「いざ営業の現場に出ても、何から説明するべきかわからない。」
「競合との差別化が曖昧なため、自社の方が良いと自信を持てない」
「顧客からの質問にとっさに対応できない」
というような悩みを抱えている営業担当者の方はいませんか?
そんな時は、「セールスバトルカード」を活用しましょう。
営業のカンニングペーパーとも呼ばれるセールスバトルカードですが、必要な情報をわかりやすくまとめておくことで、営業担当者にとって非常に強力な武器となります。
この記事では、セールスバトルカードの定義や効果、種類、そしてセールスバトルカードを作る際のポイント、実際の作り方を説明していきます!
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セールスバトルカードとは?
セールスバトルカードとは、自社の営業チームが競合相手に打ち勝ち、顧客との商談において成功を収めるための武器となる情報資産のことです。
セールスバトルカードには、自社/競合他社の会社情報や商品・サービスの概要、市場や顧客に関する情報が含まれます。
つまり、セールスバトルカードとは営業担当者にとって、営業活動に必要な情報を得る為の情報をまとめたものと言えるでしょう。
また、見込み顧客が抱くであろう疑問や質問、ニーズ等についてまとめておくことで、説得力の高い商談を行うためのカンニングペーパーになり得るのです。
カードの質が高いほど受注率が上がると言えるため、カードを正しく作成し、使うことが重要です。
関連記事:営業準備・商談の事前準備で使える4つの営業フレームワークとは?
他の営業コンテンツとセールスバトルカードの違い
セールスバトルカードは、他の営業コンテンツ、例えばeブックやホワイトペーパーなどとは異なります。
eブックやホワイトペーパーは、ユーザーにとって役に立つ情報がPDFなどにまとめられた資料のことです。
ユーザーが読むことを目的として作られており、ユーザーがウェブサイトなどから氏名やメールアドレスなどを入力してダウンロードする形式が一般的です。
一方、セールスバトルカードは営業担当者が読むことを目的として作られており、簡潔でわかりやすく、参照しやすいことが求められます。
また、セールスバトルカードでは自社の内容以外にも競合他社の情報をまとめることが特徴的です。
関連記事:ホワイトペーパーの作り方を7ステップで解説!成果が上がるコツも紹介
セールスバトルカードの効果
では、どうしてセールスバトルカードを活用する必要があるのでしょうか。
セールスバトルカードの効果には、主に以下の2つが挙げられます。
競合の状況を知り、一歩先を行くことができる
セールスバトルカードを作成し、活用することで、競合他社の商品の概要やセールスポイントの詳細を把握することができます。
同時に、市場における自社の立ち位置や価値が明確になります。
これによって、売れるための差別化や、短所の克服、長所の強化が可能になり、競合よりも一歩先を行く戦略を策定することができるのです。
見込み顧客に効果的な売り込みができる
セールスバトルカードでは、顧客によく聞かれる質問と、それに対する最適な回答を書き出すことができます。
例えば、「自社の製品やサービスは他社とどこが違うのか」「自社が提供できる最良の価値は何か」「なぜ自社を選ぶべきなのか」といった日常的に直面しそうな質問に対しても、担当者や顧客ごとにぶれることなく一貫したブランドメッセージを提供することができます。
これにより、円滑な商談運びが可能となる上、顧客満足度を向上させ、効果的な売り込みを行うことが可能です。
なお、円滑な商談運びのためには、トークの台本である「トークスクリプト」を用意しておくことも有効です。
トークスクリプトの作り方については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:トークスクリプトとは?営業力が上がる作り方のポイントと例文を紹介
セールスバトルカードの例・種類
前述したように、セールスバトルカードには自社、競合、市場、顧客の様々な情報を含んでいます。
そんなバトルカードには、以下のような種類があります。
競合他社バトルカード(Competitor Battle Cards)
競合他社に関する情報に特化したバトルカードです。
競合他社バトルカードによって、営業チームはライバルに関する有益な情報を収集し、それに応じた戦略を策定することができます。
顧客から「自社製品は他社よりどのように優れているのか」というような質問を受けた場合にはこのカードを参照しましょう。
製品バトルカード(Product Battle Cards)
製品バトルカードには、営業担当者が販売する製品に関するデータがまとめられています。
このカードは、営業担当者が自社製品に関する理解を深め、営業活動に活用できるよう、教育的なリソースとして設計されています。
数量データを含め簡潔にまとめるために、インフォグラフィックにデザインされることが多いようです。
