人間は、脳に支配されていると言っても過言ではありません。
それゆえに、人間には自動的に反応してしまう心理テクニックが間違いなく存在します。
その人間心理を理解できれば、営業のトークやアプローチ、テクニックが変わり売上に大きな影響をもたらすでしょう。
この記事では、営業パーソンにオススメな心理学に基づいた10の営業テクニックをご紹介します。 ぜひ、営業現場で実践して使えるようになってくださいね。
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この記事の内容
- 営業と心理学の関係性
- 心理学テクニック1.好意の返報性|関係をスムーズに
- 心理学テクニック2.オープンクエスチョン|成約確率を想定する
- 心理学テクニック3.ミラーリング効果|関係を築く
- 心理学テクニック4.バックトラッキング|受注率を上げる
- 心理学テクニック5.分析麻痺|選択肢を減らすことで売上を上げる
- 心理学テクニック6.ドア・イン・ザ・フェイス|受注率を上げる
- 心理学テクニック7.フット・イン・ザ・ドア|案件の進捗率を上げる
- 心理学テクニック8.バンドワゴン効果|受注率を上げる
- 心理学テクニック9.両面提示|短所も伝えることで信頼度を上げる
- 心理学テクニック10.ローボールテクニック|ミニマムを強調することでコンバージョン率を上げる
- まとめ
営業と心理学の関係性
営業パーソンの仕事は、お客様に自社の商材を販売することです。
しかし、お客様に商品やサービスを購入してもらうためには、相手の心を動かす営業アプローチが求められます。そこで役立つのが、ビジネスシーンでの心理学テクニックです。
意外に思われるかもしれませんが、心理学と営業には深い関係があります。トップセールスマンほど心理学に精通しており、相手の思考を読み取る能力に長けていることが多いです。
営業活動において重要なのは、コミュニケーション能力、ヒアリング能力、クロージング能力の3つです。心理学的なテクニックは、顧客との関係性構築、効果的なプレゼンテーション、成約率向上に役立ちます。
営業成績に伸び悩んでいる方や、より成果を上げたい方は、ぜひ本記事のビジネス心理学テクニックをマスターしてみてください。
心理学テクニック1.好意の返報性|関係をスムーズに
好意の返報性とは、「相手から何かをしてもらった時に「こちらも同じようにお返しをしないと申し訳ない」という気持ちになる心理効果のことです。
人間は遺伝子の中には「されたことをしたくなる」という行動原理が組み込まれています。それが好意であれ悪意であれ、本能的なものなので逆らうことができません。
営業の世界で「顧客の利益を第一に考えろ」と言われるのは、この「返報性」という絶対的な原理原則が働いているためです。
実社会においては、「試食できるとついつい色んなものを買ってしまう」「コンビニでトイレを借りると、ついでに何か買いたい気持ちになる」などといった具合に、さまざまな場面で好意の返報性が応用されています。
営業に応用する場合
わかりやすいのは、モノをあげるという好意です。
ファミリー層向けの商品を販売する場合、横にいる子どもに棒付きの飴をプレゼントすると良いでしょう。
これによって親は「わざわざすいません」と言って、話ぐらい最後まで聞いていこうかという気になります。(ついでに子どもも大人しくしてくれます。)
他には、身につけているものを褒める、というのも効果的です。
BtoB営業で、特に相手が男性なら靴や鞄・時計を褒めましょう。
役職が上の人ほど、その3つのアイテムは意識されているので、最初の挨拶の時などに「どちらで購入されたんですか?」とブランドを聞いてあげると自尊心がくすぐられます。
女性が相手であれば、決裁者の立場までいくのに、それなりの苦労を経ているはずです。
そのサクセスストーリーを聞いてあげる、というのも相手との距離を縮めるのに役立ちます。
恩着せがましい好意は逆効果
しかし実際には、この好意の返報性を勘違いして「これだけしてあげたのに何の見返りもない」と嘆く営業パーソンが後を絶ちません。
