アコム株式会社 保証事業本部 保証提携推進部 担当次長 山下 様
この記事の内容
1)企業紹介
アコム株式会社は、ローン業界のリーディングカンパニーである。テレビCMでもよく見かける通り、同社の主力は個人を対象としたローン事業だが、ローン事業で培ったノウハウを活かして金融関係の事業を幅広く展開している。
今回Mazrica Sales(旧Senses)を導入したのは、提携先金融機関が販売するローン商品を利用するお客さまの債務保証を行う保証事業本部の保証企画部と保証提携推進部だ。
提携先との共通KPIである「ローン残高の最大化」のため、提携先に対する企画提案・実施推進が主な営業活動となる。全国に提携先金融機関があり、既存提携先との信頼関係を深めることに軸を置いている。
2)Mazrica Sales(旧Senses)導入前の営業組織の状況と課題
同社がSFA/CRM導入を検討するきっかけとなったのは、コロナ禍による需要の減退だった。
「コロナ禍によって、消費者は買い控えをし、企業は業績が悪化したことで、業界全体の需要が少しずつ落ち込んでいきました。
しかし、扱う商品が『お金』『保証』である以上、商品自体の差別化は難しい。差別化できる点はどこだろうと考えたとき、提携先に寄り添った提案やフォローを強化するべきだと考えました。そのため、提携先金融機関との関係を濃くする仕掛けの一つとして、SFA/CRMが必要だと感じました。」
さらに、組織内での情報共有の方法にも限界を感じていた。
同社はメールでのコミュニケーションを主体として、共有や相談などは出社時に行っていた。しかし全国に提携先があるので、出張も少なくない。例えば『Aさんが出張から帰ってきた日に、今度はBさんの出張が始まる』など、スケジュールによってすれ違いになる。出張中は上司やメンバーと直接対面することができず、やり取りは後回しになりがち。
営業の状況やナレッジの情報共有が不十分である感は否めなかった。
「さまざまな経験や知識を持つメンバーが在籍しているので、多角的なアドバイスを営業活動に活かさないなんて、もったいないと思いました。そのためには、チーム内のコミュニケーション強化が必須でした。
さらに、企画提案から売上に貢献するまでのリードタイムが長いにも関わらず、営業の状況を詳しく共有できていなかったため、対応の遅れが生じることもありました。」
このような課題を解決して今後事業を拡大するため、チーム全体で適切に情報や方向性を共有する体制の構築に迫られたのだ。
3)SFA/CRMの選定プロセス
SFA/CRM導入が急務であると感じていた同社は、さっそく自社にマッチするSFA/CRMを選定することにした。そこで重視したのが、現場にとっての使いやすさ。
「出張が多いので、出先でも簡単にデータ入力ができるツールでなければいけないと思いました。またスピーディに情報共有したいことを考慮すると、現場が積極的に使ってくれるツールでなければ課題を解決できないと考えました。」
そこで同社は、紹介やレビューなどを参考にして4製品を候補として挙げた。そのうちの一つがMazrica Sales(旧Senses)だった。
『現場での使いやすさ』を重視している以上、現場担当者が納得できるツールでなければ導入できない。そう考えた同社は、現場担当者も巻き込んで最終的に2製品の無料トライアルを試した。
4)選定の軸とMazrica Sales(旧Senses)にした決め手
トライアルで、2製品の使い勝手を現場担当者に試してもらった。トライアル後にヒアリングした結果、Mazrica Sales(旧Senses)について「簡単で使いやすい」「情報が整理できて便利」といった声が圧倒的に多かった。
「現場担当者のポジティブな声を聞き、Mazrica Sales(旧Senses)なら積極的に利用してくれるのではないかと強く感じました。候補の中には、機能が多く高性能なSFA/CRMもありましたが、現場にとっては機能の多さがかえって難しく感じて敬遠されてしまうと判断して、最も現場ファーストなMazrica Sales(旧Senses)に決めました。」
さらに、Mazrica Sales(旧Senses)に決めた理由はこれだけではない。
