営業個人の役割が目標を達成することだとしたら、営業マネージャーの役割は組織のパフォーマンスを最大化し、営業一人ひとりの目標達成に向けた後押しをすること。

シンプルに言い換えれば、強い組織と働きやすい環境をつくることです。

つまり、営業個人や組織が目標達成をしていなかったとしたら、それは営業マネージャーの責任が大きいと言えるでしょう。

今回は、強い営業組織の作り方と働きやすい環境を作る上で、よくある営業マネジメントの悩み5つとその解決法を紹介します。

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営業マネジメントとは?

営業マネジメントとは、「営業組織が成果を出せるようにするための仕組み(体制)を作ること」です。

そもそも、マネジメントとはドラッガーの言葉を借りれば「組織をして成果を上げさせるための道具、機能、機関」です。

営業は仕事の性質上、個人の成果や能力が重視されがちな傾向があります。

しかし、実際は個人の力ではどうにもならないことも多く、最終的に組織自体にフォーカスしなければ、解決できない課題もあります。

それを行うのが営業マネジメントの仕事です。組織全体の力を底上げするという、重要な役割があります。以下から5つのポイントを学んでいきましょう。

下の記事では、マネージャーに必要な能力やスキルについて解説しています。併せてご確認ください。

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営業マネジメントでよくある5つの悩みとその解決法

ここからは営業マネジメントを推進するうえでよく耳にする5つについて、具体的な解決法とともにそれぞれ解説していきます。

  1. チームのパフォーマンスが安定しない
  2. 目標設定がうまくいかない
  3. 部下の育成がうまくいかない
  4. SFA/CRMをうまく活用できていない
  5. メンバーの営業進捗がわからない

悩み1:チームのパフォーマンスが安定しない

まず一つ目は、「チームのパフォーマンスが安定しない」ことです。

営業チームの売上やパフォーマンスが安定しないことが大きな課題です。

特に、短期的な成果が出ないときに、どのようにしてチーム全体のモチベーションを維持し、安定したパフォーマンスを引き出すかが悩みの種です。

新しい営業メンバーの採用や育成にも多大な労力が必要で、メンバーの離職率を下げ、長期的に成果を出し続けるチームを作ることが求められます。

解決法1:チームのパフォーマンスの安定性

チームのパフォーマンスが安定しない場合、まずはメンバー一人ひとりの状況を把握し、適切なサポートを提供することが重要です。

パフォーマンスが不安定な理由を探り、特定のプロセスや業務に問題がある場合は、その改善策を考えます。定期的な1on1ミーティングを実施して、メンバーの不安や課題を明確にし、リアルタイムで解決策を提示することが有効です。

また、目標を短期的なものに分割し、定期的なフィードバックを行うことで、進捗を細かく管理し、達成感を与えることが、パフォーマンスの向上につながります。

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悩み2:目標設定がうまくいかない

二つめは、「目標設定がうまくいかない」です。

営業部門では、短期と長期の目標を設定することが重要ですが、それが難しいケースがあります。目標が高すぎるとチームがプレッシャーを感じ、低すぎるとやりがいを感じられません。

また、個々のメンバーのスキルや経験に合わせた目標を設定することも必要で、バランスを取ることが課題です​。

解決法2:目標設定

目標設定を行う際、SMART目標(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)に従うことが有効です。

具体的で測定可能な目標を設定し、達成可能な範囲内で設定することがメンバーにとって現実的でモチベーションを維持しやすい目標となります。

目標は短期と長期に分け、進捗を見える化することで、達成へのステップが明確になります。

また、個々のメンバーの能力や状況に合わせた柔軟な目標設定を行い、達成が難しい場合にはタイムラインを調整するなどの工夫も必要です。

関連記事:KPIマネジメントとは?目標達成のための5ステップと事例3選を解説

悩み3:部下の育成がうまくいかない

三つ目は、「部下の育成がうまくいかない」ことです。

営業マネージャーは、部下のスキルアップをサポートし、成長を促す役割も担っています。しかし、メンバーごとの成長速度が異なり、どのようにフィードバックを与え、各メンバーが自律的に成長するように促すかが悩みどころです。