好意とはそもそも「この人の役に立ちたい」という純粋な想いを動機にすべきものです。
大事なのは相手にちょっとでも気持ちよくなってもらうこと。
それによって相手との関係性を築くことです。
「こういうことをしてあげたら買ってくれるんじゃないか?」という「返してもらうことを前提とした好意」には返報性は働かないので注意してくださいね。
「For Me」ではなく、「For You」のマインドが大切です。
関連記事:ラポールとは?|顧客との関係を形成/再形成するための具体的方法
心理学テクニック2.オープンクエスチョン|成約確率を想定する
オープンクエスチョンとは、「はい」または「いいえ」で回答できない質問のことです。
そもそも、質問には「オープンクエスチョン」と「クローズクエスチョン」の2種類があります。
前者は会話の方向性を相手の回答に委ね、幅を広げていくための質問、後者はYes or Noの一言で答えられるような、会話の幅を狭めていくような質問のことを指します。
顧客との信頼関係を築き、ニーズを深く探る上ではオープンクエスチョンを用いると効果的です。
逆にクローズクエスチョンは、その名の通りクロージングに向いています。
身近な例で言えば、恋人に「今度のデートどこに行きたい?」と尋ねるのがオープンクエスチョンであり、「今度のデート映画にいかない?」と尋ねるのがクローズクエスチョンです。
オープンクエスチョンを使うタイミングと目的
営業におけるオープンクエスチョンが効果的なのは、より多くの情報を顧客から引き出したいときや、顧客自ら条件を述べさせたいときです。
オープンクエスチョンをする上で一番大事なことは、「顧客が顧客のニーズを正確に把握すること」です。
間違っても営業パーソンが顧客のニーズを正確に把握することが第一ではありません。
ここを間違えると営業パーソンが課題を明確にしたいがために、「ということは、御社の課題はコスト削減にあるということですね?」と勝手に決めつけをしてしまいます。
これはクローズクエスチョンに当たります。
顧客の課題がコスト削減にあるとわかっていても「ということは、御社の課題はどこにあるとお考えなのでしょうか?」とオープンクエスチョンで質問をし、コスト削減だ、と相手に言わせなくてはならないのです。
顧客は得てして自分たちの「本当の課題」に気づいていません。
その課題を明確にしていく作業を、オープンクエスチョンを通して一緒に探っていき、相手に気づかせることこそ、営業のヒアリングの目的だと言えるでしょう。
関連記事:SPIN話法とは?商談での営業ヒアリング力を高めるテクニック
オープンクエスチョンを使うと顧客の本気度がわかる
オープンクエスチョンには「WHY・WHAT・WHEN・WHO・WHERE・HOW」の5W1Hを使います。ニーズを深掘りし、案件の質を見極めるのに非常に役に立ちます。
具体的には
- なぜ(WHY)弊社の商品に興味を持っていただいたのですか?
- 目標KPIに到達する上で、一番の課題に思っていることは何(WHAT)ですか?
- もし、弊社のサービスを導入するとしたら、いつ(WHEN)までに導入したいとお考えですか?
- 契約の意思決定には、最終的にどなた(WHO) が関わるのでしょうか?
- お客様のご希望のエリアはどちら(WHERE)になりますでしょうか?
- 今まではどのような(HOW) 施策を試されてきたのでしょうか?
などの質問が考えられます。
そうして顧客の課題を明確に話してもらうことで、課題の本質に気づいてもらいます。
オープンクエスチョンに明確に答えられる顧客は、それだけその課題について真剣に考えている顧客と言えます。
そのためソリューションとニーズがマッチしているなら、かなり高い確率で成約することが見込めます。
逆に、オープンクエスチョンに対して、曖昧な回答しか得られない場合は、課題に対しての真剣度が低く、成約の見込みが薄い案件だと判断することができるのです。
営業で使える質問に関しては、下記の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:営業の質問リスト集|案件の質を見極める10の質問とは?
