営業の皆さんは、商品提案後、受注に向けてのプロセスを、どのように管理していますか?
営業をしていると、受注できる自信があっても失注してしまうことや、反対に、慎重になりすぎて無駄に時間がかかってしまうということがあるかもしれません。
しかし、どの過程で問題が発生したのか、なぜ「受注できる」と思ったのか、その原因がわからないままでは、いつまでも感覚的な営業活動になってしまいます。
予測値をより現実的なものにするために、営業が活用するべきものを、「ヨミ表」と言います。この記事では、「ヨミ表」の見方や、メリット、活用方法について解説していきたいと思います。
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ヨミ表とは
ヨミ表とは、営業の進捗管理表のことを指します。
商談途中にある各案件を、受注で見込める金額や時期、確度(受注が見込める可能性)によって分類し、表にまとめることで、全体目標に対する現状を、数値的に理解することができるのです。
営業が強いと定評のあるリクルートホールディングスでは、この「ヨミ表」を独自にシステム化し、チームごとに各自のヨミを共有しあう「ヨミ会」という伝統会議が存在します。
「ノルマ」と聞くと、厳しいイメージを抱くかもしれませんが、「ヨミ表」は、実現不可能な目標を立てること、または上司から押し付けられるものではありません。
ヨミ表について議論を重ねることで、顧客を理解した精度の高いヨミ表を作ることができるようになります。
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ヨミ表の見方
ヨミ表には特に決まった型はなく、それぞれ独自で作成している企業がほとんどです。
しかし、ヨミ表から得たデータの活用方法に差はあっても、基本的な見方に大きな差はないといっていいでしょう。
以下のヨミ表のフォーマットを例にしながら、ヨミ表の見方について説明していきます。
サービスを提案した日付、クライアント、商品名、受注確度、見込み金額のブロックに、それぞれのデータが入力されます。
受注確度のブロックにあるA〜Cのランクは、ヨミの確度を表します。
ヨミ表においては「確度のデータ」が一番重要です。
関連記事:受注確度とは?ブレない管理基準の作り方やメリット・ランク付けの方法を解説
このように分類することで、確度の高いものから営業していくことができますし、全体の進捗状況を把握することができますので、どこにどのくらい時間をかけるべきなのかがわかります。
【ヨミの確度】
- A‥‥申し込み書待ち(受注90%くらい)
- B‥‥ポジティブな検討状況にある(受注確度70%くらい)
- C‥‥提案を終えて検討状況にある(受注確度50%くらい)
- ネタ‥‥確度の検討がつかない
ヨミの確度は、更に細分化しても構いませんが、チーム内で統一しなくてはならない指標です。
設定する際は、BANT情報を参考にしましょう。
確度ごとに金額を集計し、自身の月間売上目標と照らし合わせてみると、どの確度の案件に力を入れるべきなのかがわかります。例えば、現段階での受注済の合計金額が2500だとして、上記のヨミ表を集計してみると以下のような結果を得ることができます。
上記の内容だと、個人目標に対して、現時点であと1500足りないという計算になります。
ヨミの確度ごとに集計してみることで、どの項目を受注に近づけていく必要があるのか考えやすくなります。最終的に、個人のヨミ表のデータを集計し、営業チーム全体の目標と照らし合わせていくといいでしょう。
また、Bの確度のものを、Aにするにはどうしたらいいのか施策を考えることも重要です。
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ヨミ表を管理する理由
営業がいう「ヨミ」は、現場で実際に顧客を相手にするそれぞれの営業パーソンの感覚でしか把握することができず、属人化しやすいという課題があります。
営業パーソンによって、受注できそうなのか、そうではないのかは、感覚がそれぞれであるため、せっかくチーム全体で売上目標を立てても、実現できるか検討がつきません。
そのため、チーム全体で受注確度の基準を設定し、「ヨミ表」として共有することで、実現可能な売上目標を立てることができるようになるでしょう。
その後は「ヨミ会」を定期的に開き、チーム全体でそれぞれの進捗状況を確認しあうことで、ヨミの精度をブラッシュアップしていくことができます。
