企業の成長には、LTV(顧客生涯価値)の最大化が欠かせません。新規顧客を獲得するだけでなく、既存顧客との関係を深め、長期的な利益を生み出すことが重要です。そこで役立つのがCRM(顧客関係管理)です。
本記事では、CRMを活用してLTVを最大化する方法や成功事例を紹介します。LTV最大化にお悩みのマーケティング、営業、カスタマーサクセスの方はぜひご覧ください。
この記事の内容
LTV(顧客生涯価値)とは?
企業の成長戦略において、LTVは重要な指標の一つです。LTVを理解し、適切に管理することで、長期的な売上向上やマーケティング施策の最適化が可能になります。ここでは、LTVの基本概念や算出方法、重要視される理由について解説します。
LTVの基本概念
LTVとは「Life Time Value」の略で、日本語では「顧客生涯価値」を意味します。
「顧客生涯価値」は、一人の顧客が企業にもたらす総利益のことを指し、単なる売上額ではなく、長期間にわたる取引や関係性を考慮する点が特徴です。
顧客の購入金額や購入頻度、継続期間などを数値化し、将来的な支出額を予測することができます。
関連記事:LTV(ライフタイムバリュー)とは?意味と計算方法・LTV向上に有効な営業戦略
LTVの算出方法
LTVの計算には、いくつかの代表的な式があります。自社の特徴や課題にあった式を用いて、LTVを算出することがおすすめです。以下に3つの計算式を紹介します。
- LTV=年間売上金額×収益率×顧客の継続年数
活用例:主に顧客の継続年数を高めることでLTVを向上させる - LTV=顧客の平均購入単価×平均購入回数
活用例:主に顧客の購入単価や購入回数を高めることでLTVを向上させる - LTV=(売上高 – 売上原価)÷購入者数
活用例:主に利益率を高める、または顧客数を増やすことでLTVを向上させる
例として、1つ目の計算式の具体例を解説します。
(例)
ある企業が1社の顧客から年間100万円の売上を得ている場合、収益率は30%、顧客の平均継続年数は4年とすると、LTVは以下のように計算できます。
LTV = 年間売上金額 × 収益率 × 顧客の継続年数
LTV = 100万円 × 30%(0.3)× 4年
LTV = 120万円
この場合、1人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益(LTV)は120万円です。
LTVが重要視される理由
LTVは、近年ますます企業にとって重要な指標として注目されています。ここでは、LTVが重要視される主な3つの理由について、解説します。
1.中長期的な顧客との関係構築が重視されているから
昨今のビジネス環境では、市場の成熟化に伴い消費力が低下し、企業間の顧客獲得競争が激化しています。その中で競争に勝ち抜くには、短期的な施策だけでなく、顧客との長期的な関係を築き、信頼を獲得することが重要です。
このような背景から、契約や継続につなげるための指標としてLTVが注目されています。LTVを活用すれば、顧客との関係を定量的に評価し、マーケティングや営業戦略を最適化できます。
2.顧客ニーズや興味、行動が多様化しているから
インターネットやSNSの普及により、顧客は多様な情報を収集し、自分に最適な商品・サービスを選ぶようになりました。
分散した顧客の需要に応えるためには、画一的な営業手法ではなく、顧客ごとにパーソナライズされた営業活動や、ロイヤリティの向上が求められます。そして、その成果を測るための指標として、LTVが注目されています。
3.人口減少による市場の飽和、新規顧客獲得のコストが上がっているから
日本市場では、少子高齢化の影響により市場の成長が鈍化し、新規顧客の獲得が年々難しくなってきました。
その結果、広告費やプロモーション費用が増加し、新規顧客を獲得するコスト(顧客獲得単価)が高騰しています。
この状況を改善するために、企業は既存顧客の価値を高め、限られた市場の中での持続的な成長が求められます。この背景からLTVが注目され、既存顧客の売上向上や満足度向上が企業にとって重要な施策の一つとなっています。
CRMとは?LTV向上にどう関係するのか
LTVを向上させるために、多くの企業においてCRMが活用されています。ここでは、CRMの基本概念とLTV向上との関係性について解説します。
CRMとは何か
CRMとは、「Customer Relationship Management」の略で、日本語で「顧客関係管理」「顧客関係システム」「顧客管理システム」などを意味します。
CRMの定義は、大きく分けて2つあります。
-
- 手法としてのCRM:
顧客との関係性を深め、長期的な収益を最大化するためのマーケティングや営業戦略 - ツール・システムとしてのCRM:
顧客情報をデータベース化し、適切に管理・活用するためのソフトウェア
- 手法としてのCRM:
昨今では、顧客との関係性を構築することで、売上を増加させることを目的とし、主にマーケティング活動や営業活動において利用されるツール・システムをCRMと捉えられる場合が多くなっています。
