日々、多くの物件の賃貸・売買の情報を管理している不動産業界。現在不動産業界では、オリンピック、インバウンド増加の影響で、都心の地価が高騰している一方で、供給過剰により、空き家率は年々上昇し、20年には15%に達すると見込まれています。
(出典:株式会社野村総合研究所)
その中で、不動産営業には、膨大な数の顧客情報や物件情報を扱うシステム運用をすることが求められています。
そんな市場の変化に対応するように、不動産業界でも、徐々にCRMシステムやSFAシステムを導入する企業が増えており、営業活動の効率化・最適化のため社内体制を整えています。
今回は、不動産営業でツールを使うことのメリットや活用事例をご紹介します!
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この記事の内容
不動産業界が顧客管理において抱える課題とは
今まで、不動産会社は顧客管理において自社でシステムを構築し、運用してきた会社が多く存在していました。
しかし昨今、情報システムの運用や情報管理について警鐘が鳴らされています。
不動産業界で指摘されている課題としては、主に下記のポイントがあります。
【課題1 業務の効率化・自動化ができていない】
不動産業界は、古くからの慣習やプロセスを重んじる傾向があると言われています。
例えば、スタッフの手作業による業務運用などです。物件の登録のために、多くのスタッフを雇用しているという企業も少なくありません。
古くからの慣習を重んじる不動産業界では、非効率な業務プロセスの抜本的な見直しがされずに効率化・自動化できる業務もそのままになっているというのが実情です。
しかし、昨今の働き方改革や購買プロセスの変化によって、より効率的で最適化された業務を行う必要が出てきているのです。
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【課題2 購買行動の変化への対応ができていない】
インターネットの普及により、顧客は店舗へ行かなくてもSUUMOやアットホームなどのポータルサイトで物件の情報を手軽に得ることができるようになってきました。
また、物件の耐用年数が延びていることで、賃貸物件として活躍する家が多くなり、以前よりも多くの物件から選ぶことができるようにもなっています。
このように、選択肢が多様化したことで、顧客の物件に対する条件やニーズがよりシビアになってきており、不動産営業には顧客対応力の強化が求められるようになりました。
そこで今こそ、昔ながらの習慣から脱却し、新しい営業スタイルやマーケティング手法を導入しなければいけなくなっているのです。
【課題3 既存システムが老朽化してしまっている】
不動産業界では、基幹システムやメインフレームが老朽化しており、業務の非効率化を招くばかりでなく、情報セキュリティも脆弱であるため、抜本的な改革が必要となってきています。
また、モバイルデバイスの普及により、顧客はより手軽に物件情報を手に入れられるようになり、モバイルデバイスへの対応も求められています。
【課題4 情報の共有と活用】
全国的に店舗・支店を展開している企業が多い不動産業界では、他の業界以上に社内の情報共有が必要です。
しかし、部署や店舗ごとに別々のシステムで運用していたり、重複した業務を行っていたりして、効率的に情報共有をし、企業全体で生産性を上げることが求められています。
また、顧客の動向や物件の正しい情報をつかみ、経営方針や営業活動に活用する体制作りも必要とされてきています。
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顧客管理(CRM)システム・営業支援ツール(SFA)を導入すべき理由
先述したように、古くからの慣習を重んじる不動産業界では、営業スタイルも属人的になっている場合が多く、顧客とのやり取りは担当者しか把握していないというケースが多々あります。
これでは、担当者が不在の時や、異動・退職などの時には、顧客は同じ説明を何度もしなければいけなくなり、結果として顧客満足度を下げてしまう事態になりかねません。
また、情報を手軽に入手できることと、物件の耐用年数が長くなっていることで、競争率が高まっている不動産業界では、顧客を囲い込んで将来に渡って継続的に利用してもらう必要が出てきました。
そのためには、顧客の行動履歴や購買履歴などを蓄積・分析することが求められます。
このような背景に伴って、ただ単に宣伝するだけでなく、顧客との関係を構築して営業活動を最適化することが大事になり、そのためには不動産業界でのCRMシステム活用が欠かせなくなっているのです。
関連記事:CRMとは?意味や機能・おすすめの顧客管理ツールをわかりやすく解説
以下に顧客管理システムを導入すべき理由をまとめました。
【理由1 顧客流入経路の多角化とその分析】
今までの顧客流入経路はマス広告や折込チラシなどが中心であったが、インターネットが普及した現在、SUUMOやat homeなどのポータルサイトや不動産情報を掲載した自社メディアの比率が高まってきています。
そして、その流入経路をCRMの分析レポートを使って見直すことが顧客増加につながると考えられます。顧客が自社を選ぶきっかけとなったのはモデルルーム来場なのか、折込チラシなのか、それも自社サイト、ポータブルサイトからなのか。
これらの情報を分析することで、「この物件情報の掲載の仕方は客受けがよかった」とか、「最近はネットからの顧客が多いので、ネットに掲載する物件数を増やそう!」とか、「このエリアは一人暮らしのサラリーマンが多いので通勤に便利な駅近物件をまとめてみよう」など、自社の強みや弱みを知り、改善することにつながります。
【理由2 客の購買行動の変化】
