最近、注目を集めている「リードナーチャリング」というマーケティング手法が、営業でも活用できることをご存知でしょうか?

リードナーチャリングを取り入れることにより、テレアポや定期的な訪問では開拓できなかった見込み顧客にアプローチができたり、受注率がアップするといった成果が期待できます。

今回は、リードナーチャリングが営業にとってどのようなメリットがあるのか、そして、施策を成功させるにはどうしたらいいのか、という点を中心にお話していきたいと思います。

リードナーチャリングとは?

リードナーチャリングとは?営業にとってのメリットと成功させる方法 | Senses Lab. | 1

ナーチャリング(nurturing)とはそもそも「育成」を意味する言葉で、リードナーチャリングは直訳すると、「見込み客を育てる」という意味になります。

具体的には、展示会やセミナー、Web広告などで集めた潜在的ニーズを持つ見込み顧客(=リード)に対し、

・Webコンテンツなどリードにとって有益な情報を適切なタイミングで提供することで、自社の製品やサービスの購買意欲を高める
・メールなどで継続的なコミュニケーションを取り、検討度が上がったタイミングで、商談につなげる

…といったように、すぐに成約にはならないリードを、中長期的にフォローし、成約できる可能性が高い優良顧客になるまで育てていく手法やプロセスのことを指します。

これまでは、電話をかけてアポイントを取ったり、用がなくても顧客のところへ足を運ぶなど、企業側から積極的にアプローチをする、いわゆる「プッシュ型営業」が中心でした。

一方、リードナーチャリングでは、顧客が商品やサービスに興味を持ったり、問い合わせをするなど、あくまでも顧客が「自発的に」行動を起こさせるように誘導します。

これを「プル型営業」といいます。

見込み客の購買・意思決定プロセス

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では、具体的にどうやって「見込み客を育てる」のでしょうか?

個人でも企業でも、商品やサービスを購入するまでには決まった購買プロセスがあります。このプロセスに沿って考えてみたいと思います。

①認知・興味

例えば「社内業務を効率化したい」など自社の課題を解決するのに、必要な商品の存在を知り、興味を持つ段階です。

この段階の見込み顧客は、

・対処すべき課題なのかどうか
・課題を解決することで、どのようなメリットが得られるのか
・同じような課題を持った企業は、どんな風に解決したのか
・解決するためにはどの商品やサービスを使えばいいのか
・一番効果的な商品やサービスはどれなのか

・・・といった情報収集を行っています。

そこで、メルマガやWebコンテンツで上記の疑問に答えたり、課題を解決するための方法を提供していくことで、購買意欲を高めることができます。

ここまでは、マーケティングの仕事です。

商品やサービスの存在を知って興味がある、というだけの段階では、まだ購買意欲が十分に高まっているとはいえません。

もし、この状況で営業が訪問しても、顧客の温度感は低く、クロージングできる確率もかなり低いものになってしまいます。

すぐに結果が見えず、もどかしく感じてしまうかもしれませんが、顧客が育つまで「待つ」ことが重要です。

②比較・検討

情報を集めたら、次は、必要な機能、条件、予算、どの会社の商品やサービスがいいのかなどを、比較・検討します。

ここで初めて、見込み客のニーズが顕在化してきます。

同業他社と比較をしている段階ということは、どの会社の商品・サービスにせよ、「買う」こと自体は決まっているということです。

ここで、営業が実際に訪問してニーズに合った提案をすることで、成約率はぐっと高まります。

③導入・評価

比較・検討後に、商品やサービスの購入を決定します。

商品やサービスの満足度が高かった場合には、その後も継続的にフォローやサポートを行うことで、別の商品やサービスでの購入=リピートに繋げることができます。

営業にとっての、リードナーチャリングのメリット

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リードナーチャリングでは、メルマガやWebコンテンツの配信といった施策が中心となるため、マーケティングの仕事、マーケティングに役立つものといったイメージが強いと思います。

そこで、リードナーチャリングをすることで営業にどんなメリットがあるのかを見ていきたいと思います。

なお、メールの開封率やWeb上でどのコンテンツに訪問したのかというデータを見るには、マーケティングオートメーション(MA)ツールが必要ですので、ツールを導入していることが前提となります。

①見込み顧客の温度間や課題が訪問前から把握できる

マーケティングオートメーション(MA)ツールでは、見込み顧客の行動履歴が、どのWebページを見たのか、どのメールを開封したり、リンクをクリックしたのかといった、オンライン上の行動履歴をすべて見ることができます。

