電話営業は昔からある定番の営業手法ですが、「つらい」「苦手」と感じる人も少なくありません。
慣れないうちはプレッシャーや断られる恐怖から、思うように成果が出ず、モチベーションが下がることもあるでしょう。しかし、電話営業は適切な準備や心構えを持つことで成果を出すことができます。
本記事では、電話営業がつらいと感じる主な理由や注意すべきポイント、成功のコツを解説します。電話営業がつらくて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
電話営業とは?
電話営業とは、顧客の新規開拓のため、取引のない相手に電話をかけアポイントを取得することが主な業務です。
「テレアポ」とも呼ばれ、BtoBやBtoCのビジネスで幅広く活用されています。短時間で多くの顧客に接触できる点が特徴で、特に新規顧客開拓に有効な手法です。
関連記事:テレアポとは?仕事内容・流れ・コツ11選【チェックシート付】
電話営業とインサイドセールスの違い
電話営業とインサイドセールスは、いずれも非対面での営業活動を行いますが、目的とアプローチ方法に違いがあります。
電話営業は、主に新規顧客の開拓・アポイントの獲得を目的として、電話でアプローチをします。一斉にリストに電話をかけ、何件アポイントを獲得できたかが重要な指標になります。
一方、インサイドセールスは、見込み顧客との関係構築を行いながら適切なタイミングで商談を創出することを目的としています。
手法は電話だけではなく、メールやDMなども活用します。すぐにアポイントを獲得できずとも、中長期的に見込み顧客にアプローチをして、商談・受注に繋げていく役割を担います。
関連記事:インサイドセールスとテレアポの違いとは?営業の運用事例とコツを紹介
電話営業とフィールドセールスの違い
電話営業とフィールドセールス(外勤営業)は、営業活動における手段の違いが大きな特徴です。
電話営業は、電話を用いた非対面のアプローチが主であり、短期間で多くの顧客に接触できるメリットがあります。一方、フィールドセールスは、基本的に営業パーソンが直接訪問し対面で商談を行うため、移動時間や交通費などのコストがかかり、1日に接触できる顧客数は限られます。
会社にいながらアプローチできる電話営業は、低コストかつ時間効率も良いため、より多くの顧客にアプローチすることが可能です。
電話営業のメリット
インサイドセールスやWeb集客が普及した現代において、電話営業は時代遅れと言われることがあります。しかしながら、電話営業ならではのメリットがあります。ここでは、電話営業の主な3つのメリットを紹介します。
直接的なコミュニケーションができる
電話営業の大きな強みは、顧客と直接的なコミュニケーションが取れる点です。メールやチャットのような手法と比べて、電話では相手の声や口調から瞬時に反応を見ることができます。
相手の反応によって営業トークを変えたり、その場で顧客の不安や疑問を解消できるのはメリットと言えるでしょう。
正確な情報を届けられる
電話営業では、顧客に正確な情報を届けることができます。
顧客は商品・サービスについてすでにネットで情報を得ている場合もあります。しかし、ネットの情報は必ずしも正しい情報とは限りません。
電話で直接話すことで、正確な情報や、最新の情報をきちんと伝えることが可能になります。
また、複雑なサービスや商品の説明も、電話であれば顧客の知識レベルや聞きたいことに合わせて、分かりやすく情報を届けることも可能です。
迅速に意思決定を促せる
電話営業は、顧客の意思決定を迅速に促すことができます。
例えば商談の打診をメールで行う場合、顧客の返事がいつ返ってくるのか分からない場合も多々あります。しかしながら、電話の場合はその場ですぐに回答をもらえる可能性があります。
さらに、顧客の課題やニーズをその場でヒアリングし、最適な提案を行うことができれば、スムーズにアポイントを獲得することもできるでしょう。
電話営業がつらいと感じる理由
電話営業は、顧客と直接コミュニケーションが取れる一方で、「つらい」と感じる人が多いのも事実です。電話営業がつらいと感じる4つの理由を紹介します。
断られるのが怖い
電話営業では、断られることも多く、営業パーソンにとって精神的負担となる場合があります。
特に、電話営業の初心者にとっては、何度も断られることで自信を失ってしまったり、次の電話をかけることが怖くなってしまうことも。