「SFA/CRM導入は初めてだったので、自社独自のシステムを開発するほどのコストやスケジュールの余裕がありませんでした。Mazrica Sales(旧Senses)はイニシャルコストがなく、ランニングコストも予算内。ツールとしても完成されているので、導入にかかる時間も短い。当社の運用方法や組織体制を少し工夫するだけで、活用していけると感じました。」
このようにして、アコム株式会社はMazrica Sales(旧Senses)を導入することとなった。
5)Mazrica Sales(旧Senses)導入後の変化と実現できたこと
Mazrica Sales(旧Senses)を導入してどのような変化があったか伺った。
「メンバーごと・顧客ごとの時系列の営業活動の『記録化』、Mazrica Sales(旧Senses)を介したメンバー間の状況や提案内容の『共有』、『部内のコミュニケーション』。SFA/CRM導入前の課題であるこの3つは、クリアできています。」
Mazrica Sales(旧Senses)を導入したことで、SFA/CRM導入の目的は果たせていると話す同社。
メールや対面を主体としたコミュニケーションから、Mazrica Sales(旧Senses)を介したコミュニケーションへと移行したことで、出張中でも情報共有がスムーズになりタイムラグが短縮された。移動中に情報の更新をするなど、時間を有効に活用できている。
また、組織内でMazrica Sales(旧Senses)をより活用しようという動きも強まっていると言う。
「部内にはいくつかのチームがあるのですが、チームによって業務内容やノウハウも異なります。そのため、チームごとに実務に合わせたMazrica Sales(旧Senses)の使い方をしているのですが、『こういう使い方もあるよ』というMazrica Sales(旧Senses)の活用方法を伝言ボードに貼り付けて共有しています。
チームごとに異なるMazrica Sales(旧Senses)の使い方を横展開することで、別のチームは新たな使い方を導入することができ、業務にフィットした利用につながりますよね。」
6)Mazrica Sales(旧Senses)の導入後に意識していること
Mazrica Sales(旧Senses)の導入により、情報共有のタイムラグが解消されだした同社。この効果を得るための秘訣をうかがった。
「当社が意識したのは、Mazrica Sales(旧Senses)が営業現場に浸透すること。そのためには、現場担当者が積極的にMazrica Sales(旧Senses)を利用する必要があります。そこで、役員以下上位役職者に協力してもらいました。」
上位役職者にMazrica Sales(旧Senses)上でコメントやリアクションをしてもらうようにし、現場担当者のモチベーションを向上させた。上層部からリアクションがあると現場にとっても励みになる上に、リアルタイムでアドバイスがもらえるため迅速な営業活動にもつながる。
さらに、チーム内でも積極的な意見交換をするようにしている。
「Mazrica Sales(旧Senses)を正しく運用できているかお互いにチェックし、指摘をしたり改善案を出したりしています。運用ルールを含めて、現場の使いやすさを一番意識しています。」
このように、縦関係だけでなく横関係でも、Mazrica Sales(旧Senses)を介して積極的にコミュニケーションを取ることで、Mazrica Sales(旧Senses)の運用定着につながっている。
7)今後の活用に向けて
「今は現場への浸透が最優先事項ですが、営業データの活用もできればと考えています」
と話す同社。営業の成功事例や失敗事例といったデータを分析し、営業活動に活かして営業強化につなげたいそうだ。
今後、データドリブンな営業をしていくためには、まずは現場にMazrica Sales(旧Senses)を浸透させてデータ入力をより加速化させ、データ量を増やす必要がある。
現場が積極的に使うよう、引き続き『現場にフィットした運用』についての工夫を継続して、Mazrica Sales(旧Senses)活用をより進めていきたいと言うアコム株式会社。
社内コミュニケーションが充実し、提携先に寄り添った提案が提供できる地盤が整いつつある。データを活用した営業実績の最大化は、すぐそこに見えているようだ。