心理学テクニック3.ミラーリング効果|関係を築く
ミラーリング効果とは、人間が自分と同じ仕草・行動を取る人は仲間は認識してしまう習性を利用しています。
鏡のように相手の行動を意図的に真似ることで、顧客との信頼関係を築こうとするものです。
例えば、相手が資料をみるときに自分もみる、飲み物に手を伸ばしたタイミングで、自分も飲み物を飲む、相手が足を組んだら自分も組む、といったテクニックが挙げられます。
ミラーリング効果は、意図して狙わないほうが良い
しかしこれを曲解して、紋切り型に真似しようとすると「なんだ、さっきからこの人は自分の真似ばかりして、バカにしているのか?」という誤解を招くこともあります。
ミラーリングの本質は「類似性の法則」にあります。
自分と共通点の多い人に人は好意を抱きやすいという法則です。
東京で自分と同郷の人に会うと、それだけで一気に距離が縮まりますよね。
商談中に気づかれないように仕草を真似するのは上級者のやることです。
初心者は無理に真似しようとはせず、どうやって類似性を作り出すか?を考えた方が無難でしょう。
相手に寄り添うことを意識する
営業中に類似性を作り出すには、話し方のペース、会話のテンション、笑うタイミングの3つを合わせるようにするといいでしょう。
会話のスピードが遅くゆっくり話す人には、こちらもゆっくり話す。
興奮気味に話す人には、それに合わせてこちらのテンションをあげて共感する。
相手が笑ったところで一緒に笑う。
これだけでも十分なミラーリングになります。
他にも、セールスというよりコーチングに近い技術ですが、相手が悲しんでいたらこちらも悲しむ、相手が怒っていたらこちらもそれに同調する、といった具合に感情を共有することもミラーリングに繋がります。
心理学テクニック4.バックトラッキング|受注率を上げる
バックトラッキングとは、日本語でいう「オウム返し」のことです。
話し手は聞き手の反応がないと、自分の伝えたいことが理解されているのか不安になります。
かといって、相手の話に対して自分の意見を返してしまうと機嫌を損ねてしまうかもしれません。
そこで、相手の言ったことを言った通りのまま返す、というオウム返しをすることで、あなたのことを理解していますよ、というメッセージを伝えることができます。
バックトラッキングを営業で使うときのコツ
顧客:「新人の離職率が高いのが悩みでね…」
営業:「新人の離職率が高いんですね。」
顧客:「そうなんだよ。最近の若いもんは精神的に打たれ弱くて困る。」
営業:「精神的に打たれ弱いと、困りますよね。」
といった具合に、自分の余計な解釈は入れずに、同調しながら相手の話した通りの言葉をそのまま返すことが重要です。
もちろん、ただ機械的に返事をしてはいけません。
ポイントは相手に気持ちよく、テンポよく話してもらうこと。
その目的からそれると会話が不自然になります。
バックトラッキングは、オープンクエスチョンとミラーリングと掛け合わせて使えるようになると鬼に金棒です。
相手が気持ちよくなんでも開示してくれるようになります。
ヒアリング=オープンクエスチョン×ミラーリング×バックトラッキング(質問の仕方×共感×オウム返し)で構成されていると因数分解して考えれば、自分のヒアリングの課題がどこにあるのかにも気付きやすくなりますよ!
心理学テクニック5.分析麻痺|選択肢を減らすことで売上を上げる
分析麻痺とは、物事について考えすぎて、意思決定が下せなくなる状態のことです。
人は「選択肢が少ない方が幸福度を感じやすい」ということが統計的にわかっています。
例えば、自分の理想のキャリアに到達するにはどこが適しているんだろう?と悩めば悩むほど答えが出なかった経験などが挙げられます。
何が正解なのかを考えてしまうあまり、分析することばかりにパワーが注がれていて、意思決定が鈍ってしまう。
誰だって自分の選択には後悔したくないですから、選択肢があればあるほど、他の選択肢を選ばなかったことで味わうかもしれない後悔を恐れてしまうのです。
これを分析麻痺症候群と言います。
顧客が意思決定をできないのは、判断材料が少ないからではありません。
判断材料がありすぎるから決められないのです。
顧客にとって価値のあることだけを説明する
家電売り場にいくと、売れない販売員と売れる販売員の典型例な違いをみることができます。
売れない販売員は、とにかくいろんな製品を紹介します。
かたや、売れる販売員はおすすめの商品を2つか多くても3つに絞っています。
顧客は、材料が多くて自分にとってのベストが選べないからこそ、売り場に足を運んでいるのです。