また、相手からの冷たい対応や興味を示さない態度に、モチベーションが下がることもあるでしょう。
緊張して言葉が出ない
特に経験が浅い営業パーソンは、相手の反応や質問に対して適切に対応できるか不安に感じることが多く、その結果、緊張してうまく言葉が出なくなることがあります。
また、顧客の予期しない質問に答えられなかったり、話がスムーズに進まなくなると、緊張がさらに高まってしまい、会話がぎこちなくなることもあります。
アポが取れない
電話営業においてなかなかアポが取れないと、つらく感じる人は多いでしょう。
電話営業におけるアポイントの獲得率は非常に低く、多くの場合は0.3〜10%弱と言われています。そのため、何度も電話をかけてもアポイントを取れないことが続くと、フラストレーションが高まりやすくなります。
無関心な顧客へのアプローチが難しい
電話営業は新規顧客の開拓を行うため、興味を持っていない顧客に対してもアプローチしなければなりません。
そのため突然の電話営業に対して無関心な態度を示されることも多く、全く話を聞いてもらえない場合があります。
相手の興味関心を引き出すには、それなりの営業トークスキルを磨く必要があるため、最初のうちは話を聞いてもらえずモチベーションが下がってしまうこともあるでしょう。
「電話営業がつらい」を解消するための事前準備
「電話営業がつらい」を少しでも解消するために、事前準備をしっかりと行うようにしましょう。ここでは、電話営業の負担を軽減し、成果を上げるために必要な準備について説明します。
確度が高い架電リストを作成する
まずは、アポイント獲得において確度の高い顧客リストを作成することです。
確度の低い顧客へのアプローチは効率が悪く、精神的な負荷も大きくなります。
ニーズや興味関心に合致した質の高いターゲットリストを用意することで、アポイント獲得率が向上し、成果が出ることで精神的にも楽になります。
関連記事:営業リスト作成ツール9選!選び方や活用方法を解説【無料あり】
架電件数やアポイント取得数などの目標を設定する
電話営業に関しては、日々の架電件数やアポイント取得数など、具体的な目標を設定することが重要です。
目標があることで、営業パーソンは集中して業務に取り組むことができ、目標を達成することでモチベーションが維持され、電話営業を続けやすくなります。
目標が曖昧なまま進めてしまうと、何を目指しているのか分からなくなり、目の前のストレスや大量のリストに対して嫌気がさしてしまいます。きちんと目標を設定することで、数字達成に意識を向けるようにしましょう。
トークスクリプトを作成する
トークスクリプトを事前に用意することで、電話営業の成功率を高めることができます。
スクリプトがあれば、話の流れが整理され、予期しない質問にも冷静に対応できるようになります。トークスクリプトがあることが安心材料となり、緊張もやわらげることができるでしょう。
また、しっかりと受け応えができると、顧客に対してプロフェッショナルな印象を与えやすくなり、その結果「この人なら信頼できる」と思ってもらい、アポイントにつながる可能性もあります。
関連記事:トークスクリプトとは?営業力が上がる作り方とテンプレートを紹介
自社製品への理解を深める
自社の製品やサービスについての理解を深めておくことで、顧客からの質問対応や、顧客の状況・課題に合った製品の説明ができます。
自社の製品やサービスの特徴や強み、競合製品との違い、事例など、事前にしっかりとインプットしておくことで、様々な顧客に対してスムーズに提案することができるでしょう。
架電先企業を下調べしておく
電話をかける前に、架電先企業の情報を調べておくことも重要です。
企業の業種や規模、最近の動向などを把握することで、顧客に適した提案がしやすくなり、相手の興味を引くことができます。
「うちの会社を理解してくれている」と顧客に感じてもらうことができれば不信感がなくなり、アポイントにつながる確率もアップするでしょう。
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電話営業を行う際の4つの注意点
電話営業を行う際は、基本的なマナーや注意点を押さえておくことが重要です。ここでは、電話営業で気をつけるべき4つの注意点を解説します。
必ず社名と氏名を名乗る
電話営業では、まずは必ず社名と氏名を名乗りましょう。
第一印象は電話営業においても非常に大切です。まず始めに名乗ることで相手に安心感を与えることができます。
