働き方改革により、人材の生産性向上の重要性が叫ばれている中、「やる気のない社員は、辞めるまで放置すれば良い」という意見は今後ますます通用しなくなります。
「やる気がないから」と見捨て、人材未活用の状態にしてしまうことは、企業にとってデメリットでしかないのです。
本記事では、やる気のない社員の特徴、やる気がなくなってしまう原因とその対策方法までご紹介します。
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やる気のない社員の特徴とは
やる気のない社員には、どのような特徴があるのでしょうか?
ここでは代表的な特徴を紹介します。
もし皆さんの職場に当てはまるような人がいる場合は、本人はやる気を失っている可能性があるので、本記事で紹介する対策方法を試してみてください。
特徴1:最低限の仕事しかやらない
やる気のない社員は「仕事=自分から積極的に獲得して、結果を積み上げていくもの」という考えを持っていないため、与えられたこと以上の仕事はしません。
また、酷い場合には最低限の仕事ですら適当にこなすこともあるでしょう。
特徴2:責任感が無い
遅刻しがちになる、仕事の期限を守らない、何度も同じミスを繰り返すなど、無責任な行動が見受けられることもやる気のない社員の特徴です。
出来ないことやミスに対して言い訳をする、トラブルが起きても他人事、周囲の人間に責任転嫁する、なども当てはまることが多いようです。
特徴3:バイタリティが無い
ダラダラと仕事をしている、適当に謝っている、行動や発言において活力を感じない、などが当てはまります。
この場合は、やる気がないことが他者にも伝わりやすいため、周囲のモチベーションを低下させてしまう可能性があります。
社員のやる気がなくなる原因
どんなにやる気がない人でも、はじめからやる気がない、ということは少ないようです。
ほとんどのケースでは、何らかの原因があり、その結果としてやる気を失ってしまっています。
ここでは、やる気を失ってしまう原因として主にどのようなものがあるのか紹介します。
原因1:職場の人間関係にストレスを感じている
どの会社でもほとんど必ずと言ってもいいほど問題になっている「職場の人間関係」。
特に、上司との人間関係にストレスを感じてやる気をなくしてしまう社員が多いようです。
あなたは部下に「萎縮してしまう存在」と認識されていませんか?
自分では良かれと思って積極的に指導をしているつもりでも、実は部下からは嫌がられているのかもしれません。
この場合、部下のやる気がないことに対して注意すると、嫌がられるだけでなくパワハラ扱いをされてしまう可能性もあるので注意しましょう。
パワハラにならない指導方法については、こちらの記事を参考にしてください。
関連記事:パワハラと指導の違いとは?パワハラにならない指導方法と裁判事例
原因2:仕事内容にやりがいを感じられない
仕事にやりがいを感じることができないと、やる気も出てこないものですよね。
「自分は誰かの役に立っている」という実感が持てない人は、仕事でやりがいを見出しにくいと言われています。
- 自分のいる会社は、誰のどんな課題を解決しているのか?
- 自分の今の仕事は、何の為にしているのか?
- 自分は、自分にしか出来ないことを任されているのか?
これらに対しての解を明確に伝え、納得してもらうことで、やりがいを感じることができるようになるでしょう。
また、やりがいを感じてもらうためには、やる気をなくしてしまった社員の意見をしっかり聞くことも大切です。
意見を聞きながら何でも気軽に話し合あうことで信頼関係が生まれ、本人のやる気の向上に繋がります。
原因3:会社の待遇・評価に不満がある
会社の待遇・評価に納得出来ず、やる気を失ってしまう人も多いです。
仕事への取り組みや成果を同僚や上司が正しく評価してくれれば、仕事に打ち込めるようになりやすいですよね。
その一方で、どんなに成果を出しても「自分は正しく評価されていない」と本人が感じていれば、やる気が出なくなるのも当然です。
納得感のある評価制度について、GoogleやP&Gなどのグローバル企業やフォーチュン500に選ばれる企業の10%が導入していることで注目を集めている「ノーレイティング」という手法もあります。
関連記事:人材評価の新手法「ノーレイティング」とは?納得感のある評価制度の作り方
やる気がない社員が感じていること
「自分は期待されていないのではないか」
仕事に対してやる気がない人は、「自分は職場で期待されていない」と思いこんでいるのかもしれません。
特に、前述のように「自分は正しく評価されていない」と感じる状態が続くと、期待されていないと感じることが増えます。
そして、「どうせ期待されていないのだから」とすぐにあきらめてしまう人が多いのです。
「目標を見失ってしまった」
仕事をする上での目標やゴールを失っている、ということも考えられます。
