BtoBビジネスで注目されている「セールスイネーブルメント」という概念をご存知ですか?

「現在の営業力を改善したい」「営業組織を強化したい」「営業施策を継続的に行っていきたい」と考えている企業にとっては、高い効果を得られる期待ができるものです!

今回は、セールスイネーブルメントの概念の説明から、社内でどのように導入すればいいのかを解説します。

セールスイネーブルメントとは?

【徹底解説】セールスイネーブルメント|HR・営業企画との違いとは?|Senses Lab.|top現在、あなたの会社では営業活動に関わるそれぞれの要素を、社内でどのように組み立てていますか?

研修や教育はHR(人事部門)、営業プロセスの管理・解析や営業戦術の決定などは営業部門、ツールの設計や開発はシステム部門など、それぞれの仕組みで部門を分けて取り組んでいる例が多いと思います。

しかし、改めて“営業力の強化や改善”という視点で見たとき、果たしてこの方法でしっかりと結果に繋がっているのでしょうか?

各種施策を分断せずに、一貫して設計・管理することで、高い効果が見込まれると思いませんか?
そこで生まれたのが、「セールスイネーブルメント」(Sales Enablement)という概念。

セールスイネーブルメントは、トレーニング・コーチングや各種ツール、アプローチ方法などの営業施策をトータルで設計し、それぞれの施策がどれだけの成果に繋がっているのかを数値化して、その数値を用いて次の施策を分析し、効率化・最適化を図る方法です。

アメリカを中心とした海外で流行していますが、日本でも株式会社セールスフォース・ドットコムが行っているセールスイネーブルメントの取り組みが注目されています。

今セールスイネーブルメントが必要な理由

セールスイネーブルメントは、海外だけでなく日本でも広がりを見せています。その理由となる三つの視点を紐解いてみましょう。

●営業教育の視点
中小企業庁の調査結果によると、企業が実施している人材育成方法は「従業員間の自主的な取り組み」や「資格取得支援」の割合が高く、従業員任せになっていることがわかります。

これでは、従業員それぞれのモチベーションや確保できる時間に左右され、継続的に行われていく可能性が低くなってしまいます。
また、一般的な日本の企業では、HRが新入社員研修や役職別の研修を提供し、営業部門のOJT研修は営業現場任せ、外部研修はコンサルティング会社というケースが多いです。

つまり、それぞれの営業強化のための教育が分断されてしまっています。会社が発展していくためには新たな人材の採用が必要不可欠ですが、このようなバラバラの教育体制では、個々の営業担当者のスキルアップや売上の強化に繋がりにくくなってしまいます。
そこで、セールスイネーブルメントの考え方を用います。営業担当者としての人材育成を分断せずに包括的に進めることで、営業現場に最適なトレーニングやコンテンツを提供でき、営業力の強化に繋がる教育を継続的に行うことができるのです。

●顧客獲得の視点
現在、優良なMA(マーケティングオートメーション)が多くの企業のマーケティング部門で導入されており、獲得したリードを高い受注確度まで育成してから営業部門に引き継ぐことができるようになりました。

しかし、質の高いリードをどんどん営業部門に提供しても、実際の営業部門で受注に繋げられなければ意味がありません。

現状、海外でも日本でもそのような実態になっている企業が多く、営業力が弱い企業ほど大量のリードを取りこぼしてしまっています。

また、フィールドセールスをメインにしている企業では、せっかくマーケティング部門が商談を発生させても、それを営業部門がさばききれないということも多いようです。

このようなリードを取りこぼしているという状態にテコ入れを行うためには、営業活動の改善が必須であり、そのためには営業組織や営業力をトータルで設計するセールスイネーブルメントの概念が必要となるのです。

●ツールへの投資の視点
現在、CRMやSFAなどを営業現場で取り入れている企業が増えてきています。

営業業務の効率化・最適化に効果的なツールで、実際の営業現場で役に立っているという企業も多いでしょう。

しかし、毎月の利用にはもちろんコストがかかっています。役に立つ反面、そのツールへの投資が営業部門で回収しきれていないという企業や、どの程度の費用対効果になっているのかを把握しきれていないという企業も多いのが現状です。
その改善のために、ツールを用いた営業成果を数値化し、更に他の営業施策も組み合わせた包括的な見直しが必要となるのです。

セールスイネーブルメントを導入するには?

