勘や憶測などに頼らず、データを基にした戦略や施策が重要視されるようになっています。
しかし、社内では「基幹システム」「CRM/SFA」「Excel」「Googleスプレッドシート」など別々のシステム・ツールでデータ管理をしているために、必要なデータを見つけるのに時間がかかったり、複数データをクロス分析できなかったりするなどの課題が生まれます。
そこで効果的なのが「BIツール」です。本記事では、おすすめのBIツールを11製品紹介します。BIツールの活用場面や選び方も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
BIツールとは
BIツールとは、企業内の膨大なデータを統合して分析するためのツールです。
具体的には、異なるツールやシステムなどに蓄積されているデータを収集・集約・集計し、データの分析・可視化を実現します。
そもそもBIとは「Business Intelligence」の略で、企業経営に関わるデータを分析してビジネスの意思決定を行う手法・仕組みをいいます。
BIを実現するためには、売上情報や顧客情報などさまざまなデータを分析する必要がありますが、別々のツールやシステムでデータ管理をしている場合が多いでしょう。
BIツールは、そうした社内に点在しているデータを統合してBIを実現させるためのツールなのです。
関連記事:BIツールとは?仕組み・機能・料金とおすすめツール比較9選
BIツールの活用場面
BIツールはビジネスのあらゆる場面で活用されています。
- 経営:経営判断に必要なデータを集約・分析して、迅速な意思決定を行う
- 営業:営業データや顧客データを収集・分析する/営業活動に必要な提案資料やナレッジを集約する
- マーケティング:市場や競合の情報を収集・分析する/各施策の効果検証しネクストアクションを立てる
- 人事:社内の人材に関するデータを分析して人材配置や目標設定を行う/スキルやパフォーマンスを管理し人材育成計画を立案する
このように、企業内のさまざまな分野でBIツールを活用することで、戦略立案やネクストアクション実行に役立ちます。
BIツールの主な機能
BIツールには、主に以下のような機能が搭載されています。
- レポーティング・ダッシュボード機能
- OLAP分析機能
- マイニング機能
- プランニング機能
それぞれの機能について詳しく見ていきましょう。
レポーティング・ダッシュボード機能
レポーティング機能は、グラフや表などで膨大なデータを分かりやすく可視化してくれる機能です。
BIツールには多量のデータが蓄積されているためデータを抽出・分析するのは大変ですが、レポーティング機能があればすぐに必要なデータを可視化できるため、分析にかかる工数が大きく削減します。
また、業務に必要なグラフや表などを集約してダッシュボードに配置しておくことで、確認したいデータをすぐに把握できる機能もあります。
異常値やトラブルなどの検知も直感的に把握できるため、早急なリカバリーができるのもメリットです。
OLAP分析機能
OLAPとは「Online Analytical Processing(オンライン分析処理)」の略称で、膨大なデータを多次元的に集計・分析することです。
OLAP分析機能を使うと「ドリルダウン」「スライシング」「ダイシング」といった方法でデータを分析でき、複数項目のデータを分析できるようになります。
マイニング機能
BIツールではデータマイニングも可能です。膨大なデータを統計学やAIなどを駆使して分析し、関係性や傾向、パターンなどを導き出します。
関係ないと思っていたデータ同士が思わぬ関係性があったり、人間では気づかなかった傾向を読み取ったりできるため、新たな発見や知識を得られます。
プランニング機能
BIツールのプランニング機能では、過去の実績値からシミュレーションを行なって予算計画や経営計画の根拠を得ることが可能です。
精度の高い予測ができるため、計画の策定のほかにも、在庫管理にも活かせます。
BIツールの導入メリット
BIツールの導入による大きなメリットは、データの統合・集計・分析の効率化です。
社内には、多様なシステムやツール、Excelファイルなどにデータが点在しており、必要なデータを抽出したり複数データをかけ合わせて分析したりすることが難しいでしょう。
しかし、BIツールがあれば点在しているデータを統合でき、さらに集計や分析も自動化されて分析作業にかかる工数を削減する効果があります。
高度な分析も自動で実行されるため、分析作業に慣れていない人でも精度の高い示唆や予測を得られます。
また、他チームや他部門のデータも可視化されるため、社内の情報共有にも役立つでしょう。
関連記事:BIツールとExcelの違いとは?業務に最適なデータ分析ツールも解説
BIツールの4つのタイプ
BIツールと一口に言っても、特徴や強みによって以下の4タイプに分けられます。
- レポート・ダッシュボードに強いBIツール
- データ分析に強いBIツール
- マイニングに強いBIツール
- プランニングに強いBIツール
「データを可視化したい」「リアルタイムのデータを把握して意思決定を迅速化したい」という人は、レポート・ダッシュボードに強いBIツールがおすすめです。
一方、「多次元的で高度な分析がしたい」「スキルが不足しているため自分でデータ分析ができない」という人には、データ分析に強いBIツールを活用すると安心です。
また、「データから市場動向や売上予測を知りたい」という人にはマイニングに強いBIツール、「過去データを基に、精度の高い戦略や施策を策定したい」という人にはプランニングに強いBIツールが適しているでしょう。
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おすすめBIツールの比較11選
