顧客の購買行動が変化していく中で、求められているマーケティング手法も変わってきています。顧客を起点としたデータをきちんと分析しなければ、マーケティングリソースも無駄に終わってしまうことも。

そんな中で注目されているのが、CRMマーケティングです。CRMマーケティングとは、「CRMツール」を活用して、顧客情報に基づいたマーケティング戦略を展開し、顧客ニーズを捉える手法を指します。

CRMをマーケティングで活用することにより、データドリブンマーケティングが可能になるため、より高いエンゲージメントを得ることができるでしょう。

今回は、CRMマーケティングを成功させる3つのポイントや効果的なツールについてお伝えします。

CRMマーケティングとは?

CRMマーケティングは、「CRMツール」を活用して、顧客情報に基づいて戦略を展開し、顧客ニーズを捉える手法を指します。

従来のマーケティングでは、広告やDMを通じて企業から顧客に情報を発信することはできても、顧客からの要望やフィードバックを企業側が正確に把握するのは難しく、顧客のニーズに十分に応えることには限界がありました。

また、膨大な顧客データがあっても、人手による分析では限界があり、最適な施策を打ち出せずにビジネスチャンスを逃すことも少なくありませんでした。

しかし、CRMを活用することで、膨大な顧客データをリアルタイムで分析し、各顧客のニーズや価値観に合ったマーケティングが可能になりました。

これにより、顧客ロイヤリティを高め、持続的なビジネス成果を生むことが期待できます。

さらに、CRMは施策の効果や結果もデータ化するため、コストを抑えながら効率的に改善を図ることができ、持続的なマーケティングの成果が得られます。

関連記事:CRMの正しい選び方とは?導入前に確認すべき5つのポイント

CRMマーケティングが注目される背景

次に、CRMマーケティングが注目されている背景について解説します。

国内市場の縮小

近年、日本国内では少子高齢化が進行し、多くの業界で市場規模の縮小が目立っています。

このような状況下では、新規顧客をターゲットにした従来のビジネスモデルがこれまで以上に難しくなります。

市場が縮小する中、企業は新規顧客の獲得に頼るのではなく、リピーターの確保に注力する必要性が高まっています。

こうした背景から、既存顧客の維持と育成を目的としたCRMマーケティングが効果的な手法として注目されています。

CRMを活用することで、顧客データの分析が可能になり、長期的な顧客関係を築き、優良顧客へと成長させることが期待されます。

顧客ニーズと購買活動の変容

また、パソコンやスマートフォンなどIT技術の急速な普及により、消費者の行動や購買意欲にも大きな変化が起きています。

消費者が容易に大量の情報にアクセスできる現代では、従来のように一括りにした広告キャンペーンでは、効果を得るのが難しくなってきています。

そのため、個々の消費者の多様化したニーズに対応するためには、CRMマーケティングを使った精密な顧客分析が不可欠です。

このようにして、企業は消費者一人ひとりに合わせたアプローチを行うことで、より確実な顧客獲得が可能となります。

インサイドセールスの台頭

新たな営業スタイルとして注目されているのが「インサイドセールス」です。

これは、顧客と直接対面するのではなく、電話やメールといった非対面でのコミュニケーションを軸にした営業手法を指します。

インサイドセールスは、従来の訪問型営業に比べて、効率的かつ正確な顧客選定ができるという利点があります。

さらに、インサイドセールスにCRMマーケティングを組み合わせることで、顧客選定から育成までのプロセスが一層効率化され、営業成果を高めることが可能です。

近年、インターネットやIT機器が急速に普及し、ビジネスのオンライン化が進む中、インサイドセールスの需要も高まっており、それに伴いCRMマーケティングへの関心もますます増しています。

このように、ITの進展や市場環境の変化に対応した営業戦略として、インサイドセールスとCRMマーケティングの融合が、今後さらに重要な役割を果たすでしょう。

関連記事:インサイドセールスとフィールドセールスの違いとは?役割と分業化・連携のポイントを解説

CRMマーケティングメリット

さまざまな機能があるCRMですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。

CRMマーケティングをする時には、以下の3つのメリットがあります。

ターゲティングの効率化

ターゲティングはマーケティング活動において非常に大事な要素です。

ターゲティングを間違えてしまうとマーケティングに費やすコストだけでなく営業活動のコストにも無駄が生まれてしまうため、確証性のあるデータを基にしたターゲティングが大事になります。
CRMを活用することで、顧客データと営業データを基にしたターゲティングが効率的に行うことができるのです。

