一正蒲鉾株式会社 東京営業所 細山田 圭将氏
データ利活用業務の効率化と部門間連携の強化に向け、パッケージ活用の検討がスタート
1)企業紹介
1965年 新潟県新潟市にて創業し、水産加工物の製造・販売を軸とした事業を展開する一正蒲鉾株式会社。既存の蒲鉾製造からの脱却を掲げてスタートした同社は、新たな商品や技術、事業への挑戦を積極的に行い水産練製品業界2位、現在はレトルト惣菜やスナック類なども手がける他、新参入したまいたけ市場においても業界3位のシェアを誇る。
また販売網も拡充し、現在は生産拠点として国内外に7工場・1センター、営業拠点として国内に8支店を構え、日本全国はもとより、海外へもこだわりの商品を届けている。
2)Mazrica Sales導入前の状況と課題
そんな一正蒲鉾では、デジタル技術の活用によって企業の変革を推進するため、2021年6月に「DX推進部」が設立され、各部署と連動した取り組みが始動した。
営業推進部 営業推進課において販促支援と営業部門のDX推進に携わる細山田氏は、営業活動の効率化・高度化に向けて、煩雑な情報共有の仕組みに課題があったと、当時の状況をこう振り返る。
「弊社では各部署の目的や困りごとに対して、情報システム課が一つ一つ個別にシステムを内製し、それらを使った複雑な情報管理が行われていました。
営業領域では商談日報の管理システム以外にも営業関連の多数のシステムが存在しています。これら一つひとつに情報を入力したり、情報集約のため報告資料を作る等、事務作業に時間を割かれる状況が続いていたのです。」(細山田氏)
さらに、部署ごとに個別のシステムで情報管理を行っているためスムーズな部署間連携、時間をかけて入力した情報を十分活かしきれているとは言えなかったという。
こうした業務負荷が大きく非効率的な情報管理体制を改善し、さらに部署の垣根を超えてデータを活かしたPDCAサイクルが回せる状態を実現するべく、内製によるシステム運用から、外部ツールやパッケージを活用した運用へと舵を切ることになった。
欲しい機能が揃っていて余分なものはない、そのシンプルさが最大の魅力
3)Mazrica Salesの選定プロセスと決め手
複数存在するシステムを統合し情報を一元管理するのが一つの理想ではあるが、いきなり現行のシステムすべてを廃止しツールへの置き換えを行うのは現実的ではない。
そこでまずは一部からツール導入を始め、全社へ理解が広まるのに合わせて範囲を拡大していく方針に。取り組みの第一歩として、商談日報の置き換えを進めることになった。
ツール選定に際し要件として挙がったのは、“シンプルでわかりやすく汎用的であること” だ。
「Mazrica Sales」を含むいくつかのツールを候補とし、トライアルで実際に画面を見て、触りながら検討が進められた。その中で「Mazrica Sales」以外のツールから受けたのは、カスタマイズ性が非常に高く “あれもこれもできる” という印象で、これが懸念につながったという。
「カスタマイズ性が高い、つまり “しっかりと作り込んで活用すると幅広いアウトプットが得られる” という点は、複数システムを統廃合する際には魅力的な要素となります。しかし商談日報以外の現行システムを併用する当社においては、逆に全体で見ると業務工数が増えてしまう懸念がありました。
この点Mazrica Salesは、携帯からの入力をはじめ営業の業務負担を軽減できる機能があり、また見やすく操作性の高い案件ボードも備えられているなど、欲しいものは揃っている一方、余分なものがなく求められる作業は非常にシンプルです。
“商談の進捗管理、成功事例の水平展開を行うためのツールである” と分かりやすく訴求できるところが何よりの魅力に映りました。」(細山田氏)
4)Mazrica Salesを定着させるための工夫
こうして「Mazrica Sales」の導入が決定すると、これまで長い間現場に浸透していた管理方法が変わることに対し、一部懸念の声が挙がったそうだ。ここから運用定着に向けた細山田氏の奮闘が始まる。
「導入が決まってから、全営業所に足を運んでMazrica Salesの概要や活用によってできるようになることを説明してまわりました。慣れたシステムからの移行となると多少の抵抗感はあって当然ですから、“慣れたらできるはずだから、まずは触ってみるところから始めて” “入力方法で困ったらなんでも聞いて欲しい” という姿勢でアプローチを続けました。」(細山田氏)
さらに経営層に対して各支店の数値情報や進捗を共有する機会において、その報告に「Mazrica Sales」上の数値の反映を必要とする内容を盛り込むといった仕組み化を実施。こうした取り組みの末に少しずつ活用が広がっている最中だという。
Mazrica Salesの活用範囲を拡大し、お客様の声を反映した商品開発や的確な資材発注につなげたい
5)Mazrica Sales導入後の変化と効果
「Mazrica Sales」導入からまもなく1年が経とうとする今、導入後の感触と成果を細山田氏はこう振り返る。
「Mazrica Salesで案件の進捗をリアルタイムで報告するとともに、失注リスクも日々共有し合い、案件に応じて営業担当と営業推進とで打ち合わせを行ってきました。さらにMazrica Salesの機能を活用して商談の提案資料の共有を行うなど、全国の営業所間のコミュニケーションも生まれました。
その結果、導入からの半年間で、既存顧客への営業活動における商品の採用率がおおよそ2倍にまで伸びるという成果があがり、現在もその効果を継続できています。」(細山田氏)
また生産側への情報共有についても営業情報が目に見える形で共有されるようになったことで、発注見込み数を感覚ではなく根拠を持って導くことができ、より成果をあげやすい環境がつくられつつあるという。
6)今後の活用に向けて
次のステップとして目指すのは、商談日報以外のシステムについても置き換えを進めること、そして営業領域に限らず全社への情報共有を推進することだ。
「現状Mazrica Salesを活用しているのは営業社員と、本部やマーケティング課など一部の社員のみです。今後は情報のアウトプット強化を行い、Mazrica Salesのカスタムレポートやファイル検索などの機能を活かして、開発・生産部にまで情報を共有していきたいと思っています。
これによって、タイムリーな営業情報を集約して的確な資材発注を行うことや、お客様の声を反映した商品開発をスムーズに行うことができるようになればという期待がありますね。
そして全社展開や活用範囲の拡大を進めるにあたり、既存顧客向けのアプローチに即した使い方ができるようになっていくと嬉しいです。
マツリカの担当者は、いつでも “何か困りごとはないか” と寄り添ってくださり、こういったMazrica Salesのさらなる進化への期待を込めた対話ができました。それにクイックな改修で応えていただけることを、非常にありがたいなと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。」(細山田氏)