それでは、おすすめのBIツール11製品の特徴や料金などを比較していきましょう。
レポート・ダッシュボードに強いBIツール
まずは、レポートやダッシュボードの機能に強みがあるBIツールを3製品紹介します。
FineReport
【製品概要】
「FineReport」は、世界15,000社以上の導入実績を持つBIツールです。
帳票作成機能が搭載されているため、自社独自の帳票を作成できるだけでなく、帳票にデータを入力するとデータベースがリアルタイムで更新されます。
各種ツールや、大量のExcelデータなどのデータもインポート・統合でき、70種類以上のグラフでデータを直感的に可視化できます。
【特徴】
- Excelライクなデザインツールで帳票を作成できる
- 帳票出力・送信を自動化できる
- 多様なデータソースと統合して多次元的な分析ダッシュボードを作成する
- モバイルデバイスでタイムリーに情報を把握できる
【URL】
https://www.finereport.com/jp/
WebQuery
【製品概要】
国産BIツール「WebQuery」は、データ関連の業務を効率化できる機能が充実しています。
たとえばデータ検索機能では、基本的な検索だけでなくSQL関数や条件分岐などを使った複雑なデータ検索も可能。
また、決められた時間にデータ処理を設定しておけば、翌日に出勤してすぐ必要なデータを確認できるため効率化を図れます。
【特徴】
- データ検索・出力・集計の一連業務を実行できる
- ExcelやCSVに直接書き出せる
- 処理時間や処理内容のスケジュール設定が可能
- 同時ログイン数による料金体系
【URL】
https://www.bi.ksc.co.jp/webquery
Looker Studio
【製品概要】
Googleが提供するBIツール「Looker Studio」は、無料なのに豊富な機能が搭載されているのが特徴です。
800以上のデータソースと接続でき、Google広告やスプレッドシートなどのデータを統合して分析できます。
シンプルで操作性のよいUIなので、迷わず利用できるのもメリットと言えるでしょう。
【特徴】
- Googleが提供する無料ツール
- Googleサービス上のデータ統合・集約に強みがある
- 数回のクリックのみでダッシュボードとレポートを生成
【料金】
無料
【URL】
https://cloud.google.com/looker-studio?hl=ja
データ分析に強いBIツール
次に、データ分析を得意とするBIツールを3製品紹介します。
Yellowfin
【製品概要】
「Yellowfin」は世界29,000以上の企業に導入されているBIツール。
アラートやデータの自動監視などにより異常を発見できるだけでなく、その変化の理由を特定することも可能です。
モバイルアプリも提供されており、出先や自宅でも手軽にデータを確認できます。
【特徴】
- AIと機械学習によるデータの重要な変化の発見
- データの変化がいつ・なぜ発生したのか特定できる
- QlikやTableau、PowerBIなどのレポートを組み込める
- リアルタイムでデータの確認・分析ができるモバイルアプリ
【URL】
https://yellowfin.co.jp/
Domo
【製品概要】
「Domo」はデータの集計・加工・分析・予測を行なえるワンプラットフォームで、業界や部署などに関わらず利用できるBIツールです。
データの入力や集計、他のツールへのデータの書き出しなどを自動化できるため、手動によるミス・手間を削減。
AIと機械学習を活用した予測分析で、精度の高いインサイトを得られます。
【特徴】
- データに関わる業務を包括したオールインワンプラットフォーム
- ローコード/プロコードでビジネスアプリを作成できる
- レポートの自動生成やAIの予測分析などによりデータドリブンなビジネスを後押し
【URL】
https://www.domo.com/jp
Spotfire
【製品概要】
データドリブンの課題を解決するTIBCOのBIツール「Spotfire」は、豊富な機能でデータ分析をワンストップで実行できるのが強みです。
ドラッグ&ドロップやクリックなどの簡単操作で、複雑な分析やビジュアライズなレポートを実行できます。
拡張フレームワークSpotfire Modsを利用すると、目的に応じたアプリケーションをカスタマイズすることも可能。
【特徴】
- データの読込・前処理・統計解析・共有がオールインワン
- AIによる傾向や異常値、パターンなどのレコメンド
- ライブストリーミングデータのリアルアイム分析もできる
- 位置情報を活用したジオアナリティクスを搭載
【URL】
https://www.nttcoms.com/service/TIBCO/products/spotfire/
マイニングに強いBIツール
データマイニングに強いBIツールを2製品紹介していきます。
KiZUKAI
【製品概要】
最新AI技術を搭載した「KiZUKAI」は、データの集計結果のほか考察も自動で抽出するため、人間の目では見つけにくい示唆や気づきを得られます。
また、アップセル・クロスセルなどの期待値や解約可能性もスコアリングされるため、売上アップへのヒントも得られるでしょう。
【特徴】
- 最新のAI技術がデータの分析結果から考察を提示
- スコアリングによる優先度の高いターゲットリストの抽出
- 徹底した伴走体制のコンサルティング
【URL】
https://kizukai.com/
IBM Cognos Analytics
【製品概要】
IBMが提供する「IBM Cognos Analytics」は、AIを活用したデータ分析業務の効率化を図れるBIツールです。