例えば、既存顧客の取引実績と拡大余地を分析した結果、普段からよく訪問しているA社は拡大余地が少ないことに気づいたとします。

逆に、B社は取引している期間は長いものの取引実績が少なく拡大余地があると判明しました。

分析結果を基にすると、B社への訪問を増やしてクロスセル・アップセルのための提案を強化すべきことが分かります。

また、新規顧客のターゲティングの際にもCRMは活用でき、社内外の人脈をCRM上で可視化することによってそれまで取引のなかった企業や部署の担当者を紹介してもらうこともできるのです。

関連記事:ターゲティングとは?代表的なフレームワーク(STP分析・6R)を紹介

LTVの向上

LTV(ライフタイムバリュー)は日本語で「顧客生涯価値」と言い、顧客である期間内に自社がその顧客から得られる収益のことを指します。

一度だけの購入ではなく、できるだけ長い期間に渡って関係を続けて、継続的なクロスセルやアップセルを実現することでLTVが高まります。

LTVを高めるために必要なのが、顧客を自社のファンにすること。

そのためにも、顧客との関係を構築するツールであるCRMは必須なのです。

顧客のデータを収集してそれぞれの属性に合った情報提供をしていくことが必要ですが、CRMは属性だけでなく購買履歴やWEB上の回遊履歴などオンライン・オフラインの情報を総合的に分析して顧客をナーチャリングしていくことができます。

日々増え続ける顧客のデータを、CRMを使って上手に活用・分析することで自社のファンを増やして長期的な関係構築ができるようになります。

CRM戦略とLTV向上の関連記事も併せてご覧ください。

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CRMとNPSによるエンゲージメントの向上

顧客がどれだけ自社やブランドのファンになってくれているのかを表すエンゲージメント指標のひとつとしてNPS(ネット・プロモーター・スコア)があります。

NPSと顧客満足度の違いとして、NPSは「この商品(サービス)を家族や友人などの第三者にどのくらい薦めたいか」に着目し、口コミの発信などにより更なる売上や受注が期待できます。

実際、NPSの指標が高ければLTVも高いという結果も出ています。

そんなNPSの調査データと、回答をしてくれた顧客の問い合わせ履歴や購買履歴などのCRMに蓄積されているデータを複合的に分析することによって、顧客の感情や行動を起点とした、よりエンゲージメント向上への効果の高い改善策が見つかるのです。

施策を実行した後は、再度NPS調査を行って評価を確認し、CRMツールを用いてマーケティング施策を構築するPDCAサイクルを構築することができます。

関連記事:NPSとは?意味や顧客のロイヤルティを高める指標について解説

主なCRMマーケティング施策の例

CRMを活用したマーケティング施策の例を4選紹介します。

メルマガ配信

メルマガ配信は、顧客との関係を維持し、エンゲージメントを高めるための手段です。

CRMを活用して顧客の購買履歴や興味に基づいたパーソナライズされたコンテンツを提供することで、効果的なコミュニケーションが可能となります。

しかし、あまりにも頻繁に配信すると、顧客が疲れてしまい、逆に開封率が下がるリスクがある点には注意が必要です。

関連記事:CRMでメールマーケティング(メルマガ配信)を効率化する方法とは?

