Senses Lab. トップ その他仕事に関するTips バイヤーイネーブルメント(Buyer Enablement)とは?BtoB営業最新トレンドを徹底解説!

あなたは、何か商品を購入する時、直感ですぐに購入しますか?

商品の金額が高くなればなるほど、購入する前に慎重に調査して情報を得てから購入を決めるという方が多数なのではないでしょうか。インターネットでさまざまな情報が手に入る現代だからこそ、営業組織も変革が必要となってきています。

今回は、そんな現代で重要視されてきている「バイヤーイネーブルメント」について解説します! 

海外の営業トレンド

バイヤーイネーブルメントインターネットが普及した環境で育ちデジタルスキルの高いミレニアル世代(1980年代~1995年頃までに誕生した人たち)が、現代の企業において決裁権を持つ層となっています。Google社の調査では、B2Bでは半数以上の顧客がミレニアル世代だということも判明しているほど。デジタルに慣れ親しんでいるミレニアル世代は、購入したい商品があれば情報や口コミなどをインターネットを駆使して入手し、営業担当者がいなくても自分で商品知識を高めてから比較検討をすることができます。また、それ以上にデジタルスキルの高いジェネレーションZ1996年頃~2012年頃までに誕生した人たち)が大きな購買力を発揮するようになっており、2020年までには最大の消費者になるという統計調査も出ています。ジェネレーションZの特徴は、インターネットを使って商品のリサーチに時間を費やし、ECサイトや口コミサイト、実店舗などのチャネルをまたいで購買活動を行うという点。

このような背景を受けて、現在の海外の営業はマーケティング部門との連携を取らざるをえなくなり、対面での商談や電話対応だけでなく、オンラインでの営業も営業施策の一環として行う必要が出てきました。また、顧客一人ひとりにカスタマイズした案内メールを送ったり、顧客がよく閲覧する際とで有益な情報を流したりする、パーソナルアプローチを実施して顧客個人と信頼関係を構築する流れも重要視されています。更に、顧客個人ではなく、アカウント(企業や団体)に焦点を当てて、そのアカウント内の意思決定者を特定し、そのターゲットに向けた有益なコンテンツを提供するというアカウントベースドセールスも注目を浴びています。アカウントを特定したら、あとはWEBの行動履歴などからパーソナライズして情報を提供することで、信頼関係を築けます。

ここでも、営業とマーケティング部門の連携は欠かせないもので、有益なコンテンツの提供や意思決定者へのアプローチなどを連携して進めることが必要となっているのです。

バイヤーイネーブルメント(Buyer Enablement)とは?

バイヤーイネーブルメント(Buyer Enablement)という単語が初めて世に出たのは、アメリカの調査会社Gartner社の2018年10月レポートです。また、ビジネスSNSLinkedin社が20192月に発表したレポートでも、詳しく語られています。

Linkedin社のレポートによると、「バイヤーイネーブルメントとは、購買担当者が良い意思決定ができるように支援することである」といった内容だとあります。ITリテラシーの高いミレニアル世代が購買活動のメイン層となった現代で、営業担当者の営業トークや提案などは相対的な重要度が低下してきました。そこで営業担当者からのプレッシャーや提案だけではなく、購買担当者自身がネット上の情報を活用して購買活動を前に進められる仕組みを作ろうという動きが出てきました。それがバイヤーイネーブルメントです。

つまりバイヤーイネーブルメントは、「インターネットを駆使して購買活動を進めていく(自走していく)購買担当者に、役立つ情報を提供して結果的に自社の商品を選んでもらおう」という考え方なのです。

Gartner社は具体的には下記のようなコンテンツや情報を提供することだとしています。

・分析機能…顧客にデータ分析機能を提供する

・助言機能…それぞれの購買活動に対して顧客をコーチングする

・診断機能…現状のパフォーマンスを評価、または顧客に必要なオプションを特定する

・比較機能…顧客には入手困難な情報を使って他社と比較する

・共有機能…顧客社内のステークホルダーと共有できる土台を提供する

・実験機能…解決策が顧客の環境でどのように機能するかを模擬実験する。導入事例など

・案内機能…顧客の入力内容に応じた具体的な購買タスクの選択肢を提供する

バイヤーイネーブルメントSFAツールSensesを用いた「比較機能」の例→他社競合ツールの特徴をチャートに落とし込んでいる)

 

バイヤーイネーブルメント

(「実験機能」についての例→ケーススタディ/導入事例)

導入事例の記事はこちら

購買活動における「WEBを使った調査」が大きな割合を占めている今、そんな自走する顧客にとってバイヤーイネーブルメントは必要とされていくでしょう。

セールスイネーブルメントとの違いは?

Linkedin社のレポートでは「バイヤーイネーブルメントとセールスイネーブルメントどちらも重要で、現在の営業において核になる」という記載があります。

以前も「セールスイネーブルメント」を紹介しましたが、ここでちょっとだけセールスイネーブルメントをおさらいしてみましょう。

セールスイネーブルメント(Sales Enablement)とは、営業活動における各種施策(研修・コーチング・営業方針決定・営業プロセス構築・営業管理システムの設計など)を一貫して設計し、それぞれの施策がどれだけの成果に繋がっているのかを数値化することです。その数値を分析して次の施策を検討し、効率的に営業施策の有効性を高める手段です。

詳しくはこちらの記事を参照してみてくださいね。

URLhttps://product-senses.mazrica.com/senseslab/business-efficiency/sales-enablement

