業績管理とは、売上金額や受注数などの業績を分析し、結果を基に改善策を実行する取組みです。
業績管理ができていないと、現状を把握できずに経営難に陥ったり、リソースが偏ってしまったりする可能性があります。
本記事では業績管理の基本について紹介するので、業績管理について理解し自社の現状を把握しましょう。
業績管理が可能なクラウドツールについて、こちらの資料内で詳しく解説しています。
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この記事の内容
業績管理とは?
業績管理とは、一般的には企業の業績を正確に理解した上で分析し、目標達成度やボトルネックを明確にして対策を講じていく取組みのことを指します。
業績管理は最終的に、企業の業績向上を目的としており、業績管理によって最短ルートで業績を高めることが可能です。
身近な例で言うと、企業の月次決算や週次決算が業績管理と言えます。
月次や週次など短期的に決算を行うことで、年度決算の売上目標への進捗度を把握し、必要に応じて対策を打ち、適正に軌道修正ができるのです。
「業績」と聞くと、前述の通り企業の売上高や利益などをイメージする人も多いかもしれません。
しかし仕事の成果という意味でも「業績」が使われるため、社員一人ひとりにも業績管理が必要です。
業績管理と意味が近い「経営管理」に関する詳細はこちらの記事内で解説しています。
関連記事:経営管理とは?その目的とKPI管理・データ管理の改善方法
業績管理が必要な理由
細かな業績管理をせずに経営をしている企業も少なくありません。
しかしながら適正な業務管理は以下のようなメリットにもつながるため、業務管理は企業において必要であると言えます。
適切なリソース分配のため
業務管理を通じて、リソース分配の最適化が可能になります。
人材、コスト、時間などのリソースは無限ではありません。
そのため、限られたリソースを適切に配分し、効率よく生産性を向上させる必要があります。
ところが、やみくもにリソースを分配してしまったせいで「人材が不足しており生産が追い付かない」「需要が増えているのに機器が足りない。しかし設備投資できる予算もない」といったトラブルにつながってしまう例も珍しくありません。
そこで業務管理をすることで、利益を出している部署やニーズが高まっている商材などを把握できます。
そして、必要なところに人材やコストなどのリソースを適切に分配できるようになるため、生産性向上につながるのです。
人事評価を適切に行うため
適切な業務管理によって、正当な人事評価も実現します。
業務管理ができていないと、どの部署が目標を達成しているのか、誰が成果を出しているのかを把握できません。
それゆえに社員の頑張りを適切に評価できず、不当な人事評価につながってしまいます。
いい加減な人事評価が続くと、社員の愛社精神が薄れてしまい離職率を高めてしまうリスクもあります。
一方、業績管理ができていると社員の努力や成果が可視化できるため、正当な人事評価を行えます。
経営状況を分析するため
業績管理は経営状況を可視化できるため、経営上の課題発見や予算目標への達成度分析が可能になります。
業績管理ができておらず経営状況が見えていないと、赤字の原因がコストを圧迫している要素などを把握できません。
また、予算目標への達成度もわからないため、年度決算の際に目標額と大きな差異が生まれてしまう可能性もあります。
そのため、業績管理によって自社の経営状況を明らかにし、問題点やボトルネックなどさまざまな経営課題を分析することで、柔軟に軌道修正をして進めることができるのです。
関連記事:予実管理とは?エクセルやツールを活用した分析・管理方法
業績管理に用いる指標|KPIとKGI
業績管理を行うにあたって、業績目標がどの程度達成できているか、経営戦略はスムーズに進んでいるか、といった項目を判断するために指標を活用します。
それがKGIとKPIです。
KGI(Key Goal Indicator)は「最終目標達成指標」、KPI(Key Performance Indicator)は「重要業績評価指標」です。
端的に言うと、最終的な目標であるKGIを達成するための中間目標がKPIとなります。
たとえば、飲食店で「年間売上を1.5倍にする」というKGIを立てたとします。
その目標を達成するためには、年間売上目標金額を細分化して各月の売上金額目標を設定する必要があります。
さらに毎月の来客数や新メニュー開発数、口コミ数などの目標数値も取り込まなければいけません。
これらがKPIとなります。