インターネットの普及で情報収集時間が容易になった結果、不動産物件検討者に共通して「検索してから購入を決定するまでの時間が非常に長い」という特徴がみられるようになりました。
これは、今まで不動産会社が独占していた物件の情報がネット上にオープンになり、顧客が、よりコストパフォーマンスが高い物件を求めて、条件や価格の比較を頻繁に行っているためです。
また、不動産”賃貸”契約者は、賃貸物件情報へのアクセスが簡単になったことで、「引っ越しのハードルが下がる」という変化がみられるようになりました。
年々、賃貸利用者が住み替えを検討し始める期間は短くなり、現在は約半数が1年未満で住み替えを検討しているそうです。
これらの情報が示すのは、不動産業界における「顧客管理」の重要性が益々高まっている ということです。
なぜならば、検討期間が長くなった顧客に対しては、要望を丁寧にヒアリングし、社内で共有する、まめに連絡を取り、契約までもっていくという丁寧なプロセスが求められるからです。
また、新たな物件へ目移りしがちな賃貸契約者に対しては、丁寧なヒアリングに基づき、その個人に「刺さる物件」を提案することが大事になっています。
また、物件に満足することができず、引っ越しが決まってしまった場合でも、物件のどこに不満だったのかを調査し、CRMで管理、共有することが、次の引っ越しでの適切な提案や、物件自体の改善につながっていきます。
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営業支援ツールSensesを活用した顧客管理の例
営業支援ツール(SFA)として各業界の営業活動を支えている「Senses」は、もちろん不動産業界の企業からも支持されているツールです。
具体的にSensesを活用してどのように顧客管理をしているのかを紹介します。
取引先管理
顧客に関する情報は、会社の財産ともなります。そんな顧客情報は、CRMやSFAなどのツールで一元管理しましょう。
営業支援ツールであるSensesは、取引先に紐づいて管理できる仕組みになっています。
ここで注目すべきなのが、Sensesにしかない機能である、約40万社以上のデータベースを所有しているというポイント。
取引先名(企業名)を入力するだけで、コーポレートサイトのURLや設立年、従業員数などの企業に関する情報が自動で入力されます。これによって、取引先情報の入力負荷がぐっと軽減されますね。
また、企業概要だけでなく、プレスリリースや財務状況などの企業情報も自動で収集されるため、訪問前などに情報収集をする時間を減らすことができます。
商談管理
どの取引先と、どんな内容の商談をして、どんなことが決まったかは、営業担当者のみが知っていればいいというものではありません。
あらゆる情報を社内で活用していくためには、顧客との商談内容の情報は非常に大事な要素となるので、商談(案件)も一元管理することが重要です。
登録された商談(案件)はボードでカード形式にて表示されるので、誰が見ても分かりやすいのも特徴。契約金額や契約予定日も入力できるため、営業計画も立てやすいですね。
また、ドラッグ&ドロップでカードを移動できるという操作性は使いやすいため、20代~50代まで幅広い年齢層がいる不動産営業でも、営業現場で使いやすい仕様となっています。
更に、Sensesでは「おすすめアクション」機能も搭載。過去の類似案件の中から、効果のあったアクションをAIがおすすめしてくれる機能で、提案書やメールの作成に役立てることができます。
レポート機能
Sensesには、分析のためのレポート機能も備わっています。
今まではExcelなどで数値を入力して計算式を入れたりグラフ化したりしてレポートにしていたかと思いますが、レポート機能を使うことでその手間もなくなり、その分の時間を分析や検証に使うことができるようになります。
Sensesのレポート機能は、以下の4機能です。
- 売上予測レポート
営業活動の各フェーズや確度ごとに、月末や期末の売上予測をグラフ化することができます。今までの売上実績と将来の売上を掛け合わせることで、「目標」ではなく、より現実的な「予測」を立てることができます。 - 売上実績レポート
週次、月次、四半期などの設定期間内に確定した売上を、チャネル(折込チラシ、ポータルサイト、自社サイトなど)や商品、取引先ごとにセグメントしてレポートにすることができます。売上実績を把握することで、勝ちパターンを見つけることができるようになります。 - ファネル分析レポート
営業担当者ごと/商品ごと/チャネルごとに、案件の進捗状況をパーセンテージ化したレポートを作成できます。各担当者の弱みや改善点などを可視化することで、社内の営業活動を最適化し、受注率のアップに繋げます。 - アクション分析レポート
アプローチ/ヒアリング/プレゼン/クロージングなどのアクション(行動)を集計します。これにより、各担当者の状況を比較し、営業活動の最適化に役立てることができます。
上記で説明したもの以外で、Sensesが現場にてどのように活用できるのか、また具体的にどのような課題を解決することができるのかを以下の資料にて詳しく説明します。
終わりに
顧客動向の変化や、競争の激化により、今こそ「業務の効率化」「営業活動の最適化」が求められている不動産業界。
マンパワーに頼るだけでなく、ツールをうまく活用しながら、人間にしかできない業務に比重を置いていくことが必要となってきています。
SFAツールやCRMツールを活用することで、今までの業務を大幅に効率化することができるようになり、更には顧客満足度も向上させることができるでしょう。
今回の記事内で紹介したSensesについては、下記の記事で詳しくご紹介しているので併せて読んでみてくださいね。

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