営業でヨミ表を使用する4つのメリット
営業がヨミ表を使うメリットはいくつかあります。
1. 受注できない原因を明らかにする
商談ごとにランク分けをして整理することで、何が原因で商談が滞っているのか、データから仮説を立てることができます。
今まで個人の中で属人化していたナレッジを統合し、受注確度基準にそって整理していくことで、モヤモヤとしていた課題を明確化することができるのです。
また、チーム全体で営業の進捗状況を把握しているため、他の人からも広い視野でアドバイスをもらうことができます。
自分一人では気づかなかった課題に気づくことができ、これまでとは違う営業アプローチにも繋がるでしょう。
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2. 効率的な顧客コミュニケーション
ヨミ表で受注確度を管理する際に、顧客との関係を整理する必要があります。
例えば、担当の営業パーソンは、実際に顧客と会ったとき、話が弾んだような気がしていても、進捗状況を整理してみると、長い間検討状態のままで、思ったよりも受注確度が高くなかったということもあるでしょう。
お客様に信頼してもらえるようなコミュニケーションを目指していく一方で、その延長線上に、「受注」という最終目標が存在することを忘れてはいけません。
ヨミ表を活用することで、次からお客様とどのような関係を構築していくべきなのかを予想を立てることができます。
目的を見失ったコミュニケーションにより、受注確度の低い顧客に割く時間が短縮され、受注までの的確なステップを冷静に踏んでいくことができるでしょう。
関連記事:営業戦略の立て方とは?戦略立案の手順と5つの分析フレームワークを解説
3. 高精度な売上予測
ヨミ表は顧客接点が一番強い営業現場でしか得られることができない、貴重なデータを元に作成されます。
ヨミ表でそれらの有力データを整理することにより、売上をあげることができるのはもちろんのこと、売上予測の精度自体をあげることも可能になるのです。
ヨミ表を作成し、ブラッシュアップを続けていくことで、属人化していた営業のナレッジをを共有することで、全体の営業力もアップし、今までよりも高い売上予測を設定しても、達成率を維持できるでしょう。
「なんとなく無理そうだ」「なんとなくいけそうだ」という直感的な判断を少なくすることができるため、以前よりもより確度の高い売上予測ができるようになります。
関連記事:売上予測とは?計算方法と売上予測レポート2つの作り方を解説
4. 商談スピードの向上と業務効率化
営業パーソンのアクションがクリアになるので、商談のスピードは必然的にあがります。
受注か失注かの見極めも、より早い段階で可能になるでしょう。
ヨミ表を作る目的は、クロージングのスピードを上げていくことだけではなく、「時間をかけても商談に繋がらない無意味な案件」を見極め、切り捨てていくことでもあるのです。
ヨミ表を管理する方法
営業にとって欠かせないヨミ表ではありますが、管理方法はどうしたらいいのでしょうか。
ほぼ毎日みなくてはならないものであるため、よりスマートなものが求められます。
それぞれの具体的な管理方法や、違いについて詳しく見ていきましょう。
Excelで管理する
Excelは多くの人が使用したことがあるため、入力の段階で困難に感じることはほとんどないでしょう。
小さい企業で、営業チームのメンバーも少ない場合、Excelでの管理で十分かもしれません。
まずは、関係者全員が見れる・編集できるシート(Excelで共有設定をするか、クラウド上のスプレッドシート)を用意します。
あとは、項目ごとにシートをつくり、記入する項目や枠組み、計算式などを入れていけば完成です。
フェーズや目標のところは、先ほど説明したA〜Cに大まかに分類するのでも構いません。
誰もが無料で使えるツールなので、思い立ったその日に始められます。また、どのデータを使うかなど、すべてを自分のやりやすいスタイルにカスタマイズして作ることができます。
しかし、Excelは未入力項目をその都度確認する必要があるため、抜け落ちができてしまうことや、担当者ごとに管理シートが分かれているので集計に時間がかかることが課題として挙げられます。
エクセル管理に課題をお持ちの方は、こちらも参考にしてみてください。
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SFAで管理する
SFA(Sales Force Automation)とは、営業支援ツールのことです。
営業プロセスの見える化、属人化されがちな営業情報の共有、営業活動の効率化を実現させ、営業組織の目標達成を強力に後押しします。
SFAができる前まではヨミ表はExcelで管理することが一般的でしたが、次項で紹介するようなレポーティング機能なども備わっていて、Excelでは手動でやらなくてはならなかった箇所が自動化できるため、SFAでヨミ表を管理する方が効率的だといえます。
SFAには具体的に以下のような機能とメリットがあります。
関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違い・基本機能から成功事例まで徹底解説
※弊社で開発しているSFA/CRM「Mazrica Sales」の画面を例に説明していきます。
1. 目標管理
目標とは、決まった期間内に必ず達成しなければならない売上のことです。
目標管理では、目標の進捗や達成度合いを確認します。
しっかりと目標管理することで、営業メンバーのモチベーション維持や全体の売上向上につながるでしょう。
2. 案件管理
取引先との間で発生した商談のことを案件といい、受注に向けて進捗させるためのマネジメントを案件管理といいます。
「商談日」「取引先」「営業担当者」「商材」「商談経緯」「商談内容」などの5W1Hに関する基本情報のほか、確実に受注するためには「案件の進捗」「受注の確度(見込度)」「受注予定日」「売上予測額(見込額)」「営業の行動履歴」などのデータも指標とするのがおすすめです。
案件管理をすることで進捗の見える化につながり、営業メンバーや上司間でのコミュニケーションが活発になり、クロージング精度の向上やアプローチ漏れの防止にもつながるでしょう。
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3. 行動管理
テレアポ、商談、クロージングなど、営業が起こすアクション(=行動)を、数値データに基いて管理します。
主に、アクションの内容、担当者、フェーズ、改善施策と実施結果といったデータを使用します。
行動管理をすることで、リアルタイムに近い形で日々の営業活動の共有が可能になります。
上司からの的確なアドバイスにより、提案の質を高めることができたり、トップ営業の活動を可視化することができます。
Excelでは、クライアントごとの案件や商談履歴をすぐに把握することができませんが、SFAはスマートに管理できる上に、確認作業も簡単になります。
このようにSFAは営業データの管理やレポーティング機能が揃っているため、瞬時に営業活動全体を見直すことができ、営業活動の戦略を効果的にたてることにつながります。
また、Mazrica Salesは既存の営業支援ツールとは違い、現場の営業パーソンが圧倒的に使いやすいシステム設計と、低い導入、運用コストで”現場が使いこなせる営業支援ツール”であることが強みです。
圧倒的なサポート体制と使いやすさにより、高い定着率と入力率を誇ります。
10選のSFAの導入コスト・金額・機能を徹底比較した記事はこちら▼
まとめ|SFAツールを用いてヨミ表管理を効率良くしよう
ヨミ表を作るメリットや活用方法について説明してきました。
顧客との距離が一番近い貴重なデータを感覚的に生かすのではなく、チームで基準を設けて共有することで、成果につながる営業戦略を立てていきましょう。
現在では、Excelでの管理だけではなく、営業に特化したSFAなどのツールを使うことで、より効率よく精度の高いヨミ表を作成することができます。
本文中でご紹介したSFAツールMazrica Salesでは、営業活動の様々な情報のシームレスに蓄積~分析~予測を行うことができ、手作業管理にありがちな入力ミスや表記ゆれにわずらわされることがありません。
Mazrica Salesは誰でも使いやすい操作性やデザインに定評があるため、すぐに使いこなせるか不安をお持ちの方も、是非一度無料トライアルからシステムへの乗り換えのステップを踏んでみてください。
記事末の資料ではMazrica Salesの機能詳細や活用シーンなどをまとめておりますので、併せてご覧ください。
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