ECサイトを運営していると「なかなか新規顧客を獲得できない」「さまざまなキャンペーンをしてみたい」などの課題を抱えることも少なくないでしょう。
そうしたときにおすすめなのが、MAツールの導入です。
MAツールとは、マーケティング活動を自動化・効率化できるツールで、近年ビジネスを加速させるためのツールが多く登場している中でマーケティング分野での活用が進んでいます。
今回は、ECサイト運営にはMAツールが適しているのか、どのようなポイントで選定すべきか、といった情報をお届けします。
この記事の内容
ECサイトでのMAツールの役割
MAツールの主な役割は「新規顧客の獲得」や「顧客の育成」などがありますが、ECサイトにおいて特に役立つのが「One to Oneマーケティングの実施」です。
One to Oneマーケティングとは、一人ひとりの顧客の購買履歴や興味関心に合わせて、パーソナライズした施策を行うマーケティング手法を指します。
ECサイトにおいては、たとえば以下のような施策があります。
- 閲覧履歴や購買履歴に合わせて、おすすめ商品をレコメンドする
- 特定の商品ページを閲覧した顧客に対してクーポンを発行する
- 購入後の日数の経過に応じてサンクスメールやキャンペーンメールを配信する
- カートに商品を入れたままの顧客に対してレコメンドメールを送る
このようなOne to Oneマーケティング施策により、顧客のニーズに合わせたアプローチができるようになり商品購入やリピート購入を促せます。
また、多くのECサイトで課題として挙げられる「カゴ落ち」の予防にもつながるでしょう。
関連記事:【2025年】MAツール(マーケティングオートメーション)とは?13製品を徹底比較
SFA・CRMとの違い
MAツールと混同されやすいツールに「SFA」や「CRM」があります。
SFAは「営業支援ツール」と訳されるように、営業活動を効率化するための機能が充実しています。
たとえば、顧客情報管理、商談進捗管理、営業アクション管理などです。
主にBtoBの営業組織向けのツールのため、個人客を対象として商談を行わないECサイトでは、SFAは向いていないと言えるでしょう。
また、CRMは「顧客関係管理ツール」と言われ、主に既存顧客との関係性構築のためのツールです。
CRMは既存顧客に対するアプローチを行いリピーターへと醸成するのを得意としているため、「MAツールで新規顧客を獲得してからCRMに情報を連携し、優良顧客へと育成する」というように、CRMとMAツールを連携して活用すると良いでしょう。
関連記事:MA・SFA・CRMの違いとは?特徴や使い方・連携事例まで解説
ECサイト運営でMAツールが重要な理由
ECサイト運営において、なぜMAツールが重要なのでしょうか。
大きな要因として、顧客の購買行動やニーズが変化したことが挙げられます。
インターネットが普及してスマートフォンひとつで簡単にショッピングができるようになり、顧客にとって利便性が向上しています。
その一方、スマートフォンさえあれば手軽にさまざまな情報を手に入れられるようなっているため、顧客の選択肢は膨大です。
そうした中で自社のECサイトを選んでもらうには、適切なタイミングで適切な情報を届け、顧客にとっての「特別感」を演出して関係性を構築する必要があります。
そのため、MAツールを活用したOne to Oneマーケティングが求められているのです。
このように新規顧客の獲得に役立つだけでなく、MAツールは既存顧客の育成にも活用できます。
既存顧客に対してOne to Oneマーケティングを行うことで関係性が深まり優良顧客へと育成できれば、リピート購入やアップセル・クロスセルにもつながりLTVを最大化できます。
ECサイトが成長するためにも、MAツールは重要な存在だと言えるでしょう。
▶︎▶︎MAツールについてより詳しく強いたい方はこちらも併せてご覧ください。
ECサイトにMAツールを導入するメリット
次に、ECサイトにMAツールを導入することによるメリットを見ていきましょう。
マーケティング業務が効率化できる
MAツールはマーケティングを自動化・効率化できる機能が充実しています。
たとえば、これまではメルマガを配信する際、顧客リストからメールアドレスをコピーして宛先に貼り付けたり、複雑なタグを記述してHTMLメールを作成したりするなど、大きな手間が発生していました。
しかしMAツールにはメール配信機能があるため、メルマガ配信における手間を大きく削減できます。
他にも多様な機能が備わっているため、MAツールを活用することでマーケティング業務にかかる工数を削減でき、他の業務に充てる時間を確保できるようになります。
顧客ごとに最適なアプローチができる
一人ひとりのニーズや価値観は異なるため、画一的なアプローチでは成果につながりません。
そこでMAツールを活用すると、顧客の属性や購買履歴などの情報を一元管理できるため、各顧客に最適なアプローチができます。
たとえば「閲覧した商品に関連する商品を提案する」「一定期間取引のない顧客にキャンペーンメールを送る」など、細やかなアプローチやフォローができるようになり、顧客満足度の向上につながるでしょう。
施策の効果測定ができる
MAツールのメリットとしては、実行した施策の効果測定ができる点も挙げられます。
メルマガであれば開封率やクリック率などを測定でき、そこからどのくらいの顧客が購入に至ったかも可視化できます。
そのため、施策の費用対効果を測定しやすく、より成果の高い施策にコストを配分できるでしょう。
また、施策の成果が低くても、数値データとして結果が可視化されているため原因を特定しやすくなります。
施策のボトルネックを特定することで、施策を改善してブラッシュアップしていけるでしょう。
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データドリブンな課題の特定と改善ができる
MAツールはさまざまなデータを収集・測定できるため、データドリブンなECサイト運営が可能になります。