【徹底解説】セールスイネーブルメント|HR・営業企画との違いとは?|Senses Lab.|2

セールスイネーブルメントを社内に導入する際、部門やチームなどの組織として構築します。

営業部門の中に配置するケースが大半ですが、経営戦略部門の下に配置することで営業部門や人事部門からは独立しているケースもあります。
組織体制を作るので、そのメンバー構成が成功のカギを握っていると言っても過言ではありません。

セールスイネーブルメントは営業力強化のためのものなので、営業現場を知っていなくてはなりません。また、先述の通り、人材育成の知見も必要です。
株式会社セールスフォース・ドットコムのセールスイネーブルメント部門では、社内で営業部門を担当したスタッフと、過去に人材コンサルティング会社などに勤務したことのある人材開発経験者を、メンバーに加えているそうです。

どうすれば自社の商材が売れるのかを理解しているメンバーと、教育コンテンツの作成や体系化が得意なメンバーが組み合わさることで、営業現場にとって最適な施策を打ち出すことができます。

セールスイネーブルメントを導入する

【徹底解説】セールスイネーブルメント|HR・営業企画との違いとは?|Senses Lab.|3

実際に社内でセールスイネーブルメントを導入するためには、どのようなポイントに気を付ければいいのでしょうか?

SFAによる営業情報の蓄積

セールスイネーブルメントのポイントは「数値化・計測」という点。

つまり、感覚的な部分ではなく、きちんとデータで裏付けされた情報を基にして、成果を分析していきます。
営業活動を数値化して管理するためには、SFAを用いて情報を蓄積していくことをおすすめします。SFAでは次のような数値情報を蓄積することができます。
・売上実績や予測
・受注率
・営業案件の進捗率
これらの指標は営業活動の成果を定量的に把握することに役立ちます。

また、
・顧客情報
・営業アクションの履歴
・商談履歴
・社内コミュニケーションの履歴
などの情報も一元管理することができるので、具体的な営業施策を打ちだすのに役立ちます。

更に
・トレーニング履歴
・フィールドコーチング履歴
・活用したコンテンツの履歴
なども記録しておくことで、人材開発支援を活用した情報も蓄積することができます。

SFAとは?SFAの機能紹介・導入メリット・選定ポイント

セールスイネーブルメントを運用する

SFAに蓄積された多くの情報で、セールスイネーブルメントがどのくらい営業実績に結び付いたのかを分析することができます。
営業達成度(売上目標・実績、または前年対比など)は、営業施策がどれだけの成果に結びついたのかを具体的に把握する指標となります。

そして、トレーニング履歴やコンテンツの活用履歴は、人材開発施策をどの程度活用されたのかを把握する指標になります。この二つのデータを掛け合わせてプロット図を作ると、どの営業担当者にどのようなトレーニングを施すべきなのかが見えてきます。
この検証・分析を経て、次に提供すべきトレーニングやコンテンツの開発を行い、再度数値を検証することで、体系的・継続的にセールスイネーブルメントを行っていくことができるのです。つまり、セールスイネーブルメントを継続して行い、自社の営業力を更に強化していくためには、PDCAサイクルを回していくことが最も大事です。

今すぐ実践できるPDCAサイクルの効率的な回し方とコツ

終わりに

営業施策をトータルで設計・管理するセールスイネーブルメント。

自社内にセールスイネーブルメント部門という、営業・人材どちらにも特化した部門を配置することで、自社の営業力にテコ入れが期待できますね。
実際にセールスイネーブルメントを導入する場合は、情報の蓄積や数値化を基にした検証が必要となってきます。

SFAなどのツールを活用して、自社内の情報を見える化し、セールスイネーブルメントに活用していきましょう!

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