明確なパターンがない場合もありますが、見たページや読んだメール、クリックした広告の傾向から、どんなことに興味・関心があるのか、どんな課題を持っているのかを知ることができます。

1つ例をあげてみましょう。

件名に“営業支援システム(SFA)で営業効率をアップ!”と入ったメールを開封していて、さらに、SFAの無料トライアルの広告をクリックしていたとします。

こうなると「SFA」について知りたい、導入を検討している可能性が高い、というわけです。

②無駄な訪問が減る

最初の訪問から受注に至るまでには、何回か商談を重ねると思います。

商談を重ねるごとに購買意欲が高まり、受注確度が上がればいいのですが、そう上手くいくことばかりではありません。

そこで、商談と商談の間に、どんな行動を見込み顧客が取ると受注に繋がりやすいのか、という勝ちパターンを考えます。

例えば、1回目の商談後にSFAに関するセミナー招待のメールをクリックした顧客の受注率が高いのであれば、これを勝ちパターンとして設定し、アクションを起こした見込み顧客だけに次回訪問をするようにします。

一方で、アクションをしなかった見込み顧客は、まだ温度感が十分に高まっていないということなので、受注に繋がる可能性が低いため訪問する必要はありません。

このように顧客の行動から受注確度を見極めることで、無駄な訪問回数を減らすことができます。

③データを分析しやすくなる

リードナーチャリングができない場合、営業が訪問する前のデータがほとんどない状態です。

せいぜい、資料請求があったとか、展示会に参加したといったデータだけでしょう。

マーケティングオートメーション(MA)ツールでリードナーチャリングをすれば、メール開封、広告クリック、Web訪問など、オンラインでのすべての行動が可視化でき、勝ちパターンを見つけることができます。

例えば、Webサイトの料金ページを5回閲覧した見込み顧客は温度感が高く、電話でのアポ取得率は7割、受注率4割という分析を、簡単にすることができます。

マーケティングオートメーション(MA)ツールでリードナーチャリングをしない場合には、料金ページの閲覧ログを見ることができないので、正しいアポ取り電話のタイミングが分からず、タイミングを逃してしまったり、逆に、毎日のように電話をかけて嫌がられてしまう、なんてことにもなりかねません。

リードナーチャリングを成功させるために必要な営業とマーケティングの連携

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これまで見てきたとおり、リードナーチャリングにはマーケティングと営業それぞれに役割があります。

そして、両者がきちんと連携することで、リードナーチャリングを成功させることができます。

そこで最後に、マーケティングと営業の連携のポイントを2つ、ご紹介しておきたいと思います。

1つ目のポイントは、営業の提案内容とマーケティングで提供する内容を一致させることです。

Webやメールでマーケティングが提供している内容と同じソリューションを営業が提案できなかった場合、顧客の期待は裏切られ、信頼を取り戻すことは難しいでしょう。

そのためには、こまめに情報を共有する必要があります。

営業側が顧客にどんな提案をしているのかをマーケティング側に細かく伝えるようにしましょう。

もう1つは、見込み顧客の質をフィードバックすることです。

受注できたのか・できなかったのかを、営業からマーケティングに共有することで、受注しやすい課題/失注しやすい課題、受注しやすい訪問パターン/失注しやすい訪問パターンなど、勝ちパターンと失敗パターンを把握することができます。

例えば、料金ページは見ているものの導入事例を見ていない顧客に、営業が提案してみると金額がネックになり失注になることが多い。という場合は、リードナーチャリングの方法を見直す必要があります。

案件を作ることが目的ではなく、受注が目的なので、細かくPDCAサイクルを回す必要があります。

おわりに

リードナーチャリングを使って顧客の購買意欲を高め、受注確度の高い優良顧客に育てることで、受注率を大幅に上げることができます。

テレアポや飛び込み、既存顧客への訪問など、営業活動で成果が出ていない場合はもちろん、今のやり方で成果が出ていたとしても、リードナーチャリングを行うことで、さらに受注を増やせる可能があります。

なお、弊社がマーケティングオートメーション(MA)ツールを使って営業を効率化した事例を「マーケティングオートメーションがBtoBの営業活動に与える影響とは?」にてご紹介していますので、ぜひ合わせてご覧いただければと思います。

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