CRMでは、顧客の基本情報(氏名・連絡先・購買履歴など)に加え、過去の問い合わせ履歴やWebサイトの行動履歴、商談の進捗状況などを一元管理できます。これにより、顧客ごとの属性や行動特性を把握し、個別最適化されたアプローチが可能になります。
関連記事:CRMとは?導入メリットや機能、ツールの選び方/活用例を解説
CRMとLTVの関係性
CRMとLTVは密接な関係があり、CRMを適切に活用することでLTVを向上させることが可能です。
例えば、CRMで管理している顧客データを用いて、顧客のニーズに合わせた提案やコンテンツの提供を行うことで興味を促進したり、再購入などを促す施策を打つことができます。
また、顧客の離脱兆候を把握し適切なフォローを実施することで、解約率を低下させることも可能です。
このように、CRMを用いて顧客と適切なコミュニケーションを図ることで、LTVの向上に貢献します。LTVを向上させるために、CRMの活用は必要不可欠と言えるでしょう。
CRMを活用してLTVを最大化する方法
次に、CRMを活用してLTVを最大化する具体的な方法を4つ紹介します。
関連記事:LTVを最大化するには?定義や計算方法、最大化方法を詳しく解説
パーソナライズマーケティングの実践
パーソナライズマーケティングとは、顧客ごとの特性や行動データをもとに、最適な情報やサービスを提供するマーケティング手法です。
CRMを活用することで、顧客の購買履歴や興味関心を把握し、個別に最適化されたメッセージを届けることが可能になります。
例えば、過去の購入履歴に基づいたおすすめ商品の提案や、特定の顧客セグメントに向けたキャンペーンの実施などが挙げられます。このような取り組みを通じて、顧客満足度を高め、LTVの向上につなげることができます。
関連記事:パーソナライズとは?意味やマーケティング事例を紹介
リテンション施策の強化
リテンション施策とは、既存顧客の離脱を防ぎ、長期間にわたって継続的な関係を築くための施策です。
CRMを活用することで、顧客の行動データを分析し、離脱の兆候が見られる顧客に対して適切なフォローアップを行うことができます。
具体的には、利用頻度が低下した顧客に対するフォローメールの送信や、特典・インセンティブの提供などが有効です。
また、CRMを活用してカスタマーサポートやサクセスの強化を行ったり、定期的なアンケート調査を実施することで、顧客の不満を早期に解消し、解約率を改善することでLTVの向上を見込めます。
関連記事:リテンションマーケティングとは?その効果と具体的な施策から学ぼう
アップセル・クロスセル施策
CRMを活用することで、顧客に対してより高価格帯の商品やサービスの購入を促す「アップセル」や、関連商品を合わせて購入してもらう「クロスセル」を行うことができます。
CRMに蓄積されたデータから顧客の購買傾向や嗜好を分析し、最適なタイミングでアプローチを図ります。
例えば、ECサイトで購入履歴のある顧客に対して関連商品のレコメンドを行うことで、追加購入を促すことができます。
また、サブスクリプションサービスの場合は、上位プランへの移行を促すことで、1顧客あたりの単価アップに貢献します。
このように、上手にCRMを活用することで、クロスセル・アップセルを行い、LTVを最大化させることができます。
関連記事:アップセル・クロスセルとは?意味や売上向上の方法と成功事例を解説
コスト削減を図る
LTVの最大化は、売上を伸ばすだけでなく、コスト削減も重要な要素となります。
特に、顧客獲得コストが高騰している現在、既存顧客の維持に注力することで、コスト効率よく利益を創出できます。
CRMを活用することで、マーケティング施策の効果測定を行い、LTVが高いチャネルやキャンペーンにリソースを集中させたり、顧客セグメントごとのニーズや行動パターンを分析することで、無駄な広告費や工数を削減し、ターゲットに最適化した施策を展開することが可能です。
関連記事:CAC(顧客獲得コスト)とは?CPAとの違いや計算方法・削減方法を解説
CRMでLTVを向上させた成功事例
次に、実際にCRMを活用して企業がLTVを向上させた事例をご紹介します。
ここでは、SFAとCRM(顧客関係管理と営業管理機能)を併せ持つツールであるMazrica Salesを導入して、成果を上げた2つの事例を取り上げます。
事例①SFA/CRM導入後の受注件数が1.5倍に
【会社概要】
会社名:株式会社セブンブレンチ(ワンダーストレージホールディングス株式会社)
業種:介護・福祉
従業員数:100名〜500名
営業タイプ:BtoB 既存営業中心
課題:営業活動の効率化 営業活動の可視化
【事例】
課題
- 営業情報の蓄積や共有が不十分で、営業プロセスがブラックボックス化していた
解決策
- 営業情報の可視化と共有を目的に「Mazrica Sales」を導入
成果
- 営業の効率化が進み、受注件数が1.5倍に増加
株式会社セブンブレンチでは、営業プロセスがブラックボックス化していることに課題を感じ、情報の可視化と共有をスムーズに行うために「Mazrica Sales」を導入しました。