また、どの時点でフィードバックを与えるべきか、適切なタイミングの見極めも重要です。

解決法3:部下の育成とフィードバック

部下の育成は、単に業務の指導を行うだけでなく、個別にフィードバックを提供し、コーチングによって成長を促すことが重要です。

特に、具体的なフィードバックを定期的に行い、改善点を明示することが、スキルアップに役立ちます。フィードバックはポジティブな点と改善が必要な点をバランスよく伝え、部下が自信を持ちつつも課題に取り組めるようにサポートします。

また、部下が自分自身で解決策を見つけられるように、質問形式でフィードバックを進めることも効果的です。

関連記事:リーダーシップとは?リーダーに必要な10のスキルと取るべき8つの行動

悩み4:SFA/CRMをうまく活用できていない

四つ目は、「SFA/CRMをうまく活用できていない」ことです。

営業マネジメントを効率化するために、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)の導入が一般的ですが、ツールの選定や効果的な活用方法に悩むことがあります。

ツールを導入しても、チーム全体が使いこなせなければ効果を発揮しません。特に、ツールが煩雑で使いにくい場合、かえって業務の負担が増えてしまうこともあります。

解決法4: SFAやCRMツールの導入と活用

SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)の導入に関しては、チームのニーズに合ったツールを選ぶことが大切です。

ツール導入後は、メンバー全員が使いこなせるように、適切なトレーニングを行います。

また、ツールが提供するデータを活用して、営業プロセスや進捗を可視化し、リアルタイムでパフォーマンスを管理することが重要です。

導入したツールが業務を効率化できているかを定期的に見直し、必要に応じてカスタマイズや新たな機能の導入も検討する必要があります。

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悩み5:メンバーの営業進捗がわからない

最後に、5つ目は、「メンバーの営業進捗がわからない」ことです。

営業プロセスの可視化は、営業チームのパフォーマンスを向上させるための鍵です。

しかし、プロセスのどの部分に問題があるのかを特定することが難しく、プロセス改善に向けた具体的な手段を見つけるのに悩むことがあります。

データに基づいた判断を行いたいものの、どの指標を重視すべきかが不明確なケースもあります​。

解決法5: 営業プロセスの可視化と改善

営業プロセスの可視化は、成功と失敗を見極め、改善を行うための第一歩です。

まずは、チーム全体の業務フローを整理し、各ステップでのKPI(重要業績評価指標)を明確に設定します。次に、SFAやCRMツールを活用して、各案件の進捗や結果をデータとして蓄積・分析します。

分析結果に基づいて、プロセスのどの部分を改善すべきか特定し、効果的な改善策を導入することで、営業全体の効率を上げることができます。問題点が発見されたら、柔軟に対応策を実施し、チーム全体で共有します。

