているか不安になる理由はリモートワーク化したことと関係あるかもしれません。

先ほどと同じくリクルートマネジメントソリューションズの調査によると、「直属の上司への現在の信頼感は、新型コロナウイルス感染症拡大前と比べて、変化しましたか」という問いに対し、「上がった」「どちらかといえば上がった」と回答している人は合わせて15.2%、「下がった」「どちらかといえば下がった」と回答している人は合わせて16.4%に上ります。

少なからぬ部下たちは、新型コロナウイルスによるリモートワーク化の影響によって、上司への信頼に対して心境の変化を感じているのです。顔が見えなくなったことであなたが部下に対して感じている不安は、部下も同様にあなたに感じているものなのかもしれないですね。

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部下にとっての上司の存在

ところで、部下にとっての上司の存在とはどんなものであるべきなのでしょうか。

それはひとことでズバリ、「部下を成長させる人」です。そのためには、部下に「こんな風に仕事をしたい」「自分の人生の参考にしたい」と思われることも大事ですし、部下の成長を本当に第一に考えるならば厳しさも必要かもしれません。

本当にあるべき姿とはこういったものなのです。部下から信頼されることは前提として大事なことではありますが、その先にある「部下を成長させる人」、言い換えれば「部下の未来にとって有益である人」であることを目指したいですね。

上司が信頼されない3つの理由

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それでは次に、部下から信頼されない上司はどうして信頼されないのかを見ていきましょう。

先ほど、部下から信頼されていない上司は少ない、ということをお伝えしましたが、それでも心配になることはありますよね。こちらを確認してご自身の行動と照らし合わせながら、より良い行動へと改善していきましょう。

1.感情的・否定的に接してしまう

最も部下が上司への信頼を失いやすい行動は、感情的に接してしまうことでしょう。

感情的に行動してしまうということはすなわち、自身のストレスマネジメントができていないということです。他人のマネジメントは、まず前提として自分のマネジメントができたうえで行うものですよね。態度が安定しない上司には、部下も恐怖を感じてしまうかもしれません。

また否定的に接してしまうことも、信頼を失う要因の一つになります。

否定的な言葉ばかりぶつけられるのは、部下にとっては自分自身の存在まで否定されているように感じられるかもしれません。普段から部下の悪いところだけでなく、改善された点や伸びしろに対しても目が向けられるようになるといいですね。

ただし、部下の誤りを指摘しないのもNGです。否定的に接するのと、部下の誤りを指摘するのは似て非なるものです。褒めるばかりで改善点を伝えないのは部下の可能性をつぶしてしまっているのと同じことといえます。

上司としては塩梅の難しい部分ではありますが、褒めるところは褒める、誤りは部下の成長を思ってきちんと伝える、ということがメリハリよくできるようになりたいですね。

関連記事:やる気のない社員が生まれる原因とは?対処法も解説!

2.部下の話を聞かない

また、「部下の話を聞かない」というのも部下からの信頼を失いやすくなる行動の一つといえるでしょう。

ついつい部下の話を聞かずに、指示だけを出してしまうこともあるのではないでしょうか。「いやいや。昔はそういうものだった」と思われるかもしれませんが、あなたの価値観と部下たちの価値観は根本的に違うかもしれませんよね。信頼を確固たるものにするためには部下の世代の価値観にも目を向けて、譲歩していく姿勢も重要です。

80年代~90年代に生まれ、2000年代に成人を迎えた世代のことを「ミレニアル世代」といいます。この世代の部下はオープンでフラットな関係を望むと言われており、「自分の話を聞いてほしい」と思っています。そんな彼らにとって聞く耳を持たない上司は少し嫌なもの。信頼感が下がってしまうかもしれません。

だからこそ、「部下の意見を聞く」ということが重要になります。部下からミスやトラブルの報告を受ける際、「自分はしっかりやった」「仕方なかった」などと言い訳している姿を見ると、どうしてもカッとなって話をさえぎってしまったり、「言い訳はやめろ」と言いたくなってしまいますよね。

しかしここでは、一度はグッとこらえて話を聞く姿勢が大切です。そして聞いているうちに部下もあなたに信頼感を抱き、素直になってきます。そのうえで、起こしたミスをどう改善できるか話し合う方が、お互いにとっていいですよね。

関連記事:部下の褒め方のコツとは?|部下とのコミュニケーションの手法とポイント

3.指示に一貫性がない

指示に一貫性のない人は部下から信頼されにくい傾向にあります。次に記載する「指示に一貫性のない人」にありがちなパターンを確認してみましょう。

1.時間が経つと言うことが変わる

最もよくあるパターンの一つなのではないでしょうか。「上司は昨日は○○と言っていたのに、今日は△△と言っている」というものです。

部下の目線で考えてみましょう。信頼する上司から指示されたやり方で一生懸命働いていたものが突然変更されたり、まして「それは違う」と怒られたりしたら悲しい気持ちにもなりますよね。部下からの信頼感は大きく下がってしまうことでしょう。可能な限り、言うことは変えるべきではありません。

