さて、売れる営業と売れない営業の違いってなんでしょうか?
商品知識やトークスキル、提案力など色々あるかもしれませんが、その一つに案件の質を見極めるというものがあると思います。
これをマーケティング用語では「リードクオリフィケーション」と言いますが、営業個人で成果を出すためにも、組織で営業を効率化するためにも、案件の質を見極めることはとても重要です。
関連記事:リードクオリフィケーションとは?効果的なスコアリング方法も解説
そこで、案件の質を見極める基準と質問をご紹介したいと思います!
「インバウンドでアポは取れるけれど受注率が低い。」
「なんとなく経験や勘で案件を追っているが、人も増えてきて今のままではそろそろキツイ…。」と、悩んでいる方にもご一読いただけると幸いです。
※本記事はBtoB向けの営業を想定しているので、BtoCの営業の方は該当しない点もありますがご了承ください。
案件の質を見極める3つの基準
「案件の質を見極める」といっても、まずどういった基準で見極めるべきなのでしょうか?
聞いたことのある大企業から問い合わせがあれば質のいい案件なのか?
いや、単なる情報収集だった…ということもありますよね。
ここでは、「決まる案件」=「質の高い案件」として定義していきたいと思います。
案件の質を見極める基準は、目的(ニーズ)・意思決定プロセス・本気度の大きく3つに分類することができます。
細かく定義すると他にもありますが、今回は汎用的なこの3つに絞って話をしていきたいと思います。
目的(ニーズ)
案件の質を見極める基準の一つ目は「目的(ニーズ)」です。
滅多にないかもしれませんが、予算がめちゃくちゃ余っていて、自社のサービスにすごく興味を持ってくれている。導入期限も決まっていて、決裁者とも会えているという案件があるとします。
さて、こういった案件が必ずしも質が良い案件かというと、そういう訳ではありません。
そもそも、お客さんの目的(ニーズ)が合わなければ、自社の商品(サービス)を導入してもらうことは難しいです。仮に導入できたとしても、解約に繋がる可能性が高いです。
まずは興味を持った背景や解決したい課題を確認し、自社の商品(サービス)で目的を達成できるかを確認する必要があります。
ここが案件の質を見極める上で一番重要になってきます。
もっとも、相手の目的を理解していないと提案にならないので、ヒアリングするのは当然と言えば当然ですね。
まずは、相手の目的(ニーズ)を確認し、目的と合致しているかを見極めることが重要になります。
弊社でも、SFA/CRMに興味を持った方から問い合わせをいただくケースがありますが、話を掘り下げて聞いていくと「リードを管理したい」「問い合わせの件数を増やしたい」「メール配信をしたい」などの目的(ニーズ)があり、SFA/CRMよりもMAの方が目的(ニーズ)に合致している場合もあります。
営業支援に特化したツール、SFA(営業支援システム)に関する記事はこちら:
営業だと数字に追われて、「言いくるめてサービスを導入してもらうおう!」と動いてしまうこともあるかもしれませんが、ニーズに合致していないのに強引に営業をしても、かけた時間に対して見合った成果が出ないことがほとんどです。
仮に契約して貰えたとしても、お客さんが満足しないので、誠実にビジネスをするようにしましょう。
案件の質を見極めるためには、まず目的(ニーズ)の確認!ここから始めるようにしましょう。
意思決定プロセス
では、顧客の目的(ニーズ)が自社の商品(サービス)に合致していれば、案件の質は高いのか?というと、そう簡単な問題ではありません。
残念ながら、多くの企業は目的(ニーズ)が合致しても商品(サービス)を導入しないことが往々にしてあります。
企業というのは意思決定プロセスが非常に複雑で、多くの関係者に了承を貰わないと購買活動を行えません。
BtoBのサービスでちゃんと商品(サービス)を導入してもらうためには、この意思決定プロセスを理解し、意思決定プロセスに基づいてアプローチをかける必要があります。
逆にこのプロセスをヒアリングしても明確な回答がない場合は、案件の質はかなり低いと言ってもいいでしょう。
ある程度の規模の企業であれば、何かを購買する際には選定基準やフロー、期限を設けていますし、最終意思決定者も明確になっています。
仮に中小企業で明確なフローは無くとも、最終決裁権を持つ方は決まっているはずです。
顧客の目的を聞き出せたら、そのタイミングで併せて意思決定プロセスも確認するようにしましょう。
相手が意思決定プロセスが明確になっていないようであれば、その案件の優先順位は下げた方が良いかもしれません。
その方が代表や役員の方であれば、プロセスが不明確でも購買に繋がるケースはあります。
とあるIT企業のトップセールスの方は、「『いつ』『誰が』『どんな基準で』意思決定を行うのかを必ずヒアリングしなければいけない。先方が意思決定をする会議に合わせてネクストアクションを考えるようにしている。」と言っていました。
慣れないうちは聞き出すこと自体が難しいかもしれませんが、意思決定プロセスを聞き出せれば案件の質はかなり高いと言えますし、営業活動を行う上でもかなり参考になるのではないでしょうか。
もちろん、聞き出した後は意思決定プロセスに合わせて適切な情報提供やサポートをするようにしましょう!
本気度
さて、目的(ニーズ)も自社の商品(サービス)に合致しているし、意思決定プロセスも明確になっている。これは案件としては質が高い!ぜひとも追いかけよう!
と思って、営業が奮起して何度も訪問して提案をしているが、一向に成約に繋がらない…。
そんなケースも往々にしてあります。それは担当者(顧客企業)の本気度を量り損ねているケースです。
先ほども挙げたように、企業が買い物をするには色々な関係者に合意を得る必要があります。購入する前だけではなく、購入後(=導入)にも、もちろん必要になります。よって、本気度が低い企業・担当者は、関係者を巻き込む段階で二の足を踏み、一気に決定速度が遅くなる傾向にあります。
あなたも商品(サービス)を紹介した時にいい反応をされたにも関わらず、全然契約してくれない担当者に出会ったことはありませんか?
この裏ではだいたい、担当者が社内を巻き込んでまで推し進めることに抵抗を示していることがほとんどです。
また、場合によってはどこか一社に決めているにも関わらず、体裁を整えるためだけにあなたの企業の商品(サービス)を問い合わせしている、というケースもありします。
ですから、案件の質(=自分がパワーをかけるだけの価値がある案件なのか?)を見極める基準の一つとして、企業・担当者の本気度は重要なのです。
経験則的には、役職に付いている方の本気度は高いですし、メンバーの方でもプロジェクトとして目的が決まっていて、ミッションを与えられている場合は本気度が高いことが多いです。
会社ではなく個人ベースの課題感で話をしている方は、よほどではないと会社を巻き込んではくれません。
一方で出来る営業は担当者のやる気をコントロールするべきです。
もちろん、担当者の本気度に関わらず全力で営業すべきだ!という主張もあるかもしれません。めちゃくちゃ大型案件ならアリかもしれませんが、担当者を本気にさせるためだけに何度も訪問するのは費用対効果を考えると微妙かもしれません。
最近では、メールマーケティングのツールやMAなど色んなツールや方法があるので、マーケティングでカバーする方が幾分かは現実的かと思います。
では、本気度を見極めるためにはどのような質問が効果的か。
- 今後の進め方を決めずにふわっと打ち合わせが終わる
- 詳細の金額や導入フローを確認してこない
というような点が当てはまっていると、だいたいは単なる情報収集目的です。
そんな案件に時間を割くくらいなら、本当にあなたの会社の商品(サービス)を求めている人に時間を使ってあげましょう!
ただ、中には本気度が高いにも関わらず忙し過ぎて全然話を進められない担当者もいるので、その場合は話を進めやすいようにサポートする必要がありますね。
次回は、具体的に案件の質を見極めるための質問を紹介したいと思います!
トップセールス〜4つの法則〜
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