これらの指標を検証することで、業績の現状や進捗度を把握できます。
KPIとは
KPI(Key Performance Indicator)は日本語で「重要業績評価指標」と言い、最終的な目標を達成するための中間目標です。
最終的な業績目標だけを設定していても、そこに至るまでのプロセスが適切でなければ目標は達成できません。
そのため、KPIを設定して目標達成度を検証しながら進めることで、最終的な目標を達成しやすくするのです。
KPIは定量的に測定できる指標を使います。たとえば「頑張り度」「努力」などは定性的なので数値で評価できず、個人個人で評価も異なってしまいます。
ですので、「売上金額」「アポイント獲得数」「受注数」など数値で測定可能な指標を用いましょう。
関連記事:KPIとは?営業のKPI設定方法と実際に使える営業活動の5つのKPI
KGIとは
KGI(Key Goal Indicator)は日本語で「最終目標達成指標」と訳され、最終的に達成すべきゴールとなる目標です。
日々の企業経営やあらゆる業務には、ゴールとなる目標が設定されています。
「年間売上金額〇万円」「一カ月の新規開拓数〇件」「業界シェア1位」などがゴールとして設定されますが、これがKGIに該当します。
KGIがなければ何のために仕事をしているのかがわからず、モチベーションの維持が難しくなるでしょう。また企業としての成長も期待できません。
ちなみにKPIはKGIを達成するための指標なので、KGIがなければ成立しないものです。このKGIとKPIの関係性も理解しておきましょう。
関連記事:KGIとは?ーKPI・OKRとの違いをまとめて解説
業績管理を成功させるポイント
業績管理は現状把握や課題発見などに役立つ手法であり、企業や社員の成長には欠かせないものです。
ところが、なかなか根本的な問題を見つけられなかったり、社員の意識を高められなかったりなど、適切な業績管理ができていないケースも珍しくありません。
そこで、業績管理を成功させる2つのポイントについてお伝えします。
社員一人一人の主体性を尊重する
業績管理は経営層の仕事のようにも思えますが、どの社員も自社の業績に関心が深いはずです。
トップダウンで判断するのではなく、社員の意見を尊重しながら進めましょう。
数字だけでは見えてこない、現場にしかわからない事情や問題点もあるでしょう。
また、経営層からの視点と現場の視点では、同じ数字でも違った意味をもっている可能性もあります。
予算目標に近づくためには何をすれば良いのか、業績が低い部署をどうフォローしていくのか、社員一人ひとりの主体性を尊重して検討する必要があるでしょう。
PDCAを意識して定期的に振り返る
日常的にPDCAを実行している人も多いことかと思いますが、業績管理においてもPDCAの意識は重要です。
定期的に成果を振り返って検証し、必要があれば改善をして軌道修正していくことで、目標達成に近づけます。
業績管理では、PDCAは以下のようになります。
- Plan:予算計画や経営計画の策定、KPIやKGIの設定
- Do:プランの実行
- Check:一定の期間で達成度を検証
- Action:計画やKPIの修正
このように、PDCAサイクルを回していくことで、より業績管理の精度を高められるのです。
効率的なPDCAの回し方はこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:効率的にPDCAサイクルを回す3つのコツを紹介
営業部門で業績管理を行う方法
※SFA Mazrica Sales (旧 Senses) を活用した業績管理のイメージ
企業経営において業績管理は重要なものですが、営業部門でも適切な業績管理が求められます。
営業での業績管理で対象となるのは、全体の売上金額(受注金額)だけではありません。
顧客、営業担当者、営業アクションなどを細分化して分析します。
このように細かく営業の業績管理を行うことで目標金額への達成度を把握でき、どのくらいの新規開拓数が必要か、どの顧客にどのような営業アクションを行うのか、などの営業戦略を立案できます。
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業績管理にSFAを活用する
営業部門での業績管理は、ExcelもしくはGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトで行っている企業が多く見られます。
関連記事:なぜ脱エクセルが必要なのか?Excel以外のツール活用のメリットを解説!