もちろんやむを得ない変更の理由もあるでしょう。その場合は理由を話したうえで、部下の納得を得ることを心がけるようにしましょう。

2.人によって言うことが変わる

こちらも避けたい行動の一つです。「気に入っている部下」「あまり気に入らない部下」などいるかもしれませんが、人によって大きく言動や態度を変える行動はあってはいけません。

先ほども紹介した「ミレニアル世代」やさらに若い「Z世代」は、オープンでフラットな関係を望む傾向があります。そんな彼らにとって不平等を感じさせるような扱いは大きなストレスとなり、信頼を失ってしまうことでしょう。

部下をよく観察し、一人ひとりに合ったアドバイスをするのは大事なことですが、部下が平等に扱われていると感じているかどうかは確認すべき点かもしれません。

3.「上がそういったから」と言う

言ってしまいがちな言葉なのではないでしょうか。「部長がそういったから」「上の意向で」という言葉は部下に不信感を与えてしまうかもしれません。

部下の目線で考えてみると「上司はその決定の理由がわかっていないのかな」と思うかもしれませんし、上の様子ばかりうかがっている人と思われるかもしれませんよね。これは避けたいものです。

部下はあなたを信頼するために、あなたの口からその理由が説明されるのをきっと待っていることでしょう。信頼を得るためには、どんな指示も丁寧な説明の上で行えるといいですね。

信頼される上司になる3つのポイント

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ここまで「上司が信頼されない理由」を3つの点から解説してきました。ここからは信頼される上司になるためにできる3つのポイントを見ていきましょう。

1.ストレスコーピングを行う

先ほど、感情的・否定的に接してしまう人は信頼を失いやすい、というお話をしましたね。感情に呑まれカッとなって部下と接してしまいそうになったら、一歩引いて自分を俯瞰することが大事ですが、これがなかなか難しいものです。

特に大きなストレスをため込んでいる状態では、このような状態に陥ってしまうことも多いでしょう。そこで、ストレスに対処するためにストレスコーピングを行うという手があります。

ストレスコーピングとは人間関係や仕事など様々な場面でストレスを感じたときに、そのストレスにうまく対処する技術・能力のことです。ストレスが発生する仕組みを知り、正しく対処することで、心理的・身体的負担を減らすことができるといわれています。詳しくは以下の記事を参考にしてみましょう。

関連記事:ストレスコーピングとは?種類と職場での具体的な実践法を紹介!

ストレスを軽減することができれば、心に余裕が生まれ、感情に呑まれることも減るはずです。上司の余裕のある姿に、部下も信頼を寄せるはずです。

2.「あなたをよく見ている」ということを部下に伝える

信頼されない上司の特徴として「部下の話を聞かない」というポイントを先ほど解説しましたが、さらに目指したいのは部下に「あなたをよく見ている」という姿勢を示すことです。仕事においては「部下が今どれほど忙しそうか」といった状況を把握して指示を出す上司は、信頼されやすいでしょう。

また幼少期から学生時代の思い出・部活動、休日の趣味、食べ物の好き嫌いなど、仕事に関係のないことでも時間のある時に聞くのは大事です。部下を不快にさせることでなければ、内容は何でも構いません。

「興味を持ったら聞いてみる」ことを心がけてみましょう。部下はあなたのことを「労力を使ってまで私を知ろうとしてくれる上司」であると思い、信頼を寄せてくれるかもしれませんよ。

関連記事:営業プロセスの見える化とは?可視化の3ステップを解説

3.説得力のあるコミュニケーションを心掛ける

説得力のあるコミュニケーションができる上司は、間違いなく部下から信頼されるでしょう。説得力のあるコミュニケーションにおいて、最も大事なことは話がストーリーとして整合していることです。ポイントは3つあります。

・主張をする際には必ず根拠を述べること
・根拠は必ず事実に基づいたものであること
・事実は多角的な視点で眺めたものであること

基本的なことのようですが、なかなか難しいことでもあります。時々確認してみるようにしましょう。

また、部下がどんな情報が欲しいかを意識することも重要です。例えば、仮に整合性の取れた話をされたとしても、以前の主張と180度意見が変わっていたら納得できませんよね。部下は「なぜ変化したのだろう」とその理由を知りたいはずです。

このように「部下が興味を持つ点」「部下が疑問に思う点」を先に予測し、説明できるようにしておくことが信頼感に繋がるでしょう。

終わりに

いかがでしたでしょうか。

「こんなにちゃんとできてない・・・」と思われる方もいるかもしれませんね。

しかしはじめに解説したように、53.1%の部下は上司のことを信頼しています。あなたが思う以上に、部下はきっとあなたのことを信頼しているのです。

大事なのはまずは小さな行動から、ひとつずつ無理をせずに変えていくこと。その変化があなたへの信頼をより強固なものにしてくれるでしょう。

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