関連記事:営業の進捗管理の方法とは?7つの管理項目とポイントを解説

SFA/CRMを用いた営業プロセスの管理・マネジメント方法

ここからは、営業プロセスのマネジメントの中でも、

  1. 目標管理
  2. 行動管理
  3. 案件管理
  4. モチベーション管理

の方法を具体的に解説します。

営業情報の分析と管理に最適なSFA/CRM「Mazrica Sales」の実際の操作画面を掲載しておりますので是非ご参考ください。

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①目標管理

経営目標で掲げられた数字を、部門、チーム、個人の目標設計に落とし込みます。

個人の目標については、「どうしてその目標数字になったか」という根拠をしっかりと説明することで目標を達成することの意義を理解してもらいましょう。

そして営業メンバーが目標に対してコミットすることで、パフォーマンスを向上させることができます。

また、「少し高めの数字に設定」することで、成長を促すことも大切です。

関連記事:目標管理の4つのコツ|部下のモチベーションを最大限引き出す

②行動管理

強い営業組織を作るための5つのマネジメント施策 | Mazrica Sales (旧 Senses)  Lab. | 6

営業の行動を数値にもとづいて管理することが、行動管理です。

目標達成できなかったという結果だけを見て「なぜ売れなかったんだ」と詰めるだけでは、何の解決にもなりません。

まずはプロセスごとの数字を分析してボトルネックを見つけます。例えば、ここでクロージング数(率)が低いことが分かったとします。

その際に、クロージングができなかった理由や仮説(価格設定に問題があった、競合に負けた、など)を立て、打ち手を実行していく。

このようなPDCAを回していくことこそが、根本的な課題の解決と営業力の強化に結びつくのです。

関連記事:営業の行動管理とは?管理方法とPDCAサイクルの回し方

③案件管理

5_フッター上部の画像

ボトルネックを排除し、顧客が「買わない理由」を潰すことで、案件を確実に受注できるようにします。

特に、以下のポイントに留意して進捗を管理します。

  • 見込み案件の確度は適正か
  • いつまでも管理表から消えない見込み案件はないか
  • ネクストアクションのタイミングや内容は適正か
  • ネクストアクション通りのフォローは出来ているか
  • 受注のボトルネックに対する打ち手は明確か
  • そのボトルネックを解消出来れば本当に進捗するか
  • 提案内容や提案書のチェック
  • 見込み案件の属性分析と横展開の要因分析
  • 失注理由の分析

また、多くの営業担当者は、すべての案件に同じパワーをかけてしまう(どの案件も全力でやってしまう)傾向にあります。

ですが、受注の確度が低い案件に時間やコストをかけているわけにもいきません。

得られるリターンを最大にするために、パワーをかける案件を見極め全体最適を図るのも、マネージャーの重要な役割です。

関連記事:案件管理/進捗管理システム・アプリ比較10選|おすすめツールを紹介

④モチベーション管理

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モチベーションのない営業が成果を上げることはできません。

しかし、そのモチベーションの源泉が「成果を上げていること」だったりします。

そこでマネジメントとしては、まずは小さな目標を達成させることでモチベーションを上げることが重要になります。

モチベーションの上げ方については、本も多数出ているので、自分に合ったやり方を見つけていただくのがいいと思います。

ただ、ひとつだけ効果的な方法をお伝えするなら、自分の経験談や持論を押し付けないことです。

仕事に対する考え方や意欲などは人によって違いますので、一人ひとりに合った関わり方をするように心がけてください。

「目標管理」「行動管理」「案件管理」「モチベーション管理」をすることで、入力や確認作業など面倒な仕事をできる限り減らし、営業が成果を出しやすく、働きやすい環境をつくることができます。

なお、営業プロセスをSFAで管理することで、マネジメントに必要な膨大な情報を数分で分析して、すぐに次の打ち手を導き出すことが可能になります。

詳しく知りたい方は下記の記事をご参照ください。
関連記事:業プロセスを見える化する2つの方法:ExcelとSFAを徹底比較

営業マネジメントを向上させるポイント

行動を振り返る

営業マネージャーはリーダーシップを発揮して組織の目標達成に導くことが求められます。目標達成し続けるためにも、どんな要因で成功・失敗したのかを定量・定性で振り返る時間も必要です。

営業メンバーから直接フィードバックをもらうことで自分で気づかなかった強みや弱みが発見できるかもしれません。

営業マネジメントの型を作る

個人の努力も必要ですが、組織内でマネジメントの型を作っておくことで新しいマネージャーもマネジメント業務に慣れるのが早くなります。

営業マネージャーになる方は営業で一定の成果を出して昇進してマネジメントの立場になることが多いです。しかしいきなりマネージャーとして成果を出すのは難しいものです。

営業活動だけでなくマネジメントも型化に取り組むと良いでしょう。

営業マネジメントの型が落とし込まれた営業支援ツールの活用も一つの手です。

まとめ

長々と説明をしてしまったので、ここでもう一度、強い営業組織、働きやすい環境を作るための方法を一通りおさらいしておきましょう。

  1. 個々のメンバーに適したサポートと短期目標の設定
  2. メンバーのスキルや経験に合わせた柔軟な目標設計
  3. 定期的な対話を通じて部下の目標や課題を把握し、適切な指導とサポート
  4. 営業プロセスや進捗をリアルタイムで可視化し、効果的な行動管理
  5. データ分析に基づいたKPI設定で、効率的な改善

各施策について個別にお伝えしてきましたが、どれかひとつではなくすべてを一連の施策として捉えることで、相乗効果を生み出すことができます。

“正しいKPIマネジメント” とは?

本ebookでは、KPIという言葉の定義から、KPIマネジメントを実行する上で押さえるべき3ステップを分かりやすく解説。

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