データ分析の事前準備であるデータブレンドや、分析結果からの予測などにAIを活用し、レポートはメールやSlackなどで簡単に共有できるため、チーム全体でデータドリブンな動きができるでしょう。
【特徴】
- AIによる事前準備の効率化
- AIが今後のトレンドや成果を予測
- カスタマイズ可能なビジネス・クリティカルなレポートを生成
【料金】
Standard:月額10.60ドル/ユーザー
Premium:月額42.40ドル/ユーザー
【URL】
https://www.ibm.com/jp-ja/products/cognos-analytics
プランニングに強いBIツール
最後に、プランニングに強みを持つBIツールを3製品紹介します。
Mazrica BI
【製品概要】
「Mazrica BI」は、SFA「Mazrica Sales」と連携できる営業管理・顧客管理に強いBIツールです。
Mazrica Salesに蓄積された顧客データや案件データ、アクションデータをもとに、営業活動のボトルネックやネクストアクションに活用できる示唆を提示します。
Mazrica Sales上で利用できるため、データの入力から分析までの一連のフローをワンストップで行なうことができ、スピーディなデータドリブンセールスが実現します。
【特徴】
- 営業管理・顧客管理に特化したデータ分析が可能
- 組織・商品・顧客・チャネルなど複数の分析軸でデータを深掘り、要因を分析できる
- 営業現場で活用がしやすい
- ノーコード/ローコードで設定でき、専門スタッフ以外も柔軟にレポート作成や共有ができる
【URL】
https://product-senses.mazrica.com/dldocument/senses-bi
▶▶【無料ダウンロード】Mazrica BIの特徴や活用イメージはこちらからチェック!
LaKeel BI
【製品概要】
「LaKeel BI」は、大企業への導入実績が豊富な国産BIツールです。
丁寧な導入サポートと運用支援により、大企業でも全社展開が期待できます。
生成AIが搭載されており、分析方法や手順の提示や分析結果からのアドバイスをサポートしてくれる機能もあります。
【特徴】
- 手厚いサポートにより大企業での導入もスムーズ
- 直感的な操作性と豊富なテンプレートで誰でも利用可能
- データを収集・加工・統合するETL機能で散在しているデータを一元集約
【URL】
https://bi.lakeel.com/
Power BI
【製品概要】
「Power BI」は、Microsoftが提供するBIツールです。
ExcelやDynamics 365など数百のデータソースと接合できるため、あらゆるデータをPower BI上で参照・分析できます。
DAX関数を使った多角的な分析もでき、有料プランであれば分析結果のレポートを共有・共同編集できるようになります。
【特徴】
- AIがデータ内のパターン検索、レポートの即時作成を効率化
- レポートはTeams、PowerPoint、Excelなどにも埋め込める
- 数百種類のレポートテンプレートを使える
【料金】
無料
Power BI Pro:月額1,499円/ユーザー
Power BI Premium Per User:月額2,998円/ユーザー
【URL】
https://www.microsoft.com/ja-jp/power-platform/products/power-bi
BIツールの失敗しない選び方
BIツールと一口に言っても、データ分析に強みのあるものからプランニングに強いものまで多岐にわたる種類があります。
自社に合ったBIツールを選ばなければ期待している効果につながらないため、以下のポイントに注意してBIツールを選定しましょう。
自社の課題を解決できるか
データ活用に関する自社の課題を解決できる機能が搭載されているかどうか、を重視しましょう。
たとえば「スキルがないため高度な分析ができない」という課題があれば、簡単な操作でも複雑な分析ができるBIツールが適しています。
また「データを基に経営方針や営業戦略を立てたい」という場合には、データ分析の結果から予測や示唆を与えてくれるBIツールを選びましょう。
サポート体制が整っているか
スムーズな導入と運用定着のためには、サポート体制が整っていることも重要です。
今までBIツールを導入した経験がない組織の場合、使い方や分析方法、活用方法でつまずくことも珍しくありません。
そのため、丁寧にサポートしてくれるBIツールであれば、導入・運用の強い味方になってくれるでしょう。
外部システムとの連携が可能か
BIツールは、多様な外部システムと連携できることもポイントです。
なぜなら、社内には基盤システムやCRM/SFA、Excelなど複数のシステムにデータが点在しているため、BIツールにすべてのデータを統合・集約するには多くの外部システムと連携しなければならないためです。
標準連携できるのか、API連携するのか、なども確認しましょう。
関連記事:SFAとBIツールの違いとは?連携でデータドリブンな営業組織を強化
まとめ
データ活用はビジネスを加速させる大きな要素となっています。
しかし、データの管理・活用に課題を抱えている組織は少なくありません。
そこで、今回紹介したようなBIツールが役に立ちます。
BIツールは経営や営業、人事などさまざまなビジネスの場面で活用でき、データを基にした客観的な判断に役立ちます。
今回紹介した11製品のBIツールを参考に、自社に適したツールを導入してデータ活用を加速させましょう。

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