リードジェネレーション、リードナーチャリングと並んで、リードクオリフィケーションというマーケティング施策があります。
どれもマーケティング部門から営業部門に確度の高いリードを引きわたす際に重要な施策です。
今回は、リードクオリフィケーションの意味や重要な理由、具体的な方法を順を追って説明していきます。
リードクオリフィケーションの基本を知りたい方、実践してみたい方はぜひ参考にしてください。
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この記事の内容
リードクオリフィケーションとは?
リードクオリフィケーションとは、リード(見込み顧客)管理のプロセスの一つで、購買可能性の高いリードを絞り込むことです。
クオリフィケーション(qualification)は、「能力や適正」という意味であり、リードとしての適性の高い者、つまり顧客となりうる見込みの高い者を抽出するということです。
リード管理のプロセスでは、マーケティング部門から営業部門へと、できるだけ購入可能性の高い見込み顧客を引き渡すことを目指します。
リード管理のプロセスの流れは以下のようになります。
- リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)
- リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
- リードクオリフィケーション(見込み顧客の絞り込み)
リードジェネレーションにおいてリード獲得をし、リードナーチャリングでリードの受注確度を高め、リードクオリフィケーションによって受注確度の高いリードを絞り込みます。
リードクオリフィケーションによって膨大なデータの中から成約可能性の高いリードを的確に選別できれば、無駄のない施策、効率良い営業活動が可能になります。
リードの獲得も育成もともに重要ですが、売上の拡大のためにはリード管理の最後のプロセスであるリードクオリフィケーションも非常に重要なプロセスです。
【関連記事】リード獲得とは?7つの効果的なリード(見込み客)獲得方法を解説!
リードジェネレーション、リードナーチャリングとの違い
先ほども触れたように、リードジェネレーションもリードナーチャリングもどちらもリードを管理するプロセスの一部です。
リードジェネレーションでは、広告、Webコンテンツ、イベント、電話などを活用してできるだけ多くのターゲットにアプローチをかけ、リードを獲得することを目指します。
リードナーチャリングは、獲得した顧客の見込み度を適切な情報提供やコミュニケーションを通して育成させる施策です。
リードクオリフィケーションはこの二つに続くプロセスであり、リードにスコアリングするなどして購入可能性の高いリードを選別していきます。
リードクオリフィケーションの具体的な方法については、この後本編で具体的に説明します。
【関連記事】
リードジェネレーションとは?意味や手法・おすすめのツール3選を紹介
リードナーチャリングとは?意味や手法・リードジェネレーションとの違いを解説
リードクオリフィケーションが重要な理由
リードクオリフィケーションが重要視される理由は何なのでしょうか。
リードを絞り込むことによってリード件数が減ってしまうので、売上の減少につながるのではないかと思う人もいるでしょう。
しかし、リードクオリフィケーションには重要視されるだけの明確な理由があります。
施策の効率・精度が向上する
リードクオリフィケーションによって、マーケティング部門から営業部門へ、成約確度の高いリードを引き渡すことができます。
確度の低いリードをそのまま営業に渡してしまうと、成果につながらない営業活動をする羽目になり、時間とコストのロスになります。
営業活動は、マーケティングよりも営業担当(人)自身が動くことが多くなるため、限られた人員コスト・時間コストの中では、数撃ちゃ当たるというような戦法をとるわけにはいきません。
案件成約に直結するような施策を執り行うことが、売上の向上に最も効率良くつながるのです。
リードの顧客体験価値が向上する
購買意欲が十分に高まっていない状態でリードに購買に向けてのアプローチを進めてしまうと、リードに警戒して距離を取られてしまう可能性があります。
リードへのアプローチは、営業をかける側にとってもコストのかかることですが、アプローチを受ける側にとっても、時間を取られたり多少のコストがかかりますよね。
そのため、リードにとって声を掛けられたいタイミング、提案が欲しいタイミングを見計らってアプローチをかけることが企業にとっても顧客にとっても重要になります。
リードクオリフィケーションによってそのようなタイミングの整ったリードを抽出しておくことで、リードにもうれしいピンポイントな営業活動を行うことが可能になるのです。
理度管理に欠かせないMA(マーケティングオートメーション)はどれを使うべきか?そんな疑問にお答えするのが下記の記事になります!