販売員に求められることは、何でもかんでも提案することではなく、顧客のニーズにあった製品を絞り、選択肢を限定して意思決定をしやすくしてあげることなのです。
この家電売り場のように、多くのビジネスシーンにおいて顧客の選択肢は、2つか3つに絞られていた方が、最終的には満足度が上がります。
心理学テクニック6.ドア・イン・ザ・フェイス|受注率を上げる
「ドア・イン・ザ・フェイス」テクニックは、一度断った後の提案は断りづらい、という心理を応用したテクニックです。
本来の要求をする前に、断られることを前提とした要求を挟むことで、本来の要求を受け入れやすくする効果があります。
これは社内で誰かに頼みごとをする時にも有効です。
いきなり「プレゼンに必要なデータを集めてくれない?」と依頼すると「忙しいんで他の人に頼んでください!」と言われてしまいます。
そうではなく、「代わりにプレゼン資料を作ってくれない?」とあえて高い要求し、「勘弁してくださいよ!」と言わせておいて、「じゃぁ、必要なデータを集めるのだけでいいから手伝ってくれない?」と頼めば、「まぁそれぐらいならいいですけど。」と了承してもらいやすくなる、というわけですね。(もちろん二人の関係性にもよりますが)
あえて断られる提案を用意する
「ドア・イン・ザ・フェイス」テクニックは、不動産でよく使われるテクニックとして有名です。
家賃10万の物件を提案する際に、それよりも少しハードルの高い家賃12万円ぐらいの物件を提示し、あえて断ってもらいます。
そのあとで本命の10万円の物件を提案すると、10万を払うかどうかではなく、12万と10万のどちらを選ぶかの思考に変わり、本命の提案を受け入れやすくなってしまうのです。
このように本命の提案よりもちょっと高めの値段のものを先に提案しておくと、本来の提案で受注しやすくなるというわけですね。
関連記事:受注率を上げるには?受注率向上のための7つの方法とツールを紹介!
心理学テクニック7.フット・イン・ザ・ドア|案件の進捗率を上げる
「フット・イン・ザ・ドア」テクニックは、、小さな要求からYesを取り、徐々に要求を大きくしていく中でYesを重ね、最終的な本来の要求を受け入れやすくさせる効果を狙った技法です。
自分が「YES」と言ったことに関してはその姿勢を貫きたいと思う、「一貫性」という人間の行動原理を応用したテクニックです。
「洗濯物畳んでくれない?」と直接頼むのではなく、「洗濯物乾いているか見てきてくれる?」「乾いているよ」「そしたら部屋の中に入れてくれる?」「OK」「自分の服だけ、わかるように分けておいて」「了解」「ついでに畳んでもらえると助かるな」「しょうがないなぁ」と段階を分けて了承を得ていくようなイメージです。
何もしていないところから洗濯物を畳むことがハードルが高い人であっても、「自分で取り込んだ洗濯物を、自分の服だけ分けた」人にとっては、畳むことのハードルが下がっているのです。
ポイントは
- 最初の要求はなるべくハードルの低いものにする
- 最初の要求と最後の要求には関連性を持たせる
- 考える暇を与えない
ことです。
要求をこまめに分けてアポイントにつなげる
これを営業に応用するなら、アポ取りに応用してはどうでしょうか?
いきなり「商品の説明をさせてください」というアポイントの取り方をすると断られてしまいますが、そこまでのアプローチを細分化し、
- まず仲良くなる
- 相手のライフスタイルについて話を聞く
- 詳しい相談に乗る
- 自社で扱っている商品で解決できると思うのだけど、話を聞いてみるか?と確認する(ここまでの関係を築けていればまず断られない)
- 商品の説明をする
と言った具合に、一歩ずつ一歩ずつ「製品の話を聞く必然性」を高めていくようなアポイントの取り方をすると、進捗が進みやすくなります。
関連記事:アポイントのうまい取り方とは?獲得率を上げる3つのコツ
心理学テクニック8.バンドワゴン効果|受注率を上げる
バンドワゴン効果とは、ある選択肢を多数が選択している現象が、その選択肢を選択する者を更に増大させる効果のことです。
バンドワゴンとは、パレードなどの先頭に居る楽隊車のことを指します。
その一番盛り上がっているバンドワゴンに乗ること=時流に乗ること自体が消費の動機になってしまう現象のことを指します。
小学校の時、クラスで話題になっているゲームがあると、その流行に乗るためにそのゲームを買いたくなったことがありませんでしたか?
あるいは行列のできるラーメン屋を見て、「あれだけ並ぶってことは相当美味しいんだろうな」と思ったことはありませんか?