質問型バトルカード(Question-based Battle Cards)
見込み顧客が抱くと想定される、製品についての質問をまとめたカードです。
営業担当者は、このカードを用いることで、顧客からの問い合わせに即座に対応することができます。
このカードは、他のカードに比べて小さなサイズで作成することができます。
包括的バトルカード(Comprehensive Battle Cards)
包括的なバトルカードは、営業活動に関する詳細な情報を含むカードです。
このカードがあれば、営業チームはマーケティング部門や製品部門など他部門まで情報を探しに行かなくて済みます。
自社の製品の特徴だけでなく、他の競合企業の製品の詳細、使用例、通説なども記載されています。
ユースケース・バトルカード(Use Case-based Battle Cards)
ある特定のシナリオ(ユースケース)に基づいて、自社製品が顧客ニーズにどのように適合するかを簡単にまとめたカードです。
このバトルカードは、購入者のために様々なユースケースを図式化したり、比較したりする際にも役立てることができます。
パートナーシップ・バトルカード(Partnership Battle Cards)
パートナーシップバトルカードは、組織関係情報を重視したバトルカードです。
このカードには、組織ごとの主な差別化要因、課題、および限定的な質問に関する情報が記載されています。
バリュープロポジション・バトルカード(Value Proposition-based Battle Cards)
このカードは、顧客が製品を使用することによってどのような利益を得ることができるのかについての情報を提供するものです。
ターゲットとなる顧客が誰なのか、そしてその顧客に対して自社のソリューションがどのような価値を提供するのか、について具体的に説明する必要があります。
関連記事:バリュープロポジションとは?6つの成功例と書き方紹介
セールスバトルカードを作成するポイント
セールスバトルカードの具体的な作り方を説明する前に、まずは気を付けておくべきポイントをご紹介します。
必要な情報を簡潔にまとめる
セールスバトルカードには様々な情報を記載することになりますが、必要な情報を簡潔にまとめるようにしましょう。
バトルカードは、営業担当者が実際に顧客と対話をする際に、素早く情報を確認するために活用されます。詳細すぎる情報や、冗長な内容では営業担当者の役には立ちません。
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他のチーム・人を巻き込む
バトルカードは、営業チームが単独で作成できるものではありません。
作成したバトルカードにフィードバックを与え、貢献してくれるステークホルダーを特定しましょう。
例えば、生産チームの製品に対する深い洞察、カスタマーサクセスチームの顧客ニーズについての理解、マーケティングチームの競合他社や市場に関する情報力などが活用できるはずです。
最新情報を用いる
バトルカードは、常に市場の変化と同期している必要があります。情報の更新が遅れて競合について間違ったことを言ってしまったら、顧客との信頼関係も崩れかねません。
市場や競合の情報を常に把握し、バトルカードをリアルタイムで更新するようにしましょう。
営業担当者が使いやすいよう設計する
バトルカードはただ情報を箇条書きにしただけのリストではありません。営業担当者が見込み顧客との会話で使えるような、実用的な書き方を意識しましょう。
すぐわかる場所に保存する
バトルカードをせっかく作っても資料の山に埋もれさせてしまってはいけません。
営業担当者がすぐに手に取って確認できるよう、CRMやGoogleドライブなど、アクセスしやすい場所に一元的に保存しましょう。
セールスバトルカードの作り方
ここからは、セールスバトルカードの作り方と、盛り込むべき情報をご紹介していきます。
セールスバトルカードのテンプレートを利用する
バトルカードを制作する際に、テンプレートを利用するという手段があります。
実際に、「battlecard template」と検索すると、様々なテンプレートの例が出てきます。
参照:What Are Sales Battlecards & How Do You Use Them [+Template]
テンプレートを活用するのは非常に簡単ですが、枠を埋めるだけという作業になってしまう恐れがあり、営業の現場において武器とはなり得ません。
テンプレ―トはあくまで例であり、自社にとって最適なバトルカードには、営業チームが見込み客を顧客に変えるために必要な「最小限のコンテンツ」が見やすくまとめられるべきです。
そのため、まずは、バトルカードに必要な情報がどのようなものかを理解する必要があります。
盛り込みたいトピックをリストアップする
セールスバトルカードに盛り込みたいトピックをリストアップしましょう。