つまり、セールスイネーブルメントとはデータを基に営業施策を検討し、営業力の強化・改善を実行して営業担当者から顧客へ提供し、顧客の購買活動を進めるもの。

それに対してバイヤーイネーブルメントは、営業施策の中身をコンテンツとして公開して提供し、顧客自身が自由にそれを使って購買活動を進めるものです。

海外調査レポートから見る購買活動の変化とバイヤーイネーブルメント

調査会社であるForrester社が発表した「購買行動のシフトチェンジ」の調査によると、

68%のB2B購買担当者が、自分一人でオンラインで情報収集することを望んでいる(2015年から15%増加)

67%のB2B購買担当者が、第一の情報源として営業担当者とのコミュニケーションを選ばない

というデータが出ています。

バイヤーイネーブルメント

つまり、大部分の購買担当者がオンラインの情報をもとに独自に情報収集を行い購買活動を進めることを望んでおり、さらなる情報を得る手段として営業と接触するのです。。逆に言えば、オンラインでの情報探索の段階で購入候補として社名があがらなければ、その後営業を行うことすらできないということです。そのため、自社にとっても顧客にとっても有益な情報を公開し、検索してもらうということがとても大切になってきます。

また、Gartner社の調査によると

77%のB2B購買担当者が「直近の購買活動が複雑/困難だった」と回答している

※購買チームで購買タスクがやり直し/再検討となる割合

・課題の特定…76

・解決策の探索…79%

・要求仕様の具体化…80%

・サプライヤーの選定…79%

 

となっており、オンラインで購買活動を進めることを望んでいても、それを助けるようなコンテンツが不足していることがわかります。つまり、企業が出すコンテンツと顧客が有益だと感じるコンテンツの間には乖離があるようです。

更にGartner社のデータによれば

「サプライヤーから提供された情報が購買活動を進めるうえで役に立ったと感じた顧客では、購買が容易になったと感じる割合が2.8倍となり、後悔することなく大型の取引を実現できる割合が3.0倍になる。」

となっており、購買活動を後押ししてあげられるコンテンツや情報があれば、顧客の満足度も高いということが分かっています。満足度の高い顧客は、その後の信頼関係構築も容易であり、ロイヤリティーが高まることで離脱率が下がったり、自社製品の宣伝をしてくれたりという効果も狙えます。

 

購買プロセスを意識したWebコンテンツとは

Demand Gen Report社が発表したWEBコンテンツについてのレポートで、B2Bの購買担当者のWEBコンテンツに対するニーズが判明しました。

いくつかデータを引用して紹介します。

バイヤーイネーブルメント

※インフォグラフィックス…情報やデータを視覚的に表した図表

 ウェビナー…オンライン上で行うセミナー

■営業担当者にコンタクトをとる前に通常どれだけのコンテンツを利用しますか?

【回答結果】

1323

3541

5724

7以上:12

→購買担当者は営業担当者にコンタクトをとる前に、3以上のコンテンツを利用するため、複数のコンテンツを用意しておく必要があります

→コンテンツ閲覧数が1〜3で閲覧者が離脱してしまう場合はアプローチしても商談まで至らない場合が大半となってしまいます

■どの形式のコンテンツに価値を感じますか?

【回答結果】

・ケーススタディ(導入事例):47

・ウェビナー:39

・第三者/専門家のレポート:35

・ユーザーレビュー:32

・動画:32

・ホワイトペーパー(電子書籍/ebook):31

・ビジネスブログ:24

・インフォグラフィックス:19

→ケーススタディ(事例紹介)が最も価値があると感じているということは、購買担当者は、導入企業の使い方や成果など生の声を知りたいと思っているということがわかります

■購買プロセスの初期/中期/後期の各ステージで最も価値があるコンテンツの形式はどれですか?

【回答結果】

・初期ステージ向きは「インフォグラフィックス」と「まとめ記事」

・中期での価値を高く感じてもらえるのは「動画」と「ウェビナー」

・初期だけでなく中期でも価値を感じてもらえるのは「電子書籍」と「ビジネスブログ」

・初期と中期だけでなく後期でも価値を感じてもらえるのは「ポッドキャスト」と「ホワイトペーパー」

→購買プロセスに合わせたコンテンツをバランスよく用意する必要がある

■同僚/チームメンバーに共有するコンテンツの形式はどれですか?

【回答結果】

・ホワイトペーパー:55

・ウェビナー:50

・ケーススタディ:49

・動画:44

・インフォグラフィクス:44

→情報量の多いコンテンツのほうが共有されやすい

■コンテンツの質を高めるためのアドバイスは?

【回答結果】

・コンテンツの内容を支持する調査データを充実してほしい:66

・営業メッセージを控えめにしてほしい:65

・業界の第一人者/アナリストによる洞察を加えてほしい:60

・入力フォーム欄の削減など、コンテンツを手に入れやすくしてほしい:59

・コンテンツに宣伝を詰め込みすぎないでほしい:51

→コンテンツの中身やクオリティを充実させつつ、営業色を控えめにして、入手しやすいコンテンツを求めている

このようなデータから、購買担当者はさまざまなコンテンツを検討時期や入手したい情報に応じて使い分け、自分の購買活動に役立てていることが分かります。

つまり、企業側もそれに対応するコンテンツを用意する必要があるということ。

営業施策としてコンテンツを充実させる努力がカギとなります。

終わりに

まだまだ提唱されてから日の浅いバイヤーイネーブルメントですが、現代の購買プロセスを考慮すれば早急に実施する必要がありそうです。

今回の記事ではさまざまなデータからバイヤーイネーブルメントについて見てみましたが、やはり現代の購買担当者が求めていることとマッチしていると感じます。

「ブログをやっているから大丈夫」「お客さまの声を掲載しているから充分だろう」と思わず、自社の商品やサービスを購買する顧客の気持ちになって有益なコンテンツを提供していき、競合他社との差別化を図りましょう!

 

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