明るく丁寧な口調ではっきりと名乗り、誰から電話がかかってきたのかが伝わるようにしましょう。
適切な時間帯に架電する
電話営業では、相手に配慮した適切な時間帯に電話をかけることが重要です。
法人営業では、営業時間内に架電することが一般的です。つながりやすさを考慮して、業務開始直後や終業間際、昼休みの時間帯は避けるのも良いでしょう。
個人向けの場合は、夕方以降や土日など相手が比較的時間のあるタイミングを選ぶことで、話を聞いてもらえる可能性が高まります。
関連記事:テレアポ・訪問営業の時間帯の最適解は?BtoBとBtoCそれぞれ紹介
短く、要点を押さえて話す
電話営業では、できる限り短くシンプルに、要点を押さえて話すことを意識しましょう。
長く話すと、相手の時間を無駄にしてしまい、ストレスにつながります。
時間に限りがあることを意識し、商品の魅力や提案内容の要点を押さえて、簡潔に話すことが効果的です。
自分が受け手側であれば、どんな話し方がストレスがないか、話を聞こうと思えるかを想像しながら、トークを考えましょう。
相手より先に電話を切らない
電話営業では、相手より先に電話を切らないのがビジネス上のマナーです。
会話が終わったと感じてもすぐに切るのではなく、相手が先に電話を切ったことを確認してから、切るよう気をつけましょう。
電話営業を成功させるための5つのコツ
次に、電話営業を成功させるための5つのコツを紹介します。
関連記事:テレアポスクリプトの流れと構成|成功率を高める8つの方法とは?
事前リサーチを徹底する
電話営業で成果を出すためには、事前に相手の情報をしっかりとリサーチしておくことが重要です。
顧客のホームページに掲載されている企業概要、サービス内容、最新のプレスリリース情報など、相手に関する情報を調べておくことで、話がスムーズに進み、信頼関係の構築にもつながります。
最初はリサーチに時間がかかることもあるかと思いますが、事前にリサーチする内容を型化してしまえば、徐々に時間を短縮し効率よく架電をすることができます。
ポジティブな声のトーンを保つ
電話営業では、声のトーンが非常に重要です。
対面ではないため、相手があなたの印象を判断するのは「声」が大きな要素です。
ポジティブで明るいトーンを保つことで、相手に良い印象を与えることができます。
電話越しでも笑顔で話すことを意識すると、自然に声のトーンが明るくなり、会話が弾むことも期待できます。
質問を使って相手のニーズを引き出す
電話営業では、質問を使って効果的に相手のニーズを引き出すことができます。
こちらが話したいことだけを一方的に伝えても、顧客は聞いてくれません。顧客に対して質問をすることで、顧客の状況や求めていることを把握し、キャッチボールをしながら自社の製品・サービスの紹介につなげていきましょう。
関連記事:営業の質問リスト集|案件の質を見極める10の質問とは?
断られやすい質問をしない
お客様に断られやすい質問をしないことも、電話営業では重要です。
例えば、「今、お時間よろしいでしょうか?」という質問をすると、相手は「今は忙しいので」などと断りやすい状況を作ってしまいます。
まずは相手にとって得になる情報や電話の要件を簡潔に伝え、相手に興味を持ってもらうことが大切です。
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断られても落ち込まない
電話営業は、断られることが前提にある業務です。
最初から興味を示してくれる人はなかなかいません。断られることが当たり前と思い、一件一件の電話で落ち込まないようにしましょう。
また、断れた場合はなぜ断られたのかを考えてみて、もしトークに原因がある場合は、積極的にトークを改善しましょう。
事前準備を徹底して失敗しない電話営業をしよう
電話営業は、多くの営業パーソンがつらいと感じる業務ですが、適切なマインドセットと事前準備を徹底することで、負担を軽くし、成果につなげることができます。
まずは自分がなぜつらいと感じるのか、どういう時につらいと思うのかを言語化してみたり、パターンを把握することで、その時々にどのように対処していけばいいかが分かるようになります。
また、事前準備をしておくことで失敗することへの緊張をやわらげたり、自信を持って電話をかけることができます。
今回紹介した成功のコツを参考に、失敗を恐れず、ぜひチャレンジしてみてください。
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