この効果を狙ったセールスの手法としては導入企業の実例を紹介すること、高評価のレビューを数多く掲載することなどが挙げられます。
「たくさんの人が買っているのだからいいものに違いない」という心理を起こさせ、時流に乗りたいと思わせることで消費を促します。
具体的な数字を入れるとさらに効果的
実際の導入事例を紹介すると同時に、具体的な数字を入れることも重要です。
「1年先まで予約の取れないレストラン」
「毎回100名会場が満員御礼になる人気のイベント」
「アマゾン電子書籍ランキング1位」
など、様々なシーンで利用されていますね。
営業で自社サービスの紹介をする時には、「多くのお客様に実感していただいています」と言うよりも「100社を超える企業で、売り上げが平均20%以上伸びています」と伝えた方がそのインパクトをイメージしやすくなります。
成約が何件から何件に増えたのか、何社が導入し、いくらの売り上げに繋がったのか、などの定量で変化を見せることは、バンドワゴン効果を強める上でとても効果的です。
心理学テクニック9.両面提示|短所も伝えることで信頼度を上げる
両面提示とは、メリットとデメリットの両方を伝えることを指します。
初対面の相手を説得する場面において、 両面提示は「何か裏があるのではないか?」というお客様の警戒心を解きやすいです。
顧客がビジネスに精通している相手であるほど、何事にもメリットとデメリットがあることを理解しています。
そのデメリットを隠してメリットだけを強調されると、不信感に繋がってしまいます。
営業パーソンはついつい製品やサービスのメリットばかりの話をしがちですが、逆にそういう営業パーソンが多いからこそ、デメリットや短所を伝えることで信頼を得られることが多々あります。
デメリットを公開することのメリットは、誠実であるという印象を持ってもらえること、そしてそのデメリットを補ってあまりあるメリットがあるということを、逆説的に伝えられることです。
裏を返せば営業パーソンがデメリットを隠してしまうのは、メリットに自信が持てないからです。
きちんとデメリットが説明できるぐらい、製品のメリットに確信を持っていることが、顧客の安心感を生むのです。
心理学テクニック10.ローボールテクニック|ミニマムを強調することでコンバージョン率を上げる
ローボールテクニックとは、相手の「一貫性の原理」を利用した心理学テクニックです。
人は、「一度決心した行動や発言、信念などを貫き通したい」という心理があります。
入口のハードルを低く設定し、顧客にサービスの価値を先に体験させてあげることで購入の意思決定を促すテクニックがあります。
もっとも顕著なのはソーシャルゲームの業界です。
ソーシャルゲームでは基本プレイを無料にすることでダウンロードまでのコンバージョン率を上げています。
1ヶ月無料・いつでも解約可能、といった低いハードルを儲けると短期的な売上は減るかもしれませんが、中長期的に利用するユーザーを獲得するためには有効な手法だと言われています。
中長期で商品またはプロダクトを利用してくれる顧客を獲得することはロイヤルカスタマーの育成につながり、LTVの向上につながるでしょう。
営業パーソン一人ひとりの営業努力というよりは、会社のフローや販売の仕組みによるところが大きいかもしれませんね。
関連記事:LTV(ライフタイムバリュー)とは?意味と計算方法・LTV向上に有効な営業戦略
まとめ
以上、セールスに応用できる心理学をご紹介しましたが、この心理テクニックが効果を発揮するのは、製品やサービスの質がそもそも高いことが大前提です。
魅力のない製品をいくら心理学を用いて売ったとしても、最終的な顧客満足度は下がってしまい、企業の継続的な売上には繋がりません。
テクニックは所詮テクニックです。
これは間違いなくいいものだ!という確信に、心理学のテクニックを掛け合わせてはじめて意味をなします。
間違ってもテクニックだけに頼るような営業パーソンにだけはならないでくださいね!
トップセールス〜4つの法則〜
営業の永遠の課題、それは”人”です。企業活動の中で、営業ほど”人”が成果に影響するものはないと言っても過言ではないでしょう。では優秀な営業パーソンはどのように行動して成果を上げているのでしょうか? 本資料では様々な営業組織を見てきた弊社が見つけだした、トップ営業パーソンが必ず実践している4つの法則を紹介します。
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