データドリブンとは、経験や勘に頼ることなく、数値として示されるデータを基に意思決定することです。
経験や勘に頼っていると、誤った施策を打ち出してしまいコストを無駄にしかねません。
しかしMAツールを用いて分析すると、今まで見えていなかった課題が見つかるようになり、サイトの改善や施策のブラッシュアップができるようになります。
関連記事:データドリブンマーケティングとは?成果を出す5ステップと事例紹介
MAツールの機能一覧
MAツールはECサイト運営を効率化するだけでなく、LTVを最大化させて事業の成長にもつながる可能性を秘めています。
それでは、MAツールにはどのような機能が搭載されているのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
リード(見込み顧客)情報の管理機能
MAツールには、リード(見込み顧客)に関するあらゆる情報を一元管理できる機能があります。
リードの氏名・連絡先・居住地などの基本情報だけでなく、これまでのお問い合わせ履歴や購買履歴などのさまざまなデータを包括します。
LPや問い合わせフォーム作成機能
LP(ランディングページ)や問い合わせフォームを作成できる機能も搭載されています。
プログラミングやコーディングのスキルがなくても簡単に作成できるため、LPから問い合わせフォームへと誘導してリードを獲得するという一連のフローを設計しやすくなります。
メール一斉配信機能
メールマーケティングは、ECサイトのマーケティング施策の中でも重要な施策の一つ。
MAツールにはメール一斉配信機能があり、登録されている顧客全員に対するメール配信や、グループ分けした顧客リストに対するメール配信が可能です。
開封率やクリック率の測定もできるため、タイトルや配信時間などを変更してABテストを実行できます。
Webアクセス解析機能
MAツールを活用するとWebサイトへのアクセス履歴の解析もできるため、「いつ、誰が、どのページを閲覧したか」というデータを収集できます。
多くの顧客が関心を寄せる商品を特定したり、顧客ごとの興味関心を把握したりできるでしょう。
スコアリング機能
MAツールの中には、スコアリングという機能が搭載されているものもあります。
スコアリングとは「メルマガを開封したら1点」「クリックしたら2点」などと、顧客の行動に応じてスコアを付与していく機能です。
高いスコアであるほど見込み度が高いと判断できるため、「○点以上の顧客にはキャンペーンメールを送る」「○点以下の顧客にはクーポンを発行する」など、見込み度に合わせた施策を展開できます。
シナリオ作成(キャンペーン管理)機能
シナリオ作成機能とは、顧客の行動やタイミングなどに応じてどのようなアクションを展開していくのか設計できる機能です。
たとえば「ページAを開いた顧客にはクーポンを発行する→クーポンで購入した顧客には特別キャンペーンを案内するメールを送る」など、複雑なシナリオを設計できます。
設計したシナリオ通りにアクションが自動で展開されていくため、人手を必要とせず施策を実行できるのがメリットです。
ECサイトに適したMAツールの選び方
近年、さまざまな種類のMAツールが登場しているため、どれを選べば良いのかわからないという人も少なくありません。
そこで、ECサイト向けのMAツールを選ぶ際のポイントを紹介します。
関連記事:MA(マーケティングオートメーション)ツールの選び方5選!自社に合うMAとは?
メール配信機能が充実している
ECサイトでは、クーポン配布やキャンペーン告知、新商品のお知らせなど、幅広い場面でメールを活用します。
そのため、メール配信機能が充実しているMAツールを選ぶと良いでしょう。
一斉配信機能はもちろんですが、顧客のアクションに応じて段階的にメールを配信していく「ステップメール」を配信できる機能や、グループ分けした顧客に最適化した「セグメントメール」を配信できる機能などが搭載されていると便利です。
顧客データの管理がしやすい
ECサイトは膨大な顧客が利用するため、顧客データの管理に優れているMAツールを選びましょう。
顧客の記事本情報だけでなく、Web閲覧履歴や購入履歴なども一元管理できると、情報が一カ所に集中されるため効率的です。
自社サイトに必要な機能があるか
MAツールと一口に言っても、メール配信や問い合わせフォーム作成など限定的な機能のツールから、スコアリングやシナリオ設計まで網羅しているツールまで多岐にわたります。
機能が多ければ良いというわけではなく、自社のECサイトに必要な機能が搭載されていることが重要です。
それぞれのMAツールの機能を確認し、自社のECサイトにとって必要かどうか判断しましょう。
サポート体制が十分か
MAツールの導入・運用には一定のリソースやスキルが求められます。
慣れていないと、使い方がわからなかったり、うまく設定・設計できなかったりして、当初期待していたような成果につながりません。
そのためサポート体制が整っていると安心です。
ただし、MAツールのベンダーによって「メールのみのサポート」や「毎月定例ミーティング」などサポートの内容が異なるため、それぞれ違いをチェックしましょう。
▶︎▶︎MAツールの比較についてより詳しく知りたい方は、併せてこちらもご覧ください。
まとめ
ECサイトの売上が頭打ちになっていると感じていたら、MAツールの導入を検討してみましょう。
本記事で紹介したように、MAツールはECサイト成長のカギを握る可能性があります。
自社に最適なMAツールを選び、マーケティング活動の成果を高めましょう。
Mazrica Business Labでは、複数のMAツールを比較した資料をご用意しております。
主にBtoB向けMAツールを紹介していますが、ECサイトにも活用できるMAツールも多いため、ぜひダウンロードして参考にしてみてください。
この記事を監修した人

- Mazrica Business Lab.編集部
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