CRM選定時は、入力のしやすさや管理項目の柔軟なカスタマイズ性を重視し、導入後は営業活動の進捗や案件状況をリアルタイムで把握できる環境を整備することに成功。
これにより、営業担当者間での情報共有がスムーズになるほか、見込み客ごとに最適な提案ができるようになり、結果として受注件数が1.5倍に増加しました。
事例記事:https://product-senses.mazrica.com/case/wonderstorage-h
事例②SFA/CRM導入後、受注単価が3倍に
【会社概要】
会社名:テテマーチ株式会社
業種:広告・マーケティング
従業員数:30名〜50名
営業タイプ:BtoB 新規営業中心
課題:インサイドセールスの運用 営業活動の効率化
【事例】
課題
- インサイドセールスとアウトサイドセールス間の連携が不十分
- 営業情報のスムーズな共有や営業データの蓄積・分析ができていない
解決策
- 営業情報を一元管理し、組織全体の営業力を強化するために「Mazrica Sales」を導入
成果
- スムーズな情報共有により営業効率がアップし、受注単価が3倍に増加
- 営業データの分析により、成約率も向上
テテマーチ株式会社では、事業成長に伴いインサイドセールスを強化する中で、営業情報の管理や共有に課題を感じていました。
解決策としてSFA/CRMの導入に踏み切り、ツールの使い勝手やサポート対応の良さから「Mazrica Sales」を導入しました。
営業活動の履歴や顧客の情報を一元管理することで、インサイドセールスとアウトサイドセールスの連携を強化し、業務効率を図ることに成功。
結果としては顧客単価が3倍になり、LTVの向上を実現しました。
事例記事:https://product-senses.mazrica.com/case/tetemarche
LTV向上に最適なCRMツールの選び方
LTVを向上させるためには、自社の課題や状況に応じた、適切なCRMツールを選ぶことが重要です。ここでは、CRMツールを選ぶ際に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
関連記事:CRMの正しい選び方とは?導入前に確認すべき5つのポイント
自社のニーズに合う機能が十分にあるか
CRMツールには、顧客情報管理、マーケティングオートメーション、営業支援など、さまざまな機能が搭載されており、ツールによってどの機能が標準搭載されているかは異なります。
そのため、自社の課題に合ったツールを選ぶことが大切です。
【よくあるCRMの機能(例)】
-
-
- 顧客情報管理機能
- メール配信機能
- 営業案件管理、進捗管理機能
- ファイル共有機能
- 分析機能
- ダッシュボード、レポーティング機能
- 外部ツール連携機能(チャットツールやメール、会議ツールなど)
- スマホアプリ
- SFA機能
- MA機能
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例えば、営業チームの業務効率化を目的とする場合は、案件管理や商談履歴の記録機能が充実したCRMが適しています。
一方、マーケティング施策の強化を重視する場合は、メール配信やセグメント分析ができるツールが有効です。事前に自社の目的を明確にし、それに合った機能が備わっているかを確認しましょう。
外部ツールと連携できるか
CRMを導入する際は、他のツールと連携できるかどうかも重要なポイントです。
特に、SFA(営業支援ツール)やMA(マーケティングオートメーション)、チャットツール、会計ソフトなどとスムーズに連携できるCRMを選ぶことで、業務の効率化を最大化できます。
外部ツールとの連携ができない場合は、情報が複数のツールに分散されてしまい、管理工数や業務負担がかえって増えてしまうという事態も招きかねないため、注意が必要です。
すでに外部ツールを社内に導入している場合は、CRMと連携が可能かどうかを事前に調べておくとよいでしょう。
無料トライアルがあるか
CRMは多機能なものが多く、実際に使ってみないと操作性や導入効果を判断しにくい場合があります。そのため、無料トライアルが用意されているかどうかも、選定時の重要なポイントとなります。
無料トライアルを活用することで、ツールの使い勝手や、既存のマーケティングや営業プロセスの中に問題なくCRMを組み込めそうかなどを確かめることができます。
また、CRMは日常的に利用するツールであるため、トライアルを利用する際は意思決定者だけでなく、現場担当者やメンバーにも触ってもらうことがおすすめです。
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無料トライアルが可能なため、事前に使い勝手を確かめることができます。
まとめ|CRMを活用しLTVを最大化しよう
LTVの向上は、企業の持続的な成長に欠かせない施策の一つと言えます。CRMを活用することで、顧客情報を一元管理し、パーソナライズマーケティングやリテンション施策、アップセル・クロスセルの最適化を実現しましょう。
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