例としては、以下のような情報が挙げられます。
- 価格
- 消費者にとっての価値/ROI
- 商品の特徴
- サポート内容
- カスタマイズ性
見込み客が知っておくべき、製品に関する最重要な事項をまとめます。
マーケティングチームや製品チーム、営業チームそれぞれが重要視する事項は違うはずですので、必ず全ての視点が反映されるようにしましょう。
詳細すぎず、されど製品の魅力がすべて伝わるように、自社が強調したい製品の特徴をまとめてみましょう。
顧客にアピールする際にも役立ちますし、競合との分析を行う際にも役立ちます。
競合のリサーチを行う
競合相手を決定できたら、いよいよリサーチに入ります。まず初めに、競合相手の会社概要をまとめておきましょう。
最低限として以下の情報を集めましょう。
【最低限まとめるべき情報】
- 会社名
- ウェブサイト
- 所在地
- 従業員数
続いて、以下のような手段でリサーチを行っていきます。
【競合相手をリサーチできる手段】
- 競合のウェブサイト
- オンラインレビューサイト
- ニュースやソーシャル・メディア
- 顧客アンケート
- 社内の他部門からの情報
リサーチにはフレームワークを用いることで、多面的かつ詳しい競合分析が可能になります。
【競合のリサーチにおすすめのフレームワーク】
- 3C分析(Customer:顧客・市場、Competitor:競合、Company:自社)
- 4P分析(Product:商材、Price:価格、Place:販売場所/提供方法、Promotion:販促活動)
- SWOT分析(Strength:強み、Weakness:弱み、Opportunity:機会、Threat:脅威)
フレームワークの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
関連記事:マーケティングの成果を上げるデータ分析手法9選
上記の手段を通じて、更に以下のような情報を収集していきます。
【競合他社の戦略を理解するのに必要な情報】
- ターゲット顧客
- ターゲット市場・業種
- 地理的な到達点
- 雇用・採用傾向
- P-VAR(Position:立場、Value:価値観、Activity:活動、Resorce:資源)
競合他社がターゲットとする顧客や市場、業界、地域を明らかにし、自社と被る度合いが高いごとにまとめていきます
競合がどの部門やポジションの採用活動を行っているかを把握することで、競合がどこに重要な投資を行っているかを理解することができます。
それぞれの情報から自社と競合とを比較することで、競合の製品のどこに抜け穴があるのか、それを反面に、自社製品がより優れたソリューションであることをどのように売り込むことができるかを分析することができるのです。
この分析結果を、営業担当者が一目見てわかりやすいようにカードに一覧化します。。
関連記事:SWOT分析とは?事例や分析手法をわかりやすく解説
よくある質問や反対意見に対する回答を用意する
セールスバトルカードを作成する際に最も重要なセクションです。
商談フェーズで積極的に反対意見に対処することで、購入してもらえる可能性が高まります。
実際の数字や統計を用いて、自社商品によって「どれだけの時間を節約できるの?」「どのくらい収益が増加するの?」「経費をいくら削減できるの?」などとという質問に具体的な回答を用意しましょう。
また、この時以下のことを確認しておいてください。
- 顧客が競合製品を選ぶ可能性があるか、またその理由
- 顧客が購入に踏み切れない障害はあるか、またその対処法
- 自社製品に対するネガティブな印象とその対処法
良いところにばかり目を向けた商品紹介よりも、ウィークポイントに対する解決策まで提示できる紹介の方が、より説得力のあるものになります。
バトルカードの効果測定を行う
バトルカードの閲覧数(総数と個人別の両方)を測定し、営業担当者がどれくらいの頻度でバトルカードを利用しているかを確認します。
閲覧数と受注率などの成果とを照らし合わせ、バトルカードが効果的かを判断することができます。
効果測定を行う期間は、半月ごとや一か月ごとなど、予め決めておくとよいでしょう。
定期的に情報を更新する
先述したように、カードの情報は常に新しいものである必要があります。
効果測定のタイミングに合わせ、また、常にニュースなどに目を光らせながら、逐一情報を更新させていきましょう。
終わりに
セールスバトルカードの概要について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
競合他社に打ち勝ち、案件をより多く獲得していくにはセールスバトルカードが不可欠です。
営業チームを中心に、他部門の力もあわせてセールスバトルカードを作成し、営業の成果アップを目指しましょう。

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