セミナー開催

セミナーは、顧客との直接的な交流を通じて信頼を深められる機会です。

CRMを活用して、参加者の属性や過去の行動データを基に、適切なトピックや内容を選定し、個別にフォローアップを行うと、より効果的な成果が得られるでしょう。

なお、注意点としては、内容が顧客の期待に合わないと満足度が低下し、逆効果になる可能性があるため、CRMで顧客分析を徹底することが重要です。

関連記事:CRM分析とは?顧客分析の重要性や代表的な分析方法を解説

Web広告配信の最適化

CRMを用いてWeb広告配信の最適化を行うこともできます。

Web広告の最適化とは、顧客のオンライン行動を追跡し、適切なタイミングでターゲット広告を配信することで、コンバージョン率を向上させる施策です。

CRMに蓄積されたデータを活用し、顧客の興味やニーズに応じた広告を配信することで、効果を最大化できます。

アンケート調査

CRMを活用してアンケート調査を行うと、特定の顧客セグメントに対してカスタマイズされた質問を設計することができます。

集計データを分析することで、より精度の高いインサイトを得られるでしょう。

ただし、アンケートが長すぎたり、頻繁に実施しすぎると、回答率が低下する可能性があるため、バランスが必要です。

CRMマーケティングを成功させる3つのポイント

では、CRMツールの機能を活かしてCRMマーケティングを成功させるためには何をすればいいのでしょうか?

ここでは、CRMマーケティングを成功させる3つのポイントについてお伝えしていきます。

1. 明確なKPI(重要業績評価指標)の設定とゴールの明示化

CRMマーケティングを成功させるためには、長期的な顧客との良好な関係を築くために、自社の課題に合わせたKPIを設定し、業務レベルでのゴールを明確にすることが不可欠です。

自社が抱える具体的な課題を特定し、それに対する解決策としてのCRMの役割を理解することが初めのステップです。

各企業のニーズや目的は異なるため、目的を設定することで、適切なCRMツールの選定や導入プロセスの進行が円滑になります。

この段階で確立されたKPIは、マーケティング活動の成果を評価する基準となります。

関連記事:KPI設計とは?BtoBマーケティングのKPI設計例や設計のポイントを解説

2. 課題解決とニーズへの対応を優先する目的設定

CRM導入の目的を具体的かつ優先順位をつけて設定することが重要です。

たとえば、「ロイヤル顧客の育成」や「営業活動の効率化」など、企業が直面する具体的な課題に焦点を当てることで、CRMがどのようにビジネスプロセスを改善し、成果を生み出すかを明確にすることができます。

目的の明確化により、適切なツールの導入とスタッフのモチベーション維持が可能となります。

3. 継続的なモニタリングと改善

成功したCRMマーケティングのためには、導入後も継続的なモニタリングと改善が不可欠です。

定期的なレビューやKPIの評価、ユーザーフィードバックの収集を通じて、CRMの効果を確認し、必要に応じて戦略やプロセスを調整します。

環境や市場の変化に対応する柔軟性があり、持続的な改善サイクルを確立することで、CRMが企業の成長に寄与することが期待されます。

終わりに|CRMを有効活用してマーケティング施策を効率化しよう

顧客のデータは企業にとっては財産です。

財産をしっかりと活用すれば、自社のファンを増やすだけでなく口コミから更なる波及効果も期待できます。

CRMシステムの多角的なデータ分析で、より効果的なマーケティングを実行することができます。

顧客データを管理・分析した結果から一人ひとりの顧客の声に耳を傾けて品質向上やサービス向上を図ることで、企業は更に成長していけるでしょう。

弊社が提供するMazrica SalesはSFAとCRMの機能を併せ持つ製品(SFA/CRM)です。

純日本製SFA/CRMで日本のビジネス現場が使いやすいUI/UXにこだわり、シンプルな動作で多様な効果を実現します。

カード形式の案件ボードで案件の進捗を管理できたり、顧客/商材/営業担当者などのさまざまな視点から受注率などの実績を分析したりでき、効率的な運用が叶います。

Mazrica Sales特有の便利な機能が「おすすめアクション」「企業データベース」「外部サービス連携」の三つ。

搭載されたAIが過去の類似案件から効果のあったメール内容や営業資料を提案してくれる「おすすめアクション」。

「企業データベース」は、企業名を登録するだけで住所・電話番号などの基本情報のみでなく財務状況やプレスリリースを自動で取得できます。

グループウェアツールのG Suiteやoffice365、MAツールのマルケト、チャットツールのSlackやChatworkなどの豊富な外部サービスと連携できます。

5ユーザーで月額27,500円~という価格帯で利用できるのも嬉しいポイントです。

下記ページに強みや、できることをまとめておりますので、Mazrica Salesについて概要を知りたい方はぜひご覧ください。

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