VUCA(ブーカ)というビジネスキーワードをご存知でしょうか?
変化の激しい現代を象徴するV:変動性、U:不確実性、C:複雑性、A:曖昧性の頭文字を取った言葉です。
今回は、VUCAという予測不可能な時代にどのようなスキルや組織作りが求められているのかを分析し、VUCA時代を生き残るための強い組織体制と営業組織を構築するポイントを解説します。
▶︎▶︎VUCA時代でも成果を上げるオンライン営業組織とは?
VUCA(ブーカ)とは?
現代のビジネスやキャリア形成のための不安定要素を示す言葉の頭文字を取ったのが「VUCA(ブーカ)」です。
V(Volatility):変動性
IT技術が進歩している現代では、IoTの発展や5Gの開始などによりビジネスの現場だけでなく社会の仕組み自体が変動しています。
更に、スマートフォンの普及によってSNSや動画サービス、サブスクリプションビジネスが広がり、消費者のニーズや購買行動は細分化。
市場が急速に変動している中で、企業も新しい価値観やマーケティング手法が求められているのです。
U(Uncertainty):不確実性
政治や経済のグローバル化し自由貿易が実現している一方で、国家同士の争いによって制裁や保護が進んでいることも事実です。
また、世界規模での自然災害や感染症拡大など、予測不可能な事態によって株価や為替にも影響を及ぼします。
個人レベルでは、年功序列や終身雇用などの雇用制度に代わって成果主義での評価が当たり前になってきており、「確実に、この会社で定年まで働ける」という確約がなくなっています。
これらの不確実性な事実により、企業単位でも個人単位でも未来を予測することが難しい時代になっているのです。
C(Complexity):複雑性
ビジネスが多様化している現代では、企業の課題や業務はより複雑化しています。
多数のヒト・モノ・カネが関わるビジネスは特に複雑性を増し、画期的で便利である反面、大きなリスクをはらむことも指摘されています。
多くのデータや事柄が複雑に絡み合う現代社会では、課題解決のためにより高度な分析力や解決力が求められています。
A(Ambiguity):曖昧性
上記のような変動性・不確実性・複雑性を増している現代社会では、過去の統計や今までの経験が通用しないことも多く、正解を導くプロセスも正解自体も予測できずに曖昧になってしまっています。
しかしながらビジネスの世界は急速に変化を遂げているため、成功するか失敗するか100%予測できない状態でも意思決定することが求められます。
曖昧なままで決断していかなければいけないということも、現代の不安定要素となっているのです。
VUCA(ブーカ)時代に必要な組織とスキル
VUCA時代の訪れを静観しているだけでは出遅れてしまいます。
組織として、そして個人として、何かしらの対策を取っていかなければ生き残れない時代となっているのです。
組織づくり
VUCAに対して組織的に対応していくことで、VUCA時代でも生き残れる強い組織を作っていくことができるでしょう。
そのためには、まずは自社が置かれている状況(商材、市場、競合他社、社会的要因など)を把握し、組織にとってのVUCA情報を収集するべきです。
組織にとっての不安定要素が理解できたら、具体的な課題が見えてきて、どのような施策を取ったら良いのかが分かるでしょう。
施策が策定できたら、次は組織的な実行に移ります。
施策に対する振り返りをするうちに、VUCAそれぞれの要素の関連性が見えてきたり、より高度な解決策が思いついたりするので、PDCAを回すことも忘れないようにしてください。
具体的な数字で分析したり、組織全体で振り返りの時間を設けたりすることで、より強い組織作りが実現するはずです。
また、このような強い組織を作るためには強いリーダーも必要であり、変化していく時代に対応する柔軟性や適応力、そして状況判断をして決断していく力を持った人材を育てることも組織としての課題となるでしょう。
※2023年の営業トレンドはこちらの記事をチェックしてください。
関連記事:2023年の営業トレンド8選|デジタル時代の顧客中心型営業
必要なスキル
VUCA時代には組織単位だけでなく個人単位での対策も必要とされ、VUCAに対応できるさまざまなスキルを身につけることが求められます。
例えば、柔軟に適応していくスキル、迅速に判断するスキル、状況や情報を理解するスキルなどが求められますが、特に必要とされるのは「データを分析すること」と「あらゆるところにアンテナを張ること」ではないでしょうか。
現代は不安定な時代のため今までの統計や経験が通用しないことも多いですが、過去の成功事例・失敗事例を代替したり、市場や競合他社のデータを分析したりすることで予測可能なこともあります。
もちろん、現在進行形で起きているリアルタイムのデータを分析することも有効です。
そのためには、先行きが見えない不安定な時代だからこそさまざまなことにアンテナを張って情報収集し、社会全体やビジネスの動向をチェックすることも重要。
情報を持っていなければ、いつの間にか新しく参入した企業からシェアを奪われたり、判断を見誤ったりしてしまいます。
営業不要論とそこから生き残るこれからの営業
VUCA時代は、テクノロジーの急速な進展によってもたらされたと言っても過言ではありません。
テクノロジーが進歩している現代のVUCA時代には、インターネットで購買プロセスが完了したり、マーケティングに力を入れる企業が増えたりしていることも事実。
「AIが営業をする時代がくる」つまり「営業職は不要になる」と言われているほど、現代のビジネスの構造は変化しています。
しかし、このような時代でも生き残る営業を育てることこそ、企業の成長には欠かせないでしょう。
なぜなら、消費者が入手できる情報には限りがあるため、専門的な知識を持って提案できる営業の存在がきっと必要になるからです。
また、AIにも限界があり、消費者自身がまだ気づいていない課題を見つけ出して、共に解決していくためには人間の力が必要になります。