しかし表計算ソフトでは、データが膨大になると動きが重くなってしまったり、複数名でのリアルタイムの編集が難しかったりするといった問題点があります。
そこで営業組織に特化したツールであるSFA(営業支援システム)の活用がおすすめです。
SFAは、顧客情報・案件情報・商談履歴・受注履歴など営業活動に関わる情報を一元管理できるツールです。
またレポート機能が搭載されており、予算の達成度や売上金額などを自動で算出できます。
営業部門では、スピーディーかつ効率的に業績管理をしなければタイミングを逃してしまい、営業機会ロスやトラブルなどのリスクが生じます。
そのためSFAを活用して情報を可視化し、自動で計算できる仕組みを構築しておくことで、スムーズな業績分析が可能になるでしょう。
SFAについては、こちらの記事で詳しく解説して居ます。
関連記事:SFAとは?CRMとの違いは?|意味・役割・主な機能を徹底解説
業績管理におすすめのシステム・ツール
業績管理をより効率的にしてくれるおすすめツールを三点ご紹介していきます。
CRMツール(顧客管理ツール)
CRMとは、「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」「顧客関係システム」等と訳されます。
CRMの主な目的は、顧客との関係性を構築する(顧客満足度・顧客ロイヤルティを上げる)ことにより売上を増加させることです。
CRMツールでは、具体的には、企業や顧客の連絡先・購入履歴・会社との接触の記録・関係性の状況(商談状況)といった情報の一元管理を行うことが可能です。
このように多様な顧客情報を一元管理することで、顧客とのより緊密な信頼関係構築とともに、社内の業績の動向と顧客情報との紐づけに非常に便利です。
また、CRMツールでは、売上に直結する営業・マーケティング支援に限らず、スケジュールやタスク管理、ドキュメントなどのナレッジ共有などの社内コラボレーション向上に繋がる業務を効率化できます。
さらに、個々の顧客情報を集計・分析する機能によって、顧客の全体傾向を把握したり課題の早期発見が可能です。
こういった機能を持ち併せているCRMツールこそ、円滑で効率的な業績管理を行うために重要であるといえます。
関連記事:CRMとは?意味や機能・おすすめの顧客管理ツールをわかりやすく解説
BIツール
BIとは、「Business Interigense」の略であり、「ビジネスの意思決定に関わる指標」を意味します。
BIツールの主な目的は、企業内にある様々なデータを分析・可視化して、日常業務や経営そのものに役立てることです。
BIツールは、簡単な操作で多様なデータのレポート化・分析を行うことが可能であり、さらに分析データからシミュレーションも実施することができます。
このような機能は、社内の最新情報をいち早くまとめ、分析する必要がある業績管理において、スピーディさ、効率性、正確性を補助する面で非常に役に立ちます。
BIツールは、SFAやCRMと連携できるツールが多くありますので、情報の蓄積から細かな分析まで、より繊細な業績管理が期待できます。
関連記事:BIツールとは?おすすめ9選を徹底比較【2022年最新】
ERPツール
ERPとは「Enterprise Resources Planning」の略で、日本語では「経営資源計画」と訳されます。
ERPの主な目的は、企業におけるあらゆる資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を適切に分配し、経営効率を向上させることです。
ERPツールでは、企業内に点在する生産・在庫・販売・購買・会計・人事・給与情報を一か所に統合して、資源の使用される状況をリアルタイムで追跡し、迅速で効率的な業績管理に直結させることができます。
業績管理では、営業・マーケティングに限らず、社内における膨大な情報の管理が必要です。
そのような情報を全て人力で管理するのは不可能に近いですが、ERPツールに任せることによって、各所のデータを全て収集し、簡単な操作で「全体最適化」を実現させることが可能になります。
より網羅的な業績管理を行うために、ERPツールの導入を強くお勧めします。
関連記事:ERP・CRMの違いとは?|機能やメリットを徹底比較
終わりに|業績管理はツール活用で効率的に
業績管理は経営面だけでなく、あらゆる部門や業務において重要です。
適切な業績管理によって、現状を把握したりボトルネックを発見したりできるでしょう。
業績管理の際にはKGI・KPIを設定し、PDCAを回しながら精度を高めていきましょう。
また業績管理をスムーズにするにはツールの活用がおすすめです。
売上金額や営業活動などを分析できるSFAを活用し、業績管理を実行していきましょう。

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