新人の頃はモチベーション高く、意識的に目標設定を出来ていたのに、長く仕事を続けていくうちに新しい目標設定が出来なくなっているのかもしれません。
また、
- 仕事に慣れてしまい、マンネリ感がある
- 同じような業務を繰り返していて刺激がなく、仕事に飽きている
というように感じている人も少なくないでしょう。
そのような状態では、仕事にやる気がでないのも仕方のないことです。
このような社員のストレスをケアするために、マインドフルネスを導入する企業も増えています。
関連記事:マインドフルネスで働き方改革|従業員のストレスを軽減し創造力を高めるプロセス
やる気のない社員への対処法:人材未活用を防ぐために
一般的に、やる気のない社員はやる気のある社員より生産性が低いため、社内にやる気がない社員がいると機会損失が発生します。
さらに、社内にやる気のない社員がいると、以下のような問題が起きることが想定されるでしょう。
- やる気のない社員の適当な仕事をカバーするため、他の社員の負担が大きくなる
- やる気のなさが周囲へ波及し、組織全体のモチベーションや生産性が低下する
- 組織の士気が低下したことにより、優秀な人材の離職率が高まる
このような事態を防ぐためにも、やる気のない社員に対して適切な対処を行い、やる気を出してもらうことが重要です。
ここでは、やる気のない社員への対処法をいくつか紹介します。
仕事の社会的意義を共有する
無意味に感じる仕事は、働くためのモチベーションを低下させ、やる気の低下につながります。
毎日の仕事に意味が感じられないのはつらいことですよね。
今の仕事に意味を感じることができていない人にやる気を出させるには、チームで仕事の社会的意義を共有することが効果的です。
「自分が今している仕事は、会社や社会にとってどういう意味があるのか」ということを理解してもらうことで、仕事へのモチベーション・やる気を維持しやすくなります。
自分の仕事が、最終的に人々の生活の向上や社会のためになっていると思えば、日々の仕事にも意味を感じやすくなり、モチベーションを高く保てます。
社員が会社の経営理念を自分事として捉えることができるように、経営理念をチームやメンバーが達成すべき事、取り組んでいることに紐づけて説明してあげることが重要です。
(参考記事)チームビルディングとは?マネージャーがチーム作りで意識すべき3点
適切な目標を設定する
できなかったことができるようになったときや、責任ある仕事を任されたときに人はやる気が上がると言われています。
目標を見失い、やる気をなくしてしまった社員に対しては、新たに目標設定を行いましょう。
社員のやる気を引き出すためには、「内発的動機付け」に基づき、社員が自主的に実現したいことを目標にすることが重要です。
内発的動機付けについてはこちらの記事でも紹介しています。
関連記事:モチベーション管理とは?仕事に対するモチベーションを維持する方法
モチベーションを上げる目標管理方法として、例えば以下のようなものがあります。
- 現場を目標設定に参加させる
- 目標を達成する方法を明確にする
- 定期的にフィードバックする
- 適切な目標を設定する
詳しくはこちらの記事で解説していますので、合わせてご覧ください。
関連記事:目標管理の4つのコツ|部下のモチベーションを最大限引き出す
コミュニケーションを工夫する
職場の人間関係が原因でやる気をなくしてしまった社員に対しては、コミュニケーションを工夫してみることも良いでしょう。
なるべく組織や職場とのつながりが感じられるようなコミュニケーションをとることが望ましいです。
例えば、「褒める」ことがおすすめです。
褒めることで社員のやる気を引き出すためには、次の6つのポイントを抑えることが重要です。
やる気を引き出す褒め方の6つのポイント
- いいことをしたらすぐに褒める
- 人そのものを褒める
- 具体的な行動を褒める
- 失敗したときも褒める
- やり方を褒める
- 何度でも褒める
やる気を引き出す褒め方の6つのポイントについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。
関連記事:部下の成長を加速させる6つの褒め方|マネジメント層必見!
コミュニケーションのコツに関しては、こちらの記事もご覧ください。
関連記事:
終わりに
本記事の冒頭でも記載した通り、「やる気のない社員は、辞めるまで放置すれば良い」という考え方は今後ますます通用しなくなります。
メンバーの仕事に対するモチベーション・やる気を維持させることができるマネージャーの価値は上がっていくことでしょう。
ぜひ本記事を参考にして最適なマネジメントを実践し、生産性の高いチームを作り上げてください。
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