つまり、これからの時代は専門的な知識を持って分析し、顧客に寄り添って提案していける営業こそが生き残っていくでしょう。
営業不要論についての詳細記事はこちら。
関連記事:営業職はなくなる?将来性と今の時代に身につけるべきものとは
変化に対応するデータドリブンな組織づくりと営業活動
従来の日本企業はトップダウン型で、重要な意思決定のためには稟議や会議を繰り返し、時間と手間を膨大にかけなくてはいけませんでした。
しかし、著しく変化していくVUCA時代を生き残るためには、従来のプロセスでは到底できないでしょう。
変化していく今の時代だからこそ、迅速な意思決定とアクションが求められるビジネスの世界。
そのためには、データの使い方が最も大事になります。
正確なデータをリアルタイムで入手できるシステムを構築することで、スピーディーでデータドリブンな経営や営業をしていけるようになるのです。
▶︎▶︎データを活用した営業力強化の仕組み作り!セールスイネーブルメントの実践がおすすめ
データドリブンな組織づくりに必要ステップ
データドリブンな組織づくりのためには、データを必要としている人が、リアルタイムで正確なデータを入手できるプラットフォームが必要です。
特に部署間を連携する必要のあるビジネスであれば、部署ごとに異なるプラットフォームを使っては意味がありません。
まずは組織で共通のデータ共有プラットフォームを導入し、組織内に散らばっているデータを収集・蓄積することから始めましょう。
次に組織にデータ活用を展開していくのですが、ここで注意が必要なのは、メンバーによってリテラシーに差があるということ。
データリテラシーが低い人材が多いチームから始めてしまうとなかなか水平展開が進まないケースが多いため、データリテラシーが高い人材が多くデータを活用することで成果に繋がりやすいチームから始めると良いでしょう。
データドリブンが成功したら、その成功体験を他のチームや部署に広め、組織全体として取り組んでいきます。
管理職などのマネージャー層もデータを活用して経営判断を行っていくことで、組織全体がデータドリブンな環境になっていくでしょう。
関連記事:データドリブンとは?営業にデータドリブン戦略が必要な理由と促進ツール紹介
データドリブンな営業活動
データドリブンは、経営判断だけでなく営業活動でも活用できる手法です。
業種や商材によって取るべきデータは異なりますが、どの企業でも顧客情報・案件(商談)情報・営業アクション(営業行動)情報は必ず押さえておきたいデータ。
そこから、受注に繋がった成功事例や、成績のいい営業担当者の営業アクションなどを集めて、それを基に自身の営業活動に応用していくのです。
データドリブンな営業をしていくためには、Excelやスプレッドシートではデータ管理の限界があるため、入力しやすくて抽出しやすいツールを導入することがデータ活用のカギになるでしょう。
データドリブンな営業については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:データドリブン営業とは?データドリブンセールスパーソンの育成方法!
データドリブン営業に必要なツール
先述の通り、データドリブン営業をスムーズに実現するためにはITツールの導入が欠かせません。
SFA「Mazrica Sales」の機能を例に、データドリブン営業のためのツール活用例をご紹介します。
・案件ボード
案件ボードとは、顧客ごとのカード形式の案件情報を、営業プロセスのフェーズ別に一覧で見ることができる機能です。
案件カードには、商品名・契約金額・確度・契約予定日などの情報を入れることができます。
案件カードは、前回のアクションから現在までの経過日数別で色分けされるため、対応の抜け漏れを防ぐことにも役立ちます。
・分析レポート
蓄積されたデータをワンクリックでレポーティングする機能を活用すると、分析や改善検証に役立てることができます。
レポートは売上予測・売上実績・ファネル分析・アクション分析などがあり、知りたいデータをすぐにグラフ化することができるため便利。
売上予測・売上実績レポートでは、営業担当者別や商材別にフェーズごとの売上予測ができたり、顧客や商材ごとに確定した売上を分析したりできるため、現実的な売上予測を立ててネクストアクションに活用できます。
また、ファネル分析レポートでは営業担当者別のボトルネックを発見できるため、営業マネジメントにも役立てられます。
アクション分析レポートでは各フェーズでどのような営業アクションが行われたかが分かるため、営業の標準化や最適化に繋がります。
▶︎▶︎様々な営業シーンでのMazrica Sales活用方法についてはこちらの資料を参考に
・Mazrica SalesのAIによる受注予測機能(AIフォーキャスト)
AIフォーキャストとは、Mazrica Sales内に蓄積されたデータを基に、案件の契約確度を予測したり、類似の受注案件から有効なアクションを提案してくれたりする機能です。
マツリカ社内の実運用では「受注予測の正答率が92%」という結果が出ており、「AIが営業に取って代わる時代」ではなく「AIと共存して営業をしていく時代」の訪れを予感させる機能となっています。
Growthプラン利用ユーザーの中から先行利用企業を募集しているので、気になる方はお問い合わせください!
▶︎▶︎Mazrica Sales について知りたい方はこちら
SFAに関する記事はこちら!:
終わりに
VUCA時代は先行きを予測できない時代ですが、予測ができないということは、新しいチャンスや可能性もあるということ。
データドリブン経営・営業やITツールの活用など、VUCA時代に合わせたスタイルに意識や環境を整えていくことがポイントです。
より強い組織にして、VUCA時代を生き残りましょう!
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