【関連記事】マーケティングオートメーション(MA)ツール12選
リードクオリフィケーションを行う方法
リードクオリフィケーションを行う具体的な方法の流れは、以下のようになります。
- セグメンテーション
- カスタマージャーニーマップ設計
- スコアリング
- シナリオ設計
- スコアリングの実施
- シナリオのチューニング
プロセスごとに説明していきます。
1.セグメンテーション
まず初めに、セグメンテーションを行っていきます。
セグメンテーションとは、年齢や性別、職業、住所、世帯人数といった属性や、企業の業種や規模、エリアといった情報を基準に、グループ分け(セグメントに分ける事)をすることです。
セグメンテーションによって、抽出すべきターゲット像を明確にすることができます。
【関連記事】セグメンテーション(セグメント分け)とは?|事例で学ぶセグメンテーションと方法
2. カスタマージャーニーマップ設計
次に、分類したセグメントごとにカスタマージャーニーマップを設定します。
カスタマージャーニーマップとは、【リードが自社とファーストコンタクトを取ってから購入に至るまでの時系列のプロセス(=カスタマージャーニー)】を図や表で可視化したものです。
カスタマージャーニーマップを設定してペルソナの行動を可視化することにより、プロセスごとのリードのニーズや課題を追いやすくなり、提供すべき情報やコンテンツが整理できます。
これによって、この後のシナリオ設計がしやすくなります。
また、見込み顧客の視点で考えやすくなるため、クオリフィケーションの効果を底上げさせる事ができるでしょう。
【関連記事】カスタマージャーニーとは?ジャーニーマップの作り方の3ステップとツールを紹介
3. スコアリング
カスタマージャーニーマップが設計できたら、次はいよいよリードクオリフィケーションのメインであるスコアリングを行っていきます。
スコアリングとは、リードの行動や属性に従って点数をつけ、点数の高いリードを購入可能性が高いリードとして抽出する方法です。
例えば、行動によっては「メルマガを開封したら2点」、「メルマガ内のURLをクリックしたら5点」、「資料請求をしたら10点」とスコア付けできます。
また、属性によっては「部長なら5点」等というようなスコア付けが可能です。
この点数が一定に達したら営業部門へ引き渡すということを決めましょう。
ただし、スコアリングを行う際には、適切な「シナリオ設計」を行うことが欠かせません。
シナリオ設計
ここでいうシナリオ設計とは、「どのような行動を取った時に何点スコアを付与するか」をカスタマージャーニーにそって整理することです。
つまり、一定点数に達したリードはどのような経路で加点されたか?に注意する必要があるのです。
例えば、以下のようにスコアを割り振ったとします。
- 提供する製品やサービスとの関連性が低い自社のウェブサイト記事:20点
- 提供する製品やサービスとの関連性が高い自社のウェブサイト記事:25点
- 製品・サービスの紹介ページ:30点
このとき、リードAとリードBが以下のようにスコアリングされた場合を考えます。
- 見込み顧客A:①の記事を4つ読んだ=80点
- 見込み顧客B:②の記事を2つ、③のページを1つ閲覧した=80点
この例を見ると、AもBも同じ点数なので同様に確度の高いリードと判断してしまいそうです。
しかし、実際にはBに比べるとAの見込み確度はどれほど高まっているのでしょうか?
おそらく、Aは商品を買いたいというよりもノウハウを知りたかっただけであったり、特定のテーマの関連記事を追っていただけであったという可能性もあります。
このように、単純に一定の点数に達すれば良いのではなく、どのような加点のされ方をしたのかに注意することが重要だと分かります。
従って、「見込み確度が高い」と判断する基準は、点数のみならず、「どのような行動や属性によって加点されたのか」というシナリオも設計する必要があるのです。
このようなシナリオ設計がスコアリングの精度を高めるポイントになります。
以下の記事では、シナリオを立てる際のポイントをまとめていますのであわせてご覧ください。
【関連記事】商談で想定すべき営業ストーリーと3つのシナリオ
スコアリングの実施
シナリオ設計ができたら、実際にスコアリングを実施していきます。
実施に際してはマーケティングオートメーションツール(MAツール)の「スコアリング機能」の利用がおすすめです。
MAツールを定義したシナリオに沿って設定することで、一人ひとりのリードに対して自動でシナリオ通りのスコアリングを行うことができます。
施策にかかるコストの削減することもリードクオリフィケーションの目的の一つですから、自動化ツールを積極的に利用しましょう。
【関連記事】MA(マーケティングオートメーション)とは?意味や導入メリット・おすすめのツールを紹介
このようにスコアリングを実施したら、一定のスコアに達したリードを抽出して営業部門に引き渡します。
この際、定期的な引き渡しの頻度や、データの受け渡し手段を具体化させておくと、スムーズなマーケ・営業間の連携が実現できます。
【関連記事】マーケティング・営業の連携の秘訣とは?メリット・トラブル解決策を解説!
4. シナリオのチューニング
スコアリングが一度完了したら、そこで終わりというわけではありません。スコアリングは定期的に実施していくため、その都度シナリオの精度のチューニング(見直し)を行いましょう。
想定通りの結果が出ていない場合はPDCAサイクルを回すことで、自社に合った「成果の出るシナリオ設計」を行うことができます。
終わりに
リードクオリフィケーションの意味から方法まで、詳しく説明してきましたが、いかがだったでしょうか。
リードクオリフィケーションは、企業にとっても、また顧客側にとっても有益な施策であるため非常に重要です。
また、実施する際にはマーケティング部門と営業部門の連携という点も重要なポイントとなってきます。
自社の成果を上げるべく、課題をひとつひとつ解決するためにリードクオリフィケーションを実践してみてください!
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