どの会社でも売上予測を立てているはずです。では、どのような方法で売上予測を立てているのでしょうか?
今回は、知っているようで知らない「売上予測」の立て方や、売上予測レポートの作り方を合わせて紹介します。
本記事を読むことで、売上予測の概要を理解できると共に、売上予測レポートを作る準備ができるようになるでしょう。
この記事の内容
売上予測とは?
売上予測とは、自社の過去の売上実績や成長率、市場動向や外的要因、その他様々なデータを踏まえて、将来の売上を予測することです。
「根拠のない売上の予測」ではなく、「データに基づいた売上の予測」「データから導き出された売上予測」であることが重要なポイントです。
一般的に多くの企業では、売上予測に基づいて経営判断を行っているのではないでしょうか?
精度の高い売上予測を立てることができれば、経営資源をどこにどう投下するのか?などの経営判断がしやすくなります。また、各部署で優先的に行うべき取り組みを実行しやすくなる点がメリットです。
では、どのように売上予測を立てればいいのでしょうか?また、似たような言葉の「売上目標」との違いは何なのでしょうか?
次項から確認しましょう。
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売上予測と売上目標の違い
「売上予測」と似たような言葉・概念として「売上目標」があります。
「売上予測」と「売上目標」の違いについて考えましょう。
例えば、売上予測を文章化すると「去年の9月の売上は300万円であり、我が社の平均成長率は10%なので330万円と予測できる」のようになります。(より詳細に説明することもできますが、最低限の説明の場合)。
このように、特定の期間に対して過去のデータをフル活用して導き出した数字で、限りなく正確さを追求したものを予測といいます。
「目標」も特定の期間で設定する数字ですが、「予測」とは異なります。
目標とは、成し遂げたり、到達しようと目指すものです。「これくらい売りたい」などの期待を含んだもので、通常は前年や前月を上回る数字を設定します。
つまり、過去のデータから未来の数字を導き出す意味では予測も目標も同じですが、予測では、期待や希望を含まない「現実的に達成できる数字」を導き出さなくてはなりません。
言い換えれば、予測によって導き出した数字が3ヶ月後、半年後、1年後に会社の手元にあるお金です。
売上予測によって「現実的に達成できる数字」がわかることで、社員の給与や投資など、お金の使い道を考えられるのです。
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売上予測を立てる重要性
売上予測を立てることは、企業の成果最大化を図ったり、経営戦略を立てるために重要です。 ここでは、適切な売上予測が予算管理、人員配置、在庫管理、コスト管理に対してもたらすメリットや重要性について解説します。
予算管理の最適化
売上予測は、企業が次期の売上を見込んで資金を適切に配分するための基礎となります。
売上の見込みに基づいて行われるコスト管理は、無駄な出費を排除し、企業の利益を最大化するための戦略的な方針を立てるのに役立ちます。
正確な予測に基づいた経営方針によって、企業は資金を効果的に運用でき、持続可能な成長を達成することができるのです。
人員配置の最適化
売上予測は、企業が適切な時期に適切な人員を配置するための貴重な情報源になります。
需要の増減に応じてスタッフを適切に配分することで、生産性が最大化され、業務効率化を図れます。
また、正確な売上予測に基づいて人員配置を行うことで、ストレスや過度な負担を軽減し、従業員のモチベーション向上にもつながるでしょう。
在庫管理の最適化
売上予測は、企業が需要と供給をバランス良く調整する上で不可欠な役割を果たします。
適切な売上予測に基づいて行われる在庫管理は、在庫の過剰や不足を回避し、企業の運転資本を最適化します。
これにより、企業は在庫コストを最小限に抑えながら、顧客のニーズに適切に対応することができるのです。
コスト管理の最適化
企業は生産コスト、購買コスト、輸送コストなど様々なコストを抱えていますが、適切な売上予測がコスト管理の最適化につながります。
まず生産コストについては、需要変動を正確に予測することで、過剰生産や生産不足による無駄を最小限に抑えられるのです。
次に購買コストでは、需要に基づいた適切な購買タイミングを捉えることで、過剰在庫や納期遅延などのコストを削減できます。
輸送コストについても、予測需要に応じた物流計画の策定が、無駄のない輸送を実現します。
売上予測レポートを作るために必要なデータ
上述のとおり、売上予測を立てるにはデータを集めることが必要不可欠です。
しかし、むやみやたらにすべてのデータを集めたり、入力したりすればいいのではありません。
現時点では、営業活動に関する数字をすべて記録していないかもしれませんが、基本的には以下のデータを揃えておくと、より正確な売上予測ができます。
- 潜在顧客が自社サービスに興味持つまでの期間
- 案件化してから受注するまで期間(リードタイム)
- リードから受注の進捗率(コンバージョン率)
- 契約期間
- 更新率
- 解約率
- 月別の売上
- 商品別の売上
ここでのポイントは、受注した案件だけのデータを見ることです。
「潜在顧客が自社サービスに興味持つまでの期間」であれば、見込み客からもデータは取れますが、それ以外は受注した案件に絞ってください。
関連記事:データ分析とは?目的やメリット・仮説思考を用いた分析手法を紹介
売上予測の立て方
売上予測の立て方には、「売上履歴から計算して売上予測を作る方法」と「営業ファネルから計算して売上予測を作る方法」の主に2種類があります。
まずは、売上履歴から計算する方法について見ていきましょう。
売上履歴から売上予測を立てる方法
前年同月比、つまり、一年前の売上履歴から売上予測を立てる方法です。
計算式はいたってシンプルです。
去年のデータ(一年前の売上利益)✕成長率(年間平均成長率)
例えば、二年前の新規売上は870,000円、一年前は1,000,000円だとすると、新規売上の成長率は15%となるので、新規売上の予測を立てると以下のように計算できます。
今年の新規売上予測:1,000,000円✕1.15(15%アップ)= 1,150,000円
そのほか、解約する金額を差し引いたり、更新する契約を加えたり、季節要因を加味することで、全体の売上を正確に予測できます。
たとえば、当月に契約を更新する案件の合計金額は100万円で、そのうち解約率が5%だとすると以下のように計算できます。
解約で失う金額:1,000,000円✕0.05(5%)= 50,000円
更新契約の合計金額:1,000,000円−50,000円= 950,000円
さらに、新規契約と更新契約の売上を合わせて計算すると、以下の通りとなります。
関連記事:【初心者向け】売上分析とは?7つのフレームワーク・手法を解説
営業パイプラインから売上予測を立てる方法
営業(セールス)ファネルとは、潜在顧客が見込み客、顧客へと絞り込まれる様子を漏斗に例えたもので、営業フェーズごとの進捗率の把握や、相手の状態に合わせたアプローチを管理する為に使われます。
つまり、営業ファネルから予測をする際には、「サービスサイトを閲覧しているような潜在顧客層」から「問い合わせをした見込み顧客」、「受注した顧客」の順番に計算することになります。
たとえば、「現在はこれくらいのWEBセッションがあって、これくらいの獲得リード率だから、これくらいのアポ獲得率で、そうなるとデモ実施数はこのくらいになる・・・」のように辿り、最終的には、予測受注金額を算出します。
※具体例は下記の表を参照(獲得率、実施率などは、年間平均を元に算出)
なお、営業ファネルを逆算すると、「今期の目標が1億円の売上だとしたら、目標を達成するためには何件の契約が必要か、何件をクロージングしなといけないか、WEBセッションは何件必要か」などのように、簡単に行動ベースの目標(KPI)を設定することができます。
ただし、ここでの目的はあくまでも「売上予測」ですので、結果から逆算する必要はありません。
売上予測レポートを作る2つの方法を説明してきましたが、実際の運用に当たっては、どちらか一方ではなく2つを組み合わせるのがベストです。
さらに、「決まった期間内」に「決まった担当」が「どれだけの進捗率があったか」の点までデータを入力、分析できれば、より正確な売上予測レポートを作ることが可能になります。
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売上予測レポート作成に役立つSFA
売上予測を立てるにはさまざまなツールがありますが、SFAの活用がおすすめです。
ここでは、SFAの概要とSFAを活用するメリットについて解説します。
SFAとは
SFA(Sales Force Automation)とは、「営業支援システム」とも呼ばれ、営業活動を効率化・最適化するためのツールです。
SFAは、顧客情報の管理・営業プロセスの自動化・営業活動の分析など、さまざまな機能があり、ほとんどのツールに売上予測の機能も搭載されています。
SFAでは多くのデータを扱えるため、長年の売上データを蓄積して、売上予測の精度を上げられます。
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SFAを売上予測に活用するメリット
では、SFAを活用することで、売上予測を行う際にどのようなメリットがあるのでしょうか。
Excelより簡単且つ高精度な予測が可能
Excelには売上予測のテンプレートが用意されていますが、コストを抑えたい場合に便利な一方で、データ入力や関数の入力などは手動で行わなければならず、扱うデータ量が多くなるほど作業者の負担が大きくなります。
予測値の算出にも時間がかかり、人為的なミスによる精度低下のリスクもあります。
保存できるデータ量に制限があるExcelとは異なり、SFAでは大容量のデータを扱うことができます。SFAでは必要なデータを一度取り込めば、自動的に集計されるため、売上予測を簡単に行えます。
▶▶営業における “Excel問題”とは?企業がExcelからSFAに切り替えるべきタイミングやポイントを解説します
リアルタイム分析が可能
SFAは商談や取引が行われた際に、即座にシステム上に反映させることができるため、常に最新のデータが利用可能です。
分析機能においては、過去のデータに加え、リアルタイムのデータも含め、傾向分析や予測モデルの構築など予測の精度を向上させられます。
また、SFAには基本的な統計分析機能を備えている場合もあり、専門知識を要するデータの分析を支援してくれるのも魅力です。
情報の一元管理が可能
SFAでは営業活動に必要な全てのデータを一元的に管理できます。 入力担当者やタイミングが異なる場合でも、データをひとつのシステム上に集約することで、分散や矛盾の発生を防げます。
さらに、データが一ヵ所に統合されているため、リアルタイムでデータを更新できます。
売上予測に最適なSFA「Mazrica Sales」
多くのSFAには、売上予測のレポーティング機能が搭載されています。 レポート機能がついていれば、ゼロから新しく作る必要はありません。必要なデータを取り込みさえすれば、自動で集計し、売上予測レポートを作ることができます。
弊社が運用するSFA/CRM「Mazrica Sales」にはAIが搭載されており、AIによる売上予測を行うことが可能です。
過去のデータに裏付けられた、AIによる正確な売上予測を反映した売上予測レポートを見ることで、失注リスクを回避し着実な売上アップが目指せるでしょう。
さらに、Mazrica Salesでは、売上予測レポートだけでなく営業ファネルの分析レポートも自動的に作成できます。
営業ファネルレポートでは、営業のフェーズ毎の歩留まりや受注率を分析することが可能です。 Mazrica Salesのもう一つの特徴として、「入力負荷の低さ」も売上予測に役立ちます。 先述の通り、予測の元となるデータの精度が低ければ、予測自体も価値を持ちません。
入力負荷が重く、現場の営業パーソンが継続的にデータ入力を行ってくれなければ、本末転倒です。 そのため、現場の定着しやすさでSFAを選ぶことも重要です。
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さいごに|Mazrica Sales(マツリカセールス)を使って売上予測の精度を高める
売上予測は会社の経営判断に欠かせない、重要な指標です。データを経営に活かすには正確な予測が必要になり、そのためにはたくさんのデータを集めなくてはなりません。
Excelでも売上予測を立てられますが、データ量が増えるにつれ、入力や管理、分析も煩雑になります。できれば一度、SFAの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
SFA/CRMツールのMazrica Salesなら、AIを活用した売上予測レポートを自動で作成できます。
また、同社のBIツールMazrica BIをあわせて活用すれば、Mazrica Sales内だけでなくExcelをなど社内に分散したデータをし、高度なデータ分析による売上予測を立てることが可能になります。
売上予測の精度を高め、同時に営業業務を効率化させたいと考えている方は、ぜひSFA/CRMツール「Mazrica